プレス工業株式会社 2006年度の動向

ハイライト

業績
単位:百万円 2007年3月期 2006年3月期 増減率(%) 要因
全社
売上高 175,858 147,053 19.6 -
営業利益 10,249 8,721 17.5
経常利益 9,862 8,699 13.4
当期純利益 5,164 5,135 0.6
自動車部分品部門
売上高 116,415 91,290 27.5 タイのTHAI SUMMIT PKK CO., LTD.グループ4社を連結子会社としたこと等による増収増益。
自動車組立部門
売上高 25,019 26,293 (4.8) マツダのトラック系商用車の組立台数の減少
自動車用プレス金型及び組立機器部門
売上高 3,514 6,126 (42.6) 金型の受注減少

国内事業
PPW活動(PressKogyo Production Way)を推進し、固有技術と管理技術の向上に努め、コア商品の競争力を高めるとともに、生産性向上を目的として、いすゞ自動車の新型エルフのフレームラインの設置を行うなど、生産工程や工場間のムダを省く次世代ラインの構築を進めた。

海外事業
コア商品のグローバル展開を進めるため、アジア・欧米等で積極的な営業活動を展開。

米国: フレーム、アクスルのコア商品の積極的な営業活動を行った。

タイ: THAI SUMMIT PKK CO., LTD.グループ4社の株式を追加取得して連結子会社化し、経営体制を強化するとともに、同国におけるピックアップトラックの増産に対応した。連結子会社化した4社は、プレス部品の生産や金型のメンテナンスを行う会社で、統括会社PRESS KOGYO (THAILAND) CO., LTD.が中心となり、開発設計から製造、品質保証まで各社の連携をより強化する方針。

中国: 大型トラック・バス用のアクスル製造を目的とする普利適優迪車橋(杭州)有限公司(PK-UD AXLE CO., LTD.)の生産拠点が完成。

今後、国内の普通トラック需要の減少が確実視されるためグローバル化を加速し、2008年度をめどに海外売り上げ比率を、現状(06年度実績)の約2・4倍にあたる29%に引き上げる。(2007年2月14日付日刊自動車新聞より)

開発動向

2007年3月期の研究開発費の総額は、116百万円。

研究開発活動

①自動車部分品部門
試験法確立、性能評価能力の拡充、溶接やプレス加工に関する新加工方法開発、基礎要素技術の標準化を図った。コア商品のハイテン化、製品の世界生産に備え、薄板から厚板まで、ハイテン材の溶接やプレス加工、塗装に関する基礎データ、材料評価を行った。

②全社共通
環境への影響を低減できる新商品の提案、工法の開発、デジタル・エンジニアリング等の開発手段の構築に取り組んでいる。

設備投資

2007年3月期の設備投資は総額6,462百万円。

-コア商品(フレーム、アクスル、サスペンション、建設機械用キャブ)の新規受注に対応するための生産体制確立、コストの削減及び品質の向上に重点をおき、設備投資を行った。

事業部門 金額(百万円)
自動車部分品 6,258
自動車組立
建設機械用部分品
自動車用プレス金型及び組立機器 159
その他 44
合計 6,462

いすゞ自動車向け中型トラックフレームの生産を川崎工場(神奈川県川崎市)から藤沢工場(同藤沢市)へ移管する。5月をめどに設備の移管や新設などの作業を完了し、本格生産を開始する。主力取引先であるいすゞの工場近隣に移すことで、同期生産などの生産性向上策を徹底するほか、物流コストの削減などに結びつける。いすゞ自動車の中型トラック出荷台数は約3万5千台(06年実績)だが、移管後も同程度の生産能力を維持する。(2007年3月5日付日刊自動車新聞より)

海外事業の拡充に向け、タイの生産能力を増強する。ピックアップトラック向けのフレーム、アクスル(車軸)など主力製品の生産性向上や新たな設備導入を進め、2010年をめどに、生産能力を現状より3割引き上げる。主力取引先である日産と三菱、いすゞ3社のピックアップ生産能力は、07年中に約45万台に達する見通し。顧客の増産に対応し十分な供給体制を整える。今後も成長が期待できるタイの生産体制を強化し、中期目標として掲げる海外売上比率30%(06年度24%)を早期に達成する狙いもある。同社は国内トラック市場が今後も縮小傾向が強まることから、海外事業の強化・拡充を経営課題としている。特にタイは東南アジアの中核拠点と位置付けており、05年には日産自動車から小型トラックのフレーム生産会社を買収、生産体制を強化した。現在はエンジニアリング関連も含め計4カ所の拠点を運営。日産向けは全量供給するほかいすゞや三菱が現地で生産するピックアップトラックのフレーム、アクスル類も供給している。(2007年3月27日付日刊自動車新聞より)

重要な設備の新設 (自動車部品事業)
会社名
事業所名

事業部門の名称

設備の内容 投資予定
総額
(百万円)
着手年月 完了予定
年月
完成後の
増加能力
川崎工場 自動車部部品 中型アクスル加工設備 280 2007年6月 2007年8月 年間加工能力2万個程度増加見込
藤沢工場 同上 アクスル加工設備 105 2006年8月 2006年6月 年間加工能力2万本程度増加見込
同上 パネル製造新規受注設備 79 2006年6月 2007年12月 10万枚程度増加見込
尾道工場 同上 アクスルハブ機械加工設備 132 2006年10月 2007年12月 年間加工能力12万個程度増加見込

宇都宮工場
自動車部分品 大・中型アクスルハウジング新規受注設備 466

2007年10月

2009年1月 9万本程度増加見込
同上 アクスル溶断設備 300 2007年8月 2008年1月 8万台程度増加見込
同上 フレームCKD専用設備 86 2007年1月 2007年5月 1万台程度増加見込

重要な改修

会社名
事業所名

事業部門の名称

設備の内容 投資予定
総額
(百万円)
着手年月 完了予定
年月
完成後の
増加能力
川崎工場 自動車部部品 フレーム組立設備・自動化等 260 2008年8月 2009年3月 合理化
藤沢工場 自動車部部品 フレーム組立設備移設 274 2007年1月 2007年8月 2万台程度増加見込
各工場 自動車部部品 既存設備合理化 300 2006年4月 2007年5月 合理化