中国自動車大手の自主ブランド HEV/EV/FCV 計画 (2)

民族系 6社: 2012年 HEV/EV 乗用車投入が本格化

2011/04/07

要 約

 中国は、近年、新エネルギー車 (中国語:新能源汽車) 事業の普及・拡大を、国家戦略の一環として体制強化・整備を急いでいる。中国政府は近く、新エネルギー車産業発展計画 (中国語:「節能与新能源汽車産業発展計画」) を発表する予定。

 草案には、中国の新エネルギー車の販売規模を 2020年に世界一とする目標を掲げている。具体的には、2020年の保有台数目標を新エネルギー車 (PHEV、EV、FCV 等) 合計で 500万台とする。また、HEV を代表とする省エネ自動車 (低燃費ガソリン車などを含む) の年間生産・販売台数は 1,500万台とし、世界一を目指す。

 目標実現に向けて、中国政府は関連産業育成のために、2020年までの今後 10年間に合計 1,000億元を拠出。特に、EV 開発を中核として積極的に推進する方針とされている。


 以下は、奇瑞汽車 (Chery)、BYD Auto (比亜迪汽車)、華晨汽車集団 (Brilliance Automobile)、江淮汽車集団 (JAC)、吉利控股集団 (Geely)、長城汽車 (Great Wall Motor) の、中国民族系自動車メーカー大手 6社の、自主ブランド乗用車事業における、HEV/EV/FCV 等新エネルギー車に関する事業計画とモデル計画の概要である。


 なお、中国国営自動車メーカー大手6社 (上海汽車集団、東風汽車公司、第一汽車集団、長安汽車集団、北京汽車集団、広州汽車集団) のHEV/EV/FCVの乗用車計画については、「中国自動車大手の自主ブランド HEV/EV/FCV 計画 (1) 」(2011年3月23日付掲載レポートNo. 961) を参照方。


(注) 政府の草案による"新エネルギー車" (中国語:"新能源汽車") とは、日本で"クリーンエネルギー車"に相当するもので、主にPHEV/EV/FCV を指す。アイドリングストップ機能付きエンジン車を示すマイクロ HEV (Micro HEV) を含めて、HEV は省エネルギー車に分類される。


中国民間系大手自動車集団 6社: 自主ブランド HEV, EV, FCV 乗用車開発・投入計画 (~2015年)

メーカー モデル名 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年
奇瑞汽車
(Chery Automobile)
HEV 奇瑞 A5 ISG 発売~        
PHEV 瑞麒 X1 REEV 発売~        

Micro

HEV

風雲 2 BSG 発売~        
EV 瑞虎 3 EV 発売~        
奇瑞 QQ3 EV 発売~        
FCV 東方之子 FCV 2020年までに発売予定
(2010年に政府による生産許可済み、試験運行開始)
EV 奇瑞 A5 XBEV (2010年モデル発表、発売時期は未定)
瑞麒 G5 EV
瑞麒 M3 EV
BYD Auto
(比亜迪汽車)
EV e6(中国仕様) 発売        
EV e6 Premiere
(北米仕様)
  発売      
e6
(欧州仕様)
  発売      
PHEV S6DM   ~発売      
F3DM
(北米仕様)
  発売      
PHEV 2代目 F3DM     発売    
PHEV F6DM (2009年モデル発表、発売時期は未定)
EV Daimler 共同開発 EV     発売    
華晨汽車集団
(Brilliance
Automobile
Group)
Micro
HEV
駿捷 FSV HEV 発売~        
尊馳 HEV 発売~        
HEV 駿捷 Wagon HEV (2009年4月モデル発表、発売時期は未定)
EV 華晨 EV
中華 A0       発売  
PHEV 華晨 PHEV     発売
(量産仕様)
   
