タイ: 2012年通年の生産台数は過去最高の230万台の見込み

トヨタは76万台、日産は42万台、いすゞは40万台の生産体制を整備

2012/10/29

要 約

タイの車種別自動車生産台数 タイにおける2012年通年の自動車生産台数は、年初予測の200万台を大幅に上回り、230万台に達する見込み (2012年10月タイ工業連盟)。昨年の東日本大震災やタイ国内の大洪水の影響から回復し、Eco-Car計画等の進展により生産が回復した。同年1-9月の生産台数は前年同期比32.8%増の170.6万台、完成車輸出台数は15%増の73.5万台で、大洪水の後も生産・輸出拠点としてのタイの重要性は増している。

 2012年1-9月の新車販売台数は71.3%増の100.1万台で、年初目標の100万台を既に上回った。大洪水により先送りにされた需要に加え、タイ政府のEco-Car計画や自動車の初回購入者に対する減税措置が奏効したためとみられる。

 タイ政府が推進するEco-Car計画では、日産に続き、ホンダ、三菱、スズキが生産・販売を開始した。三菱とスズキはEco-Car生産のために新工場を建設し、2012年3月に稼働を開始。トヨタも新工場を建設して2013年央からEco-Carを生産・販売する。

 生産能力増強の動きでは、トヨタが2013年央時点でのタイにおける年産能力を67万台から76万台に引き上げる。日産は2014年に年産能力20万台の工場を新設し、年産能力の合計を42万台とする。いすゞはピックアップの生産工場を新設し、将来的にはピックアップの年産能力を40万台 (KD部品10万台分を含む) に増強する。

 中・大型商用車メーカーでは、日野自動車が2015年度に車両の年産能力を現行の2.5倍の3.3万台に引き上げる。Volvo Groupは2014年までに20億バーツを投じて、大型トラック・バスの年産能力を拡充する計画。

関連レポート:タイの日系部品メーカー (1) (2012年6月), (2) (2012年7月)



2012年通年の生産台数は230万台、販売台数は130万台の見込み

タイの自動車生産・輸出・国内販売台数 タイの2011年生産台数は、前半は東日本大震災による部品供給不足で打撃を受け、後半はタイ国内の大洪水の影響で10月が68%減、11月が85%減と大幅に減少し、通年では前年比11.4%減の146万台。年初目標の180万台を大幅に下回った。輸出も18.0%減の73万台にとどまり、年初目標の100万台には届かなかった。

 2012年初頭から生産は急速に回復し、1-9月の生産台数は前年同期比32.8%増の170.6万台。1トンピックアップの比率は以前より低下したが、依然として全体の半分以上を占めている。一方、Eco-Car計画や自動車の初回購入支援策(2012年末まで)により乗用車需要が増加し、生産に占める乗用車の比率は増加している。2012年通年の生産台数見通しについて、タイ工業連盟は10月時点で230万台に達すると見込んでいる。

 2011年の販売台数は、やはり大洪水の影響で後半失速し、前年と同水準の79万台にとどまった。2012年1月からは各社の生産回復に伴い販売も回復。同年1-9月は71.3%増の100.1万台で、通年で過去最高だった2010年の80万台を早々に上回った。タイ工業連盟の8月時点の予測によると、2012年通年では130万台に達する見通し。

タイの自動車生産・輸出・新車販売台数

(台)
2008年 2009年 2010年 2011年 2011年
1-9月
2012年
1-9月
2012年
(見通し)
生産台数 1,394,029 999,378 1,645,304 1,457,795 1,285,235 1,706,389 2,300,000
輸出台数 776,140 552,060 894,690 733,950 639,632 735,254
国内販売 615,270 548,871 800,357 794,081 583,957 1,000,577 1,300,000
(輸出/生産) 55.7% 55.2% 54.4% 50.3% 49.8% 43.1%
資料:生産と輸出はタイ工業連盟 (The Federation of Thai Industries), 国内販売は Toyota Motor Thailand
(注) 1. 国内販売には輸入車も含む。タイのブランド別新車販売台数を Report 末尾に掲載した。
2. 初回購入支援策:タイ政府が2011年9月に実施を決定した自家用車購入時の減税措置。初めて自動車を購入した21歳以上の個人を対象に、上限10万バーツの物品税を還付する。期間は2011年10月-2012年末。対象車両は、国産の排気量1500cc以下の乗用車か積載量1tのピックアップトラックで、価格が100万バーツ以下の車。財務省は、減税措置の恩恵を受ける台数を50万台、還付税総額を300億バーツ規模と見込んでいる。(2012年10月下旬時点の為替レートは 1タイバーツ = 2.59円)

