中国の日系サプライヤー(下):華東・華北・東北地域・中国全体での動向

生産能力・体制の増強、新品目の投入、開発体制の強化

2015/02/05

要 約

 2014年の中国での自動車生産台数は2,372万台(前年比7.3%増)、自動車販売も2,349万台(前年比6.9%増)と共に1ケタ台の増加に留まった。中国汽車工業協会は、2015年の自動車市場も、一ケタ増の前年比7%増の2,513万台(輸出台数含む)になるとの予測を発表(2015年1月)。

 しかし、中期的な中国自動車市場の拡大を見込み、日系のみならず、欧米韓系自動車メーカーの生産能力増強が進められている。

 日系自動車部品メーカーも、日系のみならず欧米系メーカーなどの需要増に対応するため、中国事業の拡大や生産能力の拡充、開発機能の強化など進めている。その中には、ハイブリッド車関連、軽量化、安全規制などに対応する新たな素材、部品を追加する動きもある。

 本レポートは、中国における日系部品メーカーの華東、華北、東北地域、全国の事業動向をまとめた。(2014年2月から2015年1月上旬までの約12ヵ月間を収録)

華東周辺
華東周辺
華北/東北周辺
華北/東北周辺
生産能力増強
(*は新品目も生産)
生産ライン・設備
等の増設など
【江蘇省】NSKニードルベアリング、神戸製鋼、セーレン、積水化学*、
日新精工、日本航空電子工業*、ファインシンター
【上海市】大東プレス、【安徽省】TPR
【福建省】ジェイテクト*、【山東省】東洋ゴム日信工業
【天津市】太平洋工業*、【遼寧省】ブリヂストンミツバ
工場増設 【浙江省】神戸製鋼、藤倉ゴム、【山東省】GMB
新会社(工場)設立・建設/稼働
(*は新品目生産)
【江蘇省】コタニ/岡谷鋼機*、GMB、新日鉄住金、多摩川精機*、太平洋工業*、
プライムアースEVエナジー*、武蔵精密
【浙江省】小倉クラッチハイレックス、ミネベア
【天津市】住友理工、椿本チエイン
【遼寧省】河西工業鬼怒川ゴム、神戸製鋼、ブリヂストン
技術開発機能強化 新設 【天津市】サンデン、【広東省】日立オートモティブシステムズ
拡張 【江蘇省】アイシン精機ジェイテクト
【上海市】デンソー豊田合成
経営体制・生産体制の再編、強化 【全国】ジェイテクト、【上海市】ブリヂストン
【広東省】武蔵精密、【遼寧省】タマダイ
【地域不明】日本精工、マブチモーター
販売・営業強化 アイシン精機NOK、クレハ・バッテリー、日立オートモティブシステムズ
撤退 【安徽省】河西工業、富士通ビー・エス・シー

日系部品メーカー動向関連レポート:
中国の日系部品メーカー(上):華南・華中・西南での動向 (2015年1月)
インド編 (2014年11月)
メキシコへの新規進出 (2014年10月)、メキシコでの工場拡充・ブラジルでの動向 (2014年10月)
タイ編 (2014年9月)
インドネシア編 (2014年6月)、ベトナム/マレーシアなど編 (2014年6月)、欧州編 (2014年7月)、米国編 (2014年3月)
中国編(下):華南・華北・東北などでの動向 (2014年3月)、中国編(上):華東・華中地域の動向 (2014年3月)



華東地域での日系部品メーカーの動向

 

