人とくるまのテクノロジー展2013:部品サプライヤーの出展(2)

軽量化など内燃エンジン車の燃費改善、安全支援、スマホ連携ナビなど

2013/06/14

要 約

 2013年5月22~24日にパシフィコ横浜で開催された「人とくるまのテクノロジー展2013」での出展内容について、「部品サプライヤーの出展(2)」として、軽量化・内燃エンジン車の燃費向上などを中心に報告する。

 軽量化素材では、炭素繊維強化樹脂やABS樹脂の活用例が出展された。

 燃費向上については、様々なアプローチが出展されていた。Exedyは低燃費トルクコンバータを出展。ユニバンスは、発進時に奇数段クラッチと偶数段クラッチを併用することで小型化したDCTを開発中。またターボチャージャー・スーパーチャージャーのより精緻な制御を目指して、電子式Wastegateアクチュエータ(Hellaが開発中)、電動スーパーチャージャー(Valeoが開発中)が出展された。ユタカ技研ティラドは、排気熱を利用して燃費を向上させるシステムを出展した。

 また小糸製作所は、「ハイビーム可変ヘッドランプ」を出展、デンソーHellaは、安全運転支援システムを支える各種のセンサを出展した。


 なお、同展示会のEV/HV関連の部品・技術の出展については、
人とくるまのテクノロジー展2013:部品サプライヤーの出展(1)(2013年6月掲載)
自動車メーカーの出展については、
人とくるまのテクノロジー展2013:自動車メーカーの出展(2013年6月掲載)

をご参照ください。


※写真はクリックすると拡大されます。



炭素繊維強化樹脂(CFRP)など軽量化素材の活用

 三菱ケミカルホールディングスグループと東レが、炭素繊維強化樹脂(CFRP)製ボディー、ホイール、バンパーなどを出展した。

 Magna Steyrは、Mercedes-Benz車に供給するオールアルミ製ボディーを展示した。

 

試作車"MOMA"
可能な限りCFRPを使用して製作した試作車"MOMA"
(三菱ケミカルホールディングスグループの出展)
CFRP製ホイール
CFRP製ホイール(東レの出展)
CFRPモノコックボディーとドアインナー
CFRPモノコックボディーとドアインナー(東レの出展)
Mercedes-Benz SLS AMGのアルミボディー
Magna Steyrが製造した、
Mercedes-Benz SLS AMGのアルミボディー
バックドアガーニッシュとリアスポイラー
東レが開発したABS樹脂製のバックドアガーニッシュと
リアスポイラー
シリンダーヘッドの樹脂化
トヨタ紡織が出展した、OCV(Oil Control Valve)を搭載する
シリンダーヘッドカバーの樹脂化
樹脂製スライドベアリング"DryLin"
igusが出展した樹脂製スライドベアリング"DryLin"

 

炭素繊維強化樹脂(CFRP)の活用

三菱ケミカル
ホール
ディングス
CFRP製
MOMA
 MOMA (CLO1-M)は、全長4450mm×全幅1890mm×全高1230mmで、乾燥重量1030kg。CFRPモノコック、ドアアッセンブリーなど、可能な限りCFRPを用いて作ったコンセプトカー。V6エンジンを搭載し、乗車定員は2 + 2。
 成形方法は、プリプレグ・コンプレッション・モールディング(PCM)を採用。CFで織ったシートに速硬化性の樹脂を含浸させ、金型に入れてプレス成形する方法で、成形サイクルは約10分間。現在200トンのプレス機を使用しているが、近く1,000トンのプレス機を導入する予定。

(注)"MOMA"は、(株)チャレンジが開発した。(株)チャレンジは、レーシングカー、ショーカー等の設計・製造を行い、1980年代半ばからCFRPに取り組んできた。2012年11月より、三菱ケミカルグループの一員。

