中国の2012年自動車販売:4.3%増の1,931万台

反日デモで日本車不振、3車型で中国モデルが首位、自動車貿易は好調

2013/02/21

要 約

中国の年次別車種別自動車販売推移 中国の2012年自動車新車販売 (工場出荷ベース:輸出を含み、輸入車販売を除く) は、前年比4.3%増の1,931万台に止まった。乗用車は7.1%伸びたものの、商用車が5.5%減と不振であった。2009年と2010年の二桁の高成長に比べて、2011年も2.5%増にとどまっており、ここ2年市場の成長は大きくに減速している。
 グループごとの自動車販売は、上海汽車集団(SAIC)と北京汽車集団のほか、長城汽車や吉利控股集団(Geely)など新興自動車メーカーが好調な輸出に支えられ販売業績を伸ばした。上位11社の販売シェアは中国自動車販売全体の約9割に到達している。

 乗用車販売について、ブランド別では、2011年前年比0.1ポイント微減した日本ブランドが2012年8月に領土問題に端を発した反日デモの影響などでシェアが前年比2.7ポイント減の16.9%と大きく後退した。一方、他の外資系、とりわけ、VWやGMを筆頭とした欧米ブランドの市場シェアが同2.1ポイント増の21.7%と大きく拡大した。
 また、排気量別販売では、1L超~2.0L以下モデルは大きく伸びた。MT搭載車のシェアは引き続き縮小している。車型別の販売では、微型バン/MPV/SUVの3車型で中国モデルが首位になった。

 自動車貿易では、輸出は初めて100万台を超えた。とりわけ、奇瑞汽車(Chery)や吉利控股集団および力帆実業集団(Lifan) などの新興乗用車メーカーが大きく貢献した。また、輸入は前年と同じく100万台超えており、前年比では9.0%/9.3万台増と113万台を超過した。



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