江蘇省

NSKニードル
ベアリング
江蘇省常熟市の工場でAT用軸受の生産・販売を拡大
NSKニードルベアリングは、2016年度までに常熟恩斯克軸承有限公司(Changshu NSK Needle Bearing Co., Ltd.)でのAT用軸受の売上高を2013年度の約20億円から70億円に拡大させる。売上高にしめる割合も同2割から5割に引き上げる。エンジンやステアリング向けの軸受を含む工場全体の売上高は2016年度に140億円を目指す。工場に生産能力増強の余裕があるため日本から輸出しているAT用軸受の現地生産化を進め、まず4速AT用、その後6速AT用の生産を開始する。
神戸製鋼
江蘇省蘇州市のアルミサス工場の生産能力増強
神戸製鋼所は、神鋼汽車鋁部件(蘇州)有限公司(Kobe Aluminum Automotive Products (China) Co., Ltd.)のアルミサスペンションの鍛造部品の月産能力を2014年の25万本から2015年に35万本に増強する。軽量化ニーズの高まりの中で欧米系メーカーからの需要が急増。2015年秋までに鍛造プレス機を1機増設し3機とする計画。投資額は約20億円。
コタニ、岡谷鋼機
江蘇省張家港市にギアの新会社設立
コタニは岡谷鋼機と共同で2014年1月、小谷(張家港)精密鍛造有限公司(Kotani (Zhangjiagang) Precision Forging Co., Ltd.)を設立。資本金は約15億円。出資比率は、コタニが86%、残りの14%が岡谷鋼機とその上海、広州の子会社。生産品目は、前輪駆動車用トランスミッションのファイナルギアなど。2016年3月に生産開始(予定)。2018年度には月産30万個を計画。売上高は、2016年度に3億円、2018年度までに30億円を計画。日系を含む中国内の部品メーカーに供給。
GMB
江蘇省南通市に生産拠点を設立
GMBは2013年12月、韓国子会社GMB KOREAが吉明美汽配(南通)有限公司(NANTONG GMB AUTOMOTIVE CO.,LTD. 南通市)を設立。資本金は500万ドル(約4億9千万円)でGMB KOREAが全額出資。2014年からステアリングジョイントとボールベアリングを生産し、中国国内の韓国系メーカーに納入。
ジェイテクト
江蘇省無錫市のテクカルセンターを拡張
ジェイテクトは、捷太格特科技研発中心(無錫)有限公司 (JTEKT Research & Development Center (Wuxi) Co., Ltd.)の拡張した新社屋を2014年5月に竣工。これを機に開発領域を拡大し、軸受に加えてステアリングや駆動製品なども新たに手掛ける。技術検討、試作及び実験、評価なども行い、中国に進出する日系メーカーなどの開発の現地化に対応し、競争力を高める。
新日鉄住金
江蘇省蘇州市で冷間圧造用鋼線事業の能力増強
新日鉄住金は、日鉄特殊鋼棒線製品(蘇州)有限公司(「NBC中国」)の自動車用ボルト・軸受等に用いる冷間圧造用鋼線生産(年産能力7000トン)がフル稼働になっているため、増強及び加工体制の拡充を新会社の日鉄住金冷圧鋼線(蘇州)有限公司(NSCh (Suzhou))の設立で実施する。2014年6月に工場建設着工。2015年6月の稼働を目指す。年産能力は4.2万トン。現状の約6倍に引き上げ、日系部品メーカーなどからの受注増に対応する。投資額は約32億円。
セーレン
江蘇省蘇州市の工場でシート向け生地を増産
セーレンは、世聯汽車内飾(蘇州)有限公司(Seiren Suzhou Co., Ltd.)のシート向け生地の月産量を2013年度の85万メートルから2016年度までに132万メートルに引き上げる。うち合成皮革の月産能力の割合を約3割に拡大させ、40万メートルに増やす。日系メーカーの増産や、受注が拡大する北米向け輸出に対応。
積水化学
江蘇省蘇州市の工場で合わせガラス用遮音中間膜を生産開始
積水化学は、積水中間膜(蘇州)有限公司(SEKISUI S-LEC (SUZHOU) CO., LTD.)で合わせガラス用遮音中間膜を2015年4月から生産開始する。中国での生産車両に遮音ガラスを採用するケースが増加しているため、現地生産化に踏み切る。工場の2つの中間膜製造ラインの1つを改造し、全生産量の半分の年600万台分を高付加価値商品である遮音膜に変更する。
大同メタル
江蘇省蘇州市に第3工場の必要性判断へ
