インド:市場拡大を見込んで、各社が小型乗用車を投入

スズキは2013年度に生産能力を170万台に拡大、Daimlerは商用車工場を新設

2011/03/24

要 約

 以下は、インドにおける主要自動車メーカーの新型車投入計画と生産体制を中心とした動向である。

 今後も拡大が予想されるインド市場には、各社が競って新型車を投入している。インド乗用車市場は50万ルピー以下の小型車が中心で、45%のシェアを有するMaruti Suzuki をはじめ、各社が低価格小型車を投入する。一方、Maruti Suzuki のSwift DzireやトヨタのEtiosのように、やや高めの価格で高品質の小型車の投入も拡大している。

 生産体制の動向では、2010年にインドで121.4万台を生産したMaruti Suzuki が、年産25万台の工場を2つ建設して、2013年度の生産能力を170万台に引き上げる。Daimler は商用車工場を建設し、新ブランドで中大型商用車市場に参入する計画。PSAは乗用車工場を新設して、インド市場に再参入する。また、トヨタ、現代自動車、GMはエンジン工場を新設する。

 2010年4月~2011年 2月のインド総生産台数は335.1万台 (前年同期比 28.1%増)、国内販売は287.3万台 (29.6%増)で、生産・販売とも大幅に増加した。輸出は47.0万台で、5.6%増加した。

 (注) レポート末尾に、メーカー別乗用車販売台数を掲載した。



インド乗用車市場への新型車投入計画

 低価格小型車が中心のインド乗用車市場には、メーカー各社が、新興国向けに開発した小型車を相次いで投入している。また、Maruti Suzuki の Swift Dzire や2010年12月発売のトヨタ Etios など、価格は高めだが高品質のモデルの投入も拡大している。(2010年の乗用車の販売台数は、価格30万ルピー前後のMaruti Suzuki の Alto が約30万台でトップだが、50~70万ルピーの Swift Dzire も約10万台販売。トヨタEtiosの価格帯はSwift Dzireとほぼ同じ。)

 2010年4月から、インドの大都市で欧州のEuro4相当の排出ガス規制が実施されたため (インド全土ではEuro3)、低燃費エンジンやディーゼルエンジンを搭載するモデルの投入も増えている。

