Meritor, Inc. 2019年9月期の動向

業績

 (単位:百万ドル)
  2019年
9月期
2018年
9月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 4,388 4,178 5.0 1)
-商用トラック部門 3,110 3,037 2.4 2)
営業利益 363 292 24.3


要因
1) 全社
-2019年9月期の売上高は4,388百万ドルで、前年の4,178百万ドルから5.0%増加した。売上増の要因は、北米を主としたトラック生産増加および、アフターマーケット・産業用車両事業での台数増加による。ドル高影響による一部相殺を受けた一方で、全体では売上増となった。

2) 商用トラック部門
-部門売上は3,110百万ドルで、主に北米での生産増加や市場シェア拡大により、ドル高影響により一部相殺を受けるも、前年の3,037百万ドルから2.4%増加した。
 

 

事業整理

-同社は、投資会社Carlyle GroupからAxleTechの買収が完了したと発表した。この買収により、Meritorは独立式サスペンション、アクスル、ブレーキングソリューション、ドライブトレイン部品などの製品群を追加することで、同社の成長プラットフォームを強化できる。既報の通り、AxleTechはMeritorのアフターマーケット、インダストリアルおよびトレーラー部門で事業を行う。(2019年7月29日付プレスリリースより)

 

受注

-同社は、フランスの鉄道車両メーカーAlstomが開発した都市型電気バス「Aptis」向けに、Meritorの先進技術ブランドBlue Horizonから主要ドライブトレイン部品を供給すると発表した。同社のフロントおよびリアドライブ・ステアアクスル、エアディスクブレーキ、直角ギアボックスが直接ディファレンシャルに統合され、Alstomの電気モーターからの動力をホイールエンドに伝達する。フロント・リアアクスルは操舵可能であり、旋回半径を小さくしたことで操縦性を向上させた。「Aptis」の生産は、2019年夏の開始を予定している。(2019年7月31日付けプレスリリースより)

-同社は、ドイツのセミトレーラー、トレーラー、トラックボディメーカーのSchmitz Cargobullに、業界最軽量クラスのエアディスクブレーキが採用され、2021年から供給開始すると発表した。同社のOEM向けブレーキソリューションは、効率性・安全性・パフォーマンスに対するフリートの要求に応えるよう設計されている。重量とパフォーマンスに焦点を置いた当該ブレーキは、英国Cwmbranのセンター・オブ・エクセレンスで開発され、顧客の総所有コスト (TCO:Total Cost of Ownership) で有利になるよう考慮された。調整機構は、Meritorの実績のあるELSAシリーズの設計に基づいており、特許出願中のブレーキパッドの設計も含まれる。(2019年7月31日付プレスリリースより)


 

最近の動向

-同社は、Kalyani Groupとの合弁会社であるAutomotive Axlesに36.5百万ドルを投じて、アクスル組立工場と最先端の研究開発センターをインドMysoreに開設したと発表した。新組立工場により同社のインドにおける生産能力は25%拡大し、商用車、オフハイウェイ、防衛分野の顧客により良いサービスの提供が可能になるという。研究開発センターは同社の国内および海外市場向け製品ソリューションのエンドツーエンドテストと検証に注力する。生産能力と技術を向上させるというMeritor Indiaの18カ月のプロジェクトは、収入拡大・収益性改善・製造品質の維持・顧客満足の提供に焦点をあて、同社のM2022計画を支えている。(2019年8月14日付プレスリリースより)

 

研究開発費

(単位:百万ドル)
  2019年9月期 2018年9月期 2017年9月期
全社 75 73 69



研究開発拠点

-同社は以下の地域に研究開発拠点を有する。

  • Troy(米国ミシガン州)
  • Cameri(イタリア)
  • Bangalore(インド)
  • Mysore(インド)

 

製品開発

-同社は、戦闘、消防、レスキュー、ユーティリティ車両などのクラス5車両向け専用ソリューション「ProTec」シリーズ3000フロント・リア全輪駆動ビームアクスルの投入を発表した。「ProTec」シリーズ3000フロントドライブステアアクスルは、最大12,000ポンドの総アクスル重量定格(GAWR)を特徴とし、工場OEM提供の機器より4,500ポンド増加している。また、中央タイヤインフレーションシステムに対応するために事前に穴を開け、測量されている。フロント、リアの両アクスルは同社のベベルギアハブホイールエンドが装備され、現在米国軍のJLTV(Joint Light Tactical Vehicle)プログラム車両で運用されている。また、モビリティ強化のためドライバー制御ディファレンシャルロック(DCDL)キャリアを標準装備している。(2019年10月14日付プレスリリースより)

 

設備投資

(単位:百万ドル)
  2019年9月期 2018年9月期 2017年9月期
全社 103 104 95