大同メタル工業は、大同精密金属(蘇州)有限公司(DAIDO PRECISION METAL (SUZHOU) CO., LTD.)の第3工場建設の必要性を、今後の市場の伸びを加味して判断するとしている。(2014年5月報道)。
太平洋工業
江蘇省常熟市にTPMSの生産拠点設立
太平洋工業は2014年7月、タイヤの空気圧を監視し異常を知らせる監視システム(TPMS)の生産拠点となる太平洋汽車部件科技(常熟)有限公司(Pacific Auto Parts Technology(Changshu)Co.,Ltd.)を設立。資本金は1億元(約16億円)。工場稼働は2016年4月予定。2016年頃に中国でTPMS装着が法制化されることを見込んだもの。当面の年産能力は300万個。投資額は約30億円。TPMSの生産は、日米中の三拠点体制となる。
多摩川精機
江蘇省蘇州市の工場でのトヨタHV車用回転角度センサー生産を準備
多摩川精機は、2014年から多摩川精密電機(蘇州)有限公司(Tamagawa Seiki Precision Motor (Suzhou) Co., Ltd.)でトヨタが中国生産するHV車向けに回転角度センサーの生産を準備。新ラインを導入する計画で、トヨタの最終判断を待って本格化させる。同品目の海外生産は初めて。
日新精工
江蘇省常熟工場でシリンダーヘッドカバーの生産ライン増設
日新精工は、吉利汽車から軽量化につながる樹脂製のターボエンジン用のシリンダーヘッドカバーを新規受注。2015年からの供給に向け常熟塑擎汽牟零部件有限公司(CHANG SHU ENTECH PLASTIC CO.,LTD.)に生産ライン2つを増設する。まず排気量1300cc用に月産1万台分の設備を、次いで1800cc用に5000台分の設備を整備する。これまで同工場では、第一汽車と長城汽車向けにシリンダーヘッドカバーとインテークマニホールドを供給。
日本航空
電子工業
江蘇省無錫工場でホンダ向けHV用回転角度センサー生産へ
日本航空電子工業は、ホンダの日本でのHV車増産に対応して、航空電子(無錫)有限公司(JAE Wuxi Co., Ltd.)に新ラインを設置し、HV用回転角度センサーの一貫生産を行う計画。同品目の海外生産は初めてで、昭島事業所との2拠点体制で安定供給と増産対応を図る。ホンダの認証が完了次第、生産を立ち上げる。当面は日本向けに供給するが、将来は中国内供給も視野に。
ファインシンター
江蘇省無錫市でCVT部品の生産ライン新設
ファインシンターは、2014年に精密焼結合金(無錫)有限公司(Precision Sintered Products (Wuxi) Co., Ltd.)でCVT向けプラネタリーキャリアの生産ラインを新設し、同年夏に生産開始。トヨタが江蘇省に設立したCVT工場向けに供給。当初の生産規模は年24万個、将来的には年36万個までの拡大を計画。トヨタからの初受注に対応。
プライムアース
EVエナジー
江蘇省常熟市に車載用ニッケル水素電池モジュールの合弁会社設立
プライムアースEVエナジー(PEVE)は2014年8月、車載用ニッケル水素電池モジュール製造合弁会社の科力美汽車動力電池有限公司(Corun PEVE Automotive Battery Co., Ltd.、常熟市)の設立を発表。資本金は54.4億円。出資比率は、PEVEが41%、湖南科力遠新能源股份有限公司40%、常熟新中源創業投資有限公司10%、トヨタ自動車(中国)投資有限公司5%、豊田通商株式会社4%。163.2億円を投じて同モジュールの組立工場を建設。年産能力は約11万台。生産開始は2016年内。PEVEの海外進出は初めて。
武蔵精密
江蘇省南通市に中国第2の生産拠点設立
武蔵精密工業は、2014年8月に武蔵精密汽車零部件(南通)有限公司(Musashi Auto Parts (Nantong) Co., Ltd.) を設立。資本金は約6000万元(約10億円相当)。工場は2015年末までに稼働予定。投資額は約20億円。生産品目は、デファレンシャル、ボールジョイント部品。日系メーカーに加えて欧米系メーカーからの受注を図ると共に、北米での欧米メーカーからの受注急増に対応するため、輸出を拡大させる。初年度の売上高は、9400万元(約14.1億円)を見込む。中国での2ヵ所目の拠点設立により生産能力拡大と広東省の第1生産拠点だけでの供給体制のリスクの分散も考慮。

