GM:2010年に2004年以来の最終黒字(47億ドル)

北米で4ブランド全てに小型車を投入、2011年に次世代型Mild Hybridを発売

2011/03/14

要 約

 GMの、破産法手続きを終了し新GMとして発足後初の通年決算となる2010年の業績は、2004年以来6年ぶりの最終黒字(47億ドル)となった。部門別には、2005年以来最大の赤字部門であった北米事業(GMNA)が、最大の収益市場(EBITが57億ドルの黒字)に転換した。バランスシートも大幅に改善し、Free Cash Flowは24億ドルのプラスで、GMは流動性の問題は解決したと発表した。

 北米のモデル計画では、小型車を強化し、2010年に発売したChevrolet Cruzeに続き、2011年にSonic(新型Aveo)、2012年にミニカーのSparkを発売する。Buick、GMC、Cadillacブランドにもコンパクトクラス車を投入する。

 また電動車両については、2010年11月にPlug-in Hybrid Chevrolet Voltを発売。2011年にリチウムイオン電池を搭載する次世代型Mild Hybridシステム"eAssist"を導入する。2016年に自動車メーカーの平均燃費を35.5 mpgとする米国政府の燃費規制に対応するために、2012MY のBuick LaCrosse/Regalに搭載し、順次全モデルに搭載する計画と報道されている。

 GMの世界販売台数は、2009年の748万台から839万台に増加。北米・欧州を除く新興国市場の世界販売に占める割合は2007年の28.5%から2010年48.9%に上昇し、中国が国別最大市場(235万台)となった。GMは、中国に続き、ブラジル、ロシア、インドのBRICs諸国の事業を強化する計画。



2010年に、6年ぶりの最終黒字(47億ドル)

 GMの2010年の連結売上高は1,356億ドル。最終連結損益は4,668百万ドルの黒字で、GMの最終黒字は2004年以来6年ぶり。

GM:2010年は、4,668百万ドルの純利益

(100万ドル)
  旧GM 新GM
2008年通期 2009年
1月~7月9日
2009年
7月10日~12月
2010年通期
Net sales and revenue 148,979 47,115 57,474 135,592
Operating income (loss) (21,230) (16,095) (4,928) 5,084
Reorganization gains, net(注2)   128,155    
Net income (loss) (30,943) 109,118 (4,428) 4,668
資料:GMの2010年決算発表資料
(注) 1. 新GMは、破産法手続き終了後、2009年7月10日にスタートした。
2. Reorganization gainsは、2009年1月~7月9日期に、裁判所での破産法を適用する手続きで負債を削減したことに伴う特別利益。

2002年~2008年の、旧GMの業績概要

(100万ドル)
  2002年 2003年 2004年 2005年 2006年 2007年 2008年
Net sales and revenue 177,324 185,837 193,452 194,577 204,467 179,984 148,979
Net income (loss) 1,735 3,525 2,701 (10,417) (1,978) (38,732) (30,943)

資料:GMの決算発表資料

部門別損益:北米部門が57億ドルの黒字(EBIT)

 GMの2010年部門別損益(EBIT)は、2005~2008年の間GM最大の赤字部門であった北米事業(GMNA)が57億ドルの黒字となった。北米での生産は、2009年の191万台から2010年281万台に拡大し、工場稼働率は48.0%から89.5%に向上した。GMの北米事業は、現在の市場規模で収益を上げられる体質に転換したとされる。

 欧州事業(GME)は18億ドルの赤字で、欧州事業は2005年以来連続で赤字を続けている。

GM:部門別損益

(100万ドル)
2010年通年 2009年
10~12月期
2010年
10~12月期
Net Sales and Revenue 135,592    
Operating income 5,084    
EBIT
(Earnings before
Interest and Taxes)
GMNA(北米)
GME(欧州)
GMIO(海外)
GMSA(南米)
GM Financial(注4)
5,748
(1,764)
2,262
818
129
(3,443)
(799)