東レ ホイール  CFRP製ホイールを開発した。重量は4.55kg(アルミホイール比で38%減。JWL規格(アルミホイールへの品質認定)もクリアし、自社内で実装試験も行っている。
フロントバンパ  2007年9月に300台限定で発売された「Honda Civic MUGEN RR」に供給した、CFRP製フロントバンパを展示した。リアスポイラーもCFRP化したとのこと。
その他  その他、EVコンセプトカー"TEEWAVE" AR1が搭載するCFRPモノコックボディー/クラッシュボックス、Lexus LFAが搭載したフード、Mercedes-Benzと共同開発したトランクリッドなど、これまでに東レが製作した10点前後のCFRP製品を展示した。
小高精密 CFRP製
シートフレーム
 CFRPのプリプレグシートに熱硬化性エポキシ樹脂を浸して成形したシートフレームの試作品。現在使用されているハイテン材はそのまま使用し、全体の重量を12kgから9kgに引き下げた。

 

その他の軽量化材料

Magna Steyr アルミボディー  Mercedes-Benz SLS AMG(V8 6200ccエンジンを搭載)のアルミ製ボディーを展示した。
東レ ABS樹脂製
リアスポイラー
など
 ABS樹脂製のバックドアガーニッシュ(三菱OutlanderとLexus CT200h)およびリアスポイラー(トヨタRactis、RAV4、Wishなど)を展示した。
 ABS樹脂は成形性(射出成形)はよいが、塗装不良が出るという課題があった。この点を克服して不良率を下げ、塗装もキレイに仕上がるABS樹脂を開発した。東レは、ペレットの状態で供給する。
河西工業 ナノコンポジット
PP材料
 ナノレベルの補強材を含有するPP材料製部品を展示した。従来品に比べ傷がつきにくく、傷がついても見えづらい特徴がある。日産JukeのBピラーの下部外装に採用されている。同時に15%の軽量化も達成した。
トヨタ紡織 樹脂製シリンダー
ヘッドカバー
 VVTを制御するOCV(Oil Control Valve)を搭載するシリンダーヘッドカバーについて、OCVの部分はアルミで残しながら他の部分を樹脂化することに成功し、従来のアルミ製ヘッドカバーに対して40%軽量化した。
 トヨタ、ダイハツと共同開発し、トヨタRactisなどに搭載している。
M-Benz車用
ドアトリム
 Mercedes-Benz CLS-Classにドアトリムを供給している。基材に天然素材を使用し、環境への配慮と軽量化に貢献。また表皮に本革を用いるなど、高級感を演出する。
 BOSHOKU AUTOMOTIVE EUROPEは、Daimler、BMW、VWグループなど代表的な欧州自動車メーカーにドアトリムや天井などの内装品を納入している。
igus 樹脂製ベアリング  igusは、ドイツに本部を置く樹脂製ベアリング「イグリデュール」のメーカー。今回は特に、直線上を移動する場合に使用する「ドライリン(DryLin)」ベアリングをスペースをとって展示していた。
 車載用途では、スライディングルーフ、スライドドアなどのスライド部分に使用可能としている。低粘着性、湿気吸収が少ないなどの特性がある。

(注)"igus"については、第3回軽量化技術展レポート http://www.marklines.com/ja/report/rep1144_201302#2 をご参照ください。

 

 



燃費を向上させるパワートレインと関連部品

 Exedyは、ダイハツ製CVT、ホンダN BOXのCVTに供給するトルクコンバータ、マツダSKYACTIV-DRIVE(AT)に供給する低燃費トルクコンバータを出展した。

 ユニバンスは、スタート時に奇数段のクラッチと偶数段のクラッチを併用するDCTを出展した。

 ターボチャージャー・スーパーチャージャーについて、HellaはターボチャージャーのWastegateを電子制御するシステムを開発中。Valeoは、電動スーパーチャージャーを提案した。

 

マツダ製6速AT
ExedyのSUTC(Start-up Torque Converter)を
搭載するマツダ製6速AT(2000ccクラスエンジン用)。
緑色部分が多板クラッチ。(Exedyの出展)
Dual Clutch Transmission
ユニバンスが新開発中のDual Clutch Transmission
1.5Lクラス車向けコラムタイプEPS
1.5Lクラス車向けコラムタイプEPS(写真右側に見える
モータとECUを一体化した)(JTEKTの出展)
Porsche V8 4800ccエンジンに供給するターボチャージャー
三菱重工がPorsche V8 4800ccエンジンに供給する
ターボチャージャー(写真はV8エンジンの片側を示す)
電子制御式Wastegateアクチュエータを搭載するターボチャージャー
電子制御式Wastegateアクチュエータを搭載する
ターボチャージャー(Hellaが出展した)
Valeoが出展した電動スーパーチャージャー
Valeoが出展した電動スーパーチャージャー