 

上海市

クレハ・バッテリー
リチウムイオン電池材料の販売会社設立
クレハ・バッテリー・マテリアルズ・ジャパンは、2014年4月に販売会社の呉羽電池材料(上海)有限公司(Kureha Battery Materials(Shanghai) Co., Ltd.)を設立。同年7月からリチウムイオン二次電池(LiB)用のバインダーやハードカーボン負極材の販売を開始。
大東プレス
上海の工場でバックミラーレンズの生産能力増強
大東プレス工業は、象志汽车零配件(上海)有限公司のトラック・バス用バックミラーのレンズ工場を2013年に1ラインから2ライン体制に増やし、月産能力を4~5万枚から10万枚に拡大させた。月産量を2015年までに7、8万枚に引き上げる意向。
デンソー
上海のテクニカルセンターで人員増、設備増強、開発の現地化を加速
デンソーは、2015年度までに中国、インド、タイ、ブラジルのテクニカルセンターで技術者を現状比5割増の600人規模に拡大する。各市場での技術情報の収集や適合開発の能力を拡充し、開発の現地化を加速させる。中国では、電装(中国)投資有限公司上海技術中心を2014年に移転・拡充。新たに総合実験棟を含む社屋を建設し、環境風洞室、環境実験室、エミッション実験室、エンジン実験室等の評価設備を導入。2015年度の従業員数は、約500人を計画。
豊田合成
上海の地域統括会社の技術開発機能を強化
豊田合成は、中国での技術開発機能を強化するため、地域統括会社の豊田合成(上海)管理有限公司(Toyoda Gosei (Shanghai) Co., Ltd.)を2015年1月に移転・拡張。床面積が従来比約4倍の実験エリアに試験設備を新たに導入し、内外装部品やエアバッグ等の製品やゴム・樹脂材料を現地で評価できる体制を整備。投資額は約3億円。技術担当人員も2017年度に現状比1.5倍の約50人に拡充する。
ブリヂストン
中国・アジア・太平洋地域のタイヤ事業の経営体制を統合
ブリヂストンは中期経営計画の重点事項であるグローバル経営体制整備の一環として、2014年7月に中国とアジア・大洋州地域におけるタイヤ事業の経営体制を再編。中国のタイヤ事業統括会社の普利司通(中国)投資有限公司(Bridgestone (China) Investment Co., Ltd.、上海市)をアジア・大洋州タイヤ事業統括会社であるBridgestone Asia Pacific Pte. Ltd.(Singapore)の統括範囲とした。

 

安徽省

河西工業
蕪湖市の合弁会社の出資持分を全額譲渡
河西工業は2014年12月、蕪湖河西汽車内飾件有限公司(Wuhu Kasai Automotive Interior Trim Parts Co,. Ltd.)の出資持分(40%)を合弁相手の蕪湖奇瑞科技有限公司に全額譲渡すると発表。中国のビジネス環境の変化等により、当初計画した奇瑞汽車向け事業の拡大や売上目標を今後達成することが困難な状況となったため。
TPR
安慶市の工場でシリンダーライナー生産能力を増強
TPRは、安慶帝伯格茨缸套有限公司(Anqing TP Goetze Liner Co., Ltd.)のアルミ合金エンジン向けのシリンダーライナー生産ラインに5台目の鋳造設備を設置。2014年4月に稼働させ、月産能力を従来の200万本から250万本に引き上げた。独フェデラル・モーグルとの営業協力により、米欧の大手メーカーへの販売を拡大させる。
富士通
ビー・エス・シー
蕪湖市の合弁会社を解散
富士通ビー・エス・シーは2014年1月、奇瑞汽車グループとの自動車分野向けIT関連等を事業目的とする合弁会社の智行科技(蕪湖)有限公司の解散を決定。ビジネス環境の変化や合弁当事者間の経営方針の相違等によって、当初計画した事業の拡大や売上目標を達成することが困難と判断。合弁相手先の持株89.9%を取得し完全子会社化した後に解散した。

