太平洋工業 2006年度の動向

ハイライト

業績
単位: 
百万円
2007年
3月期
2006年
3月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 82,641 68,277 21.0 プレス・樹脂製品事業、バルブ製品事業ともに好調。売上高過去最高を記録。
経常利益 4,475 3,439 30.1 同社および北米プレス事業の業績が前年度を上回ったことによる増益。経常利益過去最高を記録。
当期純利益 3,144 1,147 174.0 -
プレス・樹脂製品事業
売上高 60,308 51,392 17.3 国内:主要顧客の自動車生産台数の増加や、車種構成の変化により増収。

海外:台湾での自動車生産減少の影響があったが、米国子会社の樹脂事業開始やプレス事業の業容拡大により増収。
営業利益 1,918 1,660 15.5 -
バルブ製品事業
売上高 21,629 16,246 33.1 タイヤバルブ・バルブコア製品の販売伸長。また、TPMS製品(直接式タイヤ空気圧監視システム)は搭載車種拡大に対応するため設備投資を行った結果、販売増加。
営業利益 1,906 1,390 37.1 -

国内動向
- 2006年6月、トヨタ自動車などの九州地区の自動車メーカーの生産増加に対応するため、九州新工場の建設を発表。

- 2006年10月、タイヤ空気圧監視システム(TPMS)の生産能力増強を決定。

>>>詳細は設備投資 参照

海外動向

米国の連結子会社2社を合併。合併するのは米国の太平洋工業100%出資子会社であるパシフィック・マニュファクチャリング・オハイオ(PMO)と米国パシフィック・インダストリーズ・エア・コントロールズ(PIA)の2社。両社ともにオハイオ州に本拠をおき、PMOは自動車用プレス部品の製造、PIAは各種タイヤ用バルブを製造している。このたびの子会社合併は、北米事業の経営管理体制を一元化し、経営の効率を図るのが目的。PMO社が存続会社となり、PIA社は解散する。PMOは自動車用プレス部品の製造、PIAは各種タイヤ用バルブを製造しており、両社ともにオハイオ州にある。(2007年3月22日付けプレスリリースより)

開発動向

研究開発活動(2007年3月期)
事業
セグメント
研究開発
費用
(百万円)
研究開発内容
全社計 1,012
-
プレス・樹脂製品 179


-第一事業部の技術部ではナノテク材を応用開発した高分子材料と発泡成形技術開発による防音・防振性に優れたサイレンサーを組み合せた、軽量で防音・防振機能を有する樹脂製品の量産化を行った。また、送風技術を活用した新製品の開発や、環境負荷低減のため塗装を要しない加飾化技術を用いた製品の開発などを行った。

-第一事業部の生産技術部では、アルミ板材の最適接合工法を検証し量産化するとともに、負荷の変動に対応可能で生産性・省スペース性に優れた汎用溶接設備を設計・導入。また、環境面におけるVOC(揮発性有機化合物)低減のため水溶性塗料の開発に注力。

バルブ製品 651
-第二事業部の技術部では、タイヤバルブ関連製品について、環境負荷物質を低減した親環境製品、軽量化を目指した製品の研究を進めた。制御機器関連は、CO2を冷媒とするエアコンへの対応製品や、省エネ法改定に対応した新製品開発に注力。また、レジャー用マイコン機器は、軽量化、小型化した新製品を開発。

-第二事業部の生産技術部では、自動車用制御機器関連製品を切削から冷間鍛造化して原価低減を図る技術を確立し、生産準備を開始。また、自動車用駆動系部品をプレス加工により生産する技術を開発し、量産を開始。

-TPMS事業部の技術部では、乗用車用TPMS(直接式タイヤ空気圧監視システム)の次世代の送信機の開発に注力するとともに、環境負荷低減のための開発も推進。
全社共通 170
-技術本部において、基盤技術の研究に産学連携して取り組み、冷媒回路における音の発生原因の研究、シール機構の解明の研究などを行い、それらにより得られた知見を製品に適用すべく検討を行った。また、次世代TPMSの要素技術開発や、環境に配慮した新しい樹脂成形技術の深化、新規樹脂分野の開発および接合分野の新技術開発に取り組んだ。

