人とくるまのテクノロジー展2013:部品サプライヤーの出展(1)

EV/HVとアイドリングストップ関連技術の出展

2013/06/10

要 約

 2013年5月22~24日にパシフィコ横浜で開催された「人とくるまのテクノロジー展2013」における、部品サプライヤーの出展内容を2回に分けて報告する。

 本レポート「部品サプライヤーの出展(1)」は、EV(Electric vehicle)、HV(Hybrid vehicle)、PHV(Plug-in hybrid vehicle)のシステム・関連技術およびアイドリングストップ関連技術出展についてレポートする。

 EV/HVについては、モータ、インバータ、またモータとトランスミッションを結合したEV/HVシステムが多数出展された。リチウムイオン電池パックを水冷するシステム、またEV(日産Leaf/三菱i-MiEV)やHV(トヨタのHV車)の駆動用電池が持つ電力を、外出先や家庭で利用するシステムが紹介された。

 アイドリングストップでは、一般的なアイドリングストップに加えて、車両が停止する前にエンジンを切るシステム、回生エネルギーをより多く回収するシステムの採用が始まっており、それらを構成するシステム・部品が出展された。

 なお、「部品サプライヤーの出展取材(2)」では、軽量化、内燃エンジン車の燃費向上、照明機器などを中心に報告する予定。


関連レポート: 人とくるまのテクノロジー展2013
部品サプライヤーの出展(2)軽量化など内燃エンジン車の燃費改善、安全支援、スマホ連携ナビなど(2013年6月掲載)
自動車メーカーの出展 トヨタ/日産/ホンダ/富士重が新型ハイブリッドを、安全装備も多様な出展(2013年6月掲載)

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EV試作車・コンセプトカー

 

試験走行中のEVバス
試験走行中のEVバス(東芝の出展)
EV試作車
四輪インホイールモータとステアバイワイヤ
操舵システムを搭載するEV試作車
(NTNと神奈川工科大学の共同開発)

 

EV試作車・コンセプトカー

東芝 EVバス  日野自動車の路線用小型バス ポンチョ(全長6,990mm×全幅2,080mm×全高3,100mm)を改造したEVバス。東芝製39.7kWhのSCiBリチウムイオン電池を搭載。1回の充電による走行距離は約40km。最高速度70km/h(平地走行)。急速充電(最大充電電流125A)、超急速充電(同400A)の双方に対応する。
三菱ケミカル
ホールディングス
グループ
EV
コンセプトカー
 都市型コミュータカー(EV)のコンセプトカー。全長3,600mm、全幅1,550mm、全高1,325mmで乗車定員2名、車両重量490kg。
 炭素繊維複合材シャシ、有機薄膜太陽電池(天井に設置)、PC製樹脂グレージング(ガラス代替)、低線膨張樹脂ボディー、GMT(Glass Mat reinforced Thermoplastics)アンダーボディーシールド、有機EL照明、植物由来樹脂内装材など三菱ケミカルグループの先端技術を豊富に搭載する。
NTN EV試作車  NTNと神奈川工科大学が共同開発した、四輪インホイールモータと前後輪ステアバイワイヤ操舵システムを搭載するEV試作車。タイヤのすべりによる消費エネルギーが最小となるよう四輪の駆動力と舵角を制御する。

 

 



EV/HVシステムの出展

 JATCONSKNTN、明電舎、ユニバンスSchaefflerが、モータとEV/HVトランスミッションを結合したEV/HVシステムを出展した。

 

Jatco「CVT8 HYBRID」
Jatco「CVT8 HYBRID」
NSKが出展した「ハイブリッドトロイダルIVT」
NSKが出展した「ハイブリッドトロイダルIVT」
NSKが出展したホイールハブモータ
NSKが出展したホイールハブモータ
インホイールモータ
小型電動コミュータへの搭載を想定する
インホイールモータ(NTNの出展)
EV試作車
2モータ左右輪別駆動タイプの駆動システムを搭載する
EV試作車(ユニバンスが出展)
eDifferential
Schaefflerが開発したeDifferential
(写真左側のモータが車両を駆動し、
右側の小型モータが左右輪のトルクを制御する)