 

浙江省

小倉クラッチ
浙江省で中国の第3工場稼働
小倉クラッチは、中国第3工場となる浙江省長興県の小倉離合機(長興)有限公司(OGURA CLUTCH (CHANG XING)CO.,LTD.)が2014年5月に竣工し、当初はエレベータ用、サーボモータ用などの一般産業用ブレーキを生産。次いでカーエアコン用ブレーキ生産ラインを設置して、2015年に量産開始。中国の日系メーカーや北米系のコンプレッサーメーカーなどに供給する。2015年に48万台を販売する計画。投資額は6000万ドル。
神戸製鋼
浙江省平湖市の線材二次加工拠点を増強
神戸製鋼所は、神鋼特殊鋼線(平湖)有限公司(Kobe Special Steel Wire Products (Pinghu) Co., Ltd.)の建屋を増築し、自動車用ボルト、ナットなどに使われる特殊鋼線材の新たな生産設備を設置する。稼働は2015年7月(予定)。月産能力は、2014年の約2500トンから約3500トンに拡大する。投資額は約18億円。需要拡大に先駆けた能力増強が必要と判断。
ハイレックス
杭州に自動車用ケーブルの新工場建設へ
ハイレックスは、欧米メーカーからの受注拡大に対応し、中国とハンガリーで生産能力を増強する。投資額は合計15億円程度。中国では、杭州市に約4万平方メートルの土地の使用権を取得し、新工場を建設する計画。生産品目は、コントロールケーブルとウインドウの開閉装置。2017年度にも生産を開始し、周辺に工場を持つフォード系メーカーへ供給する模様。
藤倉ゴム
浙江省の子会社に第2工場増設
藤倉ゴム工業は、安吉藤倉橡膠有限公司(Anji Fujikura Rubber Ltd.)の敷地内に第2工場を2016年5月までに増設する。工場建屋面積は、既存工場の2.4倍。投資額は9470万元(約17億500万円)。需要拡大が見込まれる自動車用部品を増産する。
ミネベア
浙江省慈渓市でボールベアリングの製造・販売合弁会社設立
ミネベアは、上海美蓓亚精密机电有限公司(Minebea Electronics & Hi-Tech Components (Shanghai) Ltd.)が、精密ベアリングメーカーの寧波美培林軸承有限公司(Ningbo WT Bearing Co., Ltd.=WT社、浙江省慈渓市)との合弁で慈渓新美培林精密軸承有限公司(Cixi New WT Bearing Co., Ltd.)を2014年7月に設立。資本金は1億8360万元(約31億円)。出資比率は、ミネベア75%、WT社25%。稼働中のWT社の既存建屋と機械設備を使用し、同年10月に操業開始。中国製材料を使ったハンドル、シート、ラジオ向け用途の中級品質の軸受で中国メーカー向けに拡販する計画。

 

