オーストラリア:2010年に、2年ぶりに100万台販売を見込む

トヨタとFordは環境対応型エンジン、Holdenは小型車Cruzeを生産

2011/01/05

要 約

 オーストラリアでの自動車販売台数は、2007年、2008年には連続して100万台を超え、2009年は経済危機の影響下でも、政府の事業用車購入についての税額控除政策の効果により94万台を維持した。2010年は1~11月で95万台に到達し、年間で2年ぶりに100万台の販売を見込む。

 国内販売の内訳としては、輸入車が増加して2007年以降は国内販売の8割を超え、オーストラリアでの生産台数(2008年3月に現地生産から撤退した三菱自動車を含む)は、2007~2008年の32~33万台レベルから2009年は22万台強に減少した(2010年1~11月期の生産も22.6万台で11.0%増にとどまる)。

 オーストラリア政府は、輸入車関税を2005~2009年の10%から、従来からの予定通り2010年1月に5%に引き下げる一方、環境対応車の開発・生産などに2020年までに総額62億ドル (豪ドル、以下同様) を支援する計画を発表した(2009年11月発表)。輸出競争力を強化し、オーストラリアでの自動車開発・生産体制を維持するとしている。

 こうした環境下で、現地生産3社は、オーストラリア政府のGreen Car Innovation Fund(上記62億ドルの一部)を活用して、環境対応車やエンジンを開発・生産する計画。

 トヨタは2009年12月にCamry Hybridの生産を開始した。また2012年後半から環境性能や燃費を向上させた新型4気筒2400ccエンジンを生産し、ASEAN地域の拠点にも供給する。Fordは、EuroⅣ規制適合の直列6気筒4000ccエンジンと4気筒2400cc Ecoboostエンジンを生産する。完成車については、Holdenは2011年から小型車Cruzeを現地生産するが、Fordは、2007年に発表したFocus現地生産計画を撤回した。タイに建設する新工場から供給する。



2010年に、2年ぶりの100万台販売を見込む

 オーストラリアでの自動車販売台数(商用車を含む)は、2007年、2008年と連続して100万台を超えた。

 オーストラリア自工会(FCAI、Federal Chamber of Automotive Industries)は、2009年の販売を年初に88万台と予測したが、オーストラリア政府の車両購入支援策により上積みされ、937,328台を販売した。ブランド別には、トヨタが200,991台販売し、7年連続で第1位。

 2010年の販売は、1~11月の累計が948,987台(前年同期比11.8%増)で、通年で再度100万台に到達する見込み。

オーストラリアの自動車生産・新車販売台数

(台)
  2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2009年
1-11月
2010年
1-11月
生産 合計 405,314 388,985 326,960 334,772 324,118 223,354 203,912 226,436
トヨタ 109,476 109,212 111,465 148,931 141,467 101,721 n.a. n.a.
Holden 164,041 152,966 124,046 106,496 118,022 67,086
Ford 111,011 108,217 81,466 68,578 62,336 54,547
三菱自動車 20,786 18,590 9,983 10,767 2,293 0 0 0
新車
販売
合計 955,229 988,269 962,666 1,049,982 1,012,164 937,328 848,620 948,987
(内)輸入車
輸入車比率
680,690
71.3%
739,357
74.8%
761,043
79.1%
849,497
80.9%
n.a.
n.a.
n.a.
n.a.
n.a.
n.a.
n.a.
n.a.
資料:オーストラリア自工会 (FCAI:Federal Chamber of Automotive Industries)
(注) 大型商用車を含む。

オーストラリア:新車販売 Top 10 ブランド

(台)
  2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2009年
1-11月
2010年
1-11月
Toyota
Holden
Ford
201,737
178,027
135,172
202,817
174,464
129,140
213,847
146,511
114,965
236,647
146,680
108,071
238,983
130,338
104,715
200,991
119,568
96,501
179,977
105,264
86,014
193,778
122,479
88,065
Mazda
Mitsubishi
Nissan
55,560
53,670
63,654
66,520
57,776
56,032
63,664
54,175
53,392
77,734
65,397
60,015
79,826
60,692
59,214
77,739
56,998
52,901
69,926
50,189
47,787
77,788
57,327
57,115
Honda
Hyundai
Subaru
VW
36,474
42,510
23,619
10,754
47,001
48,010
36,044
15,782
54,202
46,523
37,520
21,571
60,529
50,007
38,445
27,400
52,571
45,409
38,492
29,875
41,443
63,207
36,506
30,087
37,925
56,168
33,576
28,011
37,096
74,161
37,285
35,269
10ブランド合計 801,177 833,586 806,370 870,925 840,115 775,941 694,837 780,363
その他ブランド 154,052 154,683 156,296 179,057 172,049 161,387 153,783 168,624
合計 955,229 988,269 962,666 1,049,982 1,012,164 937,328 848,620 948,987
(注)  FCAI 資料による。大型商用車を含む。Toyota には Lexus ブランドを含まない。HyundaiはKiaを含まない(2010年1~11月のKiaブランド実績は22,125台、現代自グループ合計は96,286台)。

