欧州メーカーの低燃費仕様:中・大型車やSUVにも設定拡大

Start/Stop システムの採用増加、Fiat は新開発の2気筒エンジンを搭載

2011/01/05

要 約

EUは、域内で新車販売される乗用車のCO2排出量を、2015年に平均130g/km、2020年に95g/kmとすると定め、2012年から段階的に規制を強化する。EU各国は、自動車税・登録税をCO2排出量ベースに変更し、低燃費車の購入にインセンティブを提供するなど、低燃費車の普及に努めている。 

各自動車メーカーは、低燃費化の一環として、2006年頃から特別な呼称を冠した低燃費・低CO2排出量仕様の設定を開始した。当初は小型車を中心に設定していたが、中・大型車やSUVにも設定を拡大する動きが見られる。また、新たなエンジンの開発やStart/Stopシステムの採用により、低燃費化をさらに推進している。

以下は、欧州における新車のCO2排出量の状況と、各自動車メーカーの主な低燃費仕様モデルの概要である。

欧州メーカーの低燃費・低 CO2 排出量仕様

  低燃費仕様の名称 概要
VW BlueMotion Technology 各車種の中で、最も低燃費で、最も CO2 排出量が少ない仕様の名称。2006年夏に Polo に初設定し、幅広いモデルに展開。
(SEAT ブランド) Ecomotive 最も CO2 排出量が少ない仕様の名称。VW BlueMotion の SEAT 版。2008年10月に Ibiza に初設定。
(Skoda ブランド) GreenLine 最も CO2 排出量が少ない仕様の名称。VW BlueMotion の Skoda 版。2007年 9月に Fabia に初設定。
BMW EfficientDynamics 環境性能と走行性能を両立する技術の呼称。2007年 3月に EfficientDynamics の概念を発表。特別な仕様は設定せず、全モデルに EfficientDynamics 技術を展開している。
(Mini ブランド) MINIMALISM BMW の EfficientDynamics の Mini 版。高い走行性能と低燃費・低排出ガスを両立させる技術を、全モデルに展開。2010年にはモデル名に MINIMALIST を冠した Mini One MINIMALIST を発売。
M-Benz BlueEFFICIENCY 低燃費仕様の名称。2008年 2月に C-Class に初設定。2010年には、小型車だけでなく中型車や SUV にも設定。2010年末までに合計 85 のBlueEFFICIENCY 仕様車を投入する計画。
Peugeot Blue Lion 特別な低燃費仕様はないが、CO2 排出量 130g/km 以下のモデルを Blue Lion と認定。認定車は107の全モデルと、1007、207、308 の一部のモデル。
Renault ECO2 特別な低燃費仕様はないが、2007年 5月から、CO2 排出量 140g/km 以下のモデルを ECO2 Range と呼称。Clio, Kangoo, Megane 等幅広く設定。
Fiat PUR-O2 低燃費・低排出ガス仕様。2008年11月に Fiat 500, Croma, Bravo に初設定。英国ではこの呼称を使わず、グレード名に搭載エンジン名の MultiJet 等を付加。2010年 9月、Fiat 500 に新型 2気筒エンジン TwinAir を搭載。
Opel ecoFLEX 低燃費仕様の名称。2007年12月に Corsa に初設定して以後、Agila, Astra, Zafira, Insignia に設定。2010年に Start/Stop システムの搭載を開始。
Ford ECOnetic 走行性能を維持しながら、低燃費・低 CO2排出量を追求した仕様の呼称。2007年、Focus に初設定。2010年初めに発売した Focus の ECOnetic 仕様には、 Start/Stop システムを搭載。
Volvo DRIVe 徹底した環境対策により、低燃費・低CO2排出量を目指した仕様の呼称。2008年10月にC30, S40, V50に初設定。2009年には上級車種にも導入。


欧州における新車のCO2排出量: 2009年は平均145.7g/km, 2015年目標は130g/km

ACEA (欧州自動車工業会) の統計によると、EU15ヶ国で新車販売された乗用車のうち、CO2排出量が120g/km以下の車は、2006年には全体の9%にすぎなかったが、2009年には25%にまで増加している。

それに応じて欧州における新車のCO2平均排出量も低下しており、2009年には145.7g/kmとなった (2007年158.7g/km, 2008年153.5g/km)。しかし、2015年の目標 (130g/km) を達成するには、さらに約11%の改善が必要である。

EU 15ヶ国における新車の CO2排出量 (g/km)