山東省

GMB
山東省即墨市の工場に新棟を増設
GMBは、青島吉明美汽車配件有限公司(Qingdao GMB Automotive Co., Ltd.)の工場隣接地に新棟を増設し、2014年9月に稼働。投資額は13億円。自動変速機に組み込むバルブスプールの生産に特化し、従来比1割増産。増産分の8割を現代自に、2割を上海GMに納入する。
東洋ゴム
トラック・バス用タイヤの生産能力増強、乗用車用工場もフル稼働に
東洋ゴムは、山東省の東洋輪胎(諸城)有限公司(TOYO TIRE (ZHUCHENG) CO.,LTD.)のトラック・バス用タイヤの年産能力を2014年の40万本から2015年中に15~20%程度増強する方針。中国国内の需要増に対応するほか、米国向け輸出を増加させる。乗用車タイヤを生産する江蘇省の東洋輪胎(張家港)有限公司(TOYO TIRE (ZHANGJIAGANG) CO. LTD.)は、2015年に年産200万本のフル生産に達する見通し。
日信工業
山東省乳山市の工場で四輪車用部品も生産
日信工業は、中国での四輪車用部品の生産能力増強の一環として、従来は二輪車用部品の専用工場だった山東日信工業有限公司(乳山市、Shandong Nissin Industry Co., Ltd.)に、2014年から広東省の中山日信工業から四輪車用アルミ加工部品の生産を移管し、四輪車用部品の工場としても活用。エンジンマウント部品やナックルなどを生産。

 

福建省

ジェイテクト
福建省の子会社でピニオンアシストタイプのEPS生産開始
ジェイテクトは、捷太格特轉向系統(厦門)有限公司(JTEKT STEERING SYSTEM (XIAMEN)で、ピニオンアシストタイプの電動パワーステアリング(P-EPS)の生産を2014年6月に開始。欧州系メーカーから中国モデル向け部品を受注したため生産ラインを新設。ジェイテクトにとってP-EPSの中国での生産は初めて。従来から生産するコラムアシストタイプの電動パワーステアリング(C-EPS)、油圧パワーステアリングに加え製品レンジを広げ、欧州系、日系、米系メーカーからの受注拡大を目指す。

 

 



華北地域における日系部品メーカーの動向

 

天津市

サンデン
天津市の拠点にカーエアコン用室内ユニットの開発拠点新設を検討
サンデンは、中国でのカーエアコン用室内ユニット(HVAC)の開発拠点新設を検討。中国・アジア市場向けHVACの開発は、天津三電汽車空調有限公司(Tianjin Sanden Automotive Air-Conditioning Co., Ltd.)が担当しており、受注が好調で業務内容が増加しているため、開発体制を強化する。詳細は早期に詰める模様。
住友理工
天津市の内装品・制遮音材の新工場稼働
住友理工は、東海化成(天津)汽車部品有限公司(TOKAI CHEMICAL (TIANJIN) AUTO PARTS Co., Ltd.)の工場が2014年3月に稼働。投資額は4億7100万円。ウレタン発泡技術を使ったエンジンカバー、ヘッドレスト、アームレストなどの内装品・制遮音材を生産。日系メーカーに加え中国メーカーに納入。金額換算の生産能力は、2015年度で1.55億元(約25.4億円)。
太平洋工業
天津市の工場に超ハイテン加工設備導入
太平洋工業は、天津太平洋汽車部件有限公司(Tianjin Pacific Auto Parts Co., Ltd.)に2500トントランスファープレスの超ハイテン加工設備を導入し、2014年1月に稼働。車体の軽量化、高強度化ニーズに対応。
椿本チエイン
天津市に中国第2工場建設、2015年初頭に稼働
椿本チエインは、タイミングチェーンシステムを生産する中国第2工場の椿本鏈条(天津)有限公司(Tsubakimoto Chain (Tianjin) Co., Ltd.)が2015年初頭に稼働。日系、欧米系メーカーからの受注増に対応し、既存の上海工場と合わせた生産能力を2倍に引き上げる。中国メーカーからの受注も図る。上海工場は、構成部品を日本から送る組立生産だが、天津工場は構成部品から生産する一貫生産体制でコスト競争力を強化。

 

 



東北地域における日系部品メーカーの動向

 