 

 



タイの生産拠点:トヨタと日産は新工場を建設、いすゞとFordは新工場を稼動

 生産拠点の今後の動きでは、トヨタがEco-Car用工場の新設とThai Auto Worksの再開により、2013年央には年産能力を76万台に増強。日産は年産能力20万台の工場を新設して、2014年に42万台の生産体制を整備する。

 既存工場の能力増強を計画するメーカーも多く、三菱は2013年までに5万台、スズキは2017年までに6.5万台、日野は2015年までに2万台増強する。

タイの主要自動車メーカーの自動車生産拠点

出資比率 組立工場 年産能力
(1,000台)
生産実績
(1,000台)
(2011年)
生産車種
Toyota Motor
Thailand Co., Ltd.
トヨタ 86.43% Samrong
(Samutprakarn)
230 516

Toyota Hilux Vigo
Ban Pho
(Chachoengsao)
220 Toyota Hilux Vigo, Fortuner
Gateway 1
(Chachoengsao)
220 Toyota Camry, Camry HV,
Prius, Vios, Corolla, etc.
Gateway 2 0→70 - (2013年央に操業開始予定、
Eco-Carを生産)
Thai Auto Works
Co., Ltd.
トヨタ 20% Samutprakarn 0→20 - (2012年末に操業再開予定,
商用車Hiaceを生産)
Hino Motors Mfg.
(Thailand) Co., Ltd.
日野 80% Bang Pakong
(Chonburi)
13→
33(2015年)
9 Hino trucks & buses.
Toyota IMV用部品
Nissan Motor
(Thailand) Co., Ltd.
日産 75%,
Siam Motors 25%
Bangna-Trad
(Samutprakarn)
220 185 Nissan Navara, Frontier,
Tiida, Teana, Sylphy,
MarchおよびAlmera (Eco-Car)
新工場 200 - (2014年稼働予定)
Pickup truckなど
Honda Automobile
(Thailand) Co., Ltd.
ホンダ 75.94%,
Asian Honda
Motor 13.05%
Ayutthaya 240 113 Honda City, Jazz (Fit),
Civic, Accord, CR-V,
Brio(Eco-Car)
Mitsubishi Motors
(Thailand) Co., Ltd.
三菱自動車99.91% Laemchabang
(Chonburi)
(第1工場)
60 208 Mitsubishi Lancer, Lancer EX,
Pajero Sport
(第2工場) 140 Triton (L200)
(第3工場) 150→
200(2013年)
- (2012年3月稼働)
Mirage (Eco-Car)
Isuzu Motors
 Company
(Thailand) Ltd.
いすゞ 71% Samrong
(Samutprakarn)
200 168 Isuzu D-Max, 派生車
Gateway 1
(Chachoengsao)
20 10 商用車
Gateway 2 80 - (2012年10月稼働)
Pickup truck
General Motors
(Thailand) Co., Ltd.
GM 100% Rayong 180 (GM車)
39.9
Chevrolet Aveo, Cruze,
 Captiva, Sonic, Colorado,
Trailblazer,
(2011年まで Isuzu D-Maxも生産)
Ford Ford 100% Rayong 150 - (2012年6月稼働)
Ford Focus
AutoAlliance
(Thailand) Co., Ltd.
Ford 50%
マツダ 45%
Rayong 140
(CKD 55)
93 Ford Ranger, Everest,
Mazda BT-50
100 93 Mazda2, Mazda3, Ford Fiesta
BMW Mfg. (Thailand)
Co., Ltd.
BMW 100% Rayong 10 4 BMW 3 Series, 5 Series,
7 Series, X3
Thai-Swedish
Assembly Co., Ltd.
AB Volvo 100% Samutprakarn 10 1 Volvo S80
Volvo trucks, buses
Tan Chong
International Ltd.
Tan Chong 100% Bangkok 20 n.a. Fuso車, UD Trucks車
(委託生産)
Suzuki スズキ 100% Rayong 35→100
(2017年)
- (2012年3月稼働) Swift (Eco-Car)
(2014年から A-Starも投入予定)
Thonburi Automotive
Assembly Plant
Co., Ltd.
現地 100% Samutprakarn 16 5 M-Benz A-Class, C-Class,
E-Class, S-Class, M-Class
5 Tata Xenon
Y.M.C. Assembly
Co., Ltd.
Yontrakit
Group 100%
Bangkok 12 n.a. Mitsuoka 車