 

燃費向上に貢献するパワートレイン関連技術の出展

EXEDY 扁平トルク
コンバータ
 全長が制約されるFF車トランスミッションに、機能を向上させたダンパーやロックアップクラッチを収めるため、トーラス(入力羽根車であるポンプインペラーから出力羽根車であるタービンランナに至るオイルの流路)の軸寸法の短縮(扁平化)を進めてきた。扁平化するとオイルの流れが悪くなり伝達効率も低下する恐れがあるので、コンピューター解析により高効率のポンプインペラー、ステーター、タービンランナを開発し、オイルの流れの最適化を図った。
 Exedyの「扁平トルクコンバータ」を用いたダイハツ製CVT(2011年9月発売のMira e:S以降のモデルが搭載する)を展示した。
超扁平トルク
コンバータ
 ホンダN BOXのCVTに供給する、軸寸法をさらに短縮した「超扁平トルクコンバータ」の構成部品を展示した。
 なお、トルクコンバータの流体動力伝達では、もともとは丸みのある構造の方が有利であるが、Exedyは各自動車メーカーの方針に沿って、ト-ラスを扁平化したトルクコンバータを開発しているとのこと。
低速ロックアップ
トルクコンバータ
 Exedyの「低速ロックアップトルクコンバータ」を用いた、マツダAxela/CX-5の2000cc車が搭載するSKYACTIV-DRIVEオートマチックトランスミッションを展示した。
 低速ロックアップトルクコンバータは、超薄型トーラスを採用し、外周部分に配置した。SKYACTIV-DRIVEでは、原則としてスタート時のみにトルコンを使用するので(SUTC: Start-up Torque Converterと呼ぶ)、ロックアップ領域は従来の49%から82%に拡大した。ロックアップ領域拡大のため、厳しい使用環境にも耐える多板クラッチと低剛性(柔らかい)ダンパーを使用した。
ユニバンス DCT
(Dual Clutch
Transmission)
 ユニバンスは、新しいタイプのDCT (Dual Clutch Transmission)を開発中で、参考出品した。発進時に、従来のように奇数段用クラッチのみでなく、偶数段用クラッチも同時に作動させるようにしてクラッチを小型化し、ギヤボックス内に収まるようにした(従来は、奇数段用クラッチに発進時の負荷がかかるため大型化し、ギヤボックスの外側に配置されていた)。2015年めどに製品化を目指す。
 軽自動車やコンパクトクラス車に搭載できるよう小型化する。またDCTの開発ノウハウを、電動車両の減速機・トランスミッション開発に取り入れる構想。
デンソー 第4世代コモンレールシステムとクローズドループ噴射制御
システム
 デンソーの第4世代コモンレールシステムは、250~300MPaという超高圧燃料噴射システムを使用し、より燃焼に適した噴霧の実現を目指し開発している。乗用車用は250MPaまで高めて排気ガスをクリーン化し、大型商用車用は世界最高の300MPaまで高めてスモークを低減する。
 世界初の、クローズドループ噴射制御システムを採用する。インジェクタに圧力センサを内蔵し、噴射率をインジェクタにフィードバックして、低燃費と排気ガスクリーン化に貢献する。
JTEKT コラムタイプEPS  従来別々であったモータとECU一体化し、小型・軽量化した。同社従来品比で、ECU体積を40%減、モータトルク効率を10%アップさせた。1.5L車向けで、トヨタAuris 1.5L車に搭載している。

 