EU 15ヶ国における新車の CO2排出量 (g/km)
資料:ACEA Statistics "CO2 in 2009 (2010.3.11)"
(注) EU 15ヶ国における CO2排出量 120g/km以下の乗用車の販売台数は、1995年は 2台、2006年は 1,008,992台、2007年は 1,419,388台、2008年は 2,039,810台、2009年は 3,233,549台。
(参考) 欧州市場でのメーカー別 CO2 平均排出量ランキング
CO2平均排出量 (g/km)
2008年 2009年 改善率
1 Fiat 138 131 5.3%
2 Toyota 147 132 10.0%
3 PSA 139 136 2.7%
4 Renault 143 140 1.8%
5 Hyundai 149 141 5.4%
6 Suzuki 156 142 9.1%
7 Ford 152 144 5.1%
8 Honda 154 147 4.1%
9 GM 153 148 3.2%
10 Mazda 158 149 5.4%
11 BMW 154 151 1.8%
12 VW 159 153 4.1%
13 Nissan 161 154 4.4%
14 Daimler 175 167 4.8%
欧州平均 153.5 145.7 5.1%
資料: 欧州交通環境連盟 (European Federation for Transport and Environment) "How Clean Are European Cars?: An analysis of carmaker progress towards EU CO2 targets in 2009 (2010.11)"
(注) 2009年12月に EU が正式承認した、新車の CO2 排出量に関する Regulation によると、EU 内で新車販売される乗用車の CO2 排出量を 2015年に 130g/km、2020年に 95g/km とすると定めている。2012~2014年は Phase-in 期間として、2012年には各メーカーは総販売台数の 65% の平均値を 130g/km とし、2013年には 75%、2014年には 80%、2015年には100%の台数で 130g/km を達成するよう求められる。
(参考) EUの主要4ヶ国が導入しているCO2排出量ベースの自動車税・登録税 (乗用車)
英国 1. 自動車税は、2001年から CO2 排出量ベース。100g/km まではゼロ、255g/km超は 435ポンド。2010年 4月から、初年度については130g/kmまではゼロ、255g/km超は 950ポンド。
2. カンパニーカーの自動車税は、120g/km までは車両価格の 10%、235g/km 以上は 35% (ディーゼル車はさらに 3%追加。ただし上限は 35%)。
ドイツ 自動車税は2009年 7月から、排気量ベースの基礎税とCO2排出量ベースのCO2税の組み合わせに変更。基礎税は、ガソリン車が 100cc 当たり 2 Euro, ディーゼル車は同 9.50 Euro。CO2税は 1g/km 当たり 2 Euro。120g/km以下は免税 (2012-13年は 110g/km以下、2014年以降は 95g/km以下が免税)。
フランス 1. 125g/km以下の車には、購入時にインセンティブを供与 (最高は 60g/km以下の場合 5,000 Euro)。車齢 10年以上の車を廃車し、155g/km以下の車を購入した場合、700 Euro (2010年 7月からは 500 Euro) を供与。155g/km 超の車については、購入時にペナルティを課す (最高は 245g/km超の場合 2,600 Euro)。
2. 登録時の地方税は、CO2排出量係数を含む馬力ベース。地方により、1馬力当たり 27~46 Euro。
3. カンパニーカーの自動車税は、CO2排出量ベース。100g/km 以下の車は 1g/km 当たり 2 Euro、250g/km超は 1g/km 当たり 19 Euro。
スペイン 1. 登録税はCO2排出量ベース。120g/km まではゼロ、200g/km 以上は価格の14.75%。
2. 149g/km以下の新車を購入し、同時に車齢10年以上の車を廃車にする場合、インセンティブ 2,000 Euro を供与。

資料:ACEA "Overview of CO2 Based Motor Vehicle Taxes in the EU (2010.4.20)"



VW: ほぼ全てのモデルにBlueMotion Technology 搭載仕様を設定

VWは2006年、欧州メーカーで最初に低燃費仕様 BlueMotion を設定。現在、ほぼ全てのモデルに BlueMotion Technology を搭載した仕様を設定している。

基盤となる技術には、コモンレール TDI (直噴ディーゼルターボエンジン)、TSI (直噴過給ガソリンエンジン)、DSG (デュアルクラッチトランスミッション)、回生ブレーキ、Start/Stop システム、低転がり抵抗タイヤ、空気力学などがある。

VW は、BlueMotion と同様の技術を、SEAT ブランドには Ecomotive 仕様、Skoda ブランドには GreenLine 仕様に導入している。