 

 



Eco-Car 計画:ホンダBrio、三菱Mirage、スズキSwift、日産は2車種目のAlmeraを投入

Eco-Car 認定車 (2012年 10月時点)

発売 概要 価格 (バーツ) 販売台数
(2012年1-8月)
日産 March 10年 3月 5ドアハッチバック車。1.2L 3気筒エンジンと5速MT/
エクストロニックCVTを搭載。
37.5万~53.7万 19,561台
Almera 11年 10月 セダン。Marchに続き、Vプラットフォームを使用。
1.2L 3気筒エンジンと5速MT/エクストロニックCVT を搭載。
CVT車はアイドリングストップ機能を装備。
42.9万~59.9万 30,151台
ホンダ Brio 11年 5月 5ドアハッチバック車。1.2L 4気筒 i-VTECエンジンと
5速MT/CVTを搭載。
39.99万~50.85万 11,119台
三菱 Mirage 12年 3月 5ドアハッチバック車。1.2L 3気筒エンジンとCVTを搭載。 38万~54.6万 13,997台
スズキ Swift 12年 3月 5ドアハッチバック車。1.2L 4気筒エンジンとCVTを搭載。 46.9万~55.9万 6,580台
(注) 1. タイ政府が定めた Eco-Car 規格:(1) エンジン排気量:ガソリンは 1300cc 以下、ディーゼルは 1400cc 以下 (2) 排出ガス基準:欧州の Euro 4 に適合 (3) CO2排出量:120g/km 以下 (燃費は 20km/L 以上) (4) 生産規模:生産開始から 5年以内に年産 10万台 (未達の場合はペナルティ)
2. Eco-Car に対する物品税は 17% (2.0L 以下の乗用車は通常 30%)。
3. メーカーに対する優遇措置:(1) 8年間の法人税免除 (2) Eco-Car 生産に関連した設備・機械の輸入関税免除 (3) Eco-Car の輸入部品・原材料 (タイで生産できない部品) の関税を最大 90%引き下げる (2年間)

 

Eco-Car 認定車の生産・販売状況と計画
ホンダ  2011年5月に発売したBrioは年販目標4万台だったが、東日本大震災やタイ洪水の影響で2011年の販売は約3,000台にとどまった。Brioを生産するAyutthaya工場は、2011年10月から2012年3月末まで生産を停止していた。
 2012年9月、Brioベースの小型セダンを同年内にタイ市場に投入すると発表した。Brioと同じ最高出力90hpの4気筒1.2Lエンジンを搭載する計画。モデル名や販売価格などの詳細は不明。
三菱自動車  約160億バーツを投じて既存の第1・第2工場の隣接地(Chonburi県Laemchabang)に第3工場を建設し、2012年3月からEco-Carである世界戦略小型車Mirageの生産を開始。同年6月に東南アジア諸国、7月に日本への輸出を開始した。今後は欧州、豪州、北米にも供給する計画。2012年度の生産台数は12万台の見込み。2013年央には第3工場の年産能力を20万台に引き上げる計画。
スズキ  2012年3月、Rayong県に建設していた新工場で新型Swiftの生産を開始した。初年度は1万5,000台を生産し、タイ国内で1万台を販売する計画だったが、受注が好調で、販売台数は3万台超となる見通し。タイ工場の現在の年産能力は3万5,000台。
 スズキは2014年を目処にタイ工場でEco-Car認定車として低価格小型車A-Starの生産を始めるとされる(2012年2月報道)。A-Starは現在インドで生産しているが、全面改良を行う2013年末以降、タイでも生産を開始する。A-Starの投入により、タイ工場の年産台数を約10万台まで引き上げる。
トヨタ  Gateway工場 (Chachoengsao県) に169億円を投じて第2工場を建設し、2013年央から年産7万台で、Eco-Car等を生産する計画。
VW  VWはEco-Car計画への参加を検討していたが、同計画から撤退したもよう(2012年3月報道)。

 

 



トヨタはエンジンの生産能力も拡充、ホンダはJazz Hybrid、マツダはMazda3を投入

トヨタ:2013年央に完成車の年産能力を76万台に増強

 Toyota Motor Thailand (TMT) とThai Auto Works (TAW) を合わせた、2013年央時点でのタイにおけるトヨタの年産能力は67万台から76万台に増強される見通し。
TMT ・乗用車を生産するGateway第1工場で、2012年 5月に年産能力を20万台から22万台に増強。
・169億円を投じて年産能力7万台のGateway第2工場を建設し、2013年央から稼動する計画。
・アジア・中近東向けのIMVを生産するBan Pho工場では、2011年9月に年産能力を14万台から22万台に増強。
TAW  2010年5月末に操業を休止したTAW は、設備を改造し、2012年末に操業を再開する。現在は日本から輸出している商用車 Hi-Ace を年約 2万台生産する見込み。投資額は 29億円。