ターボチャージャー・スーパーチャージャー

三菱重工 ガソリン車用
ターボチャージャー
 Porscheの4.8Lクラスガソリンエンジン搭載車に供給するターボチャージャー。V8エンジンの片側を展示した。
ディーゼル車用ターボチャージャー  2.0Lディーゼル乗用車が搭載するVG(Variable Geometry Turbocharger、タービン容量をエンジン負荷に応じて可変できる)ターボチャージャー。
Hella ターボ
チャージャーの
Wastegate
アクチュエータ
 現在のターボチャージャーWatsegateは、空圧で作動し、ターボチャージャーやエンジンを壊さないように排気ガスを逃すシステム。
 Hellaは、電子制御式Wastegateアクチュエータを開発中。インテークマニホールドとともに、ターボチャチャージャーを精密に制御することにより、パワーを高め燃費を向上させることができる。またターボラグを低減することも可能としている。
Valeo 電動スーパー
チャージャー
 電動化することでターボエンジンの低速時ターボラグを解消でき、また低回転から大きなトルクを発生するのでエンジンを高回転まで回す必要がなく、摩擦損失が少ない領域で運転でき効率がよい。低速ドライバビリティを犠牲にすることなく、さらなるダウンサイジングを可能にするとしている。

 

 



排気熱を利用し、燃費を向上させるシステム

 ユタカ技研は、家庭用ガスエンジンコージェネレーションユニット「エコウィル」に供給する熱交換器の技術と、同社が長年培ってきた自動車排気部品の技術を融合することで新製品を開発、ヒ-トコレクターとEGRクーラーを提案した。

 ティラド/三五も、同様の「排熱回収システム」を出展した。

 

ヒートコレクター
ユタカ技研が開発した「ヒートコレクター」。写真手前を左右に流れる管が排気経路で、中央やや右側に流路切り替えバルブがある。左奥が熱交換コアで、暖機時には排気ガスがここを通る。上部の配管はLLC(冷媒)の入出管。

 

排気熱を利用し、燃費を向上させるシステム

ユタカ技研 ガスエンジンコージェネレーションユニット用熱交換器  ユタカ技研は、2011年から、ホンダが発電ユニット開発を担当する家庭用ガスエンジン コージェネレーション ユニット「エコウィル」の熱交換器を生産・供給している。
(車載用途
へ展開)
 この技術・ノウハウと、同社が長年培ってきた自動車排気部品の技術を融合させることで新製品を開発、ヒートコレクターとEGRクーラーを提案した。
ヒートコレクター  ヒートコレクター搭載により、エンジンを早期に暖機し、燃費向上や冬季のヒーター性能向上を図る。排気経路の中間にヒートコレクターを配置し、暖機時には排気ガスを熱交換コアに通すことにより排気熱をLLC(冷媒)に回収する。規定温度に達すると流路(バルブ)を切り替え、通常の排気経路に戻す。(写真参照ください)
EGRクーラー  EGRクーラーにも同様の熱交換コアの適用を計画。従来品に比べ、体積を約1/2にした製品を開発した。
ティラド/三五 排熱回収
システム
 エンジン始動直後、排気ガスの熱を回収してエンジン冷却水(LLC、Long life coolant)や、オートマチックトランスミッション潤滑油(ATF)を温め、燃費を向上させるとともに、暖房が効く時間を早めるシステム。展示製品は、ティラド製熱交換器を使用し、(株)三五が生産している。
 ガソリン車、ディーゼル車にも効果があるが、始動時にモータのみで走行し、アイドリングストップするなどエンジン暖機に時間がかかるHVで効果が大きい。トヨタ・アクアなどに供給しているとのこと。

 

 



空調を効率化するシステムと天井材料

 

遮熱ヘッドライニング
河西工業が日産Leafに供給する「遮熱ヘッドライニング」
(写真手前側がルーフに接する側)

 

空調を効率化するシステム・部材

デンソー 1席集中エアコン
システム
 ドライバーは約8割の時間を一人で運転しているにもかかわらず、車室全体を空調している点に注目し、必要な席のみを空調するシステムを開発。運転席向け2カ所(足元部分とダッシュボード部分)、助手席向け(同左)2カ所、後席向けの5カ所の空調吹き出し口を設け、運転席と助手席、または運転席のみに送風できる構造とした。
 設定温度、外気温、室内温度等を測定し、空調するモードをシステムが自動決定する。デンソーの測定では、エアコンの消費電力を最大で約40%、通年で約20%削減できた(デンソーが実施した社内実車テストによる)。
 2012年春に発売した新型Lexus GS 450h/350/250それぞれのVersion Lに設定されている。
EV Leafの天井材料
河西工業 遮熱ヘッド
ライニング
 日産Leafに採用されている遮熱ヘッドライニングを出展した。ウレタン部を中央に持つ6層から成る天井材で、そのうちアルミニウムを蒸着した層は赤外線を反射する機能を持つ。従来の天井材に比べ、室温を夏場は2.7℃下げ、冬場には2.3℃高める効果があり、空調の負荷を低減する。