江淮汽車集団
(JAC Group)
Micro
HEV
賓悦 BSG hybrid n.a. (2009年試験運行開始)
EV 同悦 i EV n.a. (2010年12月試験運行開始)
PHEV 願景Ⅳ (2010年モデル発表、発売時期は未定)
EV 悦悦 EV n.a. (2011年モデル発表予定)
PHEV 和悦 PHEV   ~発売      
吉利控股集団
(Geely Holding
Group)
EV 全球鷹 EK-2   発売    
全球鷹 EK-1    
PHEV 帝豪 GPEC-EC8 (2010年4月モデル発表、発売時期は未定)
帝豪 GPECs-EC7   発売    
Micro
HEV
全球鷹 GV5 GSG 発売        
帝豪 EC8 GSG (2010年モデル発表、発売時期は未定)
帝豪 EX7 GSG
全球鷹 GX2 GSG
全球鷹 GC5 GSG
帝豪 EX8 GSG
帝豪 EV8 GSG
英倫 TXN GSG   発売      
PHEV 英倫 TXN PHEV   発売      
EV 全球鷹 IG EV   発売      
MicroHEV 全球鷹 IG HEV   発売      
PHEV 帝豪 GT       発売  
帝豪 GE         発売
長城汽車
(Great Wall
Motor)
EV 欧拉 試験運行 発売      
PHEV 騰翼 V80 Plug-in HEV 発売~        
HEV 哈弗 SC60 HEV   発売      
EV 哈弗 M3 EV (2010年11月モデル発表、発売時期は未定)
(注) "発売~"表記は早ければ該当年発売、"~発売"表記は該当年までに発売。
  以下で使用する用語を示す。
微型バン: 全長 3.5m以下の、"ミニバン" に相当する乗用車。
ISG: Integrated Starter Generator /統合型始動充電発電機
BSG: Belt Driven Starter Generator /ベルト駆動始動充電発電機
Micro HEV: アイドリングストップ機構を搭載したガソリン/ディーゼル車
AC: Alternating Current/交流
DC: Direct Current/直流


奇瑞汽車: 2011年 PHEV を追加投入、2015年までに HEV/EV 年間販売目標を 5万台に設定

 奇瑞汽車は、新エネルギー車として、HEV/PHEV/EV/FCV で展開していく方針。

 HEV と EV に関して、2011年には、同型ベース車に比べて燃費約 20%向上した HEV/PHEV や、自社製駆動用リチウムイオン電池を用いる EV 及び PHEV (Range-Extended 仕様) の生産を開始する予定。また、送電システム投資、建設、運営を行う中国国営会社国家電網 (State Grid) とは交換式駆動用二次電池を搭載する EV の開発で提携し、2011年前半から試験運行を開始する予定。

 さらに、2015年までには、HEV/EV 等の年間販売目標を5万台 (自社全自動車販売台数の 2.5%)としている。技術開発では、2015年までに、同型ベース車より燃費 30%以上向上したマイクロ HEV (ISG 仕様)を含む HEV/EV の量産化を推進していく方針。


 FCV では、2010年に量産モデルである "東方之子FCV" の政府による生産承認・許可を取得し、当初 2012年までに量産モデルを発表する計画を前倒ししている。


 なお、奇瑞汽車はすでに 2009年9月、奇瑞 A5 BSG/A5 ISG/S11 (QQ3 EV)/S18 EV (瑞麒 M1 EV) の合計 4車種が政府の省エネ・新エネルギー車推奨モデルに選ばれている。

奇瑞汽車:

