IAA 2019:欧州サプライヤーのフランクフルト・モーターショー展示取材

e-モビリティ、自動運転、アーバン・モビリティ時代の将来テクノロジー

2019/10/01

要約

 IAA 2019(「Internationale Automobil-Ausstellung」)はドイツのFrankfurt/Mainで開催され、9月10日~11日のプレスデーに続いて、9月12日~22日には業界関係者、並びに一般向けに公開された。 同ショーはVDA(ドイツ自動車工業協会)の主催により2年ごとに開催され、OEM各社が新型車やコンセプトカーを発表する。IAAはまた、多くの国内並びに世界各国からのサプライヤー、エンジニアリング会社、サービスプロバイダー、研究者達がその製品やサービスのラインアップと最新のイノベーションを紹介する場ともなっている。

General View (Mercedes Pavilion)
IAA 2019 会場風景

 今年のショーのテーマは「Driving tomorrow」e-モビリティ、自動運転、アーバン・モビリティ、コネクテッドカー、モビリティ・サービスに関連するトピックが中心となった。

 モーターショーの構成は4つのカテゴリーから成っている: IAA展示 -OEMを始め参加各社の展示はこのカテゴリーに該当する。 IAAコンファレンス -イノベーションをめぐるプレゼンテーション、各種課題の論議、解決策を探る協議。 IAAエクスペリエンス -車やe-バイクを試乗するステージと運転コースを配置した屋外エリア。 IAAキャリア -学生、卒業生、若手プロフェショナル達にモビリティ業界のリーディング企業で働く機会を紹介。

 IAA 2019の出展者は30カ国から約800社にのぼり、サプライヤーが最大の出展者グループとなった。来場者は56万人を超え、海外からの来場者が22%を占め、そのうちアジアからは20%、また全体の40%以上が業界関係の来場者であった。コンファレンスでの講演には、企業のリーダー、科学、政治、社会の分野、そして自動車やハイテク業界など世界各国から200人が参加した。屋外のテストドライブ・ゾーンでは、13社から電気自動車を含む72台の車両が持ち込まれ、来場者がそれらを直に体験する機会が用意された。さらにE-Moveトラックでは、参加したOEMやサプライヤーから提供されたE-Bikeを試乗することができた。

 本レポートでは、欧州の出展者(サプライヤー、エンジニアリングサービス・プロバイダー、研究者)から主要なものを取り上げ、それらの企業から出展されたeMobilityに係わるイノベーションやソリューションを中心に報告をする。また、内燃エンジンに係わる技術についても、ハイブリッド車など今後もモビリティ・ソリューションの一部として維持されるであろうことから、本報告に含める。イノベーションは、企業が持つコア・コンピテンシーを新たなアプリケーションや異なる業種に適用する、あるいは企業が新しいコンピテンシーを追加してソリューションを創造し製品ラインアップを拡大する、その結果として生み出されるものと言える。

 

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