VWグループ (下): 2022年までに欧州・中国・米国の16工場でEVを生産
自動運転技術でAurora、NVIDIA、Appleと提携
2018/11/01
- 要約
- 経営戦略「Together - Strategy 2025」の成果と今後の課題
- 電動化計画「Roadmap E」:2022年までに世界16工場でEVを生産
- 自動運転:Aurora、NVIDIA、Appleと提携
- コネクテッドカーのベースとなるクラウドでMicrosoftと提携
- 子会社MOIAのライドシェア事業を拡大
- 新型車投入計画:SUVラインアップを拡大・更新
- 中国市場:NEV投入とSUV攻勢を継続
要約
Audi のフラッグシップSUV Q8 (写真:Audi) |
VWグループは2016年6月に発表した中期経営戦略「Together ‐ Strategy 2025」に沿い、電動化、SUV攻勢、モビリティサービス事業の構築、設備投資・研究開発費の抑制等を進めてきた。その取り組みの結果、2017年は過去最高益を達成。今後の課題としては、ディーゼル問題の解決、コスト削減、厳格化する排ガス規制への対応、モビリティサービスの収益性向上などがあげられる。
ディーゼル車の排ガス不正問題を経て電動化に大きくシフトしたVWグループは、電動化計画「Roadmap E」を2017年秋に発表。2025年までにEVを50車種、PHVを30車種投入することを目指す。2018年3月に発表した生産計画では、2022年までに欧州、中国、米国の16工場でEVを生産する予定。各地域向けに、バッテリー会社とバッテリーの調達契約も締結している。
持続可能なモビリティの提供を進めるため、VWグループは2022年までに電動化、デジタル化、自動運転、モビリティサービスに340億ユーロを投資する。2018年には、自動運転技術でAurora Innovation、NVIDIA、Appleと提携。コネクテッドカーの分野ではMicrosoftと提携し、同社のクラウドサービスを利用することに合意した。
新型車投入計画では、欧州、中国、北米でSUV攻勢を継続。高級車部門では、Audiブランドが2018年にフラッグシップSUVのQ8、コンパクトSUVのQ3を投入。量産車部門では、VWブランドが最上級SUVの新型Touareg、新モデルのT-Crossを投入するほか、中国市場向けに新モデルのTharuとTayronを投入する。
なお、VW Groupの事業再編、商用車部門の独立、日野自動車との提携、2018年上期の販売台数と業績、2018年通年の業績見通し、LMC Automotive販売予測については、先に掲載した「VWグループ (上)」をご覧ください。
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