株式会社ショーワ 2006年度の動向

ハイライト

業績 ( 単位:百万円 )
- 2007年3月期 2006年3月期 増減率(%) 要因
全社
売上高 261,897 250,448 4.6% 下記1)参照
営業利益 17,698 17,175 3.0% 下記2)参照
経常利益 18,766 17,716 5.9% -
当期純利益 9,083 10,451 (13.1%) -
自動車用部品
売上高 255,985 244,818 4.6% -
営業利益 16,566 15,985 3.6% -

要因

1)中国をはじめとしたアジアにおける自動車需要が拡大し、国内では国内需要の減少により販売台数は減少したものの輸出の増加に牽引され、生産が増加。こうした情勢のもと、世界に展開する生産拠点を生かしたグローバルな生産・調達活動のさらなる拡大を図るとともに拡販活動を積極的に展開した結果、売上高は261,897百万円(前期比4.6%増)。


2)営業利益は、売上原価を構成する原材料費及び労務費が増加したものの、増収並びにコストダウン、生産効率の向上などの改善効果により、17,698百万円(前期比3.0%増)。

地域別業績

<日本>
・四輪車用部品の販売が増加し、増収となったものの、二輪車用部品は減収。
・売上高は、139,789百万円(前期比0.6%減)、営業利益は、7,385百万円(前期比18.3%減)

<北米>
・米国子会社では四輪車用部品の販売の減少などにより減収。
・カナダ子会社では、サスペンションのサブ組立の売上減少やプロペラシャフトの販売減少などにより減収。
・売上高は、81,112百万円(前期比0.4%減)、営業利益は、2,620百万円(前期比14.7%減)。


<欧州>
・英国の子会社では四輪車用部品が減収。
・スペインの子会社では二輪車用部品の販売が増加し、増収。
・売上高は、18,786百万円(前期比5.7%増)、営業利益は、558百万円(前期比292.8%増)。

<東南アジア>
・インドネシア子会社では、市場の回復を受け下期に販売の増加があったものの、上期の減収影響が大きく二輪車用ショックアブソーバを中心に減収となったが、為替換算の影響により円貨ではわずかに増収。
・タイの子会社では、現地生産化の進展などによるパワーステアリングの販売増加や得意先への納入車種の好調による二輪車用ショックアブソーバの増加などにより、増収。

< その他の地域>
・ブラジルの子会社では、二輪車用部品の販売が増加したことにより、増収。
・中国の子会社においては、四輪車用部品の販売増加により大幅な増収。
・売上高は、32,940百万円(前期比36.3%増)、営業利益は、3,062百万円(前期比55.8%増)。

海外展開

生産体制強化
- 中国、北米で四輪用部品の現地生産拡大に向けて、設備投資を活発化。07年度は前期実績に対して中国が15億円強、北米が18億円弱それぞれ投資額を上積みし、パワーステアリングやショックアブソーバーの部品内製品目を拡大する。

- アジアでパワーステアリングの生産を増強。インドに電動パワーステアリング(EPS)の生産拠点を新設、2010年に年産約40万台体制を整える。中国ではEPSの組み立て拠点を増設するとともに、油圧パワーステアリングの一貫生産体制を整える。

- 北米で油圧パワーステアリングの主要部品の現地生産を本格化。カナダ工場(オンタリオ州)でオイルポンプに使用する焼結部品の加工を内製化すると同時に、ポンプの組み立てを米国からカナダに移管して一貫生産体制を整える。生産は07年春に開始、09年度に296万台の供給を計画する。

⇒ 詳細は設備投資

内製化
- 近く中国でパワーステアリング(PS)の生産を増強するのに合わせ、部品の現地調達を本格化する。日本で熟成した部品の内製手法を移転すると同時に、日系を中心に現地サプライヤーから調達可能な品目を精査し、日本から供給する部品を中国製に転換する。当面は3年以内に現調率を40%に引き上げるとともに、順次、比率拡大に取り組み、競争力を高める。内製については、ギア加工、焼き入れなどの技術移転の拡大を目指す。また、鋳物やシール部品、ベアリングといった日系サプライヤーから調達可能な品目を念頭に入れ、内製部品と外注部品の使い分けを策定する。一部は中国サプライヤーへの外注も検討する。(2006年6月27日付日刊自動車新聞より)

