CES Asia 2019:Huawei、Audi、現代自グループなどの基調講演/カンファレンス内容

AIに向けたロードマップにおいて各社は何を考えているのか?未来のコックピット設計とは?

2019/07/31

要約

现代汽车集团副社长 尹京林
現代自グループの尹京林副社長による上海Kerry Hotelでの基調講演

 2019611日から13日まで、中国上海新国際博覧センター(SNIEC)でCES Asia 2019が開催された。SNIECでの展示以外に、博覧センターに隣接するKerry Hotelでも同時期にさまざまなセッションや基調講演などのイベントが行われた。Huawei(華為)、Audi、現代自動車グループのリーダーによる基調講演が行われ、デロイトやメディアの車東西などは自動運転/AI/未来のコックピットなどをテーマとしたカンファレンスを行った。本レポートは一部のカンファレンスや講演を採り上げ、インテリジェント化、自動化が急速に進む今日において、業界の先駆者や自動車メーカーなどが将来にどのような希望を抱き、人々のモビリティに対してどのように影響を与えるかをまとめた。

本レポートのテーマ及び講演者/参加者は以下の通り。(以下、敬称略)

テーマ 講演者/参加者 社名/職位
HuaweiのAI技術に関する極意及び将来に向けた戦略 邵洋 Huawei Consumer Business Group
Chief Strategy Officer
現代自動車グループの未来のモビリティに対するビジョン 尹京林 現代自動車グループ副社長、オープンイノベーション戦略事業部長
黄嘉曦(Daniel Huang) 易馬達(IMMOTOR)CEO
劉駿 寛凳(KuanDeng)科技創始者/CEO
朱瑞(Jacky Zhu) 優必愛(UBiAi) 創始者/CEO
Audiのモビリティにおけるドライビングエクスペリエンスからデジタル化へ向けた重大な転換 Thomas Owsianski Audi中国総裁
尹暁航(Max Yin) Audi中国コネクテッド業務責任者
Nils Wollny holoride CEO
武雲舟 Audi中国デザイナー
AI、自動運転、コネクテッド、5Gなどの技術が未来の顧客体験をいかに創造するか 周令坤(司会者) デロイト中国コンサルティングパートナー
郝飛 斑馬網絡技術有限公司CEO
馬釣 同済大学教授
鄭顯聡 NIO創始者、副総裁
李穀超 President of LKK Innovation Design Group
薄睿(Boris Meiners) Audi中国企業管理有限公司デジタル化業務、ユーザー体験部シニアディレクター
コックピットのインテリジェント化改革 頼偉林 上海博泰(PATEO)副総裁
尚培鋭 逸驾智能(Mobility Asia)コネクテッドサービス及びデータビジネス化副総裁
孫暁寒(司会者) 北京智一科技有限公司傘下の車東西エディター
呉麗華 BYD インテリジェントネットワークチーフ
李立安 愛馳汽車(AIWAYS)インテリジェントネットワークディレクター
張宏志 地平線(Horizon Robotics)マルチモーダルインタラクション製品総経理
呉震宇 揚州航盛科技有限公司製品企画部副部長
柳莎莎 未動科技(UNTOUCH)COO

 

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欧米Tier1サプライヤー:自動運転、コネクテッド、モビリティ関連事業(2019年1月)

 



Huawei:AI技術に関する極意及び将来に向けた戦略

华为消费者业务首席战略官 邵洋
Consumer Business Group
Chief Strategy Officerである邵洋 氏による講演

 5G、AI、中米貿易摩擦など最近のホットなテーマに挙がる企業—Huawei。通信設備、携帯製造事業に秀でているが、業務範囲はとどまることなく、将来に向けた業務計画、発展の方向性は多くの人の注目を集めている。

 Consumer Business Group Chief Strategy Officerの邵洋 氏は最初にHuaweiの発展の軌跡を振り返り、8年間の企業努力によってコンシューマ事業はグローバルで端末ユーザーの累計が5億人を超えたことを発表した。また、近況についてCEOの任正非 氏が「現在、Huaweiは最も厳しい時期なのではなく、最も良い状態にある。」という発言で世間の関心に答えた。

