日本メーカーの2012年度計画:過去最高の2,425.6万台の販売を狙う

円高のため、売上高の回復は過去最高の85%、営業利益は60%の水準

2012/05/31

要 約

 

 日本メーカー各社は、2012年度は災害の影響から立ち直り、日本市場での補助金制度の復活、海外での拡販で強気の販売計画を立てている。10社合計の2012年度販売台数は2,425.6万台としており、前年比17.7%の大幅増を計画。過去最高(2007年度)の2,262.4万台を7.2%超える水準。特に、アジア等で販売を増やし、同22.6%増の1,052.6万台の販売を計画し、世界販売に占める割合は43.3%となる見込み(乗用車メーカー7社)。

メーカー別では、日産/ホンダ/スズキ/ダイハツ/富士重工/日野が過去最高の販売台数を計画。また、設備投資も積極化し、2012年度は10社合計で前年度比34.7%増の2兆5,370億円を計画し、日産/スズキ/マツダ/いすゞ/日野は過去最高水準まで高める。

  一方、10社合計の連結売上高は、前年度比16.9%増の52.9兆円を計画しているが、過去最高の62.2兆円と比べて約10兆円(15.1%)低い水準にとどまる。営業利益も、10社合計で同92.5%増の2.73兆円を想定しているが、円高のため過去最高と比べると約60%の水準。

 

関連レポート:日本メーカーの世界生産: 2012年1-2月は14.9%増の425.2万台 (2012年3月)

                 日本の新車販売:2012年は補助金/減税効果で501.6万台見通し(2012年1月)

日本メーカーの2012年度計画

 四輪車販売台数(千台)連結売上高(億円)営業利益(億円)
2011 年度決算2012 年度計画(参考) 2007 年度決算2011 年度決算2012 年度計画(参考) 2007 年度決算2011 年度決算2012 年度計画(参考) 2007 年度決算
トヨタ 7,352 8,700 8,913 185,837 220,000 262,892 3,556 10,000 22,704
日産 4,456 4,920 3,698 94,090 103,000 108,242 5,458 7,000 7,908
ホンダ 3,137 4,300 3,925 79,481 103,000 120,028 2,313 6,200 9,531
スズキ 2,560 2,811 2,406 25,122 26,000 35,024 1,193 1,200 1,494
マツダ 1,016 1,090 1,240 20,331 22,000 34,758 (387) 300 1,621
三菱 1,072 1,208 1,337 18,073 19,800 26,821 637 700 1,086
ダイハツ 940 1,001 945 16,313 16,700 17,026 1,155 1,200 652
富士重工 640 721 597 15,171 18,600 15,723 440 670 457
いすゞ 381 506 509 14,001 16,300 19,248 974 1,230 1,096
日野 129 153 112 13,146 14,800 13,686 375 470 459
10社合計 20,614 24,256 22,624 452,105 528,700 622,736 14,184 27,300 45,897
資料:各社の決算短信と決算発表資料
(注)
合計欄には、トヨタとダブルカウントになるダイハツと日野の連結数値を含まない。


連結販売台数:2012年度は過去最高の2,425.6万台を計画、アジアなどでの販売割合は43.3%へ

 日本メーカー10 社合計の2012年度連結販売は2,425.6万台と、2011年度実績に比べて17.7%の大幅増を計画。過去最高の2007年度の2,262.4万台をも7.2%超える水準。新車購入補助金制度が復活した国内では前年比7.6%増の486.5万台、海外では同20.5%増の1,939.0万台の販売を2012年度に計画している。

 メーカー別に見ると、日産/ホンダ/スズキ/ダイハツ/富士重工/日野が過去最高の販売台数を計画しており、日産は3年連続、日野は2年連続の更新を狙う。ホンダは、災害の影響で大きく販売が落ち込んだ2011年度と比較すると、100万台以上の販売増の430万台を計画している。トヨタは過去最高の891.3万台(2007年度)に迫る、870万台の販売を目指す。

