CES 2019:IoT関連の新技術やサービスモデル

SoC、高精度地図、MaaS、統合型コックピット、5G、AIスピーカー

2019/02/01

要約

Mercedes-Benz MBUX cockpit demonstration
MBUX (Mercedes-Benz User Experience) コックピット

  今年のCES 2019の特徴として、IoT関係の新技術や、サービスモデルの提案、発表が多く見受けられた。

  自動運転に関しては、昨年のCES 2018ではまだ将来の技術としての展示だったのが、今年は現実的な製品化を意識した展示が多く見られた。

  本稿ではCES 2019で注目された展示のうち、IoT関連の内容をいくつか各社発表をもとにまとめた。
・SoC:Intel、AMD、NVIDIA、Qualcomm、ルネサスエレクトロニクス
・高精度地図:Mobileye、NVIDIA、パイオニア
・MaaS (Mobility as a Service):デンソーContinentalZF、Auto X
・統合型コックピット:Qualcomm、パナソニック、BYTON、Mercedes-Benz
・5G:Samsung、D-Link、Continental、Intel、Qualcomm
・AIスピーカー:Google、Amazon

 

関連レポート:
欧米Tier1サプライヤー:自動運転、コネクテッド、モビリティ関連事業 (2019年1月)

 



CES 2019トピックス:SoC、高精度地図、MaaS、統合型コックピット、5G、AIスピーカー

半導体業界(SoC: System-on-a-chip)の動向

  IoT向け半導体業界の大手3社である、Intel、AMD、NVIDIAは、AI / エッジコンピューティングに注力した発表と展示を行った。各半導体メーカーの今年の注目エリアは、PCゲームとe-Sportsである。これらのゲームと仮想現実(VR)を高度なコンピューターグラフィック技術によって融合させていく。その延長線上には自動運転技術の開発に欠かせない「自動運転シミュレーター」への応用も視野にある。

  また、産業向けの半導体を提供しているQualcommやRenesasなどは、自動車向けに加え、各社が得意とする分野への製品を展示した。

Intel ・10nmの半導体プロセスによるSoCのラインアップを発表
・PC用、エッジコンピューティングから5G基地局までをカバー
・ウェハレベルで積み上げる新しい製造技術を発表
・共通したAI 開発環境を提供することで、AI 開発を容易にする
AMD ・7nmの半導体プロセスによるSoCラインアップを発表
・ノートPCからデスクトップ、データセンター向けの3つの市場に注力
・PCゲーム向けグラフィックプロセッサーを強化、RADEON RX590を発表
NVIDIA ・AIを活用した新しいグラフィックプロセッサー(GPU)を発表
・グラフィックテクスチャーの処理に注力した高度なAI 技術を紹介
・Mercedesと協業してAI自動運転向けプラットフォームの構築を発表
Qualcomm ・自動車向けにSoCのラインアップを強化
・Low、Mid Highの製品群に対して共通のプラットフォームを提案
・特に、High レンジでは1 SoCによる統合コックピットを提案
・全ての自動車向けSoC にAI 技術を導入する
Renesas ・画像処理や顔認識向けのRZシリーズを中心に展示
・注力する産業分野は、物流やヘルスケア、医療
・自動車向けSoCの展示はパートナー企業の展示が多い(採用段階に入った)

 

自動運転向け高精度地図への取り組み

  高精度地図の作成において実データとマッピング技術との融合が主流となってきた。CES 2019で高精度地図に関する展示を行った各社は、地図会社が作成している高精度地図に加え、実走行データ(LiDARやカメラなどのデータ)による、道路環境、道路周辺の物体(標識や建物)のデータとマッチングさせることで、地図精度の向上と確度を高めようとしている。そのため、センシング技術やシミュレーション技術を持っている会社と地図会社との提携が多く発表された。