トヨタ:ガソリンエンジンの年産能力を84万基、ディーゼルエンジンを61万基に増強

ガソリン
エンジン
 トヨタは、タイのエンジン工場で Corolla に搭載する ZRガソリンエンジン (1600cc と 1800cc) の年産能力を、74万基から 2014年初めに 84万基に増強する (2012年 2月発表)。ベトナム、台湾にも供給する計画。鋳造、機械加工、組立ラインを新設し、今回増強する10万基分はタイで一貫生産するが、既存の 74万基分は従来通り日本から輸出する部品をタイ工場で組み立てる。投資額は 140億円。
ディーゼル
エンジン
 また、新建屋を建設して設備を増強し、ディーゼルエンジン (DE) も増産する (2012年10月発表)。現在の DE年産能力は 32万基だが、2015年には約 61万基に増強する見込み。新興国向け戦略車 IMVシリーズに搭載する。投資額は約400億円。

 

日産:タイの新中期経営計画は2016年度の市場シェア15%以上を目指す

タイ日産が2011年7月に発表した新中期経営計画 "Power Up 2016" ではラインアップの拡充と10車種の新車投入により商品力を強化し、2016年度の市場シェアを2010年度の7.4%から2倍以上に引き上げることを目指す。ディーラー網も拡充し、2010年度の160店から2013年度には210店とする。

日産:2014年に年産能力20万台の工場を新設

 日産はタイにピックアップトラック等を生産する工場を建設し、2014年に稼働する見通し (2012年10月報道)。タイで2つ目の日産の工場。投資額は数百億円規模。バンコク郊外の Samutprakarn県にある既存工場の近隣に建設する。年産能力22万台の既存工場はフル生産が続き、能力増強が求められていた。新工場では、当初は10万台程度で生産を始め、段階的に20万台規模に増やす計画。

日産:中型セダンのSylphyの現地生産車をタイ市場に投入

 日産は2012年8月、セダンのSylphyの現地生産車をタイ市場に投入した。生産はタイ日産のBangna-Trad工場で行う。1.6L/1.8Lエンジンを搭載、無段変速機(CVT)/5速MTと組み合わせる。販売価格は74.6万~93.1万バーツとなっている。

 

ホンダ:2012年3月末に洪水被害を受けたタイ工場の生産再開

 ホンダは、洪水により水没したタイ工場の稼働を2011年10月4日から全面停止していたが、250億円を投資して復旧工事を行い、2012年3月末に稼働を再開した。同工場の停止により、生産モデルだけで約12万台、部品を供給していた世界の工場での生産分を合わせると計26万台の減産となった。タイ工場は4月初めから日産1,000台、年間24万台規模のフル生産体制。

ホンダ:タイでJazz Hybridの生産・販売を開始

 ホンダは2012年7月、タイで小型ハイブリッド車(HV)Jazz Hybrid (日本名:Fit Hybrid) の生産・販売を開始したと発表した。HVの海外生産は、ホンダとしては米国に続き2カ国目。タイでは通常の小型車に対する物品税率は30%だがHVは 10%で、今後のHV普及が期待される。ホンダはタイで年販1万台を目指すと共に、豪州、 ニュージーランドにも輸出する計画。

 

マツダ:新型Mazda3を投入

 マツダは2012年5月、新型Mazda3 (日本名:Axela) をタイ市場に投入した。販売価格はセダンが75.5~82.5万バーツ、ハッチバックが86.9万バーツ。これまで 1,600cc の Mazda3 はFordのフィリピン工場で生産し、タイに輸入していたが、2,000ccモデルと同様、タイにあるFordと合弁のAAT工場で現地生産する。マツダは同モデルおよび一部改良して投入したMazda2等により、2012年のタイでの販売を過去最高の6万台に拡大する計画。

 

 