発売済み (2011年3月まで、試験運行を除く)
モデル 発売時期 駆動用二次電池
(電圧/容量)
モーター
(最大出力/
最大トルク)
エンジン
(最大出力/
最大トルク)、
変速機
最大航続
距離
Micro
HEV
奇瑞 A5 BSGセダン 2007年11月
(タクシー向け)、
2009年1月
BSG 採用のアイドリング
ストップ機構搭載
1.6L、MT n.a.
EV 奇瑞 QQ3 EV
ハッチバック
2010年3月
(地域限定 +
フリート除く)、2011年~
超威電源製、
鉛酸蓄電池
(5セル合計
60V/180Ah、
重量250kg、
急速充電不可)
上海電駆動製、
永久磁石同期式
(定格6kW/
最大12kW)
n.a. 100km
(30km/h
定速)
瑞麒 M1 EV
ハッチバック
(別称: S18 EV)
2010年11月、
2011年
(米国向け)
万向電動汽車製、
リン酸鉄リチウム
イオン電池
(336V/60Ah、
セル3.2V/60Ah)
上海電駆動製、
永久磁石同期式
(定格29kW、
最大40kW/160Nm)
n.a. 160km
発売予定 (2011年4月~)
モデル 発売時期 駆動用二次電池
(電圧/容量)
モーター
(最大出力/
最大トルク)
エンジン
(最大出力/
最大トルク)、
変速機
最大航続
距離
HEV 奇瑞 A5 ISGセダン
(別称"旗雲 3 ISG")
2008年
(試験運行)、
2011年~
ジョンソン
コントロール製、
ニッケル水素
電池 (144V)
永久磁石同期式
(15kW)、ISG
モーター (10kW)
自社製ACTECO
シリーズ、Euro4
適合、1.3L CBR
VVT (65kW)、5MT
n.a.
FCV 東方之子 FCV
セダン
2010年 (生産
承認取得済み、
試験運行開始)、
~2020年
蘇州星恒電源製
マンガン酸リチウム
イオン電池
(セル:3.8V/7.5Ah、
合計375V/7.5Ah)
上海電駆動製
270ZWS001 型
永久磁石同期式
(定格42kW/
最大88kW)
上海神力科技製、水素燃料電池 PEM: Proton
Exchange
Membrane
(360V, 150A)
n.a.
*PHEV 瑞麒 X1 REEV
(小型 SUV)
2011年~ リチウムイオン電池 (詳細不明) 発電用2気筒
タイプ (6kW)
300km
(EVモード
100km)
Micro
HEV
風雲 2 BSG2/3box
(別称"A13 BSG")
2011年~ BSG採用の アイドリング
ストップ機構搭載
n.a.
EV 瑞虎 3 EV(SUV) 2011年~ リチウムイオン電池 合計2基 (45kW) n.a. 150km
奇瑞 QQ3 EV
ハッチバック
2011年~ 鉛酸蓄電池 の
1種であるシリコン
バッテリー
(60V/150Ah)
永久磁石同期式 AT 120km
EV 奇瑞 A5
XBEVセダン
(別称"奇瑞A5 EV")
2010年(発表) 米 Better Place製
交換式、リン酸鉄
リチウムイオン電池
(詳細不明)
瑞麒 G5 EVセダン 2010年(発表) 米 Better Place製
交換式、リン酸鉄
リチウムイオン電池
(336V/120Ah)
永久磁石同期式
(定格 45kW/
最大 90kW)
n.a. 280km
瑞麒 M3 EV
ハッチバック
2010年(発表) リン酸鉄リチウム
イオン電池
(336V/60Ah)
永久磁石同調式
(定格12kW/
最大18kW)
n.a. 180km

注: * 表記はシリーズ式。





BYD Auto: PHEVとEV は中国で発売済み、2012年に欧米にも輸出

 BYD Auto (比亜迪汽車) は新エネルギー車として、PHEV/EV の 2 分野で展開していく方針。

 国内では、他社に先駆けて、2010年末時点、既に PHEV セダン (F3DM) と、タクシー向け EV Crossover (e6) の発売を開始した。しかし、2010年の販売目標(EV/PHEV)は当初 1,000台だったが、実績は480台 (内訳:F3DM 417台、e6 63台) に止まった。これまでの個人向け販売を中心とした戦略から、2011年には e6 (EV Crossover) と K9 (EV大型バス) を主とする都市公共交通手段の EV 化ソリューション事業推進へ転換した。


 米国では2010年4月、カリフォルニア州に BYD 北米販売本部 (BYD North American Sales Headquarters) を設置した。2012年末までに北米地域に販売代理店10店舗を整備し、米国を新エネルギー車の主力な海外市場に育てていく方針。また、2010年5月時点、ロサンゼルスを有力候補地とする北米 KD 工場の建設も、早ければ2011年に着工する。

 欧州でもスペイン、オランダ、フランスをメイン市場として2012年にはe6、S6DM、F6DM等の欧州仕様モデルの輸入販売を開始する。

BYD Auto (比亜迪汽車):