 Huaweiの将来を見据えた戦略及びAIの応用に関して、邵洋 氏は可能な限りの回答を示した。彼は世界のデバイス産業は携帯がスマートフォンに淘汰されたのと同じように、まもなく革命が起きようとしており、AIの急速な発展により、現在デバイス産業構造の変化が起こっていることを指摘。将来を見据えた戦略として、現在の産業構造が垂直の煙突型(図1)の構造であると考えており、スマートフォン、自動車、パソコン、テレビこれらの4大デバイス及びそれぞれのデバイスが関連するプラットフォーム、ソフトウェアの全てが相互に平行であり交差していない。将来的には、AIがこれらの交わっていない煙突を結びつけることで、サービスをすべてのシーンや設備に搭載することができる。HuaweiはこのようなAIプラットフォームを提供し、自動車を含むあらゆるシーンにサービスを提供する。

 邵洋 氏は自動車アプリケーションを例とした説明の中で、車載システムの発展スピードが携帯のモデルチェンジに比べ遙かに遅れていることを指摘した。1つの車載システムは10年またはそれ以上使用されるのに比べ、携帯は1年程度でモデルチェンジとなる。そのため、時代の流れを汲んだモバイルアプリを車載システムで使用することはできない。その他、車載システムが有するマイクによる音声認識、クラクション音響効果、大型ディスプレイ、広範囲GPSアンテナなどの長所は携帯にない機能である。そのため、車載システムをスマートフォンの代りとしていかに使用するか、スマートフォンの長所を車載システムとどのように一体化させるかという点がHuaweiの今後の重要な戦略の一つである。現在、HuaweiはVolvoなどと提携しており、共同で「ハードウェア設備仮想化プラットフォーム」を構築し、車載システムをさらに強大なスマートデバイスへと変えている。

图1 图2
図1:Huaweiは現在の産業構造が垂直な煙突型の構造であり、
AIによってこれらの煙突を結びつける必要があると認識。
図2:未来のアプリケーションシーンは「スマートフォン」を中心とした構造。
「1+8補助入口」によって全シーンサービスを結びつける。

 全シーンにおける未来のアプリケーションに対して、Huaweiの計画は図2に示した3圏層構造であり、中心となる設備は「スマートフォン」(将来的にはスマートフォンという名前ではないかもしれない)、第2圏層がタブレット、自動車、パソコン、テレビなどの8つの補助入口であり、第3圏層がスマートモビリティ、モバイルオフィスなどで使用される各種IoT設備の層である。さまざまな業界が共同で制定した「IoE(Internet of Everything)の全結合プロトコル標準」に各種スマートソリューションをベースとして提供し、「1+8補助入口」によってすべてのシーンにおけるサービスを結びつけ、「サービスが人を探しやすく、人がサービスを自然に探せる」というIoEの世界を創造する。

 

 

 



現代自動車グループ:将来に向けたモビリティに対するビジョン/中国企業との提携プロジェクト

现代汽车集团副社长尹京林先生
現代自グループの尹京林副社長による未来のモビリティに対するビジョンのスピーチ

 611日午後に行われた基調講演において、現代自動車グループ(以下、現代自グループ)の副社長兼オープンイノベーション戦略事業部長である尹京林 氏は将来に向けたモビリティに対するビジョンを述べた。また、現代自グループと提携する3社の中国企業の担当者も講演を行い提携プロジェクト状況を述べた。

 尹京林 氏によると、現在自動車業界は100年に1度の大変革期にあり、この変革はMECA(Mobility as a service, Electrified, Connected, Autonomous)の四要素であると提起。現代自グループは自動車の未来に対するキーポイントはスマートモビリティであると考えており、未来のモビリティに対して、クリーンモビリティ、フレキシブルなモビリティ、コネクテッドモビリティという3つの具体的なビジョンを提起した。

