トルコ:Fordは欧州の商用車開発と生産を集約
現代自が乗用車生産能力を20万台に倍増、トヨタとホンダが新型車生産を検討
2013/05/14
- 要 約
- 生産の内訳:FordとTofas (Fiat)が商用車を中心に生産
- トルコ政府が自動車産業への投資インセンティブを発表
- Fordは、欧州の商用車開発と生産を集約
- 現代自動車:乗用車生産能力を、2013年末に20万台に倍増
- Renault:2012年秋に新型Clio、Fluence、Symbol 3車種の生産を開始
- トヨタが新型Corollaを生産、ホンダがUrban SUV Concept生産を検討
- メーカー別トルコ国内販売台数とシェア
要 約
トルコでの生産台数は2007年に初めて100万台を超え、リーマンショック後の2009年には生産台数が869,605台へ前年比24.2%減少したが、2010年以降は110~120万台レベルを維持している。
トルコの自動車産業は、欧州を中心とした地域への輸出基地となっており、生産台数の7割前後を輸出している。トルコは7,500万人の人口を有し(2012年12月現在)、国内市場は数年前の50万台レベルから80~90万台レベルに拡大した。トルコ国内で生産される車種は限定されているため、輸入車が国内販売台数の約6割(乗用車では7割強)を占めている。
トルコ政府は、2012年と2013年、自動車産業強化に向け投資インセンティブを拡大した。自動車輸出金額を、現在の約250億ドルから2023年に750億ドルに拡大する計画。
Fordは欧州事業リストラの一環として英国の2工場を閉鎖するが、トルコの生産体制を強化して英国でのTransit生産を移管する。第3工場を建設し、トルコを欧州の小型商用車開発・生産拠点とする。
現代自動車は、2013年5月に発効したトルコ・韓国FTAも活用して事業を拡大する計画で、乗用車生産能力を、2013年末までに20万台に倍増する。
Renaultは、2012年秋に発売した新型Clioの生産をトルコ工場とフランスのFlins工場で開始した。生産台数の両工場への割振りについてフランス政府と対立していたが、2013年1~3月の実績では、トルコ工場で約6割、フランスのFlins工場で約4割を生産している。Renaultは、新型Fluenceと新型Symbolの生産も開始した。
日本自動車メーカーでは、トヨタは2013年6月から、次期型Corollaセダンを生産する。ホンダは、次期型FitベースのUrban SUV Conceptの生産を検討中とされる。
![]() 2013年Detroitオートショーに出展された "2014 Ford Transit Connectワゴン" (欧州ではTourneo Connectのモデル名で発売する) |
![]() トヨタが2013年6月から生産するとされる "Corolla Furia Concept" (2013年Detroitオートショーから) |
トルコ:生産、輸出台数と国内販売台数
2008年 | 2009年 | 2010年 | 2011年 | 2012年 | 2012年 1~3月 |
2013年 1~3月 |
|
---|---|---|---|---|---|---|---|
生産 輸出 |
1,147,110 910,261 |
869,605 628,970 |
1,094,557 754,469 |
1,189,131 790,966 |
1,072,978 729,923 |
281,240 200,383 |
277,146 205,373 |
新車小売販売 現地生産車 輸入車 |
526,544 220,457 306,087 |
575,869 261,948 313,921 |
793,172 327,764 465,408 |
910,867 372,335 538,532 |
817,620 305,926 511,694 |
144,003 56,929 87,074 |
160,443 51,481 108,962 |
輸出/生産 輸入/販売 |
79.4% 58.1% |
72.3% 54.5% |
68.9% 58.7% |
66.5% 59.1% |
68.0% 62.6% |
71.2% 60.5% |
74.1% 67.9% |
資料:トルコ自工会 (OSD, Otomotiv Sanayii Dernegi)
(注)青字記載は、新車小売販売台数の内数。
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