- 部品の内製比率を部品ベースで30%に高める。現在は製品ごとに内製比率のばらつきがみられるほか、生産技術のマザー拠点とする日本を除くと、展開が一部にとどまっている。2007年中には、米国拠点に新設備を導入してショックアブソーバーの内製比率を高めるとともに、順次、他の製品や地域の体制を拡充して、グローバルな競争力の強化に結びつける。同社は、生産の海外展開では、重要部品の生産を2次サプライヤーに委託するよりも、自社で生産した方が品質などの管理で優位と判断し、内製部品の拡大に取り組むことにした。日本の工場でアウトソーシングしていた部品の生産技術を習得し、これを順次、海外拠点に移転する計画だ。(2007年2月5日付日刊自動車新聞より)


開発機能強化
- 北米の開発機能を強化。駆動系の主要部品であるプロペラシャフトについて、米国向け製品の開発を現地に移管する。2006年度中に試験設備の導入を完了させるとともに、エンジニアを増員して体制を整える。北米では、カナダ拠点で生産するプロペラシャフトを1月からダイムラークライスラーに納入開始。

⇒ 詳細は開発動向

開発動向

単位:
百万円
2007年3月期 2006年3月期 2005年3月期
自動車用部品 6,738 7,200 6,384
その他 223 233 216
6,962 7,433 6,601

自動車用部品事業
・既存商品の商品競争力向上を目的として、仕様改革をはじめとする原価低減を推進。
・現地調達の推進を図る材料要件の適合性の見極めなど要素技術の研究開発を強化。
・国内において二輪車用部品の研究開発棟を建設

<2007年3月期の研究開発動向>
開発機能強化
北米の開発機能を強化する。駆動系の主要部品であるプロペラシャフトについて、米国向け製品の開発を現地に移管。今年度中に試験設備の導入を完了させるとともに、エンジニアを増員して体制を整える。北米では、カナダ拠点で生産するプロペラシャフトを1月からダイムラークライスラーに納入開始。今後もSUVを中心に新規ニーズを見込めることから、現地で開発・生産の一環体制を整えて競争力を高める。現在のエンジニア数は約30人で、現地向けのショックアブソーバーの設計、パワーステアリングのチューニングを日本から移管した。これらに続き、プロペラシャフトの開発を現地化する。開発の現地化によって既納先であるホンダ、ダイムラークライスラーのフォロー体制を拡充する。合わせて設計・生産部門の一体化を図り、開発期間の短縮を始めとした効率化に結びつける。(2006年6月14日付日刊自動車新聞より)

設備投資

単位:
百万円
2007年3月期 2006年3月期 2005年3月期
自動車用部品 17,214 10,436 8,650
その他 162 1,310 37
17,377 11,747 8,688
消去又は全社 23 29 39
連結 17,400 11,777 8,728

<2007年3月期の設備投資動向>
技術力及びコスト競争力を向上させることを狙いとする体制を確立するとともに、開発体制の強化に沿う環境整備を実施するため、金型の内製化を主眼とする工場及び二輪車用部品を研究開発する施設を建設。海外においては、生産能力を新拠点の設立を通じて高めた。


中国、北米で四輪用部品の現地生産拡大に向けて、設備投資を活発化する。07年度は前期実績に対して中国が15億円強、北米が18億円弱それぞれ投資額を 上積みし、パワーステアリングやショックアブソーバーの部品内製品目を拡大する。日本から調達している部品の比率を順次、削減して収益力を高めるととも に、現地の生産技術を向上させて、グローバル体制の強化に結びつける。中国では、すでに電動パワーステアリングの樹脂製ギアなどを生産している。来年早々 に稼働を予定する武漢の油圧パワーステアリング工場では、鋳造、メッキやポンプを含む一貫生産体制を構築する。年産は8万台でスタート、2010年に23 万台とする。北米は、米国で生産するショックアブソーバー用部品の内製比率を高める。現在の内製比率は20%程度だが、プレス、ばね、焼結部品を現地化し てこれを30%程度に引き上げる。(2006年4月26日付日刊自動車新聞より)