 現代自グループは、未来の理想的なモビリティビジョンに対して自社の力だけに頼るのでは実現が難しく、あらゆる関連企業と提携することが重要であると認識しており、Hyundai Cradleはその需要に基づき生まれたものである。Hyundai Cradle現代自グループのベンチャーキャピタル及びオープンイノベーション業務部門であり、米国のシリコンバレー、ドイツのベルリンなどに4つの支社を設立しており、現在世界40余りのスタートアップ企業と提携。中国市場は現代自グループにとって大変魅力的で現在5社目となる支社の北京Cradleの運営を加速。現代自グループは百度(Baidu)の自動運転、テンセントのエンターテインメントシステム開発などのプロジェクトで中国企業と提携している。また、北京Cradleを通して易馬達(IMMOTOR)、寛凳(KuangDeng)、優必愛(UBiAi)などの優秀な中国企業とも提携している。なお、これらの企業については後ほど紹介する。

 3大ビジョンの一つであるクリーンモビリティに対して、尹京林 氏はまずグループの水素エネルギー社会の実現計画を紹介し、今回展示した水素エネルギーモデル「NEXO」の排ガスはクリーンで航続距離は800km(NEDCモード)に達することに言及。その後、パートナーである深圳易馬達(IMMOTOR)のCEOの黄嘉曦(Daniel Huang)氏とともに提携プロジェクト状況を紹介した。

 

易马达公司CEO黄嘉曦先生
IMMOTORの黄嘉曦CEOが二輪/三輪電動車のバッテリー応用計画を紹介

深圳易馬達(IMMOTOR):バッテリー応用計画

 2015年に設立の深圳易馬達公司は、ポータブル式バッテリー、スマートクリーン関連の駆動用バッテリーパックやバッテリー補助システムの研究開発、生産及び販売に注力するテクノロジー企業である。未来のクリーンモビリティに対する電動化ソリューションにおいて、中国の電動二輪車25千万台(自転車を含む)に対して、バッテリーネットワーク変更案の確立を提案した。バッテリー、電動車、ユーザーの情報を整合することで、企業はバッテリーの管理運営をリモートでコントロールすることが可能となり、ユーザーはネットワークを通して自分の必要なサービスをカスタマイズすることができる。これは1つのオープンなネットワークプラットフォームで、さらに多くの提携パートナーも使用することが可能である。20183月にプラットフォームを開放して以降、現在すでに3,300万の受注があり、全国に300以上の充電ステーションを建設。毎日20万個のバッテリーがネットワークを通じて交換されている。

 現代自グループとの提携において、黄嘉曦 氏はインド、東南アジア市場に重点を置くことを考えていると述べた。なぜなら、現地の消費水準はまだ高くないため、交通手段として四輪車ではなく二輪車、三輪車を選択することが多く、将来的にこの地区の発展は期待が持てるからである。

 3大ビジョンの2つ目であるフレキシブルなモビリティに対して、尹京林 氏は現代自グループの自動運転分野における中国企業との提携状況を紹介した。すでに百度(Baidu)のApollo自動運転プラットフォームに参画しており、AI分野では格灵深瞳(DeepGlint)と、運転支援分野では極目智能(JIMU Intelligent)と、そして車両制御のキーとなる高精度地図においては寛凳科技(KuangDeng)と提携していることを紹介した。この後、寛凳科技の劉駿CEO現代自グループとの提携内容に関する講演を行った。

 

宽凳科技CEO刘骏先生
寛凳科技の劉駿CEOによる高精度地図自動生成のコア技術の紹介

高精度地図:寛凳科技(KuanDeng)

 2017年に設立された寛凳科技は、クラウドソーシング高精度地図のビジネスモデルを通して、自動運転における幅広い応用を推進するテクノロジー企業である。コアとなる技術はディープランニング、画像認証、3次元視覚、インテリジェントロボット、地図構築およびそれに基づくビッグデータクラウドサービスを含む。寛凳科技では、手動によるバックグランド処理を行わず、AI技術を使用し高精度地図を自動生成する。同時にまた正確な測位を行うために、AI技術と地図データを結合したソリューションを備えている。そのため、会社創設時から現代自グループとは密接な提携関係を維持している。

 最後に3大ビジョンのコネクテッドモビリティに対して、尹京林 氏から現代自グループのコネクテッド業務計画が紹介された。オープンな自動車用OSプラットフォームを2019年に打ち出す予定で、2022年までに1,000万人のコネクテッドカーのアクティブユーザーの獲得を目指す。また、収集したビッグデータを利用して分析や整理を行うことで、クライアントに新しいサービスの提供を行う。相互接続分野での利用において、尹京林 氏は中国の提携パートナーである優必愛(UBiAi)公司を紹介した。優必愛は2016年に設立されたコネクテッドカーのビッグデータ処理サービス企業であり、創始者である朱瑞(Jacky Zhu) 氏はビッグデータを自動車保険、アフターマーケット、金融などの方面でいかにして利用するかを紹介した。