Fordは新工場で新型Focusを生産、GMはSUV Trailblazerと小型車Sonicを投入

Ford:単独で年産能力15万台の乗用車工場を新設、新型Focusの生産開始

 Fordは4億5,000万ドル投じて Rayong県に単独で乗用車工場を建設し、2012年5月に開所式を開催した。稼働当初の年産能力は15万台。2012年6月からは、小型ハッチバック車の新型Focusの生産を開始。同工場は6車種を混流生産することができ、順次他のモデルも生産する見通し。
 新型Focusは4ドアセダンと5ドアハッチバックがあり、1.6/2.0Lガソリンエンジンと6速AT/5速MTを搭載。8月にタイ市場に投入し、ASEAN諸国や豪州への輸出も開始した。タイでの販売価格はセダンが75.9万~106.9万バーツ、ハッチバックが80.9万~107.9万バーツ。新型FocusはFordのグローバルCプラットフォームを使用。

 

GM:ChevroletブランドのSUV Trailblazerと小型車Sonicを投入

Trailblazer  GMは2012年6月、タイのRayong工場で新型SUV Chevrolet Trailblazerの生産を開始し、タイ市場に投入した。7人乗りのボディオンフレーム型中型SUV。2.5/2.8L Duramax ターボディーゼルエンジン、5速MT/6速ATを搭載。販売価格は105.9~148.9万バーツ。新型Trailblazerの生産は、Rayong工場が世界で初めて。今後はASEAN諸国など世界50カ国に輸出する計画。
Sonic  2012年7月には、同工場で小型車Chevrolet Sonicの生産を開始し、タイ市場に投入した。E20も使用可能な1.4Lガソリンエンジンと5速MT/6速ATを搭載する。SonicはAveoの後継車の位置付けで、都市部に住む若者をターゲットとしている。販売価格は4ドアセダンが54.8万~67.9万バーツ、5ドアハッチバックが60.1万~68.7万バーツ。

GM:年産能力12万基のディーゼルエンジン工場を稼動

 GMは、2億ドルを投じてRayong県の完成車工場の隣接地にディーゼルエンジン工場を建設し、2011年9月に稼働した。年産能力は12万基。GMにとり東南アジア初のディーゼルエンジン工場。新たに開発された 2.5/2.8L 4気筒ディーゼルエンジンDuramaxを世界で初めて生産する。タイで生産する新型ピックアップトラック Chevrolet Colorado に搭載する。

 

東風汽車:年産能力5,000台の工場を建設し、小型商用車の生産開始

 東風汽車は、Bangkok郊外のGateway工業団地 (Chachoengsao県) に、年産能力5,000台の工場を建設した。タイのKasikorn銀行から1億682万バーツ(約320万ドル)の融資を受け、建設資金に充当。2012年2月に小型商用車の生産を開始した。2012年はタイで3,000台を販売する見込み(2011年実績は2,000台)。また、2015年のASEAN経済共同体成立後は、ラオス、カンボジア、ミャンマー、マレーシア等へも輸出する計画。

 

 



1トンピックアップ:いすゞはタイで開発したD-Maxを投入

いすゞのピックアップトラック事業:タイが開発業務を担当、将来の年産能力は40万台の見込み

 いすゞは日本中心の体制から、タイ/インドネシアを加えたグローバル三極体制への転換を図っている。タイはピックアップトラックを中心としたLCVの拠点とする方針で、既に2010年4月から小型ピックアップトラックの開発を担当。2011年10月には、タイで開発した同国の最量販ピックアップD-MAXの新型車を発売した。
 商用車専用工場のGateway工場敷地内に、180億円を投資してピックアップトラックおよびその派生車を生産する新工場を建設。2012年10月に稼働を開始。当初の年産能力は8万台。ピックアップトラック専用工場のSamrong工場でも、KD部品の年産能力を6万台から10万台に拡大する計画で、将来的にはタイでのピックアップトラックの年産能力を40万台 (KD部品10万台分を含む) に引き上げる計画。

 

Ford/マツダ:AAT のピックアップトラック年産能力を12万台から14万台に増強

 マツダとFordは2012年4月、両社の合弁会社 AutoAlliance Thailand (AAT) に2,700万ドルを追加投資し、ピックアップトラック工場の年産能力を2万台分増強した。増強した生産能力は2012年5月から稼働。AATで生産している新型ピックアップトラックの Mazda BT-50, Ford Rangerのグローバルな需要増に対応する。この2万台の増強により、AATのピックアップトラックの年産能力は12万台から14万台(CKDを含むと19.5万台)、乗用車も含めた合計年産能力は24万台となる。

 

 



