VWとディーゼル排気問題 (1)

無効化機能装置と事の発端

2015/10/21

要 約

WVU報告書表紙
(資料WVU報告書表紙)

 
 VWの不正問題からディーゼルの将来に暗雲がたちこめている。ディーゼルの本場欧州でくすぶっていたNOx(窒素酸化物)問題が米国で火がついた。

 排気試験の定められた条件下で測定された値が、実走行時は、走行条件やドライバーのばらつきから乖離がでるオフサイクル問題というものがある。欧州では2014年にEuro 6(最新排気規制)が導入された時にもディーゼル車排気でこれが問題となったようである。しかしながらその原因の一つが条件の違いではなく、VWの場合、ごまかしであった事は全世界に衝撃を与えた。しかも世界1、2位を争うメーカーが行った事である。

 今回米国のICCT(International Council for Clean Transportation)とWVU(West Virginia University)によるVW2.0 Lディーゼル車の一般道での試験結果はNOx排出量がオフサイクル問題では説明がつかない程高く、実は無効化機能装置(Defeat Device)があった事が明確となった。

 本レポートでは現在明らかになった事とその経緯・背景について報告する。


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