 

 

 



Audi:運転体験からデジタル化へのモビリティの変容

奥迪中国总裁欧阳谦先生
Audi中国のThomas Owsianski総裁による運転体験からデジタル化への変容紹介

 基調講演において、Audi中国のThomas Owsianski総裁がAudiのモビリティにおける運転体験からデジタル化への重大な変革を紹介した。これは非常に重要な考え方の変化で「自動車の生産」中心から「モビリティサービス」を中心に転換するというもの。絶え間ないイノベーションによりモビリティサービスをさらに良くするため、Audi中国はAudiイノベーションサークルを設立させ、7月から1,000人の顧客をAudiのイノベーション旅に招請し、彼らからフィードバックや意見を聞き取る予定である。

 Thomas Owsianski氏はさらにAudiの「25時間目」の概念、すなわち無人運転、V2Xなどの手段によってモビリティ路線を最適化することで、運転時間の短縮および無人運転プロセス中にその他の活動に従事することができるエキストラな1時間を紹介した。このアイデアは毎日車通勤をする人々にとって非常に魅力がある。

 次世代のAudi connectもThomas Owsianski氏が重点的に述べた内容である。これはAndroidをベースとしたオープンシステムであり、機能も非常に充実している。この部分の内容に関しては、今回の講演に参加しているAudi中国コネクテッド業務責任者である尹暁航(Max Yin)氏によりさらに詳しい説明が行われた。

 尹暁航 氏は次世代のAudi connectの応用例を紹介し、天猫精灵(Tmall Genie)との連携による応用シーンを挙げた。例えば、音声インタラクティブを利用して自動車のナビゲーション、家電の制御、ガソリンスタンド情報の提供、天気予報などのサービスを受けることができる。Audiは自動車が次のモバイル端末となり、コネクティビティエコシステムを創造し、車載されるアプリや設備を最適化することが今後の重要な業務であると確信していると述べた。また、V2X技術もAudiの重要分野であり、交通信号システム(事前に信号の変化時間を知ることが可能)はすでに北米でリリースされており、北京や無錫では自動運転試験のナンバープレートを取得している。

 引き続き行われた講演では、holorideCEOであるNils Wollny 氏Audiとの車載エンターテインメント面における提携内容を紹介した。holorideはAudi Electronics Venture GmbHの出資によるスタートアップ企業。holorideの車載エンターテインメント技術をAudiの車両で使用することで、走行中車両の同乗者にこれまでにないエンターテインメント体験をもたらす。具体的な応用例として、乗客はVRゴーグルをつけて乗車し、仮想画面が車両のリアルな動きを反映することで、乗客はアドベンチャー体験を楽しむことができる。holorideのビジョンは将来的に各車両がすべて移動可能なテーマパークになることである。

 最後の講演者であるAudi中国デザイナーの武雲舟 氏は、先日の上海モーターショーでワールドプレミアしたコンセプトカー「AI:ME」の内外装デザインプロセスを披露した。「AI:ME」の重要なデザインコンセプトはインテリアや使用空間を優先し、外観デザインはそれに応じて設計。Audiは車室空間というのは仕事や生活に続く第三の生活空間であり、その重要性は言うまでもなく考えているとした。そのため、我々が「AI:ME」では、グリーンな植物を感じることができ、騒音防止や空気浄化措置、収納可能なテーブルなどの設計は、乗客が家にいるような感覚を持って欲しいという気持ちからであると述べた。また、武雲舟 氏は、2019年下期に本シリーズの新型コンセプトカーを発表する計画で、その内外装デザインは人々の想像を超えると述べた。

下一代奥迪Connect互联技术以及V2X应用 让汽车成为移动主题公园的愿景 奥迪AI:ME概念车的内外形设计理念
尹暁航 氏による次世代Audi connect及びV2X応用例の紹介 holorideのCEOであるNils Wollny氏による自動車を移動可能なテーマパークとするビジョンの説明 武雲舟 氏によるAudiのコンセプトカー「AI:ME」の内外装デザインコンセプトの紹介