 

 



照明機器の新製品

 

ハイビーム可変ヘッドランプ
Lexus LS600hが搭載する「ハイビーム可変
ヘッドランプ(LED仕様)」(小糸製作所の出展)

 

照明機器新製品の出展

小糸製作所 ハイビーム可変
ヘッドランプ
Adaptive
Driving Beam
(ADB)
 ハイビーム照射時に、先行車のテールランプおよび対向車のヘッドランプをカメラで検知し、必要な部分を自動的に遮光して対向車の眩惑を防ぐAdaptive Driving Beam(トヨタの商品名はAdaptive Hi-beam System)を新開発。ハイビームでの走行頻度を増やすことで夜間の視認性向上に寄与する。
 ハイビームの照射範囲内に車両を検知すると、インテリジェントAFSの機能を利用して、光軸の方向を最適に変えながら遮光シェードを制御し、先行車や対向車に直接ハイビームを当てないよう部分的に遮光する。
 2012年10月に発売した新型LS600hに、LEDヘッドランプのADBを設定、2012年12月に発売したCrown Royal/AthleteにHIDヘッドランプのADBを設定した。
第4世代LED
ヘッドランプ
 2013年5月に発売した新型Lexus ISに、片側 1個のLED(44W/台)を使用する第4世代LEDヘッドランプを設定した(IS300hに標準装備、IS350とIS250にオプション設定)。
 2007年に発売されたLexus LS600hが搭載したLEDヘッドランプは、片側5個のLEDを有していたが、性能向上により片側1個のLEDヘッドランプが可能になった。

 

 



安全運転を支援するセンシング技術の出展

 デンソーは、ドライバーの状態、車両の周辺、車両の状態を検知し、安全運転を支援する各種のセンサを幅広く提供している。最近実車搭載された新型センサを紹介した。

安全運転を支援する各種センサ

デンソー 新型画像センサ  画像センサは、道路上の白線や前方の物体を検知する機能を持つ。従来品比で体積を50%小型化した新型画像センサを開発した。新型画像センサは、従来の車線逸脱警報システム(LDW)に加え、自動ハイビーム制御システム(AHB)機能も併せ持つ。
 画像センサに搭載されるカメラを白黒からフルカラー化することで、LDWとしては世界各国の様々な色の道路標識に対応可能となり、またAHBシステムとしては、先行車の尾灯(テールライト)とその他の光源を容易に識別できるようになった。
 2012年7月から中国を皮切りに世界市場に投入されたLexus ESに、メーカーオプションとして設定されている。
新型
ミリ波レーダー
 デンソーは新型ミリ波レーダーを開発。検知距離を従来品の151mから205mに拡大。また検知角度を35m先までの距離において、±10度から±18度に拡大し、衝突被害軽減システムと車間距離制御システムの作動範囲拡張に貢献する。2012年11月より、新型マツダアテンザに採用された。
新型
レーザーレーダー
 2012年12月に発売された新型ダイハツMoveが搭載する、軽自動車初の衝突回避・衝撃緩和システム「スマートアシスト」向けの新型レーザーレーダーを開発した。市街地や渋滞道路といった低速域での使用を前提にスキャンする領域、距離を設定するなどで、レーザー光発信の機能を簡素化し、小型化・低コスト化を実現した。
 (注)「スマートアシスト」は、約4~30kmで走行中に機能し、衝突を回避、または衝突の被害を軽減する。
ポップアップフード用歩行者衝突検知センサ  デンソーは、高精度な衝突検知ができるポップアップフード用の歩行者衝突検知センサを開発。トヨタが2013年1月下旬から生産を開始したCrown Hybridに採用された(トヨタ車がポップアップフードを搭載するのは初)。
 従来バンパ内に装着された加速度センサで衝突を検知していたが、歩行者が衝突した位置によって計測値が変わるという課題があった。新型センサは、バンパ内部に装着された中空構造体に設置され、バンパ衝突時の変形を圧力に変換して検知する方式で、衝突位置が異なる場合でも安定した衝突検知が可能になり、計測精度が向上した。
Hella 24GHzレーダー  Hellaの24GHzレーダーは、死角検知システム、車線変更支援システムなどに利用されている。2012年11月に発売された新型マツダAtenzaの「リア・ビークル・モニタリングシステム(RVM)」が採用した。現行品は第2世代と呼び、検知角度などを向上させた第3世代品(開発中)も展示した。
 RVMの機能は、隣(左右)の走行レーンや後方から接近する車両を検知し、運転者が車線を変更する場合の危険を知らせる。