Mobileye ・日本の全高速道路地図に対する特徴点マッピングが完了したと発表
・Mobileyeはカメラで捉えた特徴点と地図のマッピングにより地図精度を向上
・すでに車載で採用されているMobileyeのカメラデータを活用している
NVIDIA ・自動運転向け高精度地図に対して更にAIにより検出した情報をマッピング
・地図に頼らない自車位置特定の精度が出せるシステムを構築することが目的
・複数の地図会社から地図の提供を受け、マッピングさせるエコシステムを構築
Pioneer ・自社開発の3D LiDARとカメラによる地図へのマッピング技術開発を発表
・同社の提案はヘッドランプに自社製LiDARを組み込むことで検出エリアを拡大
・これにより周辺の特徴的な情報を取得するというもの
・同社地図子会社であるIPCと協力してシステム開発を行っている

 

モビリティサービス (MaaS: Mobility as a Service)

  昨年のCES 2018ではトヨタがe-Palletを発表するなど、自動車会社がCASE (Connected, Autonomous, Shared, Electric) と呼ばれる自動車業界の破壊的な変革への対応を発表した。今年のCES 2019ではサプライヤーやサービス提供会社による自動運転車両や無人運転車両を活用したモビリティサービスの展示が多く見受けられた。

Denso ・エコモット株式会社との共同開発でLive Video Streaming Service基盤を発表
・Dellfer社とのセキュリティソリューション開発を発表
Continental ・自動運転車とロボットによるドア前までの配送システムを提案
・自立型の4足ロボットを搬送に活用
ZF ・ドイツのベンチャー企業e.GO Mobile社と共同で無人シャトルバスを開発
・2020年までにドイツとフランスで無人シャトルバスを販売予定
Auto X ・無人食品配送サービスを提案

 

統合型コックピット

  メーター機能とエンターテインメントシステムを統合したコックピットの提案は、実用段階の提案が多く見受けられた。

  半導体メーカーは、自社製SoCのパフォーマンスを見せるために統合コックピットの展示を行なっていたが、自動車会社やTier 1はすでに実用段階に来ていると感じさせる展示が多かった。

Qualcomm ・第3世代Snap Dragon (SoC)によるデジタルコックピットを展示
・1つのSoC上に複数のOSを安全に実行させることが可能である点をアピール
Panasonic ・コックピットドメインコントローラー構想を展示
・Qualcomm SoC + Android + Linuxによる統合メーターを提案
BYTON ・49インチの横長ディスプレイをクラスターエリアに装備したEVを展示
・サイドミラーもカメラに置き換わり、この大型ディスプレイに映し出される
・2019年末より量産開始予定
Mercedes-Benz ・新型CLAに採用された MBUX (Mercedes-Benz User eXperience ) を展示
・統合型メータークラスターに新しい音声インターフェイスを統合
・自動運転技術やメーター表示の将来型でNVIDIAと協業していく事を発表

 

5Gへの取り組み

  CES 2019では5Gに対する各社の取り組みも多く展示されていたが、ユーザー視点で見た5Gを活用した優れたキラーコンテンツは見受けられなかった。インフラ整備が先行する中でスマートフォンメーカーや通信周辺機器会社は5Gに向けた対応製品の展示を行なっていた。

  自動車関連では、C-V2Xなどの通信を使ったコミュニケーション手段や安全装備としての映像配信、MaaSに向けたビジネス用途において、5Gのキーワードが入った展示が多く見られた。

SAMSUNG ・5G向けスマートフォンを展示(但し、ガラスケースに入れて展示)
D-Link ・5G向けhomeルーターを展示
Continental ・5GとDSRCによるハイブリットV2Xを発表
Intel ・5Gデータセンター向けのSoCを発表
Qualcomm ・スマートフォン向け5G通信用SoCを発表

 

AIスピーカー

  CES 2018はAIスピーカー元年であったが、今年のCES 2019は更に進化したサービスの展示となった。

  昨年との違いは、AIスピーカーを「エージェント」(GoogleではAssistantと呼んでいる)機能としてアピールし、家庭における家電の制御や情報の提供、スケジュール管理など、生活の中でどのように活用していくかを積極的に展示している。Amazonは積極的に車載情報機器のプラットフォームとして自動車会社やTier 1にAmazon Alexaを提案している、またMercedes-BenzはMBUXとして「Hey! Mercedes」と車内で呼びかけるHMI (Human machine interface)を搭載し始めた。