乗用車市場:"Large"乗用車販売が半減し、"Light"、"Small"セグメントが増加

 オーストラリア市場では、乗用車の比率が2003年の64.7%から2010年1~11月に57.0%に低下、その中でも、HoldenとFordが現地生産するCommodoreとFalconのセグメントである"Large"乗用車の販売台数は、2003年の20万台から半減している。

 一方SUVの比率が高まり、乗用車の中では"Light"と"Small"セグメントの需要が堅調で、輸入車が増加する背景となっている。

 Holdenが2009年6月に発売したCruzeは、2010年11月に2,721台販売し、ベストセラーモデルの第5位に入った。Holdenは、商品の多様性が販売増のキーになるとしている。

オーストラリア市場の、タイプ別販売台数

(台、%)
  2003年 2005年 2007年 2009年 2009年
1-11月
2010年
1-11月



Passenger 588,511 608,804 637,019 540,562 493,939 541,083
SUV 150,578 180,292 198,176 188,153 168,537 216,730
Commercial 170,722 199,173 214,787 208,613 186,144 191,174
Total Market 909,811 988,269 1,049,982 937,328 848,620 948,987



Passenger 64.7% 61.6% 60.7% 57.7% 58.2% 57.0%
SUV 16.6% 18.2% 18.9% 20.1% 19.9% 22.8%
Commercial 18.8% 20.2% 20.4% 22.3% 21.7% 20.2%
Total Market 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0%
資料:FCAI
(注)commercialは、大型商用車を含む。

オーストラリア乗用車市場のセグメント構成

(台)
  2003年 2005年 2007年 2009年 2009年
1-11月
2010年
1-11月



Light 76,716 90,731 127,891 116,460 106,642 125,964
Small 175,651 215,324 232,388 213,988 196,301 218,800
Medium 47,164 51,833 92,579 76,638 69,534 74,761
Large 203,524 153,244 139,677 101,701 92,081 90,580
Upper Large     9,346 3,592 3,357 3,131
People Mover 11,852 15,738 16,202 11,032 10,057 11,679
Sports/Prestige 73,604 81,934 18,936 17,151 15,967 16,168
合計 588,511 608,804 637,019 540,562 493,939 541,083

2009年オーストラリアのTop Ten Models

(台)
2009年 2010年11月
1~5位 6~10位 1~5位
Holden Commodore 44,387 Hyundai i30 21,414 Toyota Corolla 4,536
Toyota Corolla 39,013 Mitsubishi Lancer 21,362 Holden Commodore 3,771
Toyota Hilux 38,457 Toyota Camry 20,846 Toyota Hilux 3,241
Mazda3 35,298 Hyundai Getz 19,643 Mazda3 2,980
Ford Falcon 31,023 Toyota Yaris 19,447 Holden Cruze 2,721

資料:FCAI 
(注)2003年には、Holden Commodoreは100,344台、Ford Falconは93,432台を販売した。



オーストラリア政府:事業用自動車購入による税額控除を実施

 オーストラリア議会は、2008年からの経済危機への対応策の一環として、2009年5月に、自動車を含む事業用資産購入による税額控除制度を制定した。FCAIは、2009年の販売台数937,328台のうち、約57,000台がこの制度の効果としている。