428
291
 
813
(568)
334
195
129
小計 7,193 (3,523) 903
Corporate & eliminations 284 (523) 442
EBIT合計 7,477 (4,046) 1,345
Net income (loss) 4,668 (3,520) 510
資料:GMの2010年決算発表資料
(注) 1. GMSA(GM South America)は南米地域で、2010年7月にGMIOから分離した。GMIO(GM International Operations)は、欧米とGMSAを除く地域を担当し、ロシアとウズベキスタンを含む。
2. 2010年10~12月期は、新GM発足後、四半期として初めて前年同期と同じ条件での比較が可能になった。
3-1. GMの北米部門は、2005年106億ドル、2006年69億ドル、2007年33億ドル、2008年141億ドルの税引き前赤字だった。
3-2. GMの北米事業は、2007年と2009年のUAWの譲歩、破産法適用による負債の削減に加え、Chevrolet Cruzeなど新モデルの好調、実売価格のアップ、従来の8ブランドを4ブランドに絞ったことにより、各ブランドに十分な広告宣伝費を投入できるなどで、収益性が大幅に回復した。
3-3. また従来の過剰に生産して在庫を増やし、高額のインセンティブにより在庫を一掃するというパターンと決別し、生産台数と在庫、インセンティブを適切なレベルに抑制していることも貢献し、現在の市場規模でも十分な収益を上げられる体質に転換したとされる(Automotive News 2010.11.15、Ward's Automotive Reports 2011.2.7)。
4-1. GMの販売金融は、Ally Financialが中心。Ally Financialは、従前のGMAC Financial Servicesで、現在は米国政府が筆頭株主(56.3%)で、GMの連結対象になっていない。
4-2. Ally Financialは、ディーラーの在庫金融と、優良顧客を中心に小売販売金融を提供している。
4-3. GMは2009年9月から、独立系で中古車を中心にクレジット評価の低い層に販売金融を提供するAmeriCreditと提携して、non-primeローンの提供を開始し、さらに2010年10月にAmeriCreditを35億ドルで買収し、社名をGM Financialに変更した。米国では、車購入者の約4割は"prime"とはみなされない、クレジット評価が低い層とされ、AmeriCreditを買収することによりGMの米国販売は2割程度拡大するとされている。

GM:世界生産台数

(1,000台)
10~12月 通年
2009年 2010年 2009年 2010年 前年比
新GM 新GM 旧GM+新GM 新GM
GMNA
(北米)
生産台数 616 703 1,913 2,809 146.8%
工場稼働率 61.5% 89.6% 48.0% 89.5%  
GME(欧州) 256 313 1,106 1,234 111.6%
GMIO
(海外事業)
連結対象 229 265 752 1,016 135.1%
合弁会社(注2) 592 747 1,925 2,729 141.8%
821 1,012 2,677 3,745 139.9%
GMSA(南米) 229 241 807 926 114.7%
世界合計 1,922 2,269 6,503 8,714 134.0%
資料:GMの2010年決算発表資料
(注) 1. 北米生産のうち、メキシコでの生産は2009年の35万台から2010年56万台に拡大した。GMは、今後も、人件費が北米工場の10分の1とされるメキシコでの生産を拡大する方針。
2. GMは、中国の合弁3社(SGM、SGMW、FAW-GM)との契約により、合弁会社の生産・販売台数をGMの生産・販売台数として発表している。売上高、経費は連結していない。

GMのバランスシート:連結負債が2008年末比747億ドル減少

 GMの連結バランスシートは、破産法適用手続きによる負債の削減により、大幅に改善した。

 連結負債は2008年末の1,764億ドルから2010年末1,017末億ドルに747億ドル減少し、株主資本は862億ドルの債務超過から362億ドルのプラスに転換した。

 関連して、2010年の自動車部門Free Cash Flow(「営業活動によるキャッシュ創出」― 「資本投資」)は24億ドルのプラスで、2010年末の自動車部門の流動性は335億ドル。

 GMは、流動性確保の課題は解決したと発表した。また、米国エネルギー省へ144億ドルの環境対応車生産のための融資を申請していたが、これを取り下げると発表した。

GMの連結バランスシート

(100万ドル)
  旧GM 新GM
2007年末 2008年末 2009年末 2010年末
自動車部門流動資産
自動車部門固定資産
ファイナンス部門資産
    59,247
77,048
53,053
74,913
10,932
資産合計 148,883 91,047 136,295 138,898
自動車部門流動負債
自動車部門固定負債
ファイナンス部門負債
    52,435
54,905
0
47,157
47,223
7,359
負債合計 184,363 176,387 107,340 101,739
偶発債務(破産法手続き関連)     6,998  
少数株主持分 1,614 814 708 979
株主資本 (37,094) (86,154) 21,249 36,180
負債/株主資本合計 148,883 91,047 136,295 138,898
資料:GMの2010年決算発表資料
(注) 1. 2010年自動車部門のFree Cash Flow(「営業活動によるキャッシュ創出」 - 「資本投資」)は24億ドルのプラス。2010年末の自動車部門の流動性は、59億ドルのCredit Facilitiesを含み335億ドル。
2. GMは2009年10月、米国政府DOE(Department of Energy)の次世代車生産を支援する基金に、144億ドルの融資を申請していた。しかし2011年1月、その申請を取り下げると発表した。設備投資に必要な資金を得る十分なキャッシュフローがあり、また負債を極力減らす方針だとしている(Ford、日産などは、この基金から融資を受けている)。