発売済み
モデル 発売時期 駆動用二次電池
(電圧/容量)
モーター
(最大出力/
最大トルク)
エンジン
(最大出力/
最大トルク)、
変速機
最大航続
距離
*PHEV F3DMセダン
(中国仕様)
2008年12月
(フリート限定)、
2010年3月
(地域限定、
個人向け)
自社製、リン酸鉄
リチウムイオン電池
(20kWh、重量20kg、
100セル構成)
永久磁石同期式
(50kW/400Nm)、
発電用モーター
(25kW)
Euro4適合、
1.0L 3気筒
BYD371QA型
(50kW/90Nm)、AT
560km
(EV モード
60km)
EV e6
Crossover
(中国仕様)
2010年3月
(タクシー向け)、
2011年
自社製、リン酸鉄
リチウムイオン電池
(316.8V/200Ah)
永久磁石同期式
(定格75kW、最大
200kW/450Nm)
AT 300km
発売予定
モデル 発売時期 駆動用二次電池
(電圧/容量)
モーター
(最大出力/
最大トルク)
エンジン
(最大出力/
最大トルク)、
変速機
最大航続
距離
PHEV S6DM SUV 2011年1月
(米国で発表)、
~2012年
自社製、リン酸鉄
リチウムイオン電池
永久磁石同期式
(合計85kW/450Nm。
前輪駆動用
1台 14ps、
後輪駆動用
1台 102ps )
2.0L 4気筒
(103kW/186Nm)、
6速DCT
500km
(EV モード
60km)
*PHEV F3DMセダン
(北米仕様)
2010年
(試験運行)、
2012年
自社製、リン酸鉄
リチウムイオン電池
永久磁石同期式
(50kW/400Nm)、
発電用モーター
(25kW)
1.0L 3気筒
BYD371QA型
480 km超
(EV モード
約 64~
96km 超)
F6DMセダン 2009年
(発表)
自社製、リン酸鉄
リチウムイオン電池
永久磁石同期式
(50kW/400Nm)、
発電用モーター 
(25kW)
Euro4適合、
1.0L 3気筒
BYD371QA型
(50kW/90Nm)、AT
400km
(EV モード
100km)
EV e6 Premiere
Crossover
(北米仕様)
2012年4
~6月
自社製、リン酸鉄
リチウムイオン電池
(316.8V/200Ah)
永久磁石同期式
(定格75kW、最大
200kW/450Nm)
n.a. 300km
e6Crossover
(欧州仕様)
2012年 仕様詳細不明 (中国仕様モデルをベースに改良)
PHEV 2代目 F3DMセダン 2013年 (仕様詳細不明)
EV (注:2.)
Daimler
共同開発 EV
(高級乗用車)
2013年 リン酸鉄
リチウムイオン電池
n.a.
(注) 1. * 表記はシリーズ式。
2. Daimler 共同開発 EV は、BYD Auto と Daimler が折半出資する比亜迪・戴姆勒新技術が知的所有権を保有する高級乗用車で、BYD / Daimler (Mercedes-Benz) 以外の、新たなブランドで 2013年を目処に発売。BYD 製動力システムを搭載、Daimlerのシャシー/ボディ技術を採用する予定。





華晨汽車集団: 2010年 マイクロHEV 限定販売開始、2013年に PHEV、2014年に EV 順次投入へ

 華晨汽車集団は、新エネルギー車として、主に HEV/PHEV/EV の分野で展開し、将来的に FCV にも取り組んでいく方針。

 2010年11月、新エネルギー車の研究開発と実用化を強化する事業方針を表明、併せて、マイクロ仕様を含む HEV、PHEV、EV を投入していく。

 乗用車では、HEV は2010年にマイクロ HEV セダン2車種のフリート向け限定販売を開始、2013年前後にPHEV乗用車を追加投入する。一方、EVは、2014年に、大都市近郊及び農村に近い小都市向けに低速小型 EV 仕様ハッチバック (中華 A0が有力) を発売する予定。

 なお、現在、省エネ・新エネルギー車開発については、主に同済大学、上海安乃達汽車駆動技術、江蘇春蘭集団等と提携している。

華晨汽車集団:

発売済み
モデル 発売時期 駆動用二次電池
(電圧/容量)
モーター
(最大出力/
最大トルク)
エンジン
(最大出力/
最大トルク)、
変速機
最大航続
距離
Micro
HEV
駿捷 FSV
HEV セダン
2010年10月
(フリート向け)、
2011年~
アイドリングストップ機構搭載、
燃費は同型ベース車より 8~10% 向上
瀋陽航天三菱製、
1.5L CVVT 4A915型
(95kW/168Nm)
n.a.
尊馳 HEVセダン 2010年6月
(フリート向け)、
2011年~
アイドリングストップ機構搭載 自社製、ターボ付
1.8L (125kW)、6MT
n.a.
発売予定
モデル 発売時期 駆動用二次電池
(電圧/容量)
モーター
(最大出力/
最大トルク)
エンジン
(最大出力/
最大トルク)、
変速機
最大航続
距離
HEV 駿捷 WagonHEV 2009年4月
(発表)
ニッケル水素電池 ストロングHEV動力システム搭載 (詳細未定)、
燃費は同型ベース車より 35% 向上
EV 華晨 EV
ハッチバック
2009年4月
(コンセプト
カー発表)
リチウムイオン電池 (220V) 詳細不明
(47kW/120Nm)
n.a. 150km
(40km/h
定速)
中華 A0
ハッチバック
2010年4月
(コンセプト
カー発表)、
2014年
最大出力45kW の EV 動力システム搭載
(仕様詳細不明)
130km
*PHEV 華晨 PHEV
ハッチバック
2010年4月
(コンセプト
カー発表)、
2013年
米国 Zebra 製、ニッケル蓄電池
(371V/64Ah、23.8kWh、重量243kg)
非同期ACモーター
(定格18kW/
最大36kW)
851cc 2気筒
(定格14kW)
300km
(EV モード
100km)