VW:BlueMotion 仕様とディーゼル車のベース仕様

"*"があるものが低燃費仕様。ベース仕様はエンジン等が同種の最廉価仕様。車両重量は空車重量。(後出表も同様)
車両重量
(kg)
排気量
(L)
変速機 出力
(PS)
CO2
排出量
(g/km)
販売価格
(pound)
Polo
3-door
SE 1.2 TDI 1,132 1.2 5MT 75 102 13,315
* BlueMotion 1.2 TDI (DPF) 1,150 1.2 5MT 75 91 14,445
Golf
3-door
S 1.6 TDI 1,314 1.6 5MT 90 118 15,150
* BlueMotion 1.6 TDI (DPF) 1,314 1.6 5MT 105 99 18,130
Passat * S 1.6 TDI BlueMotion Tech. 1,499 1.6 6MT 105 114 19,232
* S 1.4 TSI BlueMotion Tech. 1,473 1.4 DSG 122 138 19,783
Touran Trendline 1.6 TDI 1,539 1.6 6MT 105 134 24,550
(Euro)
* Trendline 1.6 TDI
BlueMotion Tech.
1,544 1.6 6MT 105 121 24,950
(Euro)
Tiguan * Trend & Fun 2.0 TDI
BlueMotion Tech. DPF
1,665 2.0 6MT 140 164 29,600
(Euro)
Touareg * 3.0 V6 TDI
BlueMotion Tech. DPF
2.179 3.0 8AT 204 195 48,150
(Euro)
Eos 2.0 TDI DPF 1,586 2.0 6MT 140 138 32,150
(Euro)
* 2.0 TDI BlueMotion Tech. DPF 1,592 2.0 6MT 140 125 32,550
(Euro)
Sharan * Trendline 2.0 TDI
BlueMotion Tech. DPF
1,774 2.0 6MT 140 143 30,950
(Euro)
資料:VW の英国/ドイツ公式サイト
(注) 1. Polo, Golf, Passat は英国販売車。他はすべてドイツ販売車。すべてディーゼルエンジン車で、TDI は Turbocharged Direct Injection, DPF は Diesel Particulate Filter。
2. Golf Plus, Golf Estate, Passat Estate にも BlueMotion Technology 仕様を設定している。
3. 販売価格はManufacturer's Recommended 'On the road' Retail Price。顧客への納車手数料、ナンバープレート代、VAT (Value-Added Tax)、Vehicle Excise Duty、新規登録料を含む (後出表も同様)。
4. Passat の S 1.4 TSI BlueMotion Tech.は、DSG (Direct-Shift Gearbox: VW のデュアルクラッチトランスミッション名称) を搭載する。

SEAT:Ecomotive 仕様とベース仕様

車両重量
(kg)
排気量
(L)
変速機 出力
(PS)
CO2
排出量
(g/km)
販売価格
(pound)
Ibiza 1.2 TDI 1,150 1.2 5MT 75 102 12,427
* Ecomotive 1.2 TDI 1,135 1.2 5MT 75 92 13,210
Leon S 1.6 TDI 1,325 1.6 5MT 105 109 16,701
* S 1.6 TDI Ecomotive 1,325 1.6 5MT 105 99 16,995
Altea SE 1.6 TDI 1,475 1.6 7速 DSG 105 129 18,194
* S 1.6 TDI Ecomotive 1,450 1.6 5MT 105 119 16,897
Alhambra S 2.0 TDI n.a. 2.0 DSG 140 149 24,790
* S 2.0 TDI Ecomotive n.a. 2.0 n.a. 140 146 23,555

資料:SEAT の 英国公式サイト
(注) すべて英国販売車。上表の車両重量には運転手を含む。TDI はコモンレールディーゼルエンジン。

Skoda:GreenLine仕様と ベース仕様

車両重量
(kg)
排気量
(L)
変速機 出力
(PS)
CO2
排出量
(g/km)
販売価格
(pound)
Fabia Estate S 1.6 TDI CR DPF 1,224 1.6 5MT 76 109 11,825
* GreenLine II 1.2 CR TDI DPF 1,219 1.2 5MT 76 89 13,740
Octavia S 1.6 TDI CR DPF 1,365 1.6 5MT 106 119 15,545
* GreenLine 1.6 TDI CR DPF 1,370 1.6 5MT 106 114 17,225

資料:Skoda の 英国公式サイト
(注) すべて英国販売車。CR TDI はコモンレールディーゼルエンジン。



BMW: 環境性能と走行性能を両立するEfficientDynamics 技術を全車に展開

BMW は特別な低燃費仕様を設定していないが、環境性能と走行性能を両立する EfficientDynamics 技術を全車に展開している。EfficientDynamics 技術には、最新世代のエンジン、Start/Stopシステム、回生ブレーキ、軽量化、低転がり抵抗タイヤ、ギヤシフト表示、電動パワーステアリング、Active Aerodynamics 等が含まれる。