自動車など事業用資産購入への、税額控除制度を実施

オーストラリアでは2009年5月に、2008年からの経済危機への対応の一環として、企業または事業主を対象に、定められた要件を満たす事業用有形固定資産(事業用自動車を含む)を購入した場合、売上高200万ドル未満の中小企業では購入費用の50%、一般企業では30%を税額控除する制度を実施した。
中小企業 中小企業は、2008年12月13日~2009年12月31日の間に1,000ドル(税抜き価格)以上の資産を購入し、かつ2010年12月31日までに実際の業務に使用する、または使用できる状態とすることを条件に、購入費用の50%の税額控除を受けられる。
一般企業 売上高200万ドル以上の一般企業は、10,000ドル以上の資産を2008年12月13日~2009年6月30日の間に購入した場合、2010年6月30日までに使用開始することを条件に、30%の税額控除を受けられる。
2008年12月13日~2009年6月30日の間に購入し、2010年7月1日~12月31日の間に使用を開始する場合は、10%の控除を受けられる。
また、2009年7月1日~2009年12月31日の間に購入し、2010年12月31日までに使用を開始する場合、10%の税額控除を受けられる。

資料:オーストラリア政府公報資料 "Small business and general business tax break " (2009.5.12)



オーストラリア政府:10年間で総額62億ドルの、自動車業界支援策を発表

 オーストラリア政府は、2010年1月から乗用車の輸入関税を、従来からの予定通りそれまでの10%から5%に引き下げることを最終決定する一方、2020年までに、13億ドルの"Green Car Innovation Fund"など、総額62億ドルの自動車業界支援を行うと発表した(2009年11月発表)。

 オーストラリアの自動車産業が環境対応車の開発・生産能力を強化し、グローバルな競争に打ち勝って、オーストラリアでの開発・生産機能を維持・発展させていくことを支援するとしている。

総額62億ドルを支援する、"A New Car Plan for A Greener Future"

オーストラリア政府は、2009年11月、自動車業界の環境対応車・パワートレイン開発を支援し、
グローバルな競争力を高めるために、2020年までに総額62億ドルの支援を行うことを決定した。
これにより、計画期間中に、オーストラリア自動車業界に、
160億ドルの環境対応投資を呼び込むことを期待している。
Green Car
Innovation Fund
従来からの環境対応技術の開発・生産支援計画を強化し、環境対応車を開発・生産するプロジェクト費用の4分の1をオーストラリア政府が分担して、2009年から10年間に総額13億ドルを支援する。
Automotive
Transformation
Scheme
自動車業界の体質強化を目指す"The Automotive Transformation Scheme"に、2011~2020年の間に34億ドルを充当する。研究開発、生産体制を強化し、オーストラリアからの輸出を促進する。
その他 自動車部品メーカーの統合などにより、部品業界の体質強化を目指す(1億1,630万ドル)、LPG車の普及(1,050万ドル)、など。
資料:オーストラリア政府広報資料 2009.11.10
(注) オーストラリア政府が発表した、自動車業界への新たな支援策の背景となる基本方針は以下。
1. オーストラリアの自動車産業は77億ドルの規模で、6万人以上を雇用する重要な産業である。また輸出産業としても、既に羊毛、小麦、牛肉などより多くの外貨を獲得している。
2. 最先端自動車の開発は、ほぼ全ての先端技術を含み、オーストラリア産業全体の研究・開発のレベルアップにとっても重要な役割を担う。自動車を開発し・生産する能力を持つ国は世界でも15ヶ国程度であり、オーストラリアはそのうちの1国であり続けたいと願っている。
3. オーストラリアで自動車製造業が存続し発展するためには、今後莫大な投資が必要である。投資を呼び込むためには、オーストラリア政府が明確な意思と計画を示し、人々がオーストラリア自動車産業の将来を信じてくれることが必要で、そのために今回の大幅支援の決定をした。
4. 今回の決定が、本計画期間中に、新しい設備や技術に少なくとも160億ドルの投資を呼び込み、オーストラリアで生産する自動車メーカーがグローバルPlatformをベースにした車を開発し競争力を高め、輸出を拡大することを期待している。
5. これまでのオーストラリア政府の自動車産業政策と、2008年5月にFCAIが発表した提言については、
"オーストラリア:新車市場が100万台超に拡大、輸入車比率が80%超に上昇" を参照方。


トヨタ:2003~2009年の7年連続で、オーストラリア販売首位を維持

 トヨタブランドは、2003~2009年の7年連続でオーストラリアでの販売首位を保ち、2004年以来6年連続で年間20万台販売を続け、2010年の販売も20万台を超える見込み。2009年実績で、4モデルが販売ベストテンに入った(Corolla 39,013台、Hilux 38,457台、Camry 20,846台、Yaris 19,447台)。