注: * 表記はシリーズ式。





江淮汽車集団: 2012年までにPHEV追加投入、新エネルギー車年間販売目標は2015年目処に8万台

 江淮汽車集団 (JAC) は、新エネルギー車として、EV/HEV/PHEV の分野で展開していく方針。

 2010年12月に発表した 5ヵ年事業計画で、2015年末までに新エネルギー乗用車の年産能力を 10万台規模に整備し、年産販売目標8万台 (グループの全自動車年間販売台数の 5%) としている。EV としては、主に悦悦 と 同悦、HEV では和悦や賓悦等をベースモデルとする方針。

 2010年7月時点、同悦 EV 乗用車は既に小ロット生産を開始、2011年に合計 2,000台 (2011年1~3月実績 585台) の限定販売目標。

 関連して、江淮汽車集団は、2010年8月、天津正道股権投資管理 *(注) と、新エネルギー車の合弁提携に関する合意書に調印した。折半出資予定の合弁会社 (安徽省合肥市に立地) の年産能力計画は、2018年までに新エネルギー車100万台。その動力システム及び駆動用リチウムイオン電池も自社生産する。


*(注) 天津正道股権投資管理 (HKMC Equity Investment Fund Management)は、米国Hybrid Kinetic Motors Corp.の子会社で、2010年1月に天津経済技術開発区で設立 (資本金200万米ドル、投資総額280万米ドル)。Hybrid Kinetic Motors Corp.は華晨汽車集団の元理事長である仰融氏が率いる香港・正道集団有限公司(Hybrid Kinetic Group Limited)の100%子会社。正道集団有限公司の前身は香港・遠東金源集団有限公司 (Far East Golden Resources Group Limited)。

江淮汽車集団:

発売予定
モデル 発売時期 駆動用二次電池
(電圧/容量)
モーター
(最大出力/
最大トルク)
エンジン
(最大出力/
最大トルク)、
変速機
最大航続
距離
Micro
HEV
賓悦 BSG
hybrid セダン
2009年
(試験運行)
BSG 採用のアイドリングストップ機構搭載 n.a.
EV 同悦 i EVセダン
(別称"同悦 EV")
2010年12月
(試験運行)
合肥現地メーカー製、
リン酸鉄リチウム
イオン電池
(320V、15kWh)
合肥現地メーカー製、
ブラッシレス
永久磁石 DC
(定格11kW/
最大27kW)
n.a. 150km
PHEV 願景Ⅳハッチバック 2010年
(コンセプト
カー発表)
リチウムイオン電池 (PHEV システムは、太陽光/ガソリンエンジン/
一般電源 (220V) 等複数の方式によって充電が可能)
EV 悦悦 EVハッチバック 2011年
(モデル
発表予定)
リチウムイオン電池 (仕様詳細不明)
*PHEV 和悦 PHEVセダン ~2012年 リン酸鉄
リチウムイオン電池
(30Ah/セル、
総容量10kWh)
永久磁石同期式
(定格35kW/
最大60kW)、
ISG モーター
(定格23kW/
最大30kW)
1.0L 3気筒
VVT-i
(32kW/84Nm)
n.a.
(EV モード
60km)

注: 2010年4月発表された 願景Ⅳのコンセプトカーは、太陽光発電システムも搭載。

 