 

 



スマホと連携するナビゲーション

 

ITS対応DSRC車載器の概念図
ITS対応DSRC車載器の概念図(デンソーの出展)

スマートフォンと連携するナビゲーション

アイシンAW NAVIelite  アイシンAWのナビのノウハウを凝縮した、本格スマートフォンナビアプリ。画面は、通常サイズのカーナビ画面は使用せず、スマートフォンをそのまま利用する。iPhone3GS、iPhone4、iPhone4S、iphone5(iOS4.1以降)に対応。使用料は、年額3,800円、年額2,800円の簡易版 mini も提供する。
 "Door to door"を掲げ、音声案内と拡大図表示で、目的地を視認できる30m手前まで確実に案内する。また、曲がるべき交差点をリアルな3D画像で表示し、取るべき進路にわかり易く誘導する。2カ月に1回地図データを刷新するので、最新状態の地図で運転することができる。
 なお、iPhoneで撮った写真に位置情報がついていれば、その情報から目的地に設定する「一発検索」の機能も追加された。
デンソー NaviCon  従来カーナビは、内蔵した地図や施設情報だけで動作していた。しかしスマートフォンの普及で、インターネットへの常時接続が可能となり、新鮮な情報が集積されるようになった。
 NaviConは、スマートフォンのアプリで探した目的地をカーナビに転送するアプリ。目的地設定後は、通常のカーナビが案内する。多くのアプリと、各自動車メーカー純正カーナビ、富士通テン、JVCケンウッドなどの多くのカーナビでの利用が可能。
 NaviConは、iPhoneとAndroidスマートフォンに連携する(無料でダウンロードできる)。
アルペジオ
ARPEGGiO
 スマートフォンを、車内で安全に使うサービス。Bluetoothでカーナビとスマートフォンを結び、天気、インターネットラジオなど車載利用に適したアプリをダウンロードする。また使用している車の音声認識、ステアリングスイッチなどの操作系を活用して、車内で安全・簡単に利用できるようにした。
 <対応機種>カーナビ:トヨタ2012年モデルNHZD-W62G
                 スマートフォン(iOS5以降)、Android 2.3 or 4.0
ITSスポット対応車載器とスマホ連携
デンソー ITSスポット対応
DSRC車載器
とスマホ連携
 ITSスポット対応DSRC車載器を新開発した。車載器でキャッチした道路交通情報をスマートフォンで表示・音声案内する。ETC(Electric toll Collection)も同じDSRC(Dedicated Short Range Communication=専用狭域通信)を使用するので、使用できる(ETC車載器は、買い換える必要あり)。Androidスマートフォンに対応する。
 操作は、(1)Google playから専用アプリ "ITS spot viewer"(無料)をダウンロード、(2)スマートフォンを車内に設置し、ITS spot viewerを起動、(3)「ITSスポット対応DSRC車載器」にETCカードを入れてエンジンスタート、(4)車載器が情報をキャッチするとスマートフォンに自動で連携する。
 2011年3月までに、高速道路、有料道路を中心に全国1,600箇所にITSスポットが設置され、最新の道路交通情報を提供し、安全運転を支援している。

                     <自動車産業ポータル、マークラインズ>