 地域別に見ると(乗用車メーカー7社)、「アジア及びその他地域」で前年度比22.6%増の1,052.6万台の販売を計画している。世界販売に占める割合は43.3%となる見込みで、2008年度の34.7%から10%近く上昇。また、北米では2012年度に、前年比19.6%増の648.2万台を計画。

 2011年度の10社合計の販売台数は2,061.4万台と前年度と同数。東日本大震災/タイ洪水の影響で生産/販売に大きな影響を受けたものの、日本で新車購入補助金制度が2011年12月から復活したことや生産回復により、年度後半に販売が増加した。その中、日産は前年度比14.6%増の445.6万台、日野は前年度比18.9%増の12.9万台と過去最高記録をそれぞれ更新。

日本の自動車メーカー10社の四輪車連結販売台数

(千台)

  2007年度 2008年度 2009年度 2010年度 2011年度 2012年度
(計画)

四輪車
販売
台数

トヨタ 8,913 7,567 7,237 7,308 7,352 8,700
日産 3,698 3,138 3,159 3,888 4,456 4,920
ホンダ 3,925 3,517 3,392 3,512 3,137 4,300
スズキ 2,406 2,306 2,350 2,643 2,560 2,811
マツダ 1,240 1,116 963 1,100 1,016 1,090
三菱 1,337 1,011 805 1,098 1,072 1,208
ダイハツ 945 945 869 893 940 1,001
富士重工 597 555 563 657 640 721
いすゞ 509 401 288 408 381 506
日野 112 99 83 108 129 153
10社合計 22,624 19,611 18,757 20,614 20,614 24,256
四輪車
国内
販売
台数
トヨタ 2,188 1,945 2,163 1,913 2,071 2,200
日産 684 576 599 573 639 673
ホンダ 615 556 646 582 580 710
スズキ 673 665 622 588 596 639
マツダ 257 220 219 206 226 237
三菱 214 164 170 199 184 203
ダイハツ 571 587 568 527 563 605
富士重工 209 179 171 158 172 145
いすゞ 74 58 42 47 54 58
日野 46 35 27 29 37 39
10社合計 4,914 4,363 4,632 4,266 4,522 4,865
四輪車
海外
販売
台数
トヨタ 6,725 5,622 5,074 5,395 5,281 6,500
日産 3,013 2,562 2,560 3,315 3,817 4,247
ホンダ 3,310 2,961 2,746 2,930 2,557 3,590
スズキ 1,732 1,641 1,729 2,053 1,964 2,172
マツダ 983 896 744 894 790 853
三菱 1,123 847 635 899 888 1,005
ダイハツ 374 358 301 366 377 396
富士重工 388 377 392 499 468 575
いすゞ 435 343 246 361 327 448
日野 66 64 56 83 92 114
10社合計 17,709 15,248 14,126 16,346 16,092 19,390
資料:各社の決算短信と決算発表資料。
(注)1.
Daimler 子会社の三菱ふそう、Volvo 子会社のUDトラックスは、決算を開示していない。
2.
トヨタとホンダは米国会計基準。”三菱” は三菱自動車。
3.
10社合計には、 トヨタとダブルカウントになるダイハツと日野の連結数値を含まない(後出表も同じ) 。
4.
連結売上台数には、生産用部品台数を一部に含む。
5.
日産の2012 年度計画は、発表のグローバル販売台数計画の増減を11年度実績に加算した参考値。グローバ ル販売台数は小売ベースで、生産用部品として出荷し、持分法適用の在外会社で組立てた台数を含んでいる。
6. ホンダは2012年度より、売上台数の開示範囲を変更。従来は「(A) ホンダと連結子会社の販売台数」に「(B)持ち分法適用子会社への生産用部品販売台数」を加えた台数を開示してきたが、(A)のみを「連結販売台数」として2012年度より開示する。(A)と「持ち分法適用子会社の販売台数」を合わせたものを「グループ販売台数」として、新たに開示。上表は、2012年度計画より、「グループ販売台数」を掲載している。
7.
スズキの売上台数は OEM 供給車を含まないスズキブランド車の台数だが、国内売上には Chevrolet ブランド車を含む。2011年度の海外販売は一部、スズキによる予想値を含む。
8.
マツダの2010年度には、決算期を変更した海外子会社の15ヶ月決算の影響1.6万台を含む
9. 三菱自動車は2011年度より売上台数のカウント方法を変更し、新たな(卸売)売上台数にはOEM供給台数を含む。上表は2010年度より新カウント。旧カウントの2010年度売上台数は1,045千台(国内166千台、海外879千台)。

10.