最近の動きでは、エンジンに高精度の直噴システムとツインパワー・ターボ・テクノロジーを搭載。軽量化では、シャシーやエンジンにアルミニウム合金を使用している。

Mini ブランドでは、EfficientDynamics技術の一部を、MINIMALISMとして全モデルに展開している。2010年にはMini One MINIMALISTを発売した。

BMW: CO2排出量 140g/km 以下のディーゼル車と、ガソリン車のベース仕様

  車両重量
(kg)
排気量
(L)
変速機 出力
(hp)
CO2
排出量
(g/km)
販売価格
(pound)
1 Series
3-door
116i 1,340 2.0 6MT 122 143 17,610
* 116d 1,370 2.0 6MT 116 118 18,790
3 Series
Saloon
318i ES 1,435 2.0 6MT 143 146 22,155
* 316d ES 1,400 2.0 6MT 116 118 23,980
5 Series
Saloon
523i SE 1,700 3.0 6MT 204 177 31,360
* 520d SE 1,715 2.0 6MT 184 129 28,045
X1 * sDrive 18d SE 1,545 2.0 6MT 143 136 23,315
資料:BMW 英国公式サイト
(注) 1. すべて英国販売車。モデル名に "i" のついているモデルはガソリンエンジン車、"d" のついているモデルはディーゼルエンジン車。
2. BMW は、特別な低燃費仕様を設定しておらず、モデル名にも EfficientDynamics を冠していない。上表は、CO2 排出量が 140g/km 以下のディーゼル車のベース仕様と、ガソリン車のベース仕様。X1 はディーゼル車のみで、ガソリン車の設定はない。

Mini: MINIMALISM 仕様とベース仕様

  車両重量
(kg)
排気量
(L)
変速機 出力
(hp)
CO2
排出量
(g/km)
販売価格
(pound)
MINI One 1.6 1,145 1.6 6MT 98 127 13,120
* MINIMALIST 1,145 1.6 6MT 98 119 13,450

資料:Mini 英国公式サイト、その他
(注) すべて英国販売車。




Daimler:中型車やSUVにもBlueEFFICIENCY仕様を設定

Daimler は、2008年からM-Benz の乗用車に低燃費仕様 BlueEFFICIENCY を設定。2009年までは小型車に設定していたが、2010年には中型車や SUV 等にも設定。2010年末までに 合計85 の BlueEFFICIENCY 仕様車を投入する計画。

BlueEFFICIENCY が使用する主な技術には、ガソリン直噴エンジン、クリーンディーゼル、ターボチャージャー等の最新エンジンと補機のほか、Start/Stopシステム、軽量化、低転がり抵抗タイヤ、優れた空力特性、ギヤシフト表示、電動パワーステアリング機構などがある。

Daimler:M-Benz の主な BlueEFFICIENCY 仕様とベース仕様

  車両重量
(kg)
排気量
(L)
変速機 出力
(hp)
CO2
排出量
(g/km)
販売価格
(pound)
A-Class A 160 Classic SE 1,275 1.5 CVT 95 159 17,140
* A 160 BlueEFFICIENCY
Classic SE
1,245 1.5 5MT 95 139 15,700
* A 160 CDI BlueEFFICIENCY
Classic SE
1,325 2 5MT 82 118 16,760
B-Class B 160 SE 1,350 1.5 CVT 95 166 20,740
* B 160 BlueEFFICIENCY SE 1,320 1.5 5MT 95 149 19,220
C-Class * C 180 CGI BlueEFFICIENCY SE 1,470 1.8 6MT 156 157 24,545
* C 220 CDI BlueEFFICIENCY SE 1,610 2.1 6MT 170 127 26,840
CLC Coupe CLC 180 KOMPRESSOR n.a. 1.8 6MT 143 164 20,935
* CLC 160 BlueEFFICIENCY SE 1,470 1.6 6MT 129 154 19,365
E-Class * E 200 CGI BlueEFFICIENCY SE 1,615 1.8 6MT 184 169 28,610
* E 200 CDI BlueEFFICIENCY SE 1,720 2.1 6MT 136 137 28,060
GL-Class GL 450 CDI 2,585 4 7AT 306 307 67,890
* GL 350 CDI BlueEFFICIENCY 2,505 3 7AT 265 242 57,065
M-Class ML 500 2,185 5.5 7AT 388 304 55,110
* ML 300 CDI BlueEFFICIENCY 2,185 3 7AT 204 230 41,210
R-Class R 350 CDI L 2,295 3 7AT 265 223 44,675
* R 300 CDI BlueEFFICIENCY 2,185 3 7AT 190 199 40,525
S-Class S 350 1,895 3.5 7AT 272 234 60,380
* S 350 CDI BlueEFFICIENCY (L) 1,955 3 7AT 235 199 n.a.
資料:M-Benz 英国公式サイト、その他
(注) 1. すべて英国販売車。CDI は Common-rail Direct Injection を採用したディーゼルエンジン車。他はガソリンエンジン車。ベース仕様として掲載したのは、BlueEFFICIENCY, BlueTEC仕様を除いた最廉価仕様。
2. C-Class, E-Class の SE Grade は全てBlueEFFICIENCY。
3.