商用車:日野は中型トラックの生産能力を増強、Volvo Groupはトラック事業を拡充

日野:2015年度には車両を年3.3万台、中型エンジンを3万基生産する計画

 日野自動車は2015年度までに、車両の生産能力をタイ/インドネシアを中心に増強し、従来は日本で行っていたエンジンの機械加工も両国で開始して、海外の中核生産拠点としていく。タイでは、ASEAN域内の中型トラック中核生産拠点として、中型・小型トラックと中型エンジンを生産する。2015年度には車両の年産能力を、2011年度の1.3万台から3.3万台とする計画。また、中型エンジンは、2011年10月にHino 500 シリーズ (Ranger) 向けに生産を開始した。2015年度には年3万基 を生産する見通し。

日野:トラックの開発・部品調達拠点をタイに構築

 日野自動車は、2012年度にもタイにトラックの開発・部品調達拠点を構築するとされる(2012年2月報道)。タイには中型トラック、インドネシアには小型トラックの主力生産拠点があり、タイで開発すれば、東南アジア各国のニーズにきめ細かく対応するとともに、生産コストを抑えられる。開発拠点の人員は100人規模。また、タイにおける現地調達率を、現行の30%程度から平均70%にまで引き上げる計画。

 

Volvo Group:2012-14年に40億バーツを投資してタイにおけるトラック・バス事業を拡充

 Volvo Group は2012年3月、今後2年間でタイに40億バーツを投資すると発表した。2015年に予定されているASEAN経済共同体の成立に伴い、域内の大型トラック需要の増加を見込んで事業を拡充する。まず、20億バーツを投じて既存工場の生産能力を拡充し、タイ国内の需要増に応えるほか、ラオス、ミャンマー、カンボジア等に輸出する。また、タイ国内でのサービス向上のため、20億バーツを投じて直営ディーラーを現在の6カ所から15カ所に増やす計画。
 傘下のUD Trucksは、2012年10月現在、主に日本で調達した部品を使用し、Nissan Diesel Thailand (Tan Chong International が所有) でKD生産を行っている。将来は、Volvo Groupのタイ拠点での生産も検討しているとされる。

 

 



(参考)タイのブランド別新車販売台数

タイのブランド別新車販売台数

(台)
2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2011年
1-9月
2012年
1-9月
トヨタ 282,088 262,209 230,315 325,670 289,439 216,404 380,751
いすゞ 151,033 133,390 110,969 152,787 132,194 105,144 150,003
ホンダ 58,525 90,807 93,409 114,056 83,952 60,879 106,444
日産 38,297 31,744 30,401 52,242 69,094 48,708 80,029
三菱 25,596 23,381 19,626 39,549 65,360 47,061 86,595
マツダ 15,012 11,178 13,241 35,143 41,980 27,863 52,170
日野 8,064 7,157 6,923 9,861 10,138 6,974 12,083
スズキ 2,210 7,251 2,460 5,486 9,688 5,994 14,794
三菱ふそう 2,318 1,536 1,240 790 642 462 1,263
UD トラックス 1,301 921 606 2,687 110 102 7
スバル 88 157 138 97 136 111 79
その他日本ブランド 278 346 641
日本ブランド合計 584,532 569,731 509,606 738,714 703,374 519,702 884,218
現代 66 898 1,788 3,048 4,514 3,160 3,625
起亜 308 400 348 652 907 535 1,081
大宇 4 65 31 31 43 36 2
GM (Chevrolet) 22,794 22,204 15,111 20,026 31,595 21,026 52,943
Ford 15,126 9,093 7,632 13,636 29,200 20,514 38,099
M-Benz 4,234 4,234 4,117 5,039 3,901 3,097 4,640
Proton 3,279 2,939 5,530 5,197 4,400 2,849
BMW 1,473 1,876 2,356 3,016 3,053 2,438 4,109
Volvo 949 967 830 1,194 1,576 1,193 1,926
Tata 262 1,566 5,269 5,162 3,760 3,616
VW 317 356 455 798 728 494 489
Peugeot 87 126 120 75 144 109 126
五菱 (Wuling) 378 258 384 455 313 319
その他 1,361 1,401 1,714 2,945 4,232 3,180 2,535
合計
(内数) 1t pickup
1t pickup 比率
631,251
405,865
64.3%
615,270
334,282
54.3%
548,871
275,892
50.3%
800,357
387,793
48.5%
794,081
365,636
46.0%
583,957
277,174
47.5%
1,000,577
480,832
48.1%

資料:Toyota Motor Thailand

 


参考資料:各社広報資料、各種報道

                     <自動車産業ポータル、マークラインズ>