 

 

 



テーマ別カンファレンス:AI、自動運転、コネクテッド、5Gなどの技術が未来の顧客体験をいかにして創造するか

专题会议场景
左から順に周令坤、馬釣、郝飛、鄭顯聡、李毅超、薄睿。(敬称略)

 2019年612日午前にデロイト主催による自動車のAI、自動運転、コネクテッド、5Gなどに関する内容のテーマ別カンファレンスが行われ、カンファレンスの主催者である周令坤 氏が司会、その他5名がパネリストという形でディスカッションが行われた。

 司会者はまず現在の先進科学技術のどの様な面に興味があるかという話題を振り、多くの人がAIへの関心が高いことを示した。斑馬網絡技術有限公司の郝飛 氏によると、現在の多くのAI製品は理想的な状況には到達しておらず、現時点では「知能の足らない」製品であり、本当に良い製品とは人にAI製品であると感じさせないものであると述べた。NIOの鄭顯聡 氏によると、AI技術は急速に発展しているが、ロボットは決して人になることはなく、人も決してロボットになることはなく(毎日スマートフォンを見過ぎてAI機器に依存するだけである)、いかにしてそのバランスを保つかということがAI開発者にとって非常に重要な問題であるという。President of LKK Innovation Design Groupの李毅超 氏は、人々は往々にして未来におけるAIの発展速度を過小評価しており、将来的に5Gに基づく新興ビジネスや会社は非常に多いだろうという認識を示した。

斑馬智行の車載システムの技術発展方向

 司会者が斑馬智行の車載システムの今後の技術発展方向について尋ねたところ、①ユーザー体験のオープン型アーキテクチャーの改善、②アプリケーション化(スマートフォンのアプリをコピーするのではなく、自動車専用のシーンで使用するアプリを作成)、③クラウド端末一体型のハイブリッドエクスペリエンス(OTA技術を利用してバージョンアップを行うなど)の三方面が今後の重点的に力を入れる分野であると郝飛 氏は述べた。バージョンアップした斑馬智行MARS(3.0)システムは「荣威RX5(Roewe RX5)」、長安フォード「翼虎(Kuga)」、「名爵HS」などのモデルに搭載されている。

 

未来の自動車のデザインの変化

 未来の自動車のデザインがどのように変化していくのかということについて、李毅超 氏は無人運転自動車の技術が向上するにしたがい、自動運転レベル5の車が普及時には走行は安全で、ボディ構造は鋼材による製造を必要とせず、自動車のデザイン構想も完全に異なるとした。未来のデザインはさらにカスタマイズか、ヒューマニゼーション化のデザインが重視され、個々の車はそれぞれ異なったものになるため、人々は特定のモデルについて語ることはなくなり、自身のモデルについてのみ語ることになる。

 人と車との関係がデザインにおいてどのように具現化されるかという話題において、同済大学の馬釣教授は、20年前の内外装デザインはコミュニケーションを重視していたが、現在のデザインはより自然であることを重視しており、つまり自然なものが最も良く、デザインのないデザインが最もよいという考え方であることを述べた。彼は先ほど郝飛 氏が述べた優秀なAIはAIと感じさせないという観点に大いに賛同した。

 Audiの将来のデザインの話題において、薄叡(Boris Meiners)氏は、未来の自動車の100%カスタマイズ化はAudiにはあまり適しておらず、Audiは完全なソリューションを求めているわけではないと述べた。デジタル領域において、Audiはただプラットフォームを作成し、顧客に自身に適したアプリを選択させるとなると、多くの企業との提携が必要となると述べた。また、中国のAudiオーナーの平均年齢が欧州より10才も若いという点を指摘し、中国市場の独自性に対応するために中国本土におけるデジタル化業務を加速させるという点を強調した。

 

 

 



テーマ別カンファレンス:コックピットのインテリジェント化変革

 2019年613日午前に北京智一科技傘下のメディアである車東西がコックピットのインテリジェント化に関するフォーラムセッションを主催した。今回のセッションでは、まず2名のパネリストが単独で講演を行い、その後司会者と他の5名のパネリストがテーマに沿ってディスカッションを行った。