インド:2010年4月~2013年に新投入される小型乗用車

メーカー モデル 発売時期 概要
Maruti Suzuki 新型 Wagon R 2010年4月 1999年にインド市場に投入して以来、初のフルモデルチェンジ。排ガス規制 BS4 (Euro4相当) に適合する 1.0L K10B エンジンを搭載。価格は 33.4~42.0万ルピー。当初はインド国内で販売展開し、その後近隣諸国にも輸出する計画。
新型 Swift 2011年末
まで
2010年 6月に全面改良した 3代目で、日欧では既に発売。生産効率化のため、2011年 7月までにセダン Swift Dzire の生産を Gurgaon工場へ移管。現在両工場で生産しているハッチバック Swift の生産は、将来すべて Manesar工場に集約する。(現行価格は Swift が 40.7~54.7万ルピー, Swift Dzire が 49.2~71.1万ルピー。)
Toyota Etios 2010年12月 排気量 1.5L のセダン。価格は 49.6~68.65万ルピー。インドのファミリーユーザーをターゲットに、ワンクラス上級のクルマを開発。インド第 2工場で生産する。2011年の販売目標は、ハッチバックを含めて年間 7万台。
Etios Liva 2011年6月 排気量 1.2L のハッチバック。2011年 4月発売の予定だったが、セダン Etios の既受注分 (約 2.7万台で、納車まで 4~6ヶ月待ち) の生産を優先するため、発売を 6月に延期した。
ホンダ Brio 2011年秋 アジア市場向け新型小型車。全長 3.6m の 5ドアハッチバック車で、大人 5人が乗車可能。1.2L i-VTECエンジンを搭載。2011年5月に、まずタイで発売する。インドでの価格は 50万ルピー以下の予定。
日産 Micra 2010年7月 1.2L ガソリンエンジンを搭載。価格は 39.8~52.9万ルピー。Renault と共同で建設した Chennai 近郊の新工場で生産する。同工場は、当初は年産 20万台の 1ラインで生産し、将来は年産 40万台体制とする計画。部品の現地調達率は 85%。2010年 10月から欧州に輸出開始。今後 100ヶ国以上に輸出する計画。
Renault-日産
Bajaj
低価格車 2012年 2010年 7月に正式に覚書を締結した。インドおよび他の新興国市場向けの低価格車は、Bajaj が設計、Renault-日産が販売・マーケティングを主導する。
Renault 小型車 2012年 日産とプラットフォームを共有する可能性もある。Chennai 工場で生産するとしている。
Tata Motors Dolphin
(コードネーム)
2012年まで 小型車 Nano とハッチバック Indica の中間に位置する排気量 800cc のモデル。Maruti Suzuki の Wagon R、Hyundai の i10 と同じ A2 (Compact) セグメント車 (インドの車種区分で A1(Mini) に続く下位から 2番目の区分、全長は 3401-4000mm)。
Pixel
(concept car)
2013年 Nanoベースの欧州市場向け小型車。大人4人乗り。全長 3m強。1.2L 3気筒のターボディーゼルエンジンを搭載。燃費は100km/3.4L、CO2 排出量は89g/km。左右のドアは跳ね上げ式。内側の後輪を逆回転させることにより、最小回転半径を 2.6m に抑える。
Fiat 新型 Linea 2010年6月 小型セダン。1.4L ターボチャージャー付ガソリンエンジンを搭載。価格は 67.7~87.8万ルピー。
小型車 2011年末~
2012年初
Fiatは、低価格小型車に関し、合弁相手のTata Motors と共同ではなく、単独で開発する。生産は、Tata と合弁の Fiat India Automobiles で行う計画。価格は 30~35万ルピー。
現代自動車 新型 i10 2010年9月 小型ハッチバック車。1.1/1.2L のガソリンエンジンを搭載。価格は 35.4~59.9万ルピー。
GM 新型
Chevrolet Spark
2010年7月 GM India が上海汽車とGMの合弁会社になってから、初の投入モデル。1.0L ガソリンエンジンまたは LPG エンジンと 5速MT を搭載。価格は 32.3~43.1万ルピー。
VW Skoda 小型車 2012年 価格 30~50万ルピーの小型車。
資料:各社発表、各紙報道 (後出表も同じ)
(注) 発売済みモデルの価格は、特記されている場合を除き、Delhi 市での価格 (後出表も同じ)。2011年 3月中旬で、1ルピーは約 1.75円。

インド:最近の投入モデルと今後の投入予定モデル(上表の小型車以外の乗用車)

メーカー モデル 発売時期 概要
Maruti Suzuki Kizashi 2011年2月 中型スポーティ・セダン。2.4L ガソリンエンジンを搭載。MT 車は 165万ルピー、CVT 車は 175万ルピー。日本から完成車を輸入する。対抗車は VW Jetta, Honda Accord, Skoda Laura。
100% 国産車 2012年 2011年前半にデザインを最終決定するとされる。
Renault Fluence 2011年 Dセグメントの中型セダン。日産と共同で建設した Chennai 工場で生産する。対抗車はトヨタ Corolla, Skoda Laura。
Koleos 2011年 SUV。日産と共同の Chennai 工場で生産する。対抗車はホンダ CR-V。
Tata Motors Aria 2010年10月 国内メーカーでは初の Crossover (Sedan と SUV の融合)。3列シートで、2.2L ディーゼルエンジンを搭載。価格は129.1~155万ルピー。2011年には欧州、続いて中南米やアジアにも輸出する。
現代自動車 新型 Verna
Transform
2010年6月 中型セダン。1.6L ガソリンエンジンと1.5L ディーゼルエンジンを設定。価格は 70~90万ルピー。
新型 Santa Fe 2010年10月 7人乗り SUV。2.2L ディーゼルエンジンを搭載。価格は220~240万ルピー。当初は韓国から完成車輸入し、販売が好調なら現地生産に切り替える。
BMW 新型 5 Series 2010年4月 5 Series の 6代目。M-Benz E-Class の対抗車。価格は370~420万ルピー。
Daimler A-Class 2012-13年 Luxury car のエントリーモデル。価格は 160~200万ルピー程度と予想される。
VW Audi Q5 2010年7月 A4 Avant とプラットフォームを共有する高級 SUV。インドの Skoda 工場で生産する。
Audi A1 2012年まで Audi のエントリーモデルでプレミアムコンパクト車。
VW Vento 2010年後半 ハッチバック車 Polo とプラットフォームを共有する中型セダン。1.6L ガソリン/ディーゼルエンジンを搭載。西部マハラシュトラ州 Pune 近郊の VW 工場で生産。年販目標は 15万台。
Skoda Yeti 2010年11月 小型 SUV。1.2/1.8L ガソリンエンジンまたは2L ターボディーゼルエンジンを搭載。対抗車は Mahindra Scorpio, Tata Safari。