設備投資


-

金額
(百万円)
内訳および目的
全社 13,486 -
プレス・樹脂製品事業 11,488

国内:7,730百万円
九州工場の新設、東大垣工場第3工場の建設、自動車の新型モデル用金型等の新製品対応・増産

海外:3,758百万円
中国・天津におけるプレス新生産拠点、北米樹脂製品事業等の新製品対応・増産

バルブ製品事業 1,950 TPMS増産対応、新製品対応

国内投資
福岡県鞍手郡小竹町に新工場を建設する。トヨタ自動車などの九州地区の自動車メーカーの生産増加に対応して、品質・納期の要求に対応 するとともに、物流費削減を狙いに九州に進出する。同社は自動車用の車体プレス部品や樹脂製品を生産。九州地区の自動車メーカー向けには現在、岐阜県大垣 地区から輸送している。新工場は、第1期工事として延べ床面積2,160平方メートルの工場を建設し、樹脂製品の生産とプレス部品の溶接加工を行う。 2007年初めに本格操業に入る予定。第2期工事では、延べ床面積約1万平方メートルの工場を2007年末までに建設し、車体プレス製品を生産する。九州 新工場の第2期工事完成後の売り上げは年間約30億円を見込んでいる。(2006年6月6日付日刊自動車新聞より)

タイヤ空気圧監視システム(TPMS)の生産能力を増強する。北大垣工場(岐阜県安八郡)で2006年8月にTPMSを生産する第4 ラインを増設したのに続き、2007年に第5ラインを新設する。米国でTPMSの装着が義務付けられるほか、国内の高級車向けの需要も好調に推移している ことから、生産体制を強化する。TPMSの米国でのシェアは10%だが、これを中長期的に25%にまで引き上げる意向。(2006年10月4日付日刊自動 車新聞より)

設備の新設計画
会社名・
事業所名
(所在地)
事業
セグメント
設備の
内容・
目的
投資
予定額
(百万円)
着手 完成後の
増加能力
完了予定
太平洋工業
西大垣工場
(岐阜県大垣市)
プレス・
樹脂製品
新製品対応 5,079 2006年06月 生産能力
10%増加
2008年09月
維持更新等 856 2006年09月
2009年03月
太平洋工業
東大垣工場
(岐阜県大垣市)
プレス・
樹脂製品
新製品対応 1,813 2006年07月 生産能力
20%増加
2008年09月
自動化等 1,790 2006年06月
2008年09月
太平洋工業
養老工場
(岐阜県養老郡)
プレス・
樹脂製品
増産等 805 2006年12月 生産能力
5%増加
2008年08月
太平洋工業
九州工場
(福岡県鞍手郡)
プレス・
樹脂製品
新製品対応等 2,674 2006年08月 2007年1月から
一部稼働開始
2008年04月
太平洋工業
北大垣工場
(岐阜県安八郡)
バルブ製品 新製品対応 1,187 2006年09月 生産能力
15%増加
2008年08月
増産 901 2006年02月
2008年11月
合理化等 592 2006年01月
2008年06月
太平洋工業
美濃工場
(岐阜県美濃市)
バルブ製品 合理化等 155 2006年11月 -
2008年05月
太平洋工業
本社など
- 福利厚生等 897 2007年02月 -
2008年09月
Pacific Industries USA Inc.
(米国 オハイオ州)
プレス・
樹脂製品
バルブ製品
新製品対応等 1,678 2007年01月 生産能力
10%増加
2007年12月
太平洋汽門工業股份有限公司
[Pacific Valve (Taiwan) Co., Ltd.]
(台湾 台中市)
プレス・
樹脂製品
バルブ製品
新製品対応等 167 2007年01月 生産能力
15%増加
2007年12月
太平洋バルブ工業株式会社
[Pacific Valve Industrial Co., Ltd.]
(韓国 梁山市)
バルブ製品 新製品対応等 20 2007年01月 -
2007年12月
Pacific Industries (Thailand) Co., Ltd.
(タイ チャチョンサオ県)
バルブ製品 新製品対応等 29 2007年01月 -
2007年12月
青島太平洋宏豊精密機器有限公司
[Quingdao Pacific Hongfeng Industrial Co., Ltd.]
(中国 青島市)
バルブ製品 新製品対応等 50 2007年01月 生産能力
30%増加
2007年12月
天津太平洋汽車部件有限公司
[Tianjin Pacific Auto Parts Co., Ltd.]
(中国 天津市)
プレス・
樹脂製品
新製品対応等 2,315 2007年01月 2007年4月から
一部稼働開始
2007年12月