中央発條株式会社 2006年度の事業動向

ハイライト

業績

単位: 
百万円
2007年
3月期
2006年
3月期
増減率
(%)
要因
売上高 92,972 89,717 3.6 ・シャシばねの売上高は、前年度に比べ重ね板ばねが25.9%増加し、全体では6.0%の増加。
・精密ばねの売上高は、線ばねが4.1%、薄板ばねが11.4%、それぞれ増加し、全体で7.7%の増加。
・ケーブルの売上高は、コントロールケーブルが6.8%増加し、全体では4.3%の増加。
営業利益 1,379 1,797 (23.3) ・鋼材の値上りや減価償却費、経費の増加などにより減益。
経常利益 1,881 2,095 (10.2) 売上高の増加による付加価値の増加や、合理化改善活動などの増益要因はあったものの、原材料をはじめとする諸資材の高騰や、売上価格の変動などの減益要因の影響。
当期純利益 1,275 1,222 4.3 投資有価証券売却益、固定資産売却益などを特別利益に、過年度製品保証費用などを特別損失に計上。

事業展開
海外では米国カリフォルニア州と中国天津地区において新工場の稼動に向け、国内では長崎県と青森県において新たな子会社の設立に向け、準備を進めた。

開発動向

2007年3月期の研究開発費の総額は349百万円

2007年3月期の主な成果
シャシばね事業
「冷間成形横力制御ばね」: 多くの乗用車で採用され、最高級乗用車やグローバルカーなどへの展開が進んでおり、国内はもとより海外の各拠点での生産を開始。この「冷間成形横力制御ばね」の生産は大きく増加しており、量産品質を確保するための生産技術開発の取り組みも実施している。また、将来のシャシばね技術競争に対応するために新しい横力制御技術の開発や新しい表面処理技術の開発も進めている。

精密ばね事業
・自動車エンジンの高性能化・高回転化に対応する新規開発材料を使用した新高強度弁ばねの開発が完了し、カーメーカーの採用が決定。
・排気系耐熱ばね部品では、耐熱温度が最高グレードの新超耐熱材の開発が完了し、さらにレアメタルの低減に向けた活動にも注力。
・シート跳ね上げ用渦巻きばねの性能向上、新規薄板ばねの新たな製造技術の開発及び精密プレス製品の試作拡大なども展開している。


ケーブル事業
・国内最高級乗用車向けに電動パーキングブレーキシステム用ケーブルの開発では、顧客の設計部署と連携を強化したデザインインによりスムーズな立ち上げを実施。
・撚り線の基礎理論研究からシミュレーション技術開発に至るまでの新たな技術開発への取り組みを行い、技術的な目処付けまで完了。


技術援助 (2007年3月現在)

供与先 国名 契約品目 契約期間
Supreme Spring (A Division of Metindustrial (Property) Ltd.) 南アフリカ 自動車及び鉄道車両用シャシばね 1984年3月31日から5年間(自動延長)
Metex Corporation 米国 ニットメッシュ 1994年6月1日から5年間(自動延長)
Knitmesh Limited 英国 ニットメッシュ 1991年4月1日から5年間(自動延長)
Dura Automotives Limited 英国 コントロールケーブル 1995年6月2日から10年間(自動延長)

技術援助 (2006年3月現在)
供与先 国名 契約品目 契約期間
SUPREME SPRING (A Division of Metindustrial (Prooerty) Ltd.) 南アフリカ 自動車及び鉄道車両用シャシばね 1984年3月31日から5年間(自動延長)
Metex Corporation 米国 ニットメッシュ 1994年6月1日から5年間(自動延長)
Knitmesh Limited 英国 ニットメッシュ 1991年4月1日から5年間(自動延長)
Dura Automotives Limited 英国 コントロールケーブル 1995年6月2日から10年間(自動延長)

設備投資

2007年3月期の設備投資は、総額で5,585百万円

能力増強、新製品対応、省エネ、合理化が中心

シャシばね事業:  Central Spring, Inc.の新工場建設及び熱間コイルスプリング製造ライン新設、冷間コイルスプリング製造ライン、オイルテンパー線加工ラインの能力増強及び合理化、藤岡第8工場の新設を中心に実施。

精密ばね事業:  皿ばね製造ライン及びバルブスプリング製造ラインの能力増強及び合理化を中心に実施。

ケーブル事業:  新製品対応及び既存設備の合理化・品質対応を中心に実施。


国内投資
長崎県にに製造子会社、青森県に設計・開発の子会社を4月初旬に設立すると発表した。新会社名は製造会社が「長崎中発」、設計開発会社「中発テクノ」で、 どちらも同社が全額出資する。長崎中発は、冷間コイルばねを中心とした製造子会社で、長崎県大村市に設立する。従業員数は約70人。主な納入先はトヨタ自 動車九州、ダイハツ九州、大井製作所九州工場。生産開始時期は2008年2月ごろで、生産品目は08年に冷間コイルばね、09年にコントロールケーブル、 10年に精密ばね、と順次立ち上げていく予定。中発テクノは、自動車部品の設計・開発を行い、青森県八戸市の北インター工業団地に設立する。従業員数は約 30人。地元志向の優秀な技術者の確保と、開発・設計・評価業務の充実を図る。(2007年3月1日付日刊自動車新聞より)

海外投資
米国カリフォルニア州でコイルスプリングの新工場を建設11日に開所式を実施したと発表した。7月をめどに月産3万-3万5千本のペースでコイルスプリン グの生産を開始する。投資額は約1千万米ドル。新工場の開設により、従来の各種ばね製品に加えて、コイルプリングの製造販売事業を本格的に展開、現地の自 動車メーカーなどへ供給する。(2006年5月15日付日刊自動車新聞より)

新設及び改修計画(2007年3月現在)
会社名 種類 設備計画内容 予定金額
(千円)
着手及び完成年月
本社 機械装置 シャシばね製造工場 1,152,433 2007年1月 - 2008年3月
機械装置 精密ばね製造設備 367,393 2006年12月 - 2008年3月
機械装置 ケーブル製造設備 121,787 2007年4月 - 2008年3月
工具 型、治工具 115,420 2007年4月 - 2008年3月