アジアでパワーステアリングの生産を増強する。インドに電動パワーステアリング(EPS)の生産拠点を新設、2010年に年産約40万台体制を整える。中 国ではEPSの組み立て拠点を増設するとともに、油圧パワーステアリングの一貫生産体制を整える。パワーステアリングの採算分岐点はライン1本当たり年産 10万台としている。こうしたボリュームを超える見通しのついたインドに生産で進出するほか、中国で増産体制を構築する。インドでは、首都ニューデリーの 近郊のファリダバードに9億5千万円を投資してESP工場を建設する。稼働は来年4月の予定で、当初の年産は10万台。10年には38万6千台に引き上げ る。鋳造部品やギアを内製する。中国では、四川のEPS拠点でギアの成形をはじめとした部品生産および組み立てを行っている。今月中には成都の新工場で EPSの組み立てを開始する。年産は06年が8万台、10年には23万台を計画する。また、武漢に油圧パワーステアリング工場を新設、07年1月に生産を 開始する。投資額は25億円を投資して、組み立てとともに鋳造、メッキなどを行う一貫生産体制を整える。年産計画は07年が12万台、10年が20万台と する。(2006年5月1日付日刊自動車新聞より)

北米で油圧パワーステアリングの主要部品の現地生産を本格化する。カナダ工場(オンタリオ州)でオイルポンプに使用する焼結部品の加工を内製化すると同時 に、ポンプの組み立てを米国からカナダに移管して一貫生産体制を整える。生産は07年春に開始、09年度に296万台の供給を計画する。投資額は設備が6 億9千万円、建屋が5億8千万円の合計12億7千万円。同社は従来、油圧ポンプを御殿場工場で生産し北米に供給してきた。しかし、日本では電動パワーステ アリングの需要が本格化し増産対応が不可欠になるとともに、油圧パワステのニーズは北米が中心になった。このためポンプの生産を北米に移管し、これによっ て生じた日本の能力を電動パワステにあてる。(2006年10月27日付日刊自動車新聞より)

設備投資計画
2007年度に通常期の約1・5倍規模となる70億-80億円の設備投資を実施する方針を固めた。主に北米、中国を始めとした海外生産設備の拡充に投入す る予定。こうして、主要納入先であるホンダを始めとした日系自動車メーカーのグローバル展開への対応を図りながら、事業基盤の強化に結びつけ る。(2007年2月26日付日刊自動車新聞より

<設備の新設等>
*2007年3月期末現在における投資予定総額は、26,104百万円であり、主要な設備の新設等の計画は以下のとおり。

会社名/
事業所名
所在地 セグメント 設備の内容 投資予
定総額
(百万円)
着手
年月
完了
予定
年月
埼玉工場 埼玉県
行田市
自動車用
部品その他
四輪車用部品
及びその他
生産設備
4,946 2006年
04月
2008年
03月
御殿場工場 静岡県
御殿場市
自動車用
部品
四輪車用部品
生産設備
4,358 2006年
05月
2008年
02月
P.T. SHOWA
Indonesia Mfg.
インドネシア
チカラン
自動車用
部品
四輪車用・二輪車用部品生産設備 2,314 2006年
08月
2007年
12月
American SHOWA, INC. 
Sunbury Factory
米国
オハイオ州
自動車用
部品
四輪車用・二輪車用部品生産設備 3,143 2006年
10月
2007年
12月
American SHOWA, INC. 
Blanchester Factory
米国
オハイオ州
自動車用
部品
四輪車用部品
生産設備
2,587 2006年
10月
2007年
12月
Guangzhou SHOWA
Autoparts Co.,Ltd.
(広州昭和汽車
零部件有限公司)
中国
武漢
自動車用
部品
四輪車用部品
生産設備
1,394 2006年
05月
2007年
12月