BlueEFFICIENCY 技術の1つとされるクリーンディーゼルは、尿素 SCR により排出ガス中の NOx を 80% 削減する。このエンジンの搭載車には BlueTEC という呼称を使用し、E-Class, G-Class, S-Class 等に設定している。

 




PSA: CO2排出量 130g/km 以下の Peugeot 車を Blue Lion と認定

PSAは特別な低燃費仕様を設定していないが、 Peugeot ブランド車について、(1) CO2 排出量が 130g/km以下、(2) ISO14001認証工場で生産、(3) 95% がリサイクル可能、という 3つの条件を満たす車を、Blue Lion と認定している。現在、107 の全モデルと、1007、207、308 の一部のモデルがBlue Lion と認定されている。

Peugeot:CO2 排出量 130g/km 以下の Blue Lion 認定仕様とベース仕様

  車両重量
(kg)
排気量
(L)
変速機 出力
(hp)
CO2
排出量
(g/km)
販売価格
(pound)
107 3-door * Urban Lite 790 1.0 5MT 68 103 8,495
207 3-door Urban 1.4 8v 75 1,201 1.4 5MT 75 145 9,995
* Urban HDi 70 FAP 1,243 1.4 5MT 68 110 10,995
308 5-door S 1.4 VTi 98 1,346 1.4 5MT 98 144 14,895
* S HDi 92 1,378 1.6 5MT 91 115 16,345
資料:Peugeot 英国公式サイト
(注) 1. すべて英国販売車。HDi は High Pressure Direct injection を採用したディーゼルエンジン車。VTi は Variable Valve Lift and Timing injection を採用したガソリンエンジン車。
2. 1007 にも Blue Lion 認定仕様があるが、現在、英国では 1007 を販売していない。
3.

上表は、Blue Lion 認定仕様の最廉価仕様と、ガソリン車のベース仕様。107 はガソリンエンジン仕様のみ。

 




Renault: CO2 排出量 140g/km 以下の車をECO2 仕様として幅広く設定

Renault は特別な低燃費仕様を設定していないが、(1) CO2 排出量が 140g/km以下 (2) ISO14001認証工場で生産、(3) 95% がリサイクル可能で、かつプラスチック使用量の 5% 以上がリサイクルされたプラスチックであること、という 3つの条件を満たす車を、ECO2 Range と呼称している。ECO2 Range は、Clio, Kangoo, Megane 等幅広く設定されている。

Renault:CO2排出量 140g/km 以下の主要な ECO2 Range 仕様とベース仕様

  車両重量
(kg)
排気量
(L)
変速機 出力
(hp)
CO2
排出量
(g/km)
販売価格
(pound)
Twingo * Expression 1.2 16V 75 944 1.2 5MT 75 119 7,695
Clio * S 1.2 16V 75 1,080 1.2 5MT 75 135 11,540
* S dCi 88 1,165 1.5 5MT 90 106 13,190
Modus * Expression 1.2 16V 75 1,080 1.2 5MT 80 139 11,200
* Expression dCi 88 1,185 1.5 5MT 90 119 13,000
Kangoo
Car
Expression 1.6 16V 105 1,430 1.6 4AT 105 200 14,870
* Expression dCi 90 1,389 1.5 5MT 90 137 13,880
Megane
Hatchback
Generation 1.6 VVT 100 1,220 1.6 5MT 100 155 13,995
* Generation dCi 90 1,266 1.5 5MT 90 115 15,755
Scenic Expression 1.6 VVT 110 1,320 1.6 6MT 110 174 16,520
* Expression dCi 110 1,385 1.5 6MT 110 128 17,825
Grand
Scenic
Extreme 1.6 VVT 110 1,444 1.6 6MT 110 178 16,970
* Extreme dCi 110 1,430 1.5 6MT 110 128 18,225
Laguna
Hatchback
Expression 2.0 16V 140 1,378 2.0 6MT 140 173 17,795
* Expression dCi 110 1,398 1.5 6MT 110 120 18,995
資料:Renault 英国公式サイト
(注) 1. すべて英国販売車。VVT は Variable Valve Timing を採用したガソリンエンジン車。
dCi は diesel common-rail injection を採用したディーゼルエンジン車。
2.