遼寧省

河西工業
大連市に東風ビステオン(DFV)との合弁会社設立
河西工業は、東風偉世通汽車飾件系統有限公司(Dongfeng Visteon Automotive Trim Systems Co., Ltd=DFV)との折半出資で東風河西(大連)汽車飾件系統有限公司を2014年9月に設立。資本金は6500万元(約10億円)。工場は2015年半ばまでに稼働し、東風日産が大連市に立ち上げた新工場にドアトリムなどの内装部品を供給する。年産能力は10~15万台。2016年度の売上高は約20億円を計画。
鬼怒川ゴム
大連市に車体シール工場新設、金型開発センターでは中国拠点で使用する金型を設計
鬼怒川ゴムは、2015年の稼働を目指して車体シールの成形・仕上げを行うサテライト工場を新設し、東風日産と奇瑞汽車の大連工場に納入する。奇瑞汽車には、これまで安徽省の蕪湖工場から完成品を供給しているが、最終工程を納入先近くで生産しコストダウンを図る。また、鬼怒川(大連)模具開発有限公司(Kinugawa (Dalian) Mould Development Co., Ltd.)では、中国の生産拠点で使用する金型の設計・製造を開始する。2014年度末までに同センターの設計担当者を増強。
神戸製鋼
遼寧省鞍山市でハイテン材の合弁会社設立
神戸製鋼所は、鞍鋼股份有限公司(「鞍鋼」)と自動車用冷延ハイテンを製造・販売する合弁会社の鞍鋼神鋼冷延高張力自動車鋼板有限公司(KOBELCO ANGANG AUTO STEEL CO., LTD.)を2014年8月に設立。資本金は7億元(約116億円)で、出資比率は神戸製鋼49%、鞍鋼51%。総額17.5億元(約289億円)を投じて、引張強度590メガパルス以上のハイテン材の量産設備を整える。稼働は2016年初頭(予定)。
タマダイ
大連市の中国親会社でアルミダイカスト部品を生産
タマダイは、2013年末に親会社の三菱マテリアルが大連晋炆金属制品有限公司に売却し、完全子会社となった。2014年後半から、この中国の親会社でアルミダイカスト部品の量産を開始。中国での自動車部品事業に参入し、日系メーカーを中心に納入先を開拓する。また、日本国内の工場では、一部製品の生産を2014年9月から大連工場に切り替えコスト削減をはかる。2014年6月には、取引先の了解を得て金型を大連に送り試作。
ブリヂストン
遼寧省瀋陽市でトラック・バス用タイヤ工場を移転
ブリヂストンは、普利司通(瀋陽)輪胎有限公司(Bridgestone (Shenyang) Tire Co., Ltd.)は、瀋陽経済技術開発区に工場を移転し、2014年9月に開所式実施。新工場では、タイヤの高品質化に向けた仕組み作りを強化。2016年上期に、日産能力約5000本を計画。
ミツバ
大連工場でサンルーフ用モーターの生産能力増強
ミツバは、中国、インドなどアジアでの自動車用小型モーターの需要拡大に対応し、2014~2016年度までに総額540億円の設備投資を行う計画。うち、中国では三葉電器(大連)有限公司(Mitsuba Electric (Dalian) Co., Ltd.)でサンルーフ用モーターの2016年の生産量が2013年比5割増となる見通し。

 

 



中国全体での日系部品メーカーの動向

 