ダイハツと日野の売上台数は自社ブランド車のみ (トヨタの台数には、ダイハツと日野を含んでいる)。
11. いすゞの2007年度には、海外連結子会社 8社の15ヶ月決算を含む (12ヶ月ベースの海外売上台数は 385千台)。

日本の乗用車自動車メーカー7社の地域別販売台数

(千台)

  トヨタ 日産 ホンダ スズキ マツダ 三菱 富士重工 7社合計
日本 2007年度 2,188 721 615 673 256 219 209 4,881
2008年度 1,945 612 556 665 219 168 179 4,344
2009年度 2,163 630 646 622 221 171 171 4,624
2010年度 1,913 600 582 588 206 164 158 4,211
2011年度 2,071 655 580 596 206 152 172 4,432
2012年度
(計画)
2,200 690 710 639 225 167 145 4,776
北米 2007年度 2,958 1,352 1,850 n.a. 406 160 210 n.a.
2008年度 2,212 1,133 1,496 85 347 119 207 5,599
2009年度 2,098 1,067 1,297 41 307 88 250 5,148
2010年度 2,031 1,245 1,458 33 342 94 307 5,510
2011年度 1,872 1,404 1,323 32 372 106 309 5,418
2012年度
(計画)
2,350 1,520 1,740 33 390 93 356 6,482
欧州 2007年度 1,284 636 391 n.a. 327 341 86 n.a.
2008年度 1,062 530 350 302 322 272 78 2,916
2009年度 858 517 249 281 239 169 39 2,352
2010年度 796 607 198 244 212 218 60 2,335
2011年度 798 713 158 223 183 218 55 2,348
2012年度
(計画)
860 720 230 227 185 221 82 2,525
アジア
及び
その他
地域
2007年度 2,483 1,061 1,069 n.a. 374 640 92 n.a.
2008年度 2,348 1,136 1,115 1,253 373 507 92 6,824
2009年度 2,118 1,301 1,200 1,407 426 532 103 7,087
2010年度 2,568 1,733 1,274 1,778 513 511 132 8,509
2011年度 2,611 2,073 1,076 1,710 486 525 104 8,585
2012年度
(計画)
3,290 2,420 1,620 1,912 540 607 137 10,526
合計 2007年度 8,913 3,770 3,925 2,406 1,363 1,360 597 22,334
2008年度 7,567 3,411 3,517 2,305 1,261 1,066 555 19,682
2009年度 7,237 3,515 3,392 2,350 1,193 960 563 19,210
2010年度 7,308 4,185 3,512 2,643 1,273 987 657 20,565
2011年度 7,352 4,845 3,137 2,560 1,247 1,001 640 20,782
2012年度
(計画)
8,700 5,350 4,300 2,811 1,340 1,088 721 24,310
資料:各社の決算短信と決算発表資料。
(注)1.
トヨタ、スズキ、富士重工は連結売上台数ベース。
2.
日産は、グローバル販売台数 (生産用部品として出荷され、在外持分法適用会社で組立した車両を含む)。
3.
ホンダは、2011年度までは売上台数ベース、2012年度(計画)からグループ販売台数ベース。
4.
マツダは、グローバル販売台数 (マツダブランドで販売される小売台数の全て)。
5. 三菱自動車は小売ベース(2010年度実績より新カウント方式を採用)。

 