 



北米モデル計画:4ブランド全てで小型車を強化

 GMの北米モデル計画のうち、以下に小型車と電動車両導入計画についてレポートする。

 GMは、市場の変化と米国での燃費規制強化に対応して、4ブランド全てで小型車を強化する計画。Chevroletブランドでは、2010年にCruze、2011年にSonic(新型Aveo)、2012年にミニカーのSparkを発売する。もともとはトラック中心であったGMCブランド、またBuick、Cadillacブランドでも、コンパクトクラス車を発売する見込み。

GMの北米モデル計画(2011~2013MY)

(*印は小型車)
  2011MY 2012MY 2013MY
Chevrolet *Cruze(Compact car)、
Volt(PHEV)
*Sonic(新型Aveo)
(Sub-compact car)
*Spark(Mini car)、
新型Malibu(中型車)、
*Compact Crossover
Cadillac   XTS *Compact car(or 2014MY)、
Large Crossover
Buick   *Verano(Compact car) *Encore(compact crossover)
資料:GM広報資料 2011.1.10、Automotive News 2010.8.9
(注) *印は小型車で、Automotive NewsはさらにCompact (Ford Focusクラス)、Sub-compact(Ford Fiestaクラス)とMini carの3つのクラスに分類している。
小型車の投入計画
Chevrolet Cruze  Cruzeは、2011MYとして2010年9月に米国で発売した4ドアセダン(Chevrolet Cobalt後継車の位置づけ)。既に2009年に、欧州とアジアで発売した。
Chevrolet Sonic
(次期型Aveo)
 GMは、約545百万ドルを投資し、2011年半ばに米国ミシガン州Orion Township工場で、新型Aveoの生産を開始する。年間6~7万台の生産を計画。
 GMは、Aveoクラスの小型車を米国で生産する唯一の自動車メーカーになると発表した。従来は米国での小型車生産は収益の維持が困難とされたが、UAWが労働条件を譲歩し可能になったとされる。
 GMは2011年1月、Detroit motor showで、次期型Chevrolet AveoをSonicの車名で出展した。ハッチバックと4ドアセダンを開発し、1800ccと1400ccターボエンジンを搭載。Ford Fiestaに対抗する。北米以外の地域ではAveoの車名で発売する。
Chevrolet Spark  Daewoo Matizの姉妹車で、3気筒または4気筒エンジンを搭載するMini car。当初は韓国で生産して米国へ輸出し、その後生産をメキシコに移すとされる。
Compact crossover  GMは、2013MYで、Chevrolet Equinoxより小型のCrossover車を、Chevroletブランドで発売することを検討中とされる。
Buick Verano  Buick Veranoは、Chevrolet CruzeとDelta platformを共有するCompact car。GMは2010年10月、ミシガン州Orion Township工場に145百万ドルを投資し、既に発表済のSonic(新型 Aveo)とともに、Buick Veranoを生産すると発表した。
Buick Encore  Delta platformベースの、5人乗りコンパクトCrossover車。2013MYで発売予定。
GMC Granite  GMが2010年Detroit motor showに出展したコンパクトMPVコンセプト。ボックススタイルで助手席側に観音開きドアを装備、日産Cubeより一回り大きい。1800ccエンジン、1400ccターボエンジンと6速ATを搭載する。2013年に発売するとされる。
 GMCブランドのラインアップは、大型SUVやフルサイズピックアップが中心であったが、市場の変化から、既に乗用車ベースCrossoverのAcadia、さらに小型のTerrainも発売している。GMC Graniteは、GMCブランドの最小型モデルとなる。
Cadillac ATS  2013MYまたは2014MYで、後輪駆動Alpha platformベースで開発した、Cadillacブランドのコンパクト車ATSを発売する見込み。

資料:GM広報資料 2010.10.7/2011.1.10、Automotive News 2010.8.9、Ward's Automotive Reports 2011.1.10