 上海博泰(PATEO)の頼偉林 氏は、「未来の車載システムの進化」について単独で講演を行った。上海博泰はコネクテッドカーのプロバイダーであり、主にインテリジェント車載情報サービスシステムの研究開発、製造、サービス提供に従事し、取引先にはMercedes-Benz、Audi、SAICなどがある。頼偉林 氏は、現在のコックピットは、メーター、センターコンソール、助手席スクリーンによって展開され、すべて組立の視点に従って設計されたものであると述べた。しかし、博泰が目指すのはコックピットの配置のカスタマイズ化であり、クラウドプラットフォームまたはスマートフォンを組み合わせることで、車両に搭載した後に異なる人による異なる応用シーンに対応することができ、1人複数車両、1人1スクリーン、1車載システム複数スクリーンまたは複数スクリーン1人モードを実現する。その他、自動車のハードウェアのライフサイクルはソフトウェアと一致しないという問題も非常に際立っており、いかに両者の区分や融合を行うかということが非常に重要である。スマートフォンのモデルチェンジは比較的サイクルが速く、スマートフォンの演算能力資源を充分に利用して、視覚による識別などの機能を実現する。博泰は多くの顧客に受け入れられ、「方言」のない車載OSを打ち出すことに力を入れており、音声、アクセサリー、画像などのマルチモダリティインタラクションのシナジーによって、AIのコックピットを構築する。

上海博泰副总裁赖伟林先生 为实现博泰车载OS的智能化
上海博泰の頼偉林副総裁による車載システムの今後の進化に関する講演 博泰車載OSのインテリジェント化構想を実現するために搭載される新しいハードウェアの配置

 

 その後の単独講演において、VWグループ傘下の逸駕智能(Mobility Asia)の尚培鋭 氏は「インテリジェントコックピットの未来-感情化AIエンジン及び多元化のエコシステム」をテーマとした講演を行った。逸駕智能はVWグループ傘下のEV充電設備及びスマートモビリティサービスを展開するテクノロジー企業である。尚培鋭 氏は未来のコックピットは人と車の交流、感情認識機能をさらに重視し、カスタマイズ化の要素をさらに増やすと述べた。その後、主要関連会社である大衆問問(VW-Mobvoi)の業務内容を開示し、すでにVW-Mobvoiがフルスタック型コネクテッドネットワークソリューションのサプライヤーであることを示した。VW-Mobvoiの製品は一汽VW、上汽VWAudi中国のモデルに使用される予定で、量産モデルは2019年末から2020年までにリリースされる。

逸驾智能车联网服务和数据商业化副总裁尚培锐先生 未来AI发展的重要机遇
VWグループ傘下の逸駕智能(Mobility Asia)の尚培鋭 氏による講演 5G、クラウドコンピューティングをベースとした感情化/ヒューマニゼーション化などの多元エコシステムの構築は将来に向けたAI発展の大きなチャンスである。

 

 最後のディスカッションで、未来のインテリジェントコックピットに関するテーマは車東西の編集者である孫暁寒 氏及びその他5人の業界を代表する一同により行われた。

就未来智能座舱主题业界代表们进行了圆桌讨论
未来のインテリジェントコックピットに関するディスカッション。左から順に、孫暁寒、呉麗華、李立安、張宏志、呉震宇、柳莎莎。(敬称略)

 司会者である孫暁寒 氏はまずCESとモーターショーとの関係、今回のCES全体を通した感想を聞いた。柳莎莎(UNTOUCH COO)は、今年(2019年)米国で行われたCES及び過去のCESにおいて多くの人の議論の中心は自動運転であったが、当展示会ではインテリジェントコックピットが多くの人の注目を集めていると述べた。呉震宇 氏は運転席→コックピット→インテリジェントコックピットへの名称の変化にも車内空間に対する人々の関心の変化が現れていると述べた。張宏志氏は、モーターショーにおいて車全体に関して注目することが多いが、CESでは自動車のインテリジェント発展に関する駆動力に注目する人が多いという認識を示した。

 