売上高:前年度比16.9%増の52.9兆円を計画も、過去最高の85%水準

 2012年度、日本自動車メーカー10社合計の連結売上高は、前年度比16.9%増の52.9兆円を計画。販売台数が過去最高更新を計画するのに対して、売上高は過去最高の62.3兆円と比べて約10兆円(15.1%)低い水準にとどまる。

 メーカー別では、富士重工/日野は売上高でも過去最高の更新を目指し、それぞれ前年度比22.6%増の1.86兆円、同12.6%増の1.48兆円を計画。一方、トヨタは前年度比18.4%増の22.0兆円の売上を計画するが、過去最高と比べると4.3兆円低い水準。日産とホンダはともに10.3兆円の売上を計画。

 また、2011年度の日本メーカー10社合計の連結売上高は前年度比2.7%減の45.2兆円。減少幅が大きいのはマツダ(12.6%減)、ホンダ(11.1%減)。売上高が増加したのは、日産(7.2%増)、日野(5.8%増)、ダイハツ(4.6%増)。

日本の自動車メーカー10社の連結売上高

(億円)

  2007年度 2008年度 2009年度 2010年度 2011年度 2012年度
(計画)
売上高 トヨタ 262,892 205,296 189,509 189,937 185,837 220,000
日産 108,242 84,370 75,173 87,731 94,090 103,000
ホンダ 120,028 100,112 85,792 89,368 79,481 103,000
スズキ 35,024 30,049 24,691 26,082 25,122 26,000
マツダ 34,758 25,359 21,639 23,257 20,331 22,000
三菱 26,821 19,736 14,456 18,285 18,073 19,800
ダイハツ 17,026 16,314 15,747 15,594 16,313 16,700
富士重工 15,723 14,458 14,287 15,806 15,171 18,600
いすゞ 19,248 14,247 10,809 14,155 14,001 16,300
日野 13,686 10,695 10,235 12,427 13,146 14,800
10社合計 622,738 493,626 436,356 464,621 452,105 528,700
国内
売上高
トヨタ 61,362 54,218 57,291 53,250 56,621  
日産 21,878 20,383 18,032 18,694 19,466  
ホンダ 15,858 14,465 15,773 15,038 15,179  
スズキ 9,814 9,656 9,526 9,374 9,868 10,000
マツダ 8,801 6,203 5,750 5,415 5,602 5,580
三菱 4,885 3,984 3,685 3,633 3,571 4,000
ダイハツ 11,771 11,913 11,296 10,567 11,303 11,300
富士重工 5,440 5,075 5,208 4,673 4,985 6,278
いすゞ 6,547 5,338 4,330 4,986 5,584 5,900
日野 9,246 6,944 6,754 8,455 8,926  
10社合計 134,586 119,322 119,595 115,063 120,877  
海外
売上高
トヨタ 201,530 151,078 132,218 136,687 129,215  
日産 86,364 63,987 57,141 69,037 74,624  
ホンダ 104,171 85,647 70,019 74,330 64,302  
スズキ 25,210 20,393 15,165 16,708 15,254 16,000
マツダ 25,957 19,156 15,889 17,842 14,729 16,420
三菱 21,936 15,752 10,771 14,652 14,502 15,800
ダイハツ 5,255 4,401 4,452 5,027 5,011 5,400
富士重工 10,284 9,383 9,079 11,132 10,186 12,322
いすゞ 12,701 8,909 6,479 9,170 8,417 10,400
日野 4,440 3,751 3,481 3,972 4,220  
10社合計 488,153 374,304 316,761 349,558 331,228  
資料:各社の決算短信と決算発表資料。
(注)

国内売上高/海外売上高は、外部顧客の所在地別売上高を示している。空欄は各社発表がないことを意味する(後出表も同じ) 。

 



利益:営業利益は前年度比92.5%増の2.73兆円を計画も、過去最高の60%の水準

 2012年度、各社は増益(黒字転換)を計画しており、10社合計の営業利益は前年度比92.5%増の2.73兆円を想定。2007年度の過去最高と比べると約60%の水準。また、経常利益は10社合計で同88.6%増の2.87兆円、純利益は99.1%増の1.86兆円を計画している。