電動車両導入計画:2011年から、次世代型Mild Hybridシステム"eAssist"を搭載

 GMは2010年11月、Plug-in Hybrid Chevrolet Voltを発売した。2011年に2.5万台、2012年に4.5万台生産する計画。

 Hybrid車については、2011年3月時点で、Two-mode Hybrid 6車種を販売している。GMはTwo-modeシステムをレベルアップして、2013年にFour-mode型を発売するとされる。

 またGMがBelt-alternator starter systemと呼ぶMild Hybridシステムは、2009年に生産・販売を中断していた。GMはリチウムイオン電池を搭載する次世代型を開発し、商品名を"eAssit"に変更して2012MY Buick LaCrosse/Regalを皮切りに全モデルに搭載する計画と報道されている。

電動車両の投入計画
Chevrolet Volt
(Plug-in Hybrid)
 GMは、2010年11月にPlug-in Hybrid Chevrolet Voltを、Washington D.C.とCalifornia、New York、Connecticut、New Jersey、Texasの諸州で発売した。2011年末までに全米50州で発売する計画。ベース車の価格は40,280ドルだが、政府補助7,500ドルを差引いて、"32,780ドル"と訴求している。
 GMは、当初Chevrolet Voltを2011年に1万台、2012年3万台生産する計画であったが、2010年7月に2012年の生産計画台数を4.5万台に拡大すると発表した。また2011年の生産計画を1万台から2.5万台以上に引き上げたと報道されている(2011年1月31日付Automotive News)。
 2012MYで、E85で走行可能なVolt Flex-fuel versionを投入する見込み。 また、MPVタイプ車を開発中とされる。
"eAssit"
(Mild Hybrid)
(注1)
 GMは、Saturn Vueなどに"Belt-alternator starter systemと呼ぶMild Hybrid systemを搭載していたが、2009年に生産を中止した。アイドリングストップ、回生ブレーキとモーターによるアシストで燃費を向上させるシステムだが、市場では成功しなかったとされる。
 2011年に導入する次期型は、日立製リチウムイオン電池を搭載して性能を向上させ、2012MY Buick LaCrosse(4気筒車)に標準搭載し、highway燃費は2011年モデル比で7 mpg 改善し37 mpg、City drivingは6 mpg改善し25 mpgの見込みで、いずれもコンパクトカー並としている。
 GMは、米国政府の燃費規制(2016年にメーカー平均で35.5 mpg)を達成するための主要なツールの1つとして、燃費を20~25%向上させる"eAssist"を全モデルに搭載する計画と報道されている。
Two-mode Hybrid  現在Chevrolet Silveradoなど大型SUVとピックアップ 6車種に、Two-mode Hybrid systemを搭載している。GMは、レベルアップしたFour-mode versionを開発し、2013年に発売するGMC Yukonから搭載するとされる(Four-modeの具体的内容は発表されていない)。
資料:GM広報資料 2010.7.30/2010.11.15/2011.1.27、Automotive News 2010.8.2/2010.10.18
(注)1-1. GMは"eAssist"の呼称について、トヨタPriusなどのフルHybridと燃費を比較されることを避けるため"Hybrid"とは呼ばず、また従来システムのイメージを一新するため"Belt-alternator starter system"の呼称も使用しない方針とされる。
1-2. "eAssist"は、リチウムイオン電池とともに、Maxwell社製Ultracapacitorを搭載する。特にブレーキエネルギー回生時に、Ultracapacitorの瞬間的に大量の充電が可能な特性を活用する。
2. GMは上表の他に、(1)FWD車用Two-mode Hybrid、(2)Voltとは別システムの、FWD用Two-mode HEVをベースとするPHEV、の開発を進めてきたが、経営危機から商品化が延期されている。

 



2010年世界販売は839万台、新興国市場が約5割に拡大

 GMの世界販売は2009年の748万台から839万台に91万台拡大した。91万台のうち78万台は北米と欧州を除く新興国市場(GMの資料ではGMIO + GMSA)での増加で、その世界販売に占める割合は48.9%に高まった(2007年は28.5%、2009年は44.5%)。

 2010年の国別販売では、中国が2009年比28.8%増加して235万台を販売し、GMの国別最大市場となった。上位10ヶ国で2010年に2009年比二桁伸びた市場は全て新興国市場。

GM:世界販売台数

(1,000台)
  2007年 2008年 2009年 2010年
旧GM 旧GM+新GM 新GM
GMNA(北米) 4,516 3,564 2,484 2,625
GME(欧州) 2,182 2,041 1,668 1,662
GMIO(海外事業) 2,672 2,751 2,453 3,077
GMSA(南米) 872 1,026
世界合計 9,370 8,356 7,477 8,390
資料:GMの2010年決算発表資料
(注) 1. 廃止するHummer、Saturn、Pontiacブランド車、2010年2月までのSaabブランド車を含む。
2. GMNA(北米)はメキシコを含む。
3. 米国での、2006年~2011年2月の販売台数を本レポート末尾に掲載した。

