Tomkins 2008年12月期の動向

ハイライト

業績 (単位:百万ドル)
  2008年12月期 2007年12月期 増減率(%) 要因
連結
売上高 5,515.9 5,886.1 (6.2) -
営業利益 403.4 530.5 (23.9)
産業及び自動車(I&A)部門  
売上高 4,060.8 4,312.7 (5.8)

1)

営業利益 359.7 477.4 (24.7)

要因
1)
パワートランスミッション事業部
-主として為替差益と値上げにより売上高は増加。また、この増加分は、世界的な景気後退に起因する販売量の低下を相殺して余りがあった。アフターマーケット事業は、年間を通じ、僅かながら上昇傾向をみせ、弾力性を維持した。

-営業利益は、売上高の減少、在庫レベルの低減を図ったため固定費回収が低レベルであったこと、並びに為替差損と原材料の高騰などのマイナス要因となったが、販価の引き上げとコスト軽減活動で一部相殺。

-米子会社のGatesはエレクトロメカニカルドライブシステムのビジネスを拡大。これは、燃費を約3~8%向上させるもので、現在PSA、Chery、Hyundai等のメーカーと合計18件のシステムを生産ないし開発中。欧州では、Gatesが可変式ベーンオイルポンプの販売を更に拡大。これは、燃費を2-3%向上させるもので、Audi及びPSAから新規に受注した。自動車OE市場における新規ビジネスは年間合計233百万ドルで、内、74%は北米市場以外からのもの。

フルイドパワー事業部
-値上げおよび為替差益のほか、A.E. Hydraulic社の買収により売上が伸張。弱体化をみせる特に欧州市場の販売量低下を相殺して余りあった。

-07年度に20.8百万ドルの売上げがあったGates Flexmak社は、今年度からその他I&A製品事業部からフルイドパワー事業部へ移管。

-営業利益減少の主な要因は、販売量減少で固定費吸収分が低かったことや、在庫圧縮の促進、さらにこうした負の要因が原材料の値上がりと重なったことなどである。

-Gates社のE&S事業部は、2008年後半にクウェートにサービスセンターを開設。2009年前半にトルコにもサービスセンターを開設する予定で引き続き事業拡張を続けている。 また、2008年前半に買収したA.E. Hydraul社の効果もあり年度内の売上は倍増した。

フルイドシステム事業部
-売上と営業利益は、米国の自動車OE市場の悪化が、同年のStant社およびStandard-Thompson社の売却と重なり減少したものの、価格値上げと新規受注によりある程度は相殺。

-Schrader Electronics社の売上は自動車OE市場の停滞により減速。一方、マイナス要因は、Mahindra & MahindraやFordからの新規受注や、RTPMSでのリプレースメントビジネスの伸張により一部相殺。欧州車にRTPMSの装備を義務づける欧州法規制定の動きが現在進んでおり、RTPMSビジネスの持続的成長につながることが期待される。

-Schrader Electronics社は、他の系列企業と新たな圧力・流量モニタリング技術も開発中。

-Stant 及びStandard-Thompson社を6月に売却。

その他工業及び自動車部品事業部
-その他産業及び自動車部品事業部には、Dexter、Ideal、Plews、Gates Winhereの各事業が含まれる。主にリクリエーション車およびユーティリティ・トレーラーのエンド市場および一般産業市場が弱体化したことにより、同事業部の売上は減少した。営業利益は、主に販売量の減少とある程度は原材料の値上がりにより減少したが、値上げにより十分に相殺できなかった。

-Dearborn Mid-West社を2007年11月23日に売却。


受注
-Mahindra & Mahindra社からタイヤ空気圧監視システムを受注。今回の受注は、2010年4月から2017年にかけて、新グローバルプラットフォーム採用車両に供給するスナップインバルブタイプのセンサーを含まれる。(2008年8月29日付プレスリリースより)


事業売却
-グループ会社Stant Corporationの事業資産を米投資会社H.I.G. Capital, LLCに売却。Stant Corporationは、自動車用/産業用燃料システム、燃料蒸発ガス排出抑制装置の開発・製造を手掛けており、2007年の売上高は179百万ドル。(2008年6月19日付プレスリリースより)

設備投資

海外投資
-GatesのBoone工場(米国アイオワ州)が、アイオワ州経済開発局(IDED)から助成金給付を受け、工場を拡充する予定。この助成金制度は、新技術や自動車の燃費改善に寄与する先端製品の普及に取り組む法人を対象としたもので、Gatesでは、同プログラムを活用し、Boone工場の規模を現行の3倍に拡充するとともに、25-30名の新規採用を実施する計画。同工場は、燃費を50-70%改善する効果が期待される油圧式ハイブリッド駆動システムやハイブリッド車向け電動機械ドライブ(EMD)スターター・オルタネーターシステムなどを供給している。EMDシステムは、現在、2008年型 「Saturn Vue Green Line」「同 Aura」及び2008年型「Chevy Malibu」に搭載されている。(2008年2月20日付プレスリリースより)