 トヨタは、2011年度比2.8倍の営業利益1兆円を計画し、5年ぶりの1兆円台を目指す。また、ホンダも同2.7倍の6,200億円の営業黒字を計画。2011年度に3つの利益項目で赤字を計上したマツダは2012年度はこの3つ項目で黒字転換を計画している。

 また、日本メーカーの2012年度の想定ドルレートは1ドル=80円でほぼ横並びであるが、日産が82円とやや円安を想定。一方、スズキは75円、三菱は78円とやや円高を想定している。

 なお、2011年度の10社合計の営業利益は前年度比26.1%減の1.42兆円。トヨタ、ホンダ、マツダ、富士重工の減益/赤字転落が影響。日産は同1.5%増の5,458億円の営業利益を計上し、日本メーカーで首位となった。またマツダは、4年連続の最終赤字を計上し、赤字幅は1,077億円と4年間で最大。

日本の自動車メーカー10社の連結営業利益/経常利益/純利益

(億円)

  2007年度 2008年度 2009年度 2010年度 2011年度 2012年度
(計画)
営業利益 トヨタ 22,704 (4,610) 1,475 4,682 3,556 10,000
日産 7,908 (1,379) 3,116 5,375 5,458 7,000
ホンダ 9,531 1,896 3,637 5,697 2,313 6,200
スズキ 1,494 769 794 1,069 1,193 1,200
マツダ 1,621 (284) 95 238 (387) 300
三菱 1,086 39 139 403 637 700
ダイハツ 652 382 407 1,034 1,155 1,200
富士重工 457 (58) 274 841 440 670
いすゞ 1,096 217 110 882 974 1,230
日野 459 (194) 11 289 375 470
10社合計 45,897 (3,410) 9,640 19,187 14,184 27,300
経常利益 トヨタ 24,372 (5,604) 2,914 5,632 4,328 11,600
日産 7,664 (1,727) 2,077 5,378 5,351 6,800
ホンダ 8,958 1,617 3,361 6,305 2,574 6,350
スズキ 1,569 797 938 1,225 1,306 1,350
マツダ 1,485 (187) 46 369 (368) 150
三菱 857 (149) 130 389 609 520
ダイハツ 666 395 438 1,122 1,282 1,300
富士重工 454 (46) 224 822 373 630
いすゞ 1,223 152 114 913 1,029 1,270
日野 410 (304) (19) 251 346 450
10社合計 46,583 (5,147) 9,804 21,033 15,202 28,670
純利益 トヨタ 17,179 (4,369) 2,094 4,081 2,835 7,600
日産 4,823 (2,337) 424 3,192 3,414 4,000
ホンダ 6,000 1,370 2,684 5,340 2,114 4,700
スズキ 803 274 289 452 539 700
マツダ 918 (715) (65) (600) (1,077) 100
三菱 347 (549) 48 156 239 250
ダイハツ 349 221 212 526 651 700
富士重工 185 (699) (165) 503 385 480
いすゞ 760 (269) 84 516 913 810
日野 222 (618) (30) (100) 163 280
10社合計 31,015 (7,294) 5,393 13,640 9,362 18,640
資料:各社の決算短信と決算発表資料。
(注)1.
米国会計基準を採用しているトヨタとホンダの経常利益欄は、税引前当期利益。
2.
日産は2011年度に災害による損失として、東日本大震災関連211.3億円、タイ洪水関連87.4億円を特別損失に計上。
3.
ホンダは、タイ洪水による損失を234.2億円と発表し、連結損益計算書の売上原価に106.8億円、販売費及び一般管理費に127.4億円計上。
4. スズキは災害対策特別繰入額(静岡県磐田市竜洋地区拠点の再配置等)として、2011年度に180.65億円を特別損失に計上。
5. マツダは2011年度に、災害による損失37.31億円、構造改善費用40.79億円を特別損失に,計上。
6.
三菱自動車は災害による損失を、2011年度に15.25億円を特別損失に計上。
7. ダイハツは災害損失として、2011年度決算に22.60億円を特別損失に計上。
8.
富士重工は2011年度に災害による損失として、73.52億円を特別損失に計上し、本社ビル及び敷地の売却益として261億円を特別利益に計上した。
9.
いすゞは、災害による特別損失として2011年度に17.41億円(東日本大震災分5.13億円、タイ洪水分12.27億円)を計上。
10.
日野自動車は災害による損失として、2011年度に61億円を特別損失に計上。