 

EV/HVシステムの出展

JATCO CVT8
HYBRID
 中・大型FF車用CVT8に、15kWのモータを組み込んだFF車用HVシステムで、2013年夏に米国で発売する日産Pathfinder HVに初搭載する。スーパーチャージャーを搭載する新型2500ccエンジンと組み合わせる。V6 3500ccを搭載するPathfinderと同様のパフォーマンスを実現し、燃費は24%向上、価格は3,000ドル程度のアップとなる予定。
 日産FUGA HVから搭載を開始したFR用HVシステムと同じ発想の「1モータ 2クラッチ」システムを採用。クラッチでエンジンを完全に切り離すことにより、モータ走行や減速時のエネルギー回収の効率を高めた。
NSK EVドライブ
システム
 40,000rpmの超高速モータ、ハーフトロイダルCVTの原理を応用したトラクション減速機(減速比 4.0)、2段変速機の構造・原理で、システムの小型・軽量化と航続距離延長を実現する。
ハイブリッド
トロイダル
IVT
 FF車用トロイダルバリエータ (トロイダルCVTの変速機構)と20kWのモータを組み合わせたハイブリッドコンセプト。エンジンはV6-3.5L搭載を想定。IVTは、Infinitely Variable Transmission。この変速機構の持つ大きいトルク増幅比、超ワイドなレンジ等の特徴を活かして、小型モータでのEV走行が可能になり、モータ/電気システム小型化・コストダウンを図るとしている。
ホイール
ハブモータ
 2個の小型モーターと2段変速機構を使用することにより、モータ効率のよい運転領域を活用しながら、低速時の大きな駆動力と十分な最高速度を両立させた。また、遊星歯車式最終減速機をハブ軸受けに一体化した。
NTN インホイール
モータ
 モータ、減速機、ハブベアリングを一体化し、ホイール内に収容できるように小型化したインホイールモータ。車両の設計自由度を大幅に向上させる。小型電動コミュータへの搭載を想定する。
明電舎 EV用ドライブ
ユニット
 (株)ユニバンスと共同で開発中の、モータ・ギヤボックス(減速機)を一体構造としたEV用ドライブユニット試作機を出展した。試作機は、別体構造に比べ軸長を35%短縮し、ギヤボックスの潤滑油でモータを冷却することで、ドライブユニットを小型化、高効率化した。モータ出力は最大50kWで、トヨタVitzクラス用を想定する。明電舎がモータコアの開発を、ユニバンスがギヤボックスの開発を担当する。
ユニバンス 様々なEV・HV用
ギヤボックス
 ユニバンスは、後輪をモータで駆動するEV試作車を出展(前輪駆動の内燃エンジン車と組み合わせると、四輪駆動のHVともなる)。また、4タイプのモータとギヤボックスの組み合わせをパネル展示で提案した。4タイプとは、
・2モータ左右輪別駆動タイプ:EV試作車実物に搭載した。
・2モータデフ組込タイプ:二つのモータの中間にデフを置く。二つのモータは、例えばメイン
        の駆動用モータと小型のトルクアシスト(旋回のアシストも含めて)などを想定。
・1モータデフ組込タイプ:一つのモータとデフをセット。
・インホイールモータ型
遊星減速機  インホイールモータ用遊星歯車の減速機。遊星歯車の方が、通常のギヤを組み合わせる減速機よりも小型にできるとのこと。
Schaeffler eDifferential  2個のモータ、変速機とディファレンシャルギヤを組み合わせた。左右に二つのモータがあり、最大105kWの大きいモータ(写真左側)が車両を駆動し、5kWの小型モータ(右側)が左右輪のトルクを調整し、トルクベクトリングの機能を担う。
 純EVとして開発したり、または前輪駆動車の後輪に配置して、四輪駆動のハイブリッド車にすることも可能としている。