  AIスピーカーはCarとHomeをつなぐ重要なHMIになりつつあるのかもしれない。



Intel / Mobileye:IoT、ADAS系、次世代コンピューター

ICE LAKE
(資料:Intel Newsroom)

Intel:SoCの進化を強烈にアピール、エッジコンピューティングから5G基地局まで

  今年のCESでインテルは、老舗SoC (System-on-a-chip) メーカーの本気を見せ付ける発表を行った。

  キーとなるSoCは、ラップトップ向けのクライアントSoC「ICE LAKE」、デスクトップ向けクライアントSoC「LAKEFILD」、5Gの基地局向けエッジコンピューティングに特化したSoC「SNOW RIDGE」、そしてデータセンター向けSoC「ICE LAKE (XEON)」を10nmのプロセスでカバーするラインアップとなっている。

  これにより、来る5G市場に対する万全の準備は整ったとしている。

 

ICE LAKE

  モバイル PC用に開発された ICE LAKEは新アーキテクチャー「Sunny Cove」CPUと、1TFLOPSの処理性能を持つ第11世代のGPUで構成されている。またSunny Coveは、ディープラーニングベースのAIを効率よく実現するための新命令セット (Vector Neural Network Instructions)により、OpenVINOなどの開発ツールを利用したアプリケーション開発が可能となっている。つまり、飛躍的に性能向上したモバイルPCがまもなく市場に出ることとなる。

 

LAKE FIELD

  ICE LAKEがモバイルPC向けに開発されたプロセッサーに対して、LAKE FIELDはデスクトップ向けの階層型システムプロセッサーである。

  FOVEROSと呼ばれる、立体的にSoCを積み重ねる階層技術により、高集積、低消費、小型のシステムモジュールが完成する。

  CESのプレスカンファレンスでは、LAKE FIELDを用いた小型のマザーボードが紹介された。このサイズで、モバイルPCのマザーボード機能が全て収まっているという。

 

SNOW RIDGE / XEON

  5Gエッジ基地局用として開発されたSNOW RIDGEは、予定通り2019年後半に発売を開始すると発表された。データセンター向けXEONと合わせ、5Gの環境整備が進んでいくと期待できる。

ICE LAKE LAKE FIELD
SoC「ICE LAKE」を紹介するGregory Bryant氏(Intel senior vice president in the Client Computing Group) FOVEROS 立体的にSoCを積み重ねる階層技術

(資料:Intel Newsroom)

 

Mobileye:日本国内の高速道路に対するマッピングを完了

  Intel子会社であるMobileyeは、カメラ認識処理性能を向上させたMobileye Q5を搭載したシステムの自動車メーカーへの提供を開始したと発表した。

  Mobileyeはまた、日本のすべての高速道路に対するマッピングが完了したことを発表。これは、日産自動車のプロパイロットシステムと連携したクラウドデータに基づくマッピングであり、従来の高価な高精度地図作成手段とは大きく異なり、効率よくADAS用のマッピング地図が作成できたことをアピールするものである。

Mobileye Mobileye
EyeQ5 SoCを紹介するAmnon Shashua氏(Mobileye President and CEO) 日本で高速道路のマッピングが完了

(資料:Intel Newsroom)



Panasonic:次世代コックピットシステム

AR HUD
コックピットシステム「SPYDR 2.0」
(資料:パナソニック)

  パナソニックはCES 2019で、昨年発表したコックピット構想から大きく発展したシステムを発表した。「SPYDR 2.0」と呼ぶこのシステムは、GoogleのAndroid OSとQualcomm社のSoCにより実現した、コックピット向けのドメインコントロールシステムである。このシステムは、2016年に同社が買収したオープンシナジー社のハイパーバイザーシステムにより、ASIL(Automotive Safety Integrity Level)「B」の機能安全性を実現している。