GMの、2009~2010年国別販売台数

2009年 2010年 増減
1 中国 1,826,475 2,351,610 28.8%
2 米国 2,084,492 2,215,227 6.3%
3 ブラジル 595,625 657,825 10.4%
4 英国 287,278 290,250 1.0%
5 ドイツ 381,687 269,061 -29.5%
6 カナダ 254,257 247,104 -2.8%
7 イタリア 188,689 169,955 -9.9%
8 ロシア 141,695 159,199 12.4%
9 メキシコ 138,482 155,590 12.4%
10 ウズベキスタン 102,746 145,151 41.3%
その他 1,475,752 1,728,797 17.1%
世界販売 7,477,178 8,389,769 12.2%

資料:GM広報資料 2011.1.24

中国を始め、BRICs諸国で販売拡大を目指す

 GMの中国事業は、Shanghai GM、SAIC-GM-Wuling、および2009年にFAWと共同で設立したFAW-GMの3つの合弁会社で進めている。SAIC-GM-Wuling(SGMW)は、Wulingブランドの小型バンを中心に123万台を販売した。GMは、2011~2012年にChevrolet Voltを含めて20の新型またはレベルアップしたモデルを投入する。

 GMは、2011年1~2月期に中国市場で452,570台(15.0%増)を販売した。

GM:中国の合弁事業 3社

  2010年販売 前年比 GM出資
比率
概況
Shanghai GM 1,033,307 142.0% 49% Chevrolet/Buick/Cadillacブランド車を販売
SAIC-GM-Wuling 1,226,860 115.6% 44% Wulingブランドのミニカーが中心
FAW-GM 88,224 251.4% 50% 2009年に設立した小型商用車の合弁会社
合計 2,351,610 128.8%   (上記に含まれない輸入車を含む)
資料:中国GM広報資料 2011.1.4
(注) 1. 2009年12月、GMはShanghai GMの株式 1%を上海汽車に売却し、Shanghai GMへの出資比率はGM 49%、上海汽車51%となった。
2. 2011年1月、GMはWulingからSAIC-GM-Wulingの株式10%を購入し、SAIC-GM-Wulingの出資比率はGM 44%、上海汽車50.1%、Wuling 5.9%となった。GMは、Wulingの小型バン生産のノウハウをインドに導入する計画。
3. FAW-GM(一汽通用軽型商用汽車公司)については、既存工場で生産した車両の販売台数を発表している。また2010年12月に新工場「長春工場」を正式稼働させた。ピックアップ、SUV、MPV、軽型バスを、当初は年間8万台生産し、徐々に20万台に引き上げる見通し。

 GMは、2010年にブラジルで65.8万台販売した。GMは、2014年にブラジル市場は400万台規模に拡大し、GMの販売は100万台に到達すると見込んでいる。そのためにGMは、2008~2012年の5年間に総額28億ドルを投資する計画。中断していたエンジン工場建設の再開も発表した。

 ロシアではサンクトペテルブルグの自社工場を含め、3つの拠点で生産し、2010年に16万台販売した。2011年2月に、GAZと提携し次期型Aveoを生産する計画を発表した。また、GMはロシアでの生産を年35万台に拡大し、部品の国産化率を60%に引き上げる計画とされる。

 GMの2010年インドでの販売は2009年5.5万台から9.0万台に増加した。GMは2009年12月に、GM Indiaの所有権の50%を上海汽車に売却した。また上海汽車と共同で投資会社General Motors SAIC Investmentを香港に設立し、インド事業を手始めにアジアでの事業を共同で強化する方針。

GM:ブラジル、ロシア、インド市場で販売拡大を目指す

ブラジル エンジン工場
建設を再開
 GMは、2010年7月、2008年末の大雨と洪水で建設を中断していたJoinville市のエンジン工場の建設を、8月から再開すると発表した。投資額は350百万レアル(ブラジルに5年間で投資する28億ドルの一部)。2012年に生産を開始し、年間エンジンを12万基とアルミ製シリンダーヘッドを20万台分生産する。