吉利控股集団:自社製動力システムの PHEV/EV を2011年以降順次投入へ

 吉利控股集団は、新エネルギー車として、HEV/PHEV/EVの分野で展開していく方針。

 中でも、HEV開発は国家863プランの新エネルギー車開発プロジェクトの一環とされ、アイドリングストップ機構"GSG"、パラレル式 PHEV システム"GPEC"、シリーズ式PHEVシステム"GPECs"等を自主開発し、2010年北京モーターショーでは、それぞれを搭載した量産HEVモデルを発表した。2012年末から2013年はじめかけて、Panda (熊猫) をベースとしたEVハッチバック、全球鷹IG (EVハッチバック)、帝豪GPECs-EC7 (PHEVセダン) を発売していく計画。


(注) 吉利控股集団が自主開発した動力システム構成部品で用いる用語を以下で示す。
 GSG: Geely intelligent Stop-Go system /吉利アイドリングストップ機構
 GPEC: Geely Plug-in Electric hybrid Car/吉利パラレル式PHEV システム
 GPECs: Geely Serial Plug-in Electric Car/吉利シリーズ式PHEVシステム


 関連して、吉利控股集団幹部は2011年3月、スマートカー及び次世代自動車、特にEVの開発・発展に備え、台湾の大手半導体ファウンダリーの聨電集団 (UMC: United Microelectronics Corporation) 及び車載用電気モーター大手の富士康科技集団 (Foxconn) と、それぞれ提携交渉中であると明らかにした。

吉利控股集団:

発売予定
モデル 発売時期 駆動用二次電池
(電圧/容量)
モーター
(最大出力/
最大トルク)
エンジン
(最大出力/
最大トルク)、
変速機
最大航続
距離
EV 全球鷹 EK-2
ハッチバック
2012年末~
2013年初
リン酸鉄
リチウムイオン電池
(326V/ 57.5Ah)
AC 非同期式
(60kW/180Nm)
n.a. 180km
全球鷹 EK-1
ハッチバック
鉛酸蓄電池
(電圧72V、容量120Ah)
AC 永久磁石
同期式
(7.5kW/15Nm)
n.a. 80km
**PHEV 帝豪GPEC-EC8
セダン
2010年4月
(発表)
リン酸鉄
リチウムイオン電池
(40Ah)
永久磁石同期式
(定格30kW/120Nm、
最大70kW/300Nm)
自社製、1.0L 3気筒
(50kW/90Nm)、
シングルスピード
変速機
1,060km
(EV モード
60km)
*PHEV 帝豪GPECs-EC7
セダン
2012年末~
2013年初
リン酸鉄
リチウムイオン電池
(40Ah)
永久磁石同期式
(70kW/240Nm)、
ISG モーター
(14kW/50Nm)
自社製、1.0L 3気筒
(50kW/90Nm)、
シングルスピード
変速機
850km
(EV モード
50km)
Micro
HEV
全球鷹 GV5
GSG Crossover
(CE-3)
2011年 自社製 GSG 採用の
アイドリングストップ機構搭載
自社製、4気筒
ガソリン仕様
(1.3/1.5L βシリーズ)、
5MT/6MT/4AT/7DCT
n.a.
全球鷹 GX2
GSG Crossover
(GC2-RV)
2010年4月
(発表)
自社製 GSG 採用の
アイドリングストップ機構搭載
自社製、
1.0/1.3/1.5L、
5MT/4AT
n.a.
全球鷹 GC5
GSGセダン
(CE-2)
2010年4月
(発表)
自社製 GSG 採用の
アイドリングストップ機構搭載
1.3/1.5L 4気筒
(合計4仕様)、
5MT/4AT
n.a.
帝豪 EC8
GSGセダン
2010年4月
(発表)
自社製 GSG 採用の
アイドリングストップ機構搭載
自社製、ガソリン
仕様 (2.0/2.4L
δシリーズ)/
ディーゼル仕様
(2.0L ω シリーズ)、
6MT/6AT/7DCT
n.a.
帝豪 EX7
GSG SUV
2010年4月
(発表)
自社製 GSG 採用の
アイドリングストップ機構搭載
自社製、ガソリン
仕様 (1.8/2.0L)/
ディーゼル仕様 (2.0L)、
5MT/6MT/6AT/7DCT
n.a.
帝豪 EX8
GSG Crossover
2010年4月
(発表)
自社製 GSG 採用の
アイドリングストップ機構搭載
自社製、4気筒の
ガソリン仕様
(2.4L δシリーズ)/
ディーゼル仕様
(2.0L ωシリーズ)、
6MT/6AT/7DCT
n.a.
帝豪 EV8
GSG MPV
2010年4月
(発表)
自社製 GSG 採用の
アイドリングストップ機構搭載
自社製、
ガソリン仕様 (2.4L)/
ディーゼル仕様 (2.0L)、
6MT/6AT/7DCT
n.a.
英倫TXN
GSG
2012年 自社製 GSG 採用の
アイドリングストップ機構搭載
1.3L (ターボ付)/
1.8L/2.0L のガソリン
仕様または 2.0L 4気筒
ディーゼル仕様、
5MT/6MT/6AT/7DCT
n.a.
*PHEV 英倫TXN
PHEV
2012年 リン酸鉄
リチウムイオン電池
(容量40Ah)
永久磁石同期
モーター
(70kW/240Nm)、
ISG モーター
(14kW/50Nm)
自社製、1.0L 3気筒
(50kW/90Nm)、
シングルスピード
変速機
800km
(EV モード
60km)
EV 全球鷹 IG EV
ハッチバック
2012年 リン酸鉄
リチウムイオン電池
(326V)
詳細不明
(60kw/180Nm)
n.a.
Micro
HEV
全球鷹 IG HEV
ハッチバック
2012年 自社製GSG採用のアイドリング
ストップ機構搭載
自社製、1.0L 3気筒
JLα-3G10型
(52kw/93Nm)、
5MT/4AT
n.a.
**PHEV 帝豪 GT
スポーツカー
2014年 リン酸鉄
リチウムイオン電池
永久磁石同調式
(仕様詳細不明)、
ISG モーター
(28kW/150Nm)
自社製、2.4L 4気筒
JLδ-4G24型
(120kw/224Nm)、
6速AT
n.a.
帝豪 GEセダン 2015年 リン酸鉄
リチウムイオン電池
永久磁石同調式
(仕様詳細不明)、
ISG モーター
(28kW/150Nm)
自社製、2.4L 4気筒
JLδ-4G24型
(120kw/224Nm)、
6速AT
n.a.