 

 



EV/HV用モータ・インバータ

 

安川電機が出展したQMET-Ⅱ 80kWモータ
安川電機が出展したQMET-Ⅱ 80kWモータ
東芝がFordに供給する2モータ・インバータ
東芝がFordに供給する2モータ・インバータ
エイム(株)が出展した高性能モータ「APM120」
エイム(株)が出展した高性能モータ「APM120」
(ギヤボックス・インバータ一体型)

 

モータ・インバータ

明電舎 EV/HV用モータ・
インバータの
シリーズ
 シリーズで開発中の、(1)軽自動車クラス向けの質量25kg(30kW)のモータと体積3.5Lのインバータ、(2)小型車クラス向けの質量35kg(60kW)のモータと体積4.6Lのインバータ、(3)中型車クラス向けの質量40kg(100kW)のモータと体積7.2Lのインバータ、の3通りの組み合わせをパネル展示で紹介した。

(注)明電舎は、三菱Outlander PHVに、モータ、ジェネレータ、インバータを供給している。

安川電機 電子式巻線
切り替えモータ
 マツダと共同開発し、デミオEVに搭載したモータ。EV用モータには、低速走行時の大きいトルクと、高速走行時の高速回転が可能な性能の両方が求められる。しかし、この高トルクと高回転という2つの要件は相反する性質があり、異なる構造が必要になる。
 低速回転用と高速回転用の異なる二つの巻き線を切り替えるシステム(QMET-Ⅱ)を採用。低速用には全巻き線を使用し、高速用には巻き線の一部を使用することで、1基のモータで走行状況に合わせて二つの必要特性それぞれに応えられるようにし、効率を向上させた。
東芝 モータ  Ford Fusion Energi PHVに供給する、駆動用および発電用モータを出展した。
インバータ  同上車に供給するインバータで、2基のモータを制御する。
エイム株式会社 APM120モータ  エイム株式会社は、1998年に自動車技術に関するエンジニアリングサービスを開始した。2007年に耐久レース用V10 5500ccエンジンを開発した(同エンジンも展示した)。
 耐久レースにおける今後のHV・EV化を見据え、英国を拠点に開発し、2013年春に軽量・コンパクトな超高性能モータ「APM120」を完成させた。モータ単体で質量12kg(ギヤボックス・インバータと一体で20kg)、最大出力120kW (160PS)、最大トルク150Nm、最高回転数12,000rpm。
 今後ルマン・レースなどに活用し、その成果をベースに、HVスポーツカーやEVスポーツカーなどの分野を狙うとのこと。

 

 



電動コンプレッサなどEV/HV用部品

 

カーエアコン用電動コンプレッサと電気温水ヒータ
三菱重工が出展したカーエアコン用
電動コンプレッサと電気温水ヒータ
EV/PHV向け温水ヒータ
カルソニックカンセイが開発中のEV/PHV向け温水ヒータ

 

電動コンプレッサなどEV/HV用部品

三菱重工 エアコン用
電動コンプレッサ
 三菱i-MiEV、Outlander PHV、Chevrolet Volt PHVなどに供給している。従来のエンジン駆動力によるコンプレッサに代替する。
エアコン用
電気温水ヒータ
 PTC素子を使用するヒータ。三菱i-MiEVも搭載する。
 三菱Outlander PHVにもメーカーオプション設定されている。装着車は暖房使用時にもEV走行できるが、電気温水ヒータ非装着の場合は、暖房使用時はエンジンがかかる仕組みになっている。
カルソニック
カンセイ
高電圧温水
シーズヒータ
 EV/PHV向きに、PTC素子を使わずニクロム線を使い、コスト低減を狙った空調用高電圧温水ヒータを開発している(現在日産Leafと三菱i-MiEVはPTC素子を使用するヒータを搭載している)。PTC素子を使うタイプより体積が小さく、重量も軽いとのこと。
東芝 SIN放熱板  SIN(窒化ケイ素基板)は、絶縁性、放熱性、耐荷重性に優れるファインセラミックスで、モータを制御するPCUの放熱板として、幅広く使用されている(2007年に車載用途の使用を開始した)。最近では、一部電動パワーステアリング用PCUにも使用されている。