  SPYDR 2.0では、1つのSoCによりコックピット周りの表示に加え、後席エンターテインメントシステム、サラウンドビューモニター機能や4台までのディスプレイなどをサポートすることで、車載システム全体のコストダウンが可能であることをアピールした。

 

ドライバーモニターリング技術を取り入れたAR HUD

  AR(拡張現実)を用いたHUD (Head-Up Display) では、AR効果を最大限に生かすためにはドライバーの目の高さや位置が重要となる。ドライバーの視点や見ている方向などを捉えるドライバーモニタリングシステムと組み合わせることで、ドライバーに対する最適なAR表示が可能になるのと同時に、ドライバーモニタリングで検知したドライバーの状態により、HUD上に警告を表示することも可能となる。

 

クラウドサービスの提供

  また、Connected を支えるクラウドサービスとして、新たに「NEXT」サービスを提供することを発表している。Panasonicが提供するNEXT Cloudサービスは、自動車のみならず、HomeやMobile、コンテンツなどを統合的につなげるサービスとして展開していく。



NVIDIA:コンピューターグラフィックス、車載AIコンピューター、HD Map

AIを活用した最新のコンピューターグラフィックス

  NVIDIAは今年のプレスカンファレンスでGame向けグラフィックエンジンの発表を行い、改めてGPU性能の高さをアピールした。

  グラフィックの進化には、演算能力の向上が欠かせない。プレスカンファレンスで見せたグラフィックテクスチャーの数々は、実写と見間違えるほどの美しい映像を作り出す能力を備えている。これを実現する新しいグラフィックボードが今回発表となった「GeForce RTX2060」である。

  このGPUを実現するためにTURING ARCHITECTUREと呼ばれる技術が使われている。TURING ARCHITECTUREでは人工知能(AI)をコンピューターグラフィックスに活用するために、Tensorコア(深層学習に最適な多次元配列計算機の集まり)を搭載している。これにより、従来よりも優れたグラフィック表現をするための膨大な計算を行うことができるようになった。コンピューターグラフィック技術で培ったこれらの技術は、自動運転向けコンピューティング技術へも活用されていくことになるだろう。

GeForce RTX2060 TURING ARCHITECTURE
GPU REVOLUTIONIZED GRAPHICS TURING ARCHITECTURE

(資料:NVIDIA)

 

車載AIコンピューター

  自動車産業の分野においてもNVIDIAは昨年に続き存在感を示していた。その1つが、Mercedes-Benzとの車載AIコンピュータープラットフォームの構築に対する技術提携の発表である。

  AIを活用したNVIDIAの車載コンピュータープラットフォームであるDRIVE AGX Pegasusには、2つのNVIDIA Xavierプロセッサーと2つの次世代TensorコアGPUをベースに開発されたアーキテクチャーが採用されている。この演算性能を十分に生かすために自動車アーキテクチャーを熟知したMercedes-Benzのエンジニアと協業することで、次世代のAI自動車向け高機能コンピューターの実現を目指している。

 

HD Mapのプラットフォームを公開

  自動運転に欠かせないもう1つの技術として、高精度地図(HD Map)がある。NVIDIAはこの分野でも新たなパートナーとの連携を発表した。NVIDIAが提供するHD Mapのプラットフォーム(DRIVE Localization)は、自車位置を正確に把握するためにパートナー企業から提供される高精度地図情報に加え、車両周辺のレーンの境界や標識、ポール、道路の端といった特徴的な要素情報から、AIを用いて正確な位置を地図にマッピングすることで精度の高いHD Mapを作成するエコシステムを構成することができる。CES 2019では、このシステムに対して、ゼンリン、Baidu、HERE、NavInfo、TomTomからHD Mapの提供を受けることが発表された。

NVIDIA DRIVE AGX Pegasus NVIDIA DRIVE Localizes to the World's HD Maps
NVIDIA DRIVE AGX Pegasus AIを用いたマッピング

(資料:NVIDIA)