 生産台数は、年産能力14.7万台に対して、2007~2008年は14万台強を生産したが、2009年は10万台強にとどまった。

 トヨタは、1996年にオーストラリアから中近東地域への輸出を開始し、以来輸出を拡大して生産台数の約7割を輸出し、中近東・オセアニア地域の生産・輸出拠点となっている。

トヨタ:オーストラリアでの生産台数と新車販売台数

(台)
  2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2009年
1-11月
2010年
1-11月
生産台数 109,476 109,212 111,465 148,931 141,467 101,721 n.a.
販売
台数
Toyota 201,737 202,817 213,847 236,647 238,983 200,991 179,977 193,778
Lexus 5,009 6,005 7,162 8,199 5,912 5,421 5,416 5,976
合計 206,746 208,822 221,009 244,846 244,895 206,412 185,393 199,754
資料:FCAI

2010年6月、若い家族をターゲットに、Rukus(日本名カローラルミオン)を発売

トヨタは、2010年6月、Rukus(日本名Corolla Rumion)を発売した。これまでトヨタ車の購入を考えたことのない、トレンドに敏感な若いカップルや家族を対象に顧客層の拡大を狙う。2400ccエンジンを搭載し燃費は8.8liters/100km(ADR 81/20 combined cycle)。6 エアバッグやStability Controlを標準装備する。
発売約 2ヶ月後の発表では、購入顧客の55%は20~40歳台で、また過半数の顧客が、トヨタ以外の車からの乗り換えだとしている。
資料:トヨタ・オーストラリア広報資料 2010.6.1/2010.7.23

オーストラリア政府の支援を得て、Camry Hybridと新型エンジンを生産

 トヨタは2009年12月からCamry Hybridの生産を開始。また2012年後半から新型2400ccエンジンを生産し、オーストラリアで生産するCamry/Camry Hybridに加え、ASEAN地域の生産拠点にも供給する。オーストラリア政府は、Camry Hybrid生産に3,500万ドル、新型エンジン生産に6,300万ドルを支援するとされる。

トヨタ:オーストラリアで Camry Hybrid を生産

トヨタは、2009年12月、オーストラリアのAltona工場でCamry Hybridのラインオフ式を実施した。年間10,000台のCamry Hybridを生産し、うち300台はニュージーランドに輸出する。オーストラリア政府は、Camry ハイブリッド車生産に対して、Green Car Innovation Fund から 3,500万ドルを支援するとされる。 オーストラリアは、日本、米国、中国、タイに続いて、世界で5ヶ国目のトヨタのHybrid車生産国となった。
資料:トヨタ広報資料 2008.6.10/2009.12.11

オーストラリア製新型エンジンを、ASEAN地域の生産拠点に供給

トヨタは2010年9月、3億ドルを投資し、2012年後半からオーストラリアのAltona工場で排出ガス性能と燃費に優れた新型2400ccガソリンエンジンを生産し、現地で生産するCamry/Camry Hybridの他に、ASEAN地域で生産する同車種にも供給すると発表した。同工場のエンジン生産能力は10万基(定時)で、Camryに搭載する4気筒2400ccエンジンを生産している。2009年生産実績は75,940基だが、2012年からは10万基以上を生産する。
トヨタは、この決定はトヨタ・オーストラリアの生産基盤と輸出競争力を強化し、またアジア・太平洋地域の生産・供給体制をより効率的かつ強固なものにするとしている。
資料:トヨタ広報資料 2010.9.10、トヨタ・オーストラリア広報資料 2010.9.14
(注)  トヨタは、オーストラリア政府とVictoria州の強力な支援により、今回の投資が可能になったとしている。


Holden:2010年9月からの20ヶ月の間に、10の新型車を投入

 GM子会社のHoldenは、現地生産する大型車Commodore/Calais/Caprice/Captiva、中型車Epica(V6 2500ccエンジンを搭載)、小型車Barina/Cruze、LCVのUte/Coloradoなどを販売している。

 2010年9月にマイナーチェンジしたSeries Ⅱ Commodore、10月にBarina Spark(全長3595mmの小型車)を発売した。この2車種を含め、2012年半ばまでの20ヶ月の間に10の新型車を投入する。

 Holdenは、大型車Commodoreが2010年を含め15年連続でベストセラー・トップを維持する一方、Barina Spark、Cruzeなどの小型車の販売も好調で、多様な商品の提供が販売増につながるとしている。Holdenは、オーストラリア市場の殆ど全てのセグメントに参入するとしている。