 



日本メーカー (スズキ/トヨタ/ホンダ/日産) の動向

スズキ:インドの生産能力を 2013年度に 170万台、2014年度までに 200万台に拡充

スズキは、インド市場でのシェア維持を図るため、生産体制の拡充を急いでいる。2010年10月からは月産11万台体制とし、2011年度は年産 130万台となる見込み。
2010年末時点で Gurgaon 工場の年産能力は 85万台、Manesar 工場は 35万台。スズキは、Manesar に 25万台規模の工場を 2つ建設中で、それぞれ 2012年と2013年に稼働する予定。2013年の生産能力は170万台となる。将来は両拠点とも年産 100万台規模に引き上げ、2014年度までに 200万台体制を目指す。

資料:Suzuki Press Release 2011.3.15, その他

スズキ:インドで生産する A-Star を VW に OEM 供給
スズキは、2011年 2月、VW に小型車 A-Star (欧州名 Alto) を OEM 供給する方針であることを明らかにした。両社は、09年12月に包括提携している。2012年にも OEM 供給を開始する見込み。A-Star は、Maruti Suzuki のハリヤナ州 Manesar 工場で全量生産されている。

資料:日刊工業新聞 2011.2.15

トヨタ:インドでエンジン工場の起工式を実施

2011年 2月、Toyota Kirloskar Auto Parts (TKAP) は、カルナタカ州 Bangalore 郊外で新パワートレイン工場の建設を開始した。2012年秋より Etios 用エンジンを年間約 10万基、2013年初より同トランスミッションを年間 24万基生産する計画。投資額は約90億円。(TKAP の既存工場では、IMV (Innovative International Multi-purpose Vehicle) 用 MT を生産中)。

資料:Toyota Press Release 2011.2.24, Toyota in India Press Release 2011.3.4

ホンダ:パワートレイン工場に 25億ルピーを投資して設備拡大

Honda Siel Cars India は、2010年 7月、ラジャスタン州 Tapukara 工場敷地内にある 4輪車パワートレイン工場に 25億ルピー (約 47億円) を投資して、パワートレイン設備を拡張すると発表した。2011年初頭より新たにシリンダーヘッドとシリンダーブロックの生産を開始し、現地化をさらに進める。
従来は、コンロッドやクランクシャフトを生産し、ウッタルプラディッシュ州 Greater Noida にある完成車工場へ出荷してきた。(Tapukara の完成車工場は、2007年 7月に建設を開始したが、需要減退のため建設を延期中。)

資料:Honda Press Release 2010.7.28

日産:2013年までにインドの販売店を 82店舗に増やし、10万台販売へ

日産は、2010年 7月から 20店舗で Micra の販売を開始したが、2013年までに 82店舗に増やし、インド市場の 85% をカバーする計画。2011年には Micra ベースのセダンを投入し、2012年には現地生産する 5車種を含め、販売するラインナップを 9車種に拡大する。Ashok Leyland と共同開発する小型商用車も 2011年から投入する計画。日産は、2013年までにインドでの販売台数を 10万台以上に引き上げる計画。
Renault-Nissan Alliance:インドの Chennai 工場で生産開始
Renault-Nissan Allianceは、450億ルピー (990百万ドル) を投じて建設したインドの Chennai工場の竣工式を2010年 3月に開催した。年産能力は40万台。2010年 5月に、日産のグローバルコンパクトカー Micra (日本名 March) の生産を開始。2011年からは、ルノーの MPV Koleos、中型セダン Fluence の生産を始める予定。
日産:Ashok Leyland とインドで小型商用車を生産
日産とAshok Leyland の合弁会社 Ashok Leyland Nissan Vehicles Pvt. Ltd. は、インドで 3車種の小型商用車を生産する計画。まず、2011年後半に Ashok の Hosur工場で light truck の生産を開始する。同合弁会社は、Hosur 工場で年間 10万台生産する。Sriperambadur の新工場が完成すれば、合計年産 19万台とする計画 (現在、州政府からの建設承認待ち)。