Qualcomm:自動車向けSoC

第3世代のSnapdragon Automotive Cockpit Platformを発表

  QualcommはCES 2019において第3世代Snapdragon Automotive Cockpit Platformと呼ぶ最新の自動車向け製品を発表した。同社では前世代となるSnapdragon 820Aが多くの自動車メーカーの車載情報システムに採用されている。第3世代では車載情報システムを組み込んだメータークラスターへの採用を見込んでいる。

  同社は第3世代Snapdragon Automotive Cockpit Platform向けSoCとして、ハイエンド向けParamount、Mid市場向けPremiere、エントリー市場向けPerformanceの3つのSoCを発表した。

  これらのSoCは、CPU、GPU、DSPをそれぞれ同時に処理することができるAIエンジンに対応しており、Qualcommが提供するSnapdragon Neural Processing Engine (SNPE) SDKを利用して機械学習によるAIソフトウェアを開発することができる。このSDKで開発されたAIソフトウェアは、3つのSoCで共通に使えるフレームワークとなっている。

  また、従来のSoCでは対応していなかった仮想化技術をデバイスでサポートすることができるようになった事で、Hyper Visor技術によるメーターとエンターテーメント機能を1つのSoCで実現できるASIL対応システムが構築可能となる。

 

C-V2X
自動車、通信業界が連携するC-V2X
(資料:Qualcomm)

C-V2Xへの取り組み

  Qualcomm携帯電話回線のプロトコル(LTEや5GNRなど)を利用するV2X(車両対車両、車両対人などの通信機能の総称)への取り組みについても発表を行った。C-V2X (cellular V2X)では、携帯電話通信の技術を用いるため、DSRC (Dedicated Short Range Communications)よりも安価に環境を構築できることをアピールしていた。

  自動車メーカーとの連携も始まっており、得にFordは2020年のC-V2X導入に向けてQualcommと協力していることを発表している。

 



Google Assistant:AIスピーカー

Assistantサービスを中心とする機能拡大をアピール

  昨年はAIスピーカーで盛り上がったCESであったが、今年はさらに進化したAssistantサービスを発表・展示したのがGoogleである。Googleは、Assistantの機能を分かりやすく示すためのアトラクション「Google Assistant Ride」を展示した。

  展示ブース内をこのRideに乗りながら、Assistant機能をストーリー仕立てに分かりやすく説明していくというものである。

 

Google Assistantが通訳に対応

  CES 2019でのGoogle Assistantの機能追加で注目されたのは、「通訳」サービスの開始である。現時点では、27言語に対応している。

 

Assistant Connect

  Google Assistant Serviceと連携する製品開発のために、デバイスメーカー向けのプラットフォームとしてAssistant Connectを公開した。

  CES 2019では、電子ペーパーを搭載した情報表示デバイスが展示されていた。このデバイスは、Google Homeなどのスマートスピーカーと連動することで天気予報などの情報を表示できるもので、デモンストレーションを行っていた。このプラットフォームは今年後半に公開される予定。



MaaS (Mobility as a Service) :デンソー、Continental、ZF、AutoX、Segway

デンソーのMaaSを支えるパートナー技術

リアルタイムストリーミング技術
ドライブレコーダー映像のリアルタイムストリーミング技術
(資料:エコモット)
エコモットとの技術協力

  エコモット株式会社(北海道札幌市)は、デンソーのブースにおいてCaaS/MaaS基盤を展示した。デンソーとエコモットはこの分野で技術協力を行っている。

  エコモットが提供する「リアルタイムストリーミング技術」はデンソーのCaaS/MaaS (Container as a Service / Mobility as a Service) を実現するために必要な技術と位置づけている。リアルタイムストリーミング技術の主な特長は以下のとおり。

  1. 4G通信による安定した映像をクラウドへ送信可能
  2. HLS映像配信方式によるマルチデバイス・複数ユーザーへの対応
  3. AESおよびSSL/TLSによるストリーミング動画のセキュアな配信が可能