 2010年末にCruzeにハッチバックを追加設定し、2011年にCruzeシリーズの現地生産を開始する(オーストラリアでの、初の小型車現地生産になる)。

 同年9月に、2年間ほど中断していたブラジルへの輸出を再開すると発表した(Holden Commodoreを、Chevrolet Omegaとして販売する)。

Holden :オーストラリアでの生産台数と新車販売台数

(台)
  2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2009年
1-11月
2010年
1-11月
生産台数 164,041 152,966 124,046 106,496 118,022 67,086 n.a.
新車販売台数 178,027 174,464 146,511 146,680 130,338 119,568 105,264 122,479
資料:FCAI

Holdenの新型車投入

Series Ⅱ
Commodore
2010年9月にCommodoreをマイナーチェンジし、Series Ⅱとして発売した。V6 SIDI(Spark Ignition Direct Injectionの略語で、2009年9月から設定)3000cc/V8 6000ccエンジンの燃費を2~3%改善するとともに、E85(エタノール85%)で走行可能にした。
またタッチスクリーン式のSmart multimedia technologyを導入した。
Holden Commodoreは、2009年まで14年間連続してオーストラリア市場のトップセラーモデルで、2010年もトップの座を維持する見込み。
Barina Spark 2010年10月にBarina Spark(5ドアハッチバック)を発売した。Holdenが初めて投入する、全長3595mm、全幅1597mmの小型車(Small city carまたはLight Carセグメント車)で、1200ccエンジンと5速MTを搭載する。AveoのプラットフォームベースでHoldenがデザインし、韓国のGM-Daewooで生産する。価格は14,490ドルから。最先端のモダンなデザインで新世代の若い顧客にアピールする。
既に販売しているBarina(1600ccエンジンを搭載し、ハッチバックのサイズは、全長3920mm、全幅1680mm)より小さく、Holdenの最小型販売モデルとなる。Holdenは、急速に市場が拡大しているこのセグメントを強化し、販売拡大を目指す。安全性にも配慮し、Electronic stability controlと6エアバッグを標準装備とした。
Cruze
hatchback
Barina Sparkよりワンランク上の小型車(全長4597mm、全幅1788mm)で1800ccエンジンを搭載する。2009年6月に発売したCruzeセダンが順調に販売を伸ばしているが、2010年末にHoldenがデザインしたハッチバックを追加発売する。2011年に、セダンとハッチバックの現地生産を開始し、オーストラリアで生産する唯一の小型車となる。
新型Captiva 内外装のデザインを一新し、2011年に発売する。
Holden Volt 2012年に発売予定。

資料:Holden広報資料 2010.9.1/2010.10.16/2010.10.20/2010.11.4



Ford:2011年からEcoboostエンジンを現地生産、Focusの現地生産計画は撤回

 Fordは、オーストラリアでの販売第3位を維持しているが、2009年の生産台数は2004年の11万台から半減した(54,547台)。

 Fordは、2007年7月に発表したFocusをオーストラリアで生産する計画を撤回した(2009年7月発表)。現在タイに建設中の新工場から供給する(タイ新工場では、2012年からFocusを年15万台生産し、うち85%をアジア・大洋州向けを中心に輸出する計画)。

オーストラリアでは、コア商品であり、現地生産するFalconやTerritoryに投資を集中するとしている。

Ford:オーストラリアでの生産台数と新車販売台数

(台)
  2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2009年
1-11月
2010年
1-11月
生産台数 111,011 108,217 81,466 68,578 62,336 54,547 n.a.
新車販売台数 135,172 129,140 114,965 108,071 104,715 96,501 86,014 88,065
資料:FCAI

Ford Australiaが開発した新型Rangerを、Sydneyモーターショーに出展

Ford Australiaは、Fordグループの小型ピックアップトラック開発を担当している。One Fordの商品開発計画として初のトラックを、マツダと共同で、またオーストラリア政府とVictoria州政府の支援を受けて開発し、2010年10月開催のSydney国際モーターショーに出展した。2011年から、マツダと合弁のAutoAlliance Thailandで生産を開始し、次いで南アフリカ、アルゼンチンで生産する。
ピックアップトラック本来の性能と、乗用車的な室内装備や乗り心地を両立させた。エンジンは、4気筒2500ccガソリンエンジン、4気筒2200ccと直列5気筒3200ccのディーゼルエンジンを搭載する。
資料:Ford広報資料 2010.10.15 
(注)マツダも、同じSydneyモーターショーに、Fordと共同開発した「マツダBT-50」を出展した。
 