資料:Renault-Nissan Press Release 2010.3.17, その他

 



インドメーカー (Tata Motors/Mahindra & Mahindra) の動向

Tata Motors:Nano の専用工場が稼働、店頭販売を開始

Tata Motors は2010年 6月、グジャラート州 Sanand で Nano 専用工場の稼働を開始した。年間生産能力は 25万台で、将来 35万台まで段階的に拡大が可能。
Nano の専用工場が本格稼働したのを受け、2010年10月、Nano の販売を、従来の予約販売方式から、通常の店頭販売方式に変更。最初の予約販売の 10万台については、2010年末までに完了。
2010年11月初めから Nano の価格を平均約 9,000ルピー値上げした。過去 2年間の原材料価格の上昇分を一部相殺するため。最初の予約販売の 10万台 (価格はニューデリー渡しで12万 3,360ルピー) 以外を対象に、値上げを実施する。

資料:Tata Press Release 2010.6.2/10.4/10.5/10.29

Mahindra & Mahindra:Renault との合弁解消、M&M 単独で Logan 事業を継続

M&M と Renault は 2010年 4月、合弁会社 Mahindra Renault Pvt. Ltd. (MRPL) の再編を発表した。Renault は持ち株 49% をすべて M&M に売却。MRPL は M&M の完全子会社となった。M&M は、2010年末まで Renault のブランドとロゴを使用して Logan 事業を継続するが、約1年半の移行期間中に、モデル名を変更し、M&Mブランド車とする。M&M は、現行 Logan より小型化し、物品税率の軽減措置 (車長4m以下) の適用を図ると見られる。

資料:Mahindra, Renault 共同 Press Release 2010.4.16

Mahindra & Mahindra:EV メーカーの REVA を買収
M&M は2010年 5月、REVA Electric Car Co. Ltd. の株式 55.2% を取得し、社名を Mahindra REVA Electric Vehicle Co. Ltd. に変更した。これに伴いGM は、2009年 9月に合意した REVA との提携を解消。

資料:Mahindra, REVA 共同 Press Release 2010.5.26, Mahindra & Mahindra Press Release 2010.11.3

Mahindra & Mahindra:韓国・双竜買収で最終合意
M&M は2011年 3月、韓国・双竜自動車 (Ssangyong Motor Co.) を 4億 6,300万ドルで買収する契約を正式締結した。買収額のうち 3億 7,800万ドルは新株の取得に、8,500万ドルは社債の引き受けに充てる。M&M は双竜の株式の 70% を取得する。双竜は SUV を主力とする自動車メーカー。M&M の資金力・市場開発力と双竜の技術力を活用し、グローバル市場での存在感を高める計画。

資料:Mahindra Ssangyong Press Release 2010.11.23, 日経産業新聞 2010.9.6, 日本経済新聞 2010.11.24

 



現代自動車の動向

現代自動車:生産効率化によりインド工場の年産能力を拡大、毎年新型車を 2~3車種を投入へ

現代自動車は、2011年に国内 2工場の年産能力を、生産効率化により 63万台から 67万台に拡張する。また、成長著しいインド市場でのシェア拡大に向け、毎年 2~3車種の新型車を投入する方針。
現代自動車:i20 の EU 向け輸出車の生産をトルコ工場に移管
現代自動車は、i20 の EU 向け輸出車の生産を、同社のトルコ工場に移管することを明らかにした(2010年 5月)。インドの Chennai 工場で生産した CKD kit を輸出し、トルコで組み立てることにより、関税が低減でき、欧州市場での競争力が向上する。
現代自動車:インドにディーゼルエンジン工場を新設
現代自動車は、今後 3年間に 40億ルピーを投じ、年産能力 15万基のディーゼルエンジン工場を新設すると発表した(2010年12月)。2013年~2014年初に操業開始予定で、インド市場向けの 1.1/1.4/1.6L のディーゼルエンジンを生産する。既存モデルの一部と、今後インドに投入される新モデルに使用する計画。

資料:The Times of India 2010.12.28, その他

 