日本の自動車メーカー10社の為替レート(実績と想定)

(円)

  2007年度 2008年度 2009年度 2010年度 2011 年度 2012年度
(想定)
ドル トヨタ 114 101 93 86 79 80
日産 114.4 100.7 92.9 85.7 79.1 82.0
ホンダ 114 101 93 86 79 80
スズキ 114 101 93 86 79 75
マツダ 114 101 93 86 79 80
三菱 115 101 92 85 79 78
ダイハツ 114 101 92 85 80 80
富士重工 116 102 93 86 79 80
いすゞ 115 101 91 85 79 80
日野 114 101 93 86 79 80
平均 114.4 101.1 92.6 85.7 79.1 79.5
ユーロ トヨタ 162 144 131 113 109 105
日産 161.6 144.1 131.2 113.1 109.0 105.0
ホンダ 162 142 130 114 108 105
スズキ 160 144 131 113 109 105
マツダ 162 144 131 113 109 105
三菱 162 144 130 113 111 103
ダイハツ 161 152 131 110 109 100
富士重工   147 132 114 108 105
いすゞ            
日野            
平均 161.5 145.1 130.9 112.9 109.0 104.1

(注) 複数レートを発表している場合は、売上レートを掲載。

 



営業利益の増益要因:売上増加・原価低減で約2兆円の増益を確保、為替変動の影響はほとんど無い見込み

  10社合計の、2012年度の営業利益の見通しと2011年度実績との差異は、1兆3,115億円の増。増益要因は「売上変動」の1兆4,036億円と「原価低減等」の6,698億円。減益要因は「経費・研究開発費など(の増加)」の6,039億円がほとんどを占めている。近年大きな減益要因となっていた為替変動の影響は、10社合計で12億円の減益要因となるのみ。

 10社合計の営業利益を、過去最高を記録した2007年度と2012年度計画を比較すると1兆8,597億円の減益。減益要因は、「為替変動の影響」が3兆7,863億円を占め、「売上変動」の4,421億円、「経費・研究開発費など(の増加)」の3,447億円が続く。増益要因は「原価低減等」が2兆2,008億円、「その他」が5,126億円。

日本の自動車メーカーの営業利益増減要因

(億円)