 Fordは、4気筒2000cc Ecoboostエンジンの生産に、2億3,000万ドルを投資すると発表した。また2007年7月に、閉鎖すると発表したGeelongエンジン工場を存続させ、EuroⅣ規制に適合する直列6気筒エンジンを生産する。これらの環境性能に優れたエンジンの開発・生産は、オーストラリア政府のGreen Car Innovation Fundから支援を受けるとしている。

Ford Australia:Ecoboostエンジンを現地生産し、Falconに搭載

Fordは、2億3,000万ドルを投資して4気筒2000cc Ecoboostエンジンをオーストラリアで生産し、2011年からFalconに搭載する。Ecoboostエンジンは、直噴ターボガソリンエンジンで、従来機種に比べ燃費を20%向上させ、CO2排出量を15%削減する。FordがEcoboostエンジンを後輪駆動車に搭載するのは初。

Ford Australia:EuroⅣ規制適合の直列6気筒エンジンを生産

Fordは、2007年7月に、Geelong工場を閉鎖して直列6気筒エンジンの生産を中止し、Fordグループでグローバルに生産するV6エンジンに切り替えると発表したが、2008年11月に同工場の存続と新エンジンを生産する計画を発表した。
Fordは、Geelongエンジン工場に2,100万ドルを投資し、2010年半ばから直列6気筒4000cc EuroⅣ規制適合エンジンを生産して、Falcon、Falcon Ute、Territoryに搭載を開始した。
Falconの顧客は、新型直列6気筒エンジンに加え、2011年からEcoboostエンジンも選択可能になる。2010年に、タクシーなど業務用車向けに、LPGエンジンも設定した。

Geelongの鋳造工場に2,000万ドルを投資し、設備を更新

Fordは、Victoria州 Geelongの鋳造工場に2,000万ドルを投資し、設備を更新すると発表した。この投資は、Ecoboostエンジンなどを生産するための2億3,000万ドルの投資に上乗せとなる。
鋳造工場は中国へ移管することも検討されていたが、今回の決定により、自動車製造に関する重要なノウハウがオーストラリアに残ることとなった。
鋳造工場は、EuroⅣ適合の直列6気筒ガソリンエンジンのシリンダーブロックを生産する他、Bosch Chassis System Australiaと契約し、ブレーキ用部品を供給する。

資料:Ford Australia広報資料 2009.7.24/2009.11.20



三菱自動車:現地生産を終了したが、ブランド別販売第6位を維持

 三菱自動車は、2008年3月でオーストラリアでの生産を終了した。Lancer、Triton(タイで生産するピックアップトラック)を中心に販売し、2009年通年、2010年1~11月実績ともブランド別販売第6位を維持している。

 2010年7月に、i-MiEV 40台をオーストラリアに出荷し、リース販売を開始した。

三菱自動車:オーストラリアでの生産台数と新車販売台数

(台)
  2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2009年
1-11月
2010年
1-11月
生産台数 20,786 18,590 9,983 10,767 2,293 0 0 0
新車販売台数 53,670 57,776 54,175 65,397 60,692 56,998 50,189 57,327

資料:FCAI



現代自動車:Hyundai i30が貢献し、ブランド別販売の5位に上昇

 Hyundaiは、2008年までブランド別販売で第8位だったが、2009年から第5位に上昇した。2010年1~11月に74,161台販売し、モデル別内訳としては、i30の27,786台が大きく貢献し、他はGetzが19,970台など(i30は、Elantra(Toyota Corolla/Mazda3/三菱Lancerのクラス)をベースに、欧州でデザインしたハッチバック車で、2007年に発売した)。




IHSグローバルインサイト中期生産予測レポート

オーストラリア:グループ別・ブランド別生産台数 (IHSグローバルインサイト社予測)

(台数)

 グループ   ブランド  2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015
FORD FORD 61,763 51,001 61,078 64,827 71,351 71,848 70,227 72,952
GM HOLDEN 101,188 65,553 68,196 105,670 119,760 120,940 120,761 124,459
PONTIAC 15,750 20,628 0 0 0 0 0 0
MITSUBISHI MITSUBISHI 2,296 0 0 0 0 0 0 0
TOYOTA TOYOTA 141,451 86,172 121,725 129,363 148,430 153,443 154,882 150,688
Total 322,448 223,354 250,999 299,860 339,541 346,231 345,870 348,099