欧米メーカー (GM/Daimler/VW/PSA) の動向

GM:GM India の株式の 50% を上海汽車に売却

GMは2009年12月に、GM India の所有権の 50% を上海汽車に売却した。また上海汽車と共同で投資会社 General Motors SAIC Investment を香港に設立し、インド事業を含むアジアでの事業を共同で強化する方針。
GM:インド市場での商品ラインアップを大幅強化
GM はインドを世界の最重要市場の 1つと位置づけ、グジャラート州 Halol 乗用車工場に 100百万ドルを投資し、年産能力を 8.5万台から 10.5万台に引き上げる。今後 2年間で新型乗用車 6車種を投入する計画。既存 14車種の更新も計画。またインド GMの現在のエントリーモデルである Spark より安価なモデルを、上海汽車の低価格車生産技術を活用して開発し、投入するとされる。
商用車市場にも参入する計画で、SAIC-GM-Wulingの小型バンや上海汽車が開発したモデルなど 3車種をHalol 工場で生産する計画と報道されている。乗用車の Chevrolet ブランドではなく、LCV 専用の別の ブランドを使用する計画。
GM:インドで現地開発エンジンの生産開始
GMは 2億 3,000万ドルを投資して、マハラシュトラ州 Talegaon にエンジン工場を新設。当初の年産能力は 16万基。2011年 1月から、1200cc Smart-Tech ガソリンエンジンの生産を開始した。今後、Chevrolet Beat 向けの 1,000cc ディーゼルエンジンも生産する計画。

資料:GM Press Release 2011.1.27, 日刊自動車新聞 2011.1.18

Daimler:インドで GVW 6~49t トラックを新ブランドで投入

Daimler India Commercial Vehicles (DICV) は、440億ルピーを投じてタミルナド州 Oragadam に商用車工場を建設中。2012年からインド市場専用の新ブランド BharatBenz (Bharat はインドを意味する) で、GVW 6t~49t の商用車全車種を展開する方針。6~12t 級の小型トラックについては三菱ふそうの Fighter のシャシーに Canter のキャブを使用し、中大型車については M-Benz の車両をベースとして、新ブランド車を開発する。
2012年第 3四半期に、まず 24t車を発売する計画。当初の年産能力は 3.6万台で、最大 7.2万台に拡充可能。部品の現地調達比率は 8割とし、コスト競争力を高める。将来は南アフリカや東南アジアへの輸出も視野。
資料:日刊自動車新聞 2011.2.25/3.4, 日刊工業新聞 2011.2.23/2.24
(注) Daimler の新ブランドは、従来の M-Benz や Volvo の超大型高級トラックと地場メーカーの低価格トラックの中間に位置する、商品のユーザーをターゲットとする。Daimler は、インドのトラック市場では2020年までに、上記のようなユーザーの比率が 80% に拡大すると見込んでいる。また、今後 Euro 4 相当の排出ガス規制が段階的に導入されるため、環境技術の高い Daimler のトラックが求められる可能性は高いとしている。

VW:2011年末までに年産能力を 11万台規模へ

VW は、2010年 9月までに Chakan工場に第 2シフトを導入し、新たにセダン Vento の生産を開始した。2011年末までに Chakan 工場をフル稼働させ、年産 11万台規模を達成する計画。VW は 2016年までに市場シェアを現在の 2% から 10% にまで引き上げることを目指している。
Audi:インドの Skoda 工場での生産体制を年産 3,000台に拡大
Audi India は、2010年 9月、マハラシュトラ州 Aurangabad にある Skoda 工場での Audi 車生産を 50% 引き上げ、年産 3,000台に拡大する計画を明らかにした。工場の生産体制を 2シフトへ移行し、2011年には 3,000台の生産体制とする。Audi は現在、インドで現地生産する A4, A6, Q5 のほか、A8, Q7, TT, R8 を輸入販売している。2010年通年の販売実績 (輸入車含む) は 09年比 81%増の 3,003台 (09年は 1,658台)。

資料:Audi India Press Release 2011.1.11, その他

PSA:インド工場建設で市場再参入へ

PSAは、世界的な経済危機を背景に、インド事業の推進を遅らせていたが、2011年 2月、現地生産計画を発表した。最初の生産車種は Peugeot ブランドの中型セダンとする計画。工場用地については、現在、タルミナド州とアンドラプラデシュ州で選定中。PSA は1990年代前半にインド市場に参入していたが、合弁相手との対立等から1997年に撤退している。