上表は、ECO2 Range仕様の最廉価仕様と、ガソリンエンジン車のベース仕様。
Twingo にはディーゼルエンジンの設定がない。

 




Fiat:新開発の2気筒エンジンを Fiat 500 に搭載

Fiat は、Start/Stop システムやMultiJet (コモンレールターボディーゼルエンジン) を搭載した低燃費・低排出ガス仕様をPUR-O2と呼称して、幅広いモデルに展開している。

2010年 9月には、Fiat 500 に排気量 875cc の新型 2気筒エンジン TwinAir を搭載して発売。可変バルブ機構を採用したターボガソリンエンジンで、1.4L エンジン並みの動力性能を備える一方、Start/Stopシステムと組み合わせて、燃費は最大 30% 改善され、CO2 排出量は 95g/km。2011年後半には、Fiat Panda, Lancia Ypsilon の後継車にも搭載する計画。

Fiat:CO2排出量 120g/km 以下の低燃費仕様とベース仕様

  車両重量
(kg)
排気量
(L)
変速機 出力
(hp)
CO2
排出量
(g/km)
販売価格
(pound)
500 1.2 Pop 865 1.2 5MT 69 113 9,465
* 1.3 16V MultiJet Pop 865 1.3 5MT 95 104 11,865
* TwinAir Pop 865 0.9 5MT 85 95 10,665
Panda 1.2 Dynamic 860 1.2 5MT 69 113 9,395
* 1.3 MultiJet Dynamic 935 1.3 5MT 75 109 11,795
Punto Evo
3-door
1.2 8V Active 1,015 1.2 5MT 69 123 9,995
* 1.3 MultiJet Active 1,015 1.3 5MT 75 108 11,995
Bravo 1.4 Active 1,205 1.4 6MT 90 146 14,350
* 1.6 MultiJet Eco Active 1,320 1.6 6MT 105 115 16,350
Qubo 1.4 Active 1,255 1.4 5MT 73 157 10,395
* 1.3 16V MultiJet Active 1,255 1.3 5MT 75 115 11,655
資料:Fiat 英国公式サイト
(注) 1. すべて英国販売車。英国では、PUR-O2という呼称を使用せず、設定エンジンに応じて、MultiJet, TwinAir 等と呼称している。
2.

MultiJet 仕様はディーゼルエンジン車、他はガソリンエンジン車。

 




Opel/Vauxhall: Corsa と 新型 Astra に、Start/Stop システム搭載のecoFLEX仕様を設定

Opel/Vauxhall は低燃費仕様 ecoFLEX を、量販車の Agila (Suzuki Splash ベース), Corsa, Astra, Zafira 等に設定してきたが、2009年6月には大型セダンのInsigniaにも設定。Corsa と新型Astra には、Start/Stop システムを搭載した ecoFLEX 仕様の設定も開始した。

Opel/Vauxhall: ecoFLEX仕様とベース仕様

  車両
総重量
(kg)
排気量
(L)
変速機 出力
(hp)
CO2
排出量
(g/km)
販売価格
(pound)
Agila S 1.2i 16v VVT 1,485 1.2 5MT 94 119 10,670
* S 1.0i 12v ecoFLEX 1,485 1.0 5MT 65 119 10,015
Corsa
3-door
S 1.2i 16v 1,555 1.2 5MT 85 124 11,395
* S 1.0i 12v ecoFLEX 1,545 1.0 5MT 65 117 11,055
* S 1.3CDTi 16v ecoFLEX S/S 1,595 1.3 5MT 95 94 13,715
Meriva * S 1.4i 16v 1,890 1.4 5MT 100 144 15,520
* S 1.3CDTi 16v ecoFLEX 1,785 1.3 5MT 95 119 17,595
新型Astra ES 1.4i 16v VVT 1,885 1.4 5MT 100 129 15,495
* ES 1.3CDTi 16v ecoFLEX 1,885 1.3 5MT 95 109 17,300
* ES 1.3CDTi 16v ecoFLEX S/S n.a.  1.3 5MT 95 104 17,640
Zafira Exclusive 1.6i 16v VVT 2,090 1.6 5MT 115 157 17,765
* Exclusive 1.7CDTi 16vecoFLEX 2,175 1.7 6MT 110 134 19,920
Insignia Exclusive Nav 1.8i 16v VVT 2,025 1.8 6MT 140 179 19,785
* 2.0CDTi 16v ecoFLEX 2,145 2.0 6MT 160 129 22,230
資料:Vauxhall 公式サイト
(注) 1. すべて英国販売車。S/S は Start/Stop システム搭載車。
2.