  2007年度 2008年度 2009年度 2010年度 2011年度 2012年度
(計画)
トヨタ 営業利益 22,704 (4,610) 1,475 4,682 3,556 10,000
営業利益増減 317 (27,314) 6,085 3,207 (1,126) 6,444
営業面/販売面 2,900 (14,800) (3,700) 4,900 1,500 5,500
原価改善 1,200 0 5,200 1,800 1,500 2,400
金融事業     2,700    
為替変動の影響 0 (7,600) (3,200) (2,900) (2,500) 0
諸経費 (3,302) (4,791) 4,700 (300) (1,000) (1,456)
(内)研究開発費 (681) 548 1,787 (250) (500)
(内)設備関連費用等 (997) (904) 378 1,200 300
(内)労務費 (602) 1,088 627 (400) (1,000)
(内)その他 (1,022) (5,523) 1,908 (850) 200
その他 (481) (122) 385 (293) (626)
日産
(注1)
営業利益 7,908 (1,379) 3,116 5,375 5,458 7,000
営業利益増減 353 (9,287) 4,495 2,259 83 1,542
為替変動の影響 (162) (2,230) (1,625) (1,475) (1,700) 400
販売台数・構成 750 (5,252) 269 4,331 2,236 1,750
購買コスト等 882 (1,342) 2,154 1,058 845 1,800
販売金融       295 498 (170)
リース損失引当金   (918) 1,417      
研究開発費 (15)   645 (185) (331)  
販売費 (381)   271 (1,915) (1,513) (1,250)
その他 (721) 455 1,364 150 48 (988)
ホンダ 営業利益 9,531 1,896 3,637 5,697 2,313 6,200
営業利益増減 1,012 (7,634) 1,741 2,060 (3,384) 3,886
売上変動/構成差等 1,700 (2,477) (2,465) 3,222 (1,551) 4,768
為替変動の影響 376 (2,695) (1,675) (1,376) (1,140) 0
コストダウン効果等 115 (1,825) 674 1,533 (928) 1,520
研究開発費 (361) 247 998 (242) (322) (352)
販管費 (818) (883) 4,209 (620) 558 (2,050)
震災の影響       (457)
スズキ(注2) 営業利益 1,494 769 794 1,069 1,193 1,200
営業利益増減 165 (725) 25 275 124 7
売上・構成変化等 408 (1,422) (696) 253 (542) 327
為替変動の影響 225 (707) (469) (283) (289) (250)
原価低減 284 201 172 355 226 270
減価償却費 (117) 204 (6) 34 353 (140)
研究開発費 (166) (63) 62 47 (57) (50)
諸経費等 (469) 1,062 962 (131) 433 (150)
マツダ 営業利益 1,621 (284) 95 238 (387) 300
営業利益増減 36 (1,905) 379 143 (625) 687
台数・車種構成 80 (865) (606) 357 (363) 427
為替変動の影響 234 (1,020) (765) (437) (376) 32
商品力向上 (133) (190)        
コスト削減 158 440 680 112 56 321
原材料市況   (440)        
販売費用 (42) 65 227 (56) (27) (55)
その他 (261) 105 843 167 85 (38)
三菱 営業利益 1,086 39 139 403 637 700
営業利益増減 684 (1,047) 100 264 234 63
台数/車種構成 543 (720) (856) 533 168 430
為替変動の影響 146 (761) (418) (342) (105) (220)
コスト低減等 154 365 544 211 272 220
原材料高騰の影響   (317)        
その他   335 578 (86) (106) (217)
販売費用 (64) 174 252 (51) 5 (150)
米国販売金融事業 (95) (123)    
ダイハツ(注3) 営業利益 652 381 407 1,034 1,154 1,200
営業利益増減 109 (271) 26 627 120 46
売上/車種構成 190 113 (258) 224 237 180
為替変動の影響 39 (80) (79) (17) (39) 0
原価低減 106 105 123 150 78 35
販売関係費       (37)
諸経費等 (227) (408) 239 306 (156) (169)
富士
重工
(注4)
営業利益 457 (58) 274 841 440 670
営業利益増減 (22) (515) 332 567 (401) 230
売上構成差 (8) 3 87 831 12 514
為替変動の影響 10 (435) (304) (356) (420) 31
原価低減等 70 (32) 260 89 (22) 211
試験研究費 (13) 92 57 (57) (52) (49)
諸経費 (81) (143) 232 61 80 (477)
いすゞ 営業利益 1,096 217 110 882 974 1,230
営業利益増減 26 (879) (107) 772 92 256
売上変動/構成差 (113) (800) (807) 705 58 320
為替変動の影響 34 (156) (23) (24) (45) (5)
経済変動 (82) (273) 181 (98) (74) 0
合理化 172 190 130 177 112 80
費用圧縮他     412 12 92 (124)
前年度影響(震災操業損など)         (51) (15)
採算改善他 76 344    
設備・研究開発関連 (137) (108)    
子会社決算期変更 76 (76)    
日野 営業利益 459 (194) 11 289 375 470
営業利益増減 92 (653) 205 278 86 95
販売面の影響 82 (330) 231 337 360 290
経営環境面の変化 (36) (366) (70) (111) (308) (125)
原価改善 190 163 199 187 186 180
原価変動等 (144) (120) 190 (135) (152) (250)
売り上げ(台数)の変化     (345)  
10社
合計
営業利益 45,897 (3,410) 9,640 19,187 14,184 27,300
営業利益増減 2,571 (49,306) 13,050 9,547 (5,003) 13,115
売上変動 6,260 (26,333) (8,774) 15,132 1,518 14,036
為替変動の影響 863 (15,604) (8,479) (7,193) (6,575) (12)
原価削減等 3,111 (2,416) 10,226 5,347 2,153 6,698
経費・研究開発費など (5,849) (4,348) 12,615 (3,449) (2,226) (6,039)
その他 (1,814) (605) 7,462 (290) 127 (1,568)
資料:各社の決算短信と決算発表資料。
(注)1.
日産の「購買コスト等」には、原材料・エネルギーコストを含む。
2.
スズキの「売上・構成変化等」には原材料影響を含む。
3.
ダイハツの「諸経費等」には減価償却費を含む。
4.