 

EV/HVの電力を活用するV2Hシステム

 EV/PHVの電力を、外出先や家庭用などに活用するシステムを、ニチコンと豊田自動織機が出展した。

 「Leaf to Home」はV2H(Vehicle to home)とH2Vの双方向で機能し、家庭等へ供給する電力も6kWと大きい。「MiEV power Box」は車載電池の電力を、外出先や家庭の非常用電源として使用するシステム(最大1500W)。豊田自動織機は、トヨタHV(Prius PHVを含む)の電池の電力を、1500Wまで車内で使用するためのACインバータを展示した。

 

EVパワーステーション「LEAF to Home」
日産Leafに設定されたEVパワーステーション「LEAF to Home」(ニチコンの出展)

 

EV/HVの電力を活用するV2Hシステム

ニチコン LEAF to Home  V2H/H2V双方向に働く。LEAFに充電する場合は、200V普通充電に比べ最大2倍、最短4時間でフル充電が可能。
 V2Hでは、AC100V(60A以下)、最高出力6kWの電力を出力し、各種家電製品に電力を供給する。24kWhの容量を活かして、バックアップ電源としても使用可能。深夜電力活用による電気料金節約もできる。
MiEV power Box  三菱自動車が、2012年3月に、i-MiEV用にディーラーオプションとして設定した。i-MiEVの急速充電コネクタに接続して、駆動用電池からAC 100Vで、最大1500Wの出力を取り出すことができる。外出先で、または非常時に家庭内電気製品への電力供給を行う。
 駆動用電池16kWh仕様車が満充電の状態で、1500Wで連続使用した場合、約5~6時間使用が可能(一般家庭の約1日分の電力消費量に相当する)。
1500W ACインバータ
豊田自動織機 ACインバータ  HV/PHV駆動用電池の直流電圧を家庭用交流電圧に変換し、車室内に設置したコンセントを利用し100V、1500Wまでの家庭電気製品の使用を可能にする。電子レンジなど消費電力の大きい家電製品の使用が可能で、災害時の非常用電源としても使用できる。
 トヨタ Prius、Estima、Alphard、Vellfire、Lexus CT200hの各HV、Prius PHVに供給している。

(注)豊田自動織機のACインバータには、100W~1500Wのラインアップがあり、上記の他にも世界各地向け車両に搭載されている。

 

 



アイドリングストップシステムと関連部品

 アイドリングストップでは、車両が停止する前にエンジンをストップさせたり、ブレーキエネルギーをより多く効率的に回収し、燃費効果をさらに高めるシステムの採用が進んでいる。東芝、デンソーなど各社が、それらを支えるシステム・部品を出展した。

 

Valeoが出展したBelt Starter Generator
Valeoが出展したBelt Starter Generator
スズキの「エネチャージ」用バッテリーパック
スズキの「エネチャージ」用バッテリーパック
(東芝の出展、電池パック化はデンソーが担当)
アイドリングストップ対応ベアリング
大豊工業が出展したアイドリングストップ対応ベアリング

 