上表の重量は、最大定員が乗車し、最大積載量の荷物を積んだ状態の車両総重量。

 




Ford: Focusの ECOnetic 仕様に Start/Stop システムを搭載

Ford は走行性能を維持しながら、低燃費・低 CO2排出量を追求した仕様を ECOnetic 仕様と呼称。採用している主な技術には、低転がり抵抗タイヤ、ギヤシフトインジケーター、空気力学的設計などがある。

2010年初めに発売した Focus の ECOnetic 仕様には、Start/Stop システム、ブレーキエネルギー回生システム、Ford Eco Mode (ドライバーの運転状況をモニターし、燃費改善情報を提供) を採用した。

Ford: ECOnetic 仕様とベース仕様

  車両重量
(kg)
排気量
(L)
変速機 出力
(hp)
CO2
排出量
(g/km)
販売価格
(pound)
Fiesta
3-door
Studio 1.4TDCI 1,086 1.4 5MT 70 107 11,745
* ECOnetic 1.6TDCI 1,100 1.6 5MT 90 98 13,495
Focus
5-door
Style 1.6TDCI DPF 1,391 1.6 5MT 90 115 16,245
* ECOnetic 1.6TDIC 1,391 1.6 5MT 109 104 16,895
* ECOnetic 1.6TDCI Start-Stop 1,391 1.6 5MT 109 99 17,345
資料:Ford 英国公式サイト
(注) 

すべて英国販売車。2010年初めには、Focus の ECOnetic 仕様に、欧州 Ford としては初めて Start/Stop システムを搭載。2011年には、新型 Mondeo ECOnetic や Ka にも搭載する計画。

 




Volvo Cars: C30, S40, V50 の DRIVe 仕様には Start/Stop システムも搭載

Volvo Cars は、ターボディーゼルエンジン車をベースに、空力特性の見直し、低転がり抵抗タイヤの採用等により、燃費とCO2排出量を改善したDRIVe 仕様を幅広く設定している。C30, S40, V50 のDRIVe 仕様には Start/Stop システムも搭載。XC60, XC70 では最廉価車にDRIVe仕様を設定している。

Volvo:DRIVe 仕様とベース仕様

  車両重量
(kg)
排気量
(L)
変速機 出力
(PS)
CO2
排出量
(g/km)
販売価格
(pound)
C30 D2 ES 1,339 1.6 6MT 115 114 17,995
* DRIVe ES Start/Stop 1,363 1.6 6MT 115 99 18,495
S40 D2 ES 1,376 1.6 6MT 115 114 20,095
* DRIVe ES Start/Stop 1,391 1.6 6MT 115 99 20,595
V50 D2 ES 1,413 1.6 6MT 115 114 21,445
* DRIVe ES Start/Stop 1,400 1.6 6MT 115 99 21,945
XC60 D5 AWD ES 1,833 2.4 6MT 205 174 30,120
* D3 DRIVe ES 1,756 2.0 6MT 163 154 27,620
XC70 D5 AWD ES 1,843 2.4 6MT 205 182 31,585
* D3 DRIVe ES 1,764 2.0 6MT 163 154 27,690

資料:Volvo 英国公式サイト
(注) すべて英国販売車。XC60, XC70 では最廉価車にDRIVe仕様を設定。



IHSグローバルインサイト中期生産予測レポート

スペイン:グループ別・ブランド別生産台数 (IHSグローバルインサイト社予測)

(台数)