資料:GM広報資料 2010.6.22/2010.7.20

ロシア GAZと提携  GMは2011年2月、ロシアの商用車最大手のGAZと提携すると発表した。2012年半ばから、GAZのNizhniy Novgorod工場で、次期型Chevrolet Aveo(Sub-compact car)を年間約3万台委託生産し、ロシア市場で販売する。次期型Aveoは、セグメントリーダーを目指す世界戦略車としている。
生産を年35万台に
高める計画
 2011年3月、GMはロシアでの生産規模を35万台に拡大し、部品の国産化率を60%に引き上げる意向と報道されている。生産拠点としては、サンクトペテルブルグ自社工場の拡充、委託生産している組立メーカーのAvtotorでの生産の拡大などを検討中とされる。

資料:GM広報資料 2011.2.1
(注)GMは、ロシアで、2002年から提携したAvtovazの工場、2004年から組立メーカーAvtotorのカリーニングラード工場、2006年からサンクトペテルブルグの自社工場、の3工場で生産している。

インド 商品ラインアップ
を大幅強化
 GMはインドを世界の最重要市場の1つと位置づけ、Gujarat州Halol乗用車工場に100百万ドルを投資し、今後2年間で新型乗用車6車種を投入する計画。既存14車種の更新も計画。またインドGMの現在のエントリーモデルであるSparkより安価なモデルを、上海汽車の低価格車生産技術を活用して開発し投入するとされる。
 商用車市場にも参入する計画で、SAIC-GM-Wulingの小型バンや上海汽車が開発したモデルなど3車種をHalol工場で生産する計画と報道されている。
現地開発
エンジンを生産
 GMは2011年1月、マハラシュトラ州Talegaon工場で1200cc Smart-Techエンジンの生産を開始した。インドBangaloreのGM Technical Center-Indiaが開発した。アルミ製シリンダーヘッド、DOHCシステム等を搭載し、今後インド市場に投入する新型車に搭載する。

資料:GM広報資料 2011.1.27

(付表)米国販売:2010年に221万台販売、シェアは19.1%、2011年を好スタート

 GMの2010年米国でのLight Vehicle販売は、2009年207万台から221万台に6.8%増加した。米国市場の伸び率11.1%に追いつかず、シェアは19.9%から19.1%に下降した。

 2011年1~2月の米国販売は1,813,436台で2010年比22,6%アップ、GMは385,925台を販売して34.1%アップし、シェアは21.3%に上昇した。2月にはガソリン価格が上昇し小型車シフトが始まったとされるが、GMは小型車ラインアップを拡充しており、影響は軽微としている。

米国のメーカー別 Light Vehicle 販売台数

(台)
  2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2010年
1~2月
2011年
1~2月
GM 4,065,341 3,822,611 2,954,819 2,071,749 2,211,699 287,850 385,925
GMシェア 24.5% 23.7% 22.3% 19.9% 19.1% 19.5% 21.3%
Ford 2,901,090 2,559,259 2,002,279 1,677,234 1,964,059 258,283 283,213
Chrysler 2,142,505 2,076,650 1,453,122 931,402 1,085,211 141,592 165,220
米国 3社 9,108,936 8,458,520 6,410,220 4,680,385 5,260,969 687,725 834,358
日本 8社 5,768,783 5,961,524 5,236,300 4,208,299 4,475,708 557,795 687,254
現代自動車 749,822 772,482 675,139 735,127 894,496 110,681 141,342
欧州メーカー 932,084 961,538 924,059 807,699 959,101 123,156 150,482
合計 16,559,625 16,154,064 13,245,718 10,431,510 11,590,274 1,479,357 1,813,436
資料:Automotive News 2011.1.10/2011.3.1
(注) 1. GMの2011年1~2月のLight Vehicle販売は385,925台で34.1%増、米国全体の前年比22.6%を超え、シェアは21.3%にアップした。
2. GMは、2011年1月の米国販売では、小売台数は36%アップし、販売条件が厳しいフリート販売は7%減少した(GM全体では146,314台から178,897台に22.3%アップ)としている。
3-1. 2月にはガソリン価格が上昇し(2月21日時点で1ガロン3.24ドル、2月末で3.4ドル)小型車シフトが始まったとされるが、GMは小型車ラインアップを拡充しておりガソリン価格上昇の影響は軽微としている。
3-2. ガソリン価格は、3月7日には 1ガロン 3.52ドルに上昇した。2008年には 1ガロン 4ドルを超え、大型車だけでなく小型車需要も減少した経緯がある(これまでのピークは、2008年7月に記録した 1ガロン 4.1ドル)。
                     <自動車産業ポータル、マークラインズ>