富士重工の「原価低減等」には原材料高騰影響を含む。。

 



設備投資は35%増加の2.5兆円を計画し、日産/スズキ/マツダが過去最高水準

  2012年度の10社合計の設備投資計画は、前年度比34.7%増の2兆5,370億円であり、4年ぶりに2兆円を超える水準。日産/スズキ/マツダ/いすゞ/日野の各社は過去最高水準の設備投資を計画。一方、トヨタは前年度比16.0%増の8,200億円の設備投資を計画しているものの、ピーク時の半分程度の水準。

また、10社合計の研究開発費の計画は同7.4%増の2兆2,460億円となり、日産/スズキ/日野が過去最高水準を計画している。

日本の自動車メーカー10社の連結設備投資・減価償却費・研究開発費

(億円)

  2007年度 2008年度 2009年度 2010年度 2011年度 2012年度
(計画)
設備投資 トヨタ 14,802 13,025 5,790 6,423 7,067 8,200
日産 4,289 3,836 2,736 3,120 4,064 5,500
ホンダ 6,540 5,991 3,297 3,113 4,065 5,800
スズキ 2,436 2,162 1,312 1,303 1,267 2,500
マツダ 755 818 298 447 780 900
三菱 567 719 471 525 710 1,090
ダイハツ 1,117 767 367 406 693 880
富士重工 563 580 561 431 543 720
いすゞ 506 667 257 294 333 660
日野 437 584 285 300 429 730
10社合計 30,458 27,798 14,722 15,656 18,829 25,370
減価償却費 トヨタ 10,424 10,721 10,320 8,123 7,329 7,300
日産 3,709 4,212 3,633 3,721 3,344 3,600
ホンダ 4,173 4,082 3,666 3,252 2,937 2,850
スズキ 1,616 1,412 1,418 1,384 1,031 1,170
マツダ 665 752 764 716 688 630
三菱 719 790 690 627 534 670
ダイハツ 665 837 729 637 611 620
富士重工 655 651 571 498 537 600
いすゞ 415 396 395 364 360 350
日野 442 475 452 457 435 420
10社合計 22,376 23,016 21,457 18,685 16,760 17,170
研究開発費 トヨタ 9,588 9,040 7,253 7,303 7,798 8,100
日産 4,575 4,555 3,855 3,993 4,280 4,850
ホンダ 5,879 5,631 4,633 4,875 5,198 5,550
スズキ 1,087 1,150 1,088 1,041 1,098 1,150
マツダ 1,144 960 852 910 917 960
三菱 776 640 444 494 550 690
ダイハツ 442 442 437 382 338 370
富士重工 520 428 372 429 481 530
いすゞ 603 677 552 586 588 630
日野 395 409 381 411 404 420
10社合計 24,172 23,081 19,049 19,631 20,910 22,460
資料:各社の決算短信と決算発表資料。
(注)

日産の設備投資と減価償却は、08年度からファイナンスリース関連を含む。

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