タイ: 2012年通年の生産台数は過去最高の230万台の見込み

トヨタは76万台、日産は42万台、いすゞは40万台の生産体制を整備

2012/10/29

要 約

タイの車種別自動車生産台数 タイにおける2012年通年の自動車生産台数は、年初予測の200万台を大幅に上回り、230万台に達する見込み (2012年10月タイ工業連盟)。昨年の東日本大震災やタイ国内の大洪水の影響から回復し、Eco-Car計画等の進展により生産が回復した。同年1-9月の生産台数は前年同期比32.8%増の170.6万台、完成車輸出台数は15%増の73.5万台で、大洪水の後も生産・輸出拠点としてのタイの重要性は増している。

 2012年1-9月の新車販売台数は71.3%増の100.1万台で、年初目標の100万台を既に上回った。大洪水により先送りにされた需要に加え、タイ政府のEco-Car計画や自動車の初回購入者に対する減税措置が奏効したためとみられる。

 タイ政府が推進するEco-Car計画では、日産に続き、ホンダ、三菱、スズキが生産・販売を開始した。三菱とスズキはEco-Car生産のために新工場を建設し、2012年3月に稼働を開始。トヨタも新工場を建設して2013年央からEco-Carを生産・販売する。

 生産能力増強の動きでは、トヨタが2013年央時点でのタイにおける年産能力を67万台から76万台に引き上げる。日産は2014年に年産能力20万台の工場を新設し、年産能力の合計を42万台とする。いすゞはピックアップの生産工場を新設し、将来的にはピックアップの年産能力を40万台 (KD部品10万台分を含む) に増強する。

 中・大型商用車メーカーでは、日野自動車が2015年度に車両の年産能力を現行の2.5倍の3.3万台に引き上げる。Volvo Groupは2014年までに20億バーツを投じて、大型トラック・バスの年産能力を拡充する計画。

関連レポート:タイの日系部品メーカー (1) (2012年6月), (2) (2012年7月)

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