アイドリングストップと関連技術

Valeo Belt Starter
Generator
 Valeoは、"i-StARS (Starter Alternator Reversible System)"と呼ぶ。Starter/generatorの回転とクランクシャフトの回転はベルトにより連結されている。
 当初は、"Micro-hybrid (Start/Stopシステム)"の装置であったが、段階を追ってブレーキエネルギー回生や、トルクアシスト機能を追加してきた。日本では、2012年8月発売の日産セレナ「スマートシンプルハイブリッド」が搭載している。2014年第1四半期に、次期仕様搭載車が日本市場で発売される予定とのこと。
デンソー スズキ車が
搭載する
アイドリング
ストップ
 <蓄冷エバポレータ> スズキの商品名は「エコクール」。エバポレータの熱交換部分に蓄冷材を備えて、エアコン作動時に蓄冷し、アイドリングストップ時に放熱する。快適性保持時間を約2倍に延長することでエンジンを停止する時間を延長し、燃費を2~3%向上させた。
 <リチウムイオン電池パック> スズキの「エネチャージ」が搭載する。エネルギー回生を効果的に行うため、従来の鉛蓄電池と組み合わせて用いるリチウムイオン電池パックを開発(セルは東芝製SCiB電池)。減速時の回生電力受け入れ性を向上させることで、燃費をさらに3%高めた。
東芝 エネチャージ用
電池パック
 スズキワゴンRが搭載する「エネチャージ」システムに供給するSCiB電池パック。3Ahセル5個で構成。デンソーがパック化を担当。高出力オルタネータが発電した電力をスムースに蓄電する。
豊田自動織機 DC/DCコンバータ
(参考出品)
 エンジン再始動時に、12V補機バッテリーが電圧降下を起こすことがある。DC/DCコンバータにより電圧降下を防ぎ、車載電気機器に安定した電圧を供給して一時的な停止を防止する。出展者はVoltage Stabilizerとも呼ぶ。
JTEKT アイドルストップ用
電動オイルポンプ
 アイドルストップ状態からのスムースな発進に必要な、トランスミッション用スタンバイ油圧を供給する。同社従来品と同じ出力で40%以上の小型化を達成。スズキワゴンR、日産車などに供給している。
大豊工業 アイドリング
ストップ対応
ベアリング
 アイドリングストップに対応する、RAコーティング(潤滑性に優れた二硫化モリブデン配合樹脂のコ-ティング)付エンジンベアリング。エンジンが停止すると、エンジン回転中にできていたエンジンオイル膜が切れて再始動時のフリクションが高まるが、アイドリングストップ車はその頻度が高いので、RAコーティングが効果を発揮する。
 Lexus LS600h/GS450h、トヨタCrown HV、Camry HVなどHVや、多くのアイドリングストップ搭載車種のコンロッド軸受けなどに採用されている。


 Hellaは、アイドリングストップとその発展型を3段階に分類し(①通常のアイドリングストップ、②車両が停止する前にエンジンを切るタイプ、③減速エネルギーの本格回収を目指すシステム)、それぞれの段階に合わせたDC/DCコンバータを供給するとともに、システム設計をサポートするとしている。

 

Hellaが出展したDual Voltage (48/12V)DC/DCコンバータ
Hellaが出展したDual Voltage (48/12V)DC/DCコンバータ

 

Hellaが提示するアイドリングストップとその発展型の3段階

必要な電源など
通常のアイドリング
ストップ
 エンジン再始動時に、大電流が流れ電圧降下を起こし車載電気機器に影響することがある。Hellaは、それを防ぐために、"Voltage Stabilizer"(DC/DCコンバータ)を生産・供給している。 12V電源、DC/DCコンバータ
車両が停止する前に
エンジンを切るタイプ
 鉛蓄電池は、電気受け入れ性が低いため、エンジン停止時間が長くなるこのシステムでは、従来の12V電源のみでは電力が不足する恐れがあり、補助電源とそのためのDC/DCコンバータが必要になる。 12V電源、補助電源、DC/DCコンバータ
減速エネルギーの
本格回収
 減速エネルギーを十分に取り入れたい場合、高性能オルタネータ、減速エネルギーを素早く回収できる48V電源と12V電源の2電源システムの採用を提案。二つの電源をつなぐためのDC/DCコンバータも必要になる。 48V電源、12V電源、DC/DCコンバータ
(注) Hellaは、DC/DCコンバータの世界のマーケットリーダーで、年間150万台のDC/DCコンバータを生産している。