エコシステム

 BYDの呉麗華 氏はエコシステムの構築が核となる技術であり、自動車を含むオープンプラットフォームは欠かすことができないという認識を示した。愛馳汽車(AIWAYS)の李立安 氏は、コックピットのヒューマニゼーション化、固定化は発展傾向にあり、いかにして情報のインタラクティブ及びサービスの提供を行うかが現在解決しなければならない問題であるという認識を示した。地平線(Horizon Robotics)の張宏志 氏は現在自動車のAIは基本的にマイク、カメラ、センサーなどの融合段階(外部を感知できる段階)にあり、次の段階であるセンサー情報処理能力を高め、予測、意思決定能力を提供する段階にあるという認識を示した。

 車内にいくつのディスプレイが必要であるかという議論について司会者は、現在ダッシュボードや大型ディスプレイがないモデル、車内に複数のディスプレイを有するモデルが出現しているが、未来の発展の方向性としてはどの様な方向性に行くかという質問をした。李立安 氏は、車内にディスプレイが多ければ良いという訳ではなく、コスト面の問題及びディスプレイがユーザーに提供することができる情報も考慮する必要があるという認識を示した。呉麗華 氏は、将来的に発展する際には異なる様々なユーザーニーズを満たすことができる案が出現するという見方を示した。

 その後、司会者は現在の自動車オペレーションシステムには多くのメーカーが導入したAndroidシステム、アプリケーションストアなどスマートフォンに類似したアプリケーションがあり、将来的にはいかにして差別化を図っていくのかという問題を提起した。李立安 氏は企業の核となる競争力は、①ヒューマンインテリジェントサービス、②ハードウェアのスムーズ度合、③安全性、④ユーザーへ深く関与できるか否かという点にあるという認識を示した。張宏志 氏はオペレーションシステムの標準化は上下流ハードウェアの提供に有利であり、未来のAI発展度合における鍵はハードウェアの発展にあるという見解を示した。

 会社の現状に関する話題になると、李立安 氏は愛馳汽車が江鈴汽車の株式を50%買収することでNEVの生産資格を取得し、傘下初となる電動SUVU5」が量産を開始したことを発表。呉麗華 氏はBYDがすでに自動車の341個のセンサー、66項目の車両制御に関する権限をオープンにし、さらに多くの開発者がBYDプラットフォームの開発に参画して欲しいという見解を示した。

 

アクティブなインタラクションシステム

 車内のアクティブなインタラクションシステムのトピックになると、張宏志 氏は地平線で現在研究開発中の第3世代チップでは、運転者の疲労モニタリングだけでなく、センサーにより乗員の視線、表情、音量音質(乗員に対応した)などについて、さらに正確な予測、意思決定機能に用いられると述べた。柳莎莎 氏は、アクティブなインタラクションでは運転者の疲労信号を検出するだけで、警報信号はまだ十分ではない。例えば、自動的に窓を開けて新鮮な空気を入れたり、または車室の温度を下げる、運転者の情緒が不安定なことを感知したときは、音楽を流すなど自動的に音声インタラクションを行うことができるか否か、未動科技は現在この方面の業務を行っていると述べた。

 先頃、中国工業情報化部が数社対して5Gのナンバープレートを発行し、5Gが私達にどういった変化をもたらすのかという話題で、5Gの高速、低遅延という特徴を利用して、車両のアプリケーションをさらに広い範囲でリモートコントロールすることが可能であることを呉麗華 氏は示した。張宏志 氏は、V2X応用において5Gネットワーキングなどの特性を利用し、車と通行人の相対速度を計算することができれば、衝突の発生を防止することができ、未来のコックピットはさらにインテリジェント化されるという見解を示した。

 最後に、未来の無人運転自動車のコックピットに対しての展望を語った。予測によるとL5の自動運転車両は2021年に出現し、現在の多くの自動運転コンセプトカーのコックピットはさらに移動リビング、寝室のようになるとした。このようなことが本当に将来的に実現可能であるか?これに対して、各パネリストは実現可能であり、時間の問題であると述べた。呉麗華 氏は、データにより人々がインテリジェント化されたコックピットにいる時間は43%長くなり、1つの空間として、人々は未来のコックピットに対してとても期待しているという見解を示した。


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