資料:PSA Press Release 2011.2.9

 



インドの2010年 4月~2011年 2月の生産・販売は前年比約 3割増

 2010年4月~2011年 2月のインド総生産台数は、前年同期比 28.1%増の 335.1万台。うち乗用車は267.9万台(26.3%増)、商用車は67.2万台 (35.6%増)。国内販売は29.6%増の287.3万台。うち乗用車は227.5万台 (29.8%増)、商用車は59.9万台 (28.6%)で、生産・販売とも大幅に増加した。輸出は5.6%増の47.0万台だが、乗用車輸出は微減の40.2万台、商用車は72.8%増 の6.8万台。2010年10月頃から、欧州向け中心の乗用車輸出に陰りが見えている。

インドでの自動車生産・販売・輸出台数

(台)
2005年 2006年 2007年 2008年 2009年度 2009年4月
~2010年2月
2010年4月
~2011年2月
国内生産 乗用車 1,309,300 1,545,223 1,777,583 1,838,593 2,351,240 2,120,804 2,678,665
商用車 391,083 519,982 549,006 416,870 566,608 495,548 672,078
合計 1,700,383 2,065,205 2,326,589 2,255,463 2,917,848 2,616,352 3,350,743
国内販売 乗用車 1,143,076 1,379,979 1,549,882 1,552,703 1,949,776 1,751,680 2,274,553
商用車 351,041 467,765 490,494 384,194 531,395 465,369 598,679
合計 1,494,117 1,847,744 2,040,376 1,936,897 2,481,171 2,217,049 2,873,232
輸出 乗用車 175,572 198,452 218,401 335,729 446,146 405,864 402,382
商用車 40,600 49,537 58,994 42,625 45,007 39,243 67,818
合計 216,172 247,989 277,395 378,354 491,153 445,107 470,200
資料:SIAM (Society of Indian Automobile Manufacturers)
(注) 1. 2009年度は、2009年 4月~2010年 3月。
2. "乗用車" は乗用車 (Passenger Cars)、UVs (Utility Vehicles)、MPVs (Multi Purpose Vehicles) の合計。

 



(参考)

インド乗用車市場 (UV/MPVを含む) でのメーカー別販売台数

(台)
2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年
BMW     1,303 2,905 3,619 6,246
Fiat 1,648 2,115 2,887 4,383 22,757 21,950
Ford 20,412 42,062 39,434 28,564 29,452 83,887
GM 12,165 35,823 60,032 65,702 69,071 110,361
Hindustan Motors 14,323 15,529 12,200 10,411 9,757 10,728
ホンダ 38,423 56,197 60,386 54,136 62,337 62,872
現代自動車 155,127 186,174 200,412 245,397 289,863 356,717
Mahindra Renault 17,771 18,976 6,456 8,163
Mahindra & Mahindra   88,136 100,645 102,498 143,609 164,496
Maruti Suzuki India 445,448 596,005 710,532 697,850 836,886 1,065,732
Mercedes-Benz India 1,798 1,946 2,294 3,445 3,385 5,819
日産         133 7,164
Tata Motors 144,895 218,355 228,038 231,132 260,113 343,695
トヨタ 9,782 48,490 54,166 52,807 54,320 74,762
VW Group 8,953 12,202 12,596 16,188 17,225 55,589
その他   8,077 8,134 9,324 6,646 8,647
乗用車・UV・MPV合計 852,974 1,311,111 1,510,830 1,543,718 1,815,629 2,386,828
商用車合計 586,639 439,174 479,394 436,436 448,557 652,689
インド市場総販売台数 1,439,613 1,750,285 1,990,224 1,980,154 2,264,186 3,039,517
資料:SIAM (Society of Indian Automobile Manufacturers)
(注) SIAM 発表による広義の乗用自動車 (Passenger Vehicles) セグメントの販売台数で、(1)乗用車 (Passenger Cars), (2) UVs (12人乗りまでの Utility Vehicles)、(3) MPVs (バンタイプのMPV)、の3つのサブセグメントの合計。また、インド国内で生産された車両の販売台数で、輸入車は含まない。
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