注: * 表記はシリーズ式、** 表記はパラレル式。





長城汽車: 2012年に自社初のEV 乗用車を投入へ

 長城汽車は、新エネルギー車として、EV/HEV/PHEV の 3分野で展開していく方針。

 約10億元を投じて EV を開発、2011年に自社初の EV 乗用車を試験投入し、2012年に発売する予定。

 2011年には、EV/HEV/PHEV 等新エネルギー車を含む新型自動車合計 10車種を投入する。


 なお、省エネルギー車事業推進のため、2011年3月に、英国 Ricardo と戦略提携に関する覚書に調印。Ricardo から主に、自動車用ガソリンエンジンや 6速 DCT 等の技術及びマネジメント面でのサービス提供を受ける。

長城汽車:

発売予定
モデル 発売時期 駆動用二次電池
(電圧/容量)
モーター
(最大出力/
最大トルク)
エンジン
(最大出力/
最大トルク)、
変速機
最大航続
距離
EV 哈弗M3 EV
(SUV)
2010年11月
(発表)
リチウムイオン電池
(320V/60Ah、
19.2kWh)
水冷式、
永久磁石同期式
(56kW/150Nm、
定格24kW/65Nm)
n.a. 160km
(60km/h
等速)
欧拉 (Kulla)
ハッチバック
2011年
(試験運行)、
2012年
リチウムイオン電池 仕様詳細不明
(50kW/160Nm)
n.a. 160km
PHEV 騰翼 V80
Plug-in HEV
(MPV)
2011年~ リチウムイオン電池
( 320V/12kWh)
水冷式、
永久磁石同期式
(30kW/150Nm)
仕様詳細不明
(77kW/138Nm)
n.a.
(EV モード 60km)
HEV 哈弗 SC60
HEV(SUV)
2012年 n.a. 永久磁石同期式
(38kW/180Nm)
自社製 Euro5 適合、
2.5L インター
クーラー・ターボ式
(185kW/375Nm)、
自社製 6AT
n.a.
次世代フルHEVシステム
(最大出力90kW/
最大トルク270Nm)
2010年4月
(発表)
n.a. 永久磁石同期式(30kW/150Nm) 自社製 Euro5 適合、
1.5L 4気筒、
自社製AT
n.a.
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