原田工業株式会社 2006年度の動向

ハイライト

業績
単位:百万円 2007年3月期 2006年3月期 増減率(%) 要因
全社
売上高 23,181 22,470 3.2 -
営業利益 1,507 1,606 (6.2)
経常利益 1,496 1,520 (1.5)
当期純利益 861 1,112 (22.5)
自動車関連機器事業
売上高 21,167 20,789 1.8 為替レートの影響及び自動車用マニュアルアンテナの売上増加等により、増収。
営業利益 1,587 1,894 (16.2) 原価率の上昇等により、減益。

受注
フォード・モーターから米国向けの衛星ラジオ用アンテナと、欧州フォード向けのガラスアンテナをそれぞれ初受注した。いずれも複数のラジオシステムやGPS(全地球測位システム)、携帯電話などのアンテナを統合した“複合アンテナ”で、こうした一体化技術が評価を受けて新規受注を獲得した。このほど一部仕様の納入を開始、順次、供給を本格化する計画。米国の新規納入規模は初年度16万台分。フォード向けの実績を生かして、海外での複合アンテナの拡販に結びつける。(2006年6月28日付日刊自動車新聞より)

米国子会社がフォード・モーターとダイムラークライスラーから、自動車用アンテナなどの大型受注を獲得したと発表した。2007年から供給を開始する。既存取引分と合わせ、2009年までに65億円の売り上げを見込んでいる。(2006年12月4日付日刊自動車新聞より)

海外事業
自動車用アンテナを中心にアジア事業を拡大する。3年後をめどに、日本を除くアジアの売上高を2005年度比約2・5倍に引き上げる計画。同社では、中国やタイで増産を計画する日系自動車メーカー向けの納入拡大にめどがつき、また、2006年からは韓国車メーカーに納入を開始する。これに加え、欧米自動車メーカーのアジア生産拠点向けの受注開拓にも取り組む。アジア事業の売り上げは大半が自動車用アンテナで、2005年度が約8億円。これを2008年度に20億円規模に拡大することを目標とする。上海事務所の体制強化を検討しながら、受注開拓を急ぐ。(2006年7月21日付日刊自動車新聞より)

今後の課題
2007年度を起点とする第8次中期経営計画(3ヵ年)を策定。

1. 目標:連結売上高30,000百万円
2. コア技術を活かし、新事業領域を開拓
3. 「HARADA」標準の確立
①開発力の深化 ②製造技術力の進化 ③トータルコスト力の深化
4. 良質な組織風土と財務基盤の実現

開発動向

2007年3月期の研究開発費の総額は1,142百万円。
内、自動車関連機器事業で975百万円。

自動車アンテナ分野
・世界各国におけるTV・ラジオ放送のデジタル化に伴って、本格的なデジタル放送化に対応するため、開発に取組んでいる。
・地上波デジタルTV用アンテナ開発が完了し、量産を開始。
・デジタルTV用アンテナ、ETC車載用アンテナにおいて、低コスト化を進めると共に、他メディアとの複合化を検討。

次世代自動車アンテナ分野
・衛星ラジオ車載アンテナの複合化が進み、衛星ラジオ複合アンテナは08年モデルの車両に向け、納入を開始。
・テレマティクスサービス用複合多機能アンテナシステムの開発が完了、EU自動車メーカー及び国内自動車メーカーに納入。

先行開発提案
・トランク内蔵アンテナや、超小型デジタルTVアンプ、更には衝突防止レーダー用アンテナの開発に取組んでいる。

既存分野のアンテナ

・自動車メーカーへのゲストエンジニア駐在を積極的に実施し、複合ルーフアンテナ、ショートポールタイプルーフアンテナの開発や、ガラスアンテナ用アンプモジュールの高性能化、低コスト化を目指し開発を推進。また、ガラスアンテナパターンの開発も着手し、成果を上げつつある。

アンテナ関連機器分野
・ノイズフィルタの小型化、標準化を実現し、受注を確定するとともに、バリエーションを増加させ全世界に向けプレゼンテーションを実施。

自動車用制御機器分野
・ドアロック用アクチュエータでは、北米向けに量産化開発を開始し、製品バリエーションを増やしつつある。
・既存製品の低コスト化開発を進めつつ次世代自動車アンテナの革新的な機構開発に注力。

「PALUSE(パルウス)」シリーズで培ったアンテナ技術を駆使した高性能アンテナと高感度ワンセグ受信チューナーユニットがセットされた「車載用地上デジタルTVチューナー[HDT-101]」を新たにラインアップ。 ダイバーシティシステム搭載など同社の高度なアンテナ技術を採用し、受信感度を追求。トップクラスの安定受信に加え、機能面でも性能・機能・品質を高次元で実現した。 (2007年3月27日付けプレスリリースより)

設備投資

設備投資費
2007年3月期は、移動体通信関連の高度化等に対応するため自動車関連機器事業、通信関連機器事業を中心に622百万円の設備投資を実施。
内、自動車関連機器事業では、生産設備、研究開発設備等の充実を図るため581百万円。

カーメーカーからの受注増にあわせ、北米の生産能力を増強する。受注したのは、フォード向け、ダイムラー・クライスラー向けのいずれもマニュアル式アンテナ、中継ケーブルなどで、メキシコ工場の生産ラインを20本増設し、2007年1月から本格稼働する。増産分の売上高は2007-2009年度の3年で65億円の見通し。「チャプター・イレブン」を申請し生産を停止した米の老舗アンテナメーカーの納入分を引き受けるもので、3-4カ月の短期で増産準備をこなす。こうした柔軟性の高い生産対応力をいかして、次期モデル用アンテナの受注獲得に結びつける。増産投資は1億5千万円、メキシコ工場のライン数は約90本に拡大する。(2006年12月16日付日刊自動車新聞より)