Dellferとの共同開発

  コネクテッドカーや自動運転車向けのサイバーセキュリティ技術としてデンソーは米国カリフォルニア州に本拠を置くDellfer社と共同開発をしている。

  「ゼロガード」と呼ばれるこのセキュリティソリューションは、デバイスの組込みコード実行保護により、クラウド内のサイバー攻撃を瞬時に検出可能となる。

 

Continental:自動運転+ロボットでドア前まで届ける配送システムを提案

  Continental は、自動運転EVとロボットを活用した配送サービスのユースケース提案を行った。この提案を行う背景には、同社が開発している自動運転技術とロボットの自律搬送技術の開発を関連企業と協力することで、将来のMaaSサービスへの可能性が広がると考えている。

  自立型の搬送ロボットには、スイス国立工科大学とそこからスピンオフしたANYbotics社が開発した「ANYmal」が使われている。4足で歩くこのロボットの背中に荷物を載せ、家の玄関まで荷物を届けるというサービスを想定している。

 

ZF:無人運転(Level 5)のMaaS用タクシー・バスを展示

  ZFはドイツのベンチャー企業であるe.GO Mobile社と共同開発をしたシャトルバス「e.GO Mover」を使った無人運転の実運用を今年から行う。

  これと並行して、両社の合弁会社であるe.GO Moove社が車両販売に向けて準備中である。まずはドイツ国内での販売を行い、2020年までにはドイツとフランスでの販売を予定する。この車両を最初に採用するのはTransdev社であり、3社は連携してMaaSビジネスを開発していく。

RoboDog e.GO Mover
自動運転EV 「CUbE」と搬送ロボット「RoboDog」
(資料:Continental)
ZFの自動運転EVシャトル「e.GO Mover」

 

AutoX:食品配送サービス

  スタートアップの米オートエックス(AutoX)社は、無人運転車を使った食品配送サービスの実用化を目指し、 Lincoln MKZの自動運転車両を活用したビジネスを行っている。CES2019では、数マイル離れた場所で食べ物をピックアップして、コンベンションセンターまで戻ってくるデモを行った。

  AutoXの配送車両の後部座席は、温度管理された食料のストックエリアとなっており、配送の際にこのエリアから冷やされたドリンクなどを追加でピックアップすることができる。このシステムでは、カメラ技術を用いて追加の精算を行う仕組みとなっている。

 

Segway:デリバリーロボット

  中国Ninebot Inc.社の傘下企業Segway社はデリバリーロボット「Loomo Delivery」を発表した。

  SLAM (Simultaneous Localization and Mapping) 技術(周囲の地図作成と自位置推定を同時に処理する技術)をベースに独自の「3D VSLAM」アルゴリズムを開発することで、SLAMよりハードウェアのコストを削減することができたとしている。

AutoX デリバリーロボット
AutoXの食品配送サービス車両
(資料:AutoX)
デリバリーロボット「Loomo Delivery」
(資料:Segway)


Bosch:IoTやAIとの連携を強化

新たなキャンペーン「Live #Like A Bosch」

  BoschはCES 2019で自動車とIoTとの連携をアピールした。「Live #Like A Bosch」というキャンペーンイメージ動画を公開し、ライフスタイルの中におけるBoschが提供するサービスや技術を紹介。同社はこの映像を通して「ITテクノロジー・リーディングカンパニー」になったことをアピールしている。自動車だけではなく、ホームなども視野に入れている。

  Boschが考えるIoTのあり方とは、「人間を中心に、ネットワーク化された世界でも安全に暮らせる」というコンセプトである。

 

電気自動車向け充電サービス

  Boschは新たなモビリティサービスとして、電気自動車向けの充電サービスも発表した。このサービスは、EVからの情報をリアルタイムで取得することで、EVへの充電提案を行うというサービスである。Boschでは、このサービスを昨年買収した米SPLTが提供するウェブベースのライドシェアサービスに応用することも考えている。

EV充電サービス 「Live #Like A Bosch」キャンペーン
EV充電サービス 「Live #Like A Bosch」キャンペーン

(資料:Bosch)


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