アイシン精機
2020年度の売上高を2011年比3倍増に
アイシン精機は、2020年度の中国でのグループ全体の売上高を2011年度比で3倍の3000億円に引き上げる。トヨタ系以外の欧米系や中国メーカーにサンルーフやドアロック、エンジンオイルポンプなどを拡販する。2015年には、江蘇省の愛信(南通)汽車技術中心有限公司に日本と同等の部品評価設備を導入し、開発のスピードを上げる。
NOK
中国での営業活動を強化し、シールの売上増を計画
NOKは、中国での自動車向けシールの売上高を2016年度に2013年度比4割増を計画。主要納入先の日系、欧米系自動車・部品メーカーに加え、中国メーカーでのシェア拡大を目指す。2つの合弁会社、無錫恩福油封有限公司(Wuxi NOK-Freudenberg Oilseal Co., Ltd.)、長春恩福油封有限公司(Changchun NOK-Freudenberg Oilseal Co., Ltd.)の支店を順次増やし、営業活動を強化する。
エフテック
GMのグローバル車種の足回り部品を新たに受注
エフテックは、中国、米国、メキシコ、カナダで新たに受注したGMの足回り部品を2017年までにそれぞれの国で生産開始する。中国では韓国オーステムに生産委託する。
ジェイテクト
中国のベアリング事業再編へ
ジェイテクトは、2018年度までに中国のボールベアリング製造3拠点での重複する生産品目を再編し、生産効率の向上、原価改善を図る。無錫光洋軸承有限公司(WKB=Wuxi Koyo Bearing Co., Ltd))は小型サイズに特化し、ミニチュア・小径ボールベアリングを光洋軸承大連有限公司(KDC=Koyo Bearing Dalian Co., Ltd.)に移管する。KDCはミニュチア・小径の生産の専門性を高め、競争力を強化する。光洋滾針軸承(無錫)有限公司(KAW=Koyo Needle Bearings(Wuxi) Co., Ltd.)は中型サイズの生産に特化し、小型サイズをWKBに移管する。
ニッパツ
北京近辺での新工場建設案も検討
ニッパツは中国に9つの子会社をもつが、将来的に生産能力の不足が予想されるため、新たな投資先をシミュレーション中。欧州系メーカーが集まる北京市近くに新工場を建設するか、あるいは2016年に稼働する九州子会社からの中国向け輸出を検討。
日本精工
中国で電動パワーステアリングを増産
日本精工は、2015年度に電動パワーステアリング(EPS)の世界生産量を前年度比約7%増の910万台程度に増加させる。中国では生産ラインを増設し、コラム式EPSの需要増大に対応する。併せて、ねじ歯車、電子制御ユニットなどの構成部品の内製化を進め、日本からの輸入を減らす。
日立オートモティブシステムズ
中国の営業体制、調達機能、開発力を強化
日立オートモティブシステムズは、中国の営業拠点を2013年度の4カ所から2015年度に6カ所に、営業人員を同様に50人から75人に増やす。調達機能の強化では、上海交通大学連合実験室と材料品質や特性の評価、製造プロセス技術の共同研究に取り組み、仕入先を開拓して現地調達率を2013年度の35%から2015年度には50%に引き上げる。開発では、日立汽車系統(中国)有限公司(Guangzhou)にテクニカルセンターを新設。設計人員を2013年度の90人から2015年度に210人に増員し、開発、設計から製造までの一貫体制を築く。投資額は300億円。
マブチモーター
省人化投資、電装用モーターの生産能力増強
マブチモーターは、中国や東南アジア諸国の人件費高騰に対応する省人化設備の導入を加速させ、2016年までに2013年比3割の省人化を目指す。また、需要拡大が見込まれる電装用モーターの生産能力を増強。中国では、パワーウンドウ用モーターの中トルク用製品に加えて高トルク新製品の開発と市場投入を進め、中国でのトップクラスのシェアを堅持する計画。
武蔵精密
中国から北米への鋳造部品の輸出拡大
武蔵精密工業は、中国でのホンダ系メーカーの生産拡大に対応し2016年度に向けて製品レンジの拡大、設備の増強を図る。売上高は、2013年度の100億円から2016年度に200億円への倍増を見込む。中国からの輸出では、デファレンシャルに使う鋳造部品の北米向けを拡大させる。2014年に広東省中山市の武藏汽車配件(中山)有限公司(Musashi Auto Parts (Zhongshan) Co., Ltd.)で輸出用の生産を開始したほか、2014年6月に江蘇省に設立した武蔵精密汽車零部件(南通)有限公司(Musashi Auto Parts (Nantong) Co., Ltd.)でも2015年から北米輸出を行う。2014年8月には、中国統括会社の武蔵精密企業投資(中山)有限公司(Musashi Auto Parts (Zhongshan) Co., Ltd.、広東省中山市)を設立。資本金は約6000万元(約10億円)。

資料:各社広報資料, 各紙報道

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