 

鉛蓄電池とキャパシタ

 

TPRが開発した電気二重層キャパシタ
TPRが開発した電気二重層キャパシタ

 

鉛蓄電池とキャパシタ

古河電池 HV用鉛蓄電池
(ECHNO HV)
 HV向け鉛電池(商品名はECHNO HV)。HV車ではエンジンルームに機器類が多く鉛電池を置くスペースがないため、後部座席の下などに配置している。このため、水分が車内に漏れない、水分補給の必要がない、などの特性が求められる。
 ECHNO HVは、充電中に発生する酸素ガスを負極で反応吸収する機能を持つ(ガスを車外に排出する専用排気構造も準備した)。また使用中の電解液減少が少なく液量の点検や補水が不要。正極活物質量や液量の適正化により容量をアップした。
アイドリング
ストップ車用
鉛蓄電池
UltraBattery
 古河電池は、アイドリングストップ車用鉛電池「UltraBattery」を開発した(商品名は"ECHNO IS")。アイドリングストップ車では、鉛電池は常にPSOC(Partial state of charge)と呼ばれる充電不足状態に置かれ、しかも大電流の急速放電が行われるなど、従来にない過酷な使用条件が要求される。
 鉛電池では、正極が二酸化鉛、負極は海綿状鉛だが、UltraBatteryでは、正極は同じ二酸化鉛、鉛負極とキャパシタ負極(多孔質カーボン)を並列に接続して負極とした。
 これにより、充電受け入れ性を高め、PSOC条件下での寿命を延ばし、鉛電池がもともと持つ安全性も保持することが出来る。
TPR 電気二重層
キャパシタ
(EDLC)
 TPRは、EV関連分野を研究しているなかで、岡谷電機産業と共同でラミネートセル型の電気二重層キャパシタ(EDLC)を開発した。体積当たり容量が他社品の2倍あるのが特徴。また無限に近い寿命を持つとしている。
 建機、農機、また自然エネルギーの電力平滑用に向く。自動車分野へも、EV/HV駆動用電池のアシスト、非常用電源などでの参入を狙う。

 

車載電池冷却システム

 車載電池を水冷式で冷却するシステムが出展された。Valeoは、冷媒(LLC、Long life coolant)を冷却するチラー(Chiller)とセットで出展した。EV/PHVの急速充電に対応するとしている。

 ティラドカルソニックカンセイは、さらに電動ウォーターポンプも組み合わせた3点のセットで出展した。

 

バッテリー冷却システム
バッテリー冷却システム(カルソニックカンセイが開発中)

 

車載電池冷却システム

ティラド 電池冷却システム  開発中の、リチウムイオン電池パックを冷却する水冷式ヒートシンクを展示。中間熱交換器(LLCチラー)、電動ウォーターポンプとセットで展示した。
カルソニック
カンセイ
バッテリー冷却器  開発中のCooling Plate、Chiller、Water Pumpを展示した。稠密な大型バッテリーを簡易な構造で冷却し、バッテリーの長寿命化と車両航続距離の延長を図る。
Valeo 水冷
Cooling Plate
 水冷化による大冷却容量と高伝熱性能により、電池の均温化を図る(プレート表面温度を5℃以下に保つ)。特にEV/PHVの急速充電に対応する。Daimlerに供給している。
同上のチラー  Cooling Plateに送る冷媒を冷却する装置。Daimlerに加え、BMW、Volvoにも供給している。
空冷バッテリー
クーラー
 電池の温度を最適化することで、電池の高性能と長寿命を達成する。ホンダ、Ford、PSAに供給している。


資料:展示会での配布資料、パネル展示、各社プレスリリース

                     <自動車産業ポータル、マークラインズ>