資料:世界小型車生産台数データ (2010年12月 3 日時点)

  • (注)
  • 1. データは、小型車(乗用車+車両総重量 6t以下の小型商用車)の数値のみ。
  • 2. 2008年と2009年は実績
  • 3. 本表の無断転載を禁じます。転載には IHSグローバルインサイト 社の許諾が必要となります。

IHS グローバルインサイト レポート (2010年10月19日)

*予測データは2010年12月3日時点であり、一部記述と違う点がございます。

オーストラリア自動車業界と生産台数予測:自動車(除く大型車)生産台数

オーストラリア自動車市場は市場規模が小さく、規模のメリットを十分に生かして広範囲のモデルの生産をすることは難しい。少量生産車種を維持する理由としては、輸入するには輸送距離が長いこと、輸入関税の存在、そして国内に大型セダンへの需要があることが挙げられている。

国内生産の主要商品は常に北米のセダンと同様の大型セダンであり、北米にも輸出されている。このセグメントの需要は減少しつつあるとはいえ、ホールデンとフォードはどちらも長距離でも快適で信頼性のあるこの大型セダンに未だに大きく依存している。

過去数年間、関税の低減と通貨価値の上昇により輸入車の増加を招いている。オーストラリア国内メーカーに比べて海外のメーカーはその母国での生産規模のメリットを享受しており、これが国産メーカーの大きな脅威となっているが、自由貿易の原則はオーストラリアの自動車産業に対しても輸出することにより生産効率をあげる機会を提供している。しかしこれまでのところ大規模な輸出を達成しているのはトヨタのみである。ホールデンの輸出も最近増加し始めている。

オーストラリアからの輸出には2つのタイプがある。一つは国内市場向けにデザインされたモデルが海外のニッチマーケットで売られているものであり、もう一つはグローバルモデルが地理的に近いところで販売されているものである。ニュージーランド市場はオーストラリアの国内市場の延長と考える事も出来るが、輸出台数は2009年には10万台を切るところまで落ち込んだ。

フォードは生産台数が落ち込む

フォードはファルコンFalconとテリトリーTerritory(クロスオーバーSUV)につき2010年から4気筒ガソリンエンジンとディーゼルエンジンを設定することにより車種レンジを広げようとしている。しかし北米フォードが限られた資源をフロント・ホイール・ドライブ(FWD)のプラットフォームに集中しようとしているため長期的には先行きは不確定である。このため次期型ファルコンは(北米向けFWDの)トーラスTaurusをベースに開発されるのではないかという憶測も流れている。

2010年にフォーカスFocusの生産が開始され、国内販売を拡大し輸出も伸びると期待されていた。しかしこの計画はキャンセルされオーストラリア市場にはタイより輸入されることとなった。

経済の回復とともに2010年の生産台数は2009年よりは若干増加するであろう。我々は2011年にはファルコンの販売が伸びることにより15.8%増加すると考えている。

ホールデンは小型車の生産が増加

ホールデンの2010年の生産はコモドアCommodoreの立ち上がりの成功により2009年に対して15.4%増加する。シボレー・カプリスCapriceのパトロールカーとホールデン・クルーズCruzeが加わることにより2011年には2010年に対して50%生産が伸びるであろう。

2011年からは米国で古くなったフォードのクラウン・ビクトリアCrown Victoriaに代わってホールデン・カプリスがシボレー・カプリスのパトロールカーとして輸出台数に加わる。

トヨタは2010年にカムリ・ハイブリッドの生産を開始

トヨタはオーストラリアでは輸出の強みにより最大の完成車組立てメーカーであるが、2011年にはGMが輸出の増加によりトヨタを追い越すと考えられる。トヨタはオーリオンAurionの生産の約35%が輸出用であり、カムリの生産の80%以上が海外に輸出されている。

ニュージーランドを除けば南アフリカと中東が主要な輸出市場である。我々は、オーストラリア事業はトヨタの中で引き続き戦略的な位置を占め、輸出比率も安定的に推移すると予測している。

カムリ・ハイブリッドの生産が、環境対応車技術革新基金Green Car Innovation Fund の一環としてオーストラリア政府から3,500万豪ドルの補助金を得て、2010年初に開始された。年間1万台程度の生産が予想される。

2010年の生産台数は2009年に対して31.0%増加し、2011年には更に9.3%の増加が見込まれている。

                     <自動車産業ポータル、マークラインズ>