グループ ブランド 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015
DAIMLER
AG
MERCEDES
-BENZ
102,400 54,600 70,597 76,749 80,134 65,253 87,233 90,074
FIAT
GROUP
IVECO 29,656 12,105 14,658 21,137 23,777 32,482 36,574 34,385
FORD FORD 357,646 300,347 284,443 238,426 238,167 299,080 287,781 276,756
GM OPEL 427,055 340,679 362,019 304,527 251,275 263,052 326,857 319,028
NISSAN NISSAN 92,722 29,057 65,117 75,043 75,174 94,493 96,241 106,886
PSA CITROEN 338,458 305,852 302,871 232,740 221,249 319,610 386,846 370,400
PEUGEOT 215,910 201,492 213,265 158,309 140,093 195,466 262,508 252,188
RENAULT RENAULT 318,549 372,344 385,883 357,848 292,371 266,844 253,879 276,564
SANTANA SANTANA 192 0 63 194 376 520 861 813
SUZUKI SUZUKI 3,759 549 0 0 0 0 0 0
VW
GROUP
AUDI 0 0 0 32,371 71,040 69,763 62,733 61,280
SEAT 370,293 301,289 339,828 315,349 304,904 298,434 300,298 330,139
VW 259,000 243,500 335,478 302,154 298,502 318,132 299,237 286,246
Total 2,515,640 2,161,814 2,374,222 2,114,847 1,997,062 2,223,129 2,401,048 2,404,759

資料:世界小型車生産台数データ (2010年12月 7 日時点)

  • (注)
  • 1. データは、小型車(乗用車+車両総重量 6t以下の小型商用車)の数値のみ。
  • 2. 2008年と2009年は実績
  • 3. 本表の無断転載を禁じます。転載には IHSグローバルインサイト 社の許諾が必要となります。

IHS グローバルインサイト レポート

スペイン自動車業界と生産台数予測:乗用車   (2010年10月16日)

2009年初にはスペインの自動車生産に関して我々が恐れていたことが幾つかあったが、スペイン及び欧州他国のスクラップ・インセンティブ・スキームが販売を押し上げたことにより2009年下半期には軽減された。スペイン国内においては2009年初の不調により、特にA及びBセグメントの小型車を生産するメーカーに於いて、このインセンティブ・スキームの効果が相殺されてしまったが、このスキームがなかった場合に比べて生産が増加したことは確かである。2009年後半にはスクラップ・インセンティブ・スキームの延長が発表され、2010年上期の生産の大幅増に大いに貢献した。事実2010年6月末のANFAC(スペイン自動車工業会)の発表によれば2010年上期の6ヶ月間で乗用車の生産台数は前年に対し25.8%増加した。

2009年末には生産は対前年で6.7%減少したが、2010年には我々は生産台数が増加に転ずると予測している。2010年のこれまでの予想以上の回復を基に、我々は2010年の生産台数を対前年4.7%増に上方修正する。乗用車メーカー全てにおいて改善され、生産台数は189.3万台レベルとなると予想される。スクラップ・インセンティブ・スキームは終了したが、2010年6月の生産レベルは依然として高く、前年に対し18.3%の増加となった。欧州全域に於いて需要は好調でありスペインの生産は高水準を維持すると考えられる。最新世代のVWポロやルノー・メガーヌの生産に拍車が掛かり、今年導入の新型メリーバMeriva(オペルのミニMPV)によって更に今年の生産台数は高水準なものになると予測している。

政府が自動車業界に対し支援を提供

2009年にマドリッド州政府はイベコおよび日産支援のため、研究開発、従業員能力開発・教育、及びハイブリッド車の開発に関して資金を提供することを発表した。カスティーリャ・イ・レオン自治州政府が2009年12月にこれに続いた。このカスティーリャ・イ・レオン自治州政府の支援はスペイン中央政府の支援とあいまって、ルノーが2012年初に開始する新しいAセグメントに属する電気自動車Twizyの生産に貢献するであろう。

スペイン政府は2009年12月に公募行い、2010年3月に国庫補助金の対象となるプロジェクトを発表した。2010年中の総額は2億5,000万ユーロである。236件の応募プロジェクトの中、工業省は142のプロジェクトを支援することを決定した。自動車生産に関するものが17件で1億4,500万ユーロの国庫補助金を受け、自動車部品関係が残りの1億450万ユーロの支援を受けることになる。

スペイン自動車業界と生産台数予測:小型商用車  (2010年7月27日)

2009年にはスペインの小型商用車の生産台数は39%減少した。この減少は前年に経験したものより更に厳しいものであるが、我々の前回の予測に沿ったものである。全メーカーの販売台数が欧州域内外でともに大幅に下落した。過剰在庫対策として生産シフトの削減や工場の一時的閉鎖のニュースが伝わるとともに工場労働者の不安が助長されている。2010年には欧州全域で経済が本格的ではないにせよ回復に向かったことにより生産が増加に転ずると予想している。


                     <自動車産業ポータル、マークラインズ>