インドの日系部品メーカー:生産拠点の構築/拡充

NTN/アドバネクス/鬼怒川ゴム工業/三光合成/積水化学/日鍛バルブ等が新拠点構築

2011/12/28

要 約

以下は、インドにおける日系自動車部品メーカーの最近動向である (2012年10月までの約 1年半の間の動向)。スズキ/トヨタの生産拡大計画に対応して、部品メーカーの生産拠点の構築と拡充、増資等が進むなか、マーケティングや開発などの拠点も現地化の流れにある。



NTNはトヨタ向け、日鍛バルブはホンダ向け、デンソーはスズキおよびトヨタ向けに新拠点構築

日系部品メーカーによるインド生産拠点の新たな構築の動きは、トヨタやRenault-日産の工場があるインド南部 (Bangalore 市, Chennai 市など)、スズキの工場があるインド北部 (Rajasthan 州 Uttar Pradesh 州, Haryana 州など) に見られる。
南部では、NTNが等速ジョイントとハブベアリング、アドバネクスが精密ばね、河西工業が内装用樹脂部品、ヨロズがサスペンション部品の生産拠点を構築。北部ではシロキ工業がウィンドレギュレーター、リケンがピストンリングとバイブレーターの工場を新設する。

 

日系自動車部品メーカー:インド生産拠点の構築

2011年10月中旬までの約 1年半の間の動向。配列は企業名 50音順。

NTN:南部に生産拠点を新設、等速ジョイント、ハブベアリングを製造
NTNのインド子会社 NTN NEI Manufacturing India は、Chennai市近郊に新設する等速ジョイントおよび第3世代ハブベアリング工場の着工を行ったと、2011年2月に発表した。当初の投資額は数億円と見られ、2012年4月から量産を開始する。トヨタ自動車、Fordなど、南部の日系・欧米系メーカーに供給する。 同社は、 インド事業の売上高を、40億円(2010年)から2015年度に200億円に拡大する計画。
TBK:合弁会社を子会社化、工場新設も
TBKは、インドのウォーターポンプ・オイルポンプを生産する合弁会社TBK India Private Limitedのグループ出資比率を49%から80%に拡大し、子会社化したと2011年9月に発表した。資本金額は1億ルピー。 また、同社はMaharashtra州に工場を新設する。総工費は5億ルピーで、2012年3月完成予定。
THK:自動車関連部品の新工場を建設
THKは、自動車関連部品の工場をインドに新設する。2013年末までに稼働させる方針(2011年1月報道)。 同社は自動車向けにサスペンションに使われるリンクボールを生産している。
芦森工業:インド子会社でスズキ向けシートベルト量産
芦森工業は、インド工場(Ashimori India Private Limited, Rajasthan州)でシートベルトの生産を2011年6月に開始した。投資額は12~13億円。当初は運転席・助手席用のみで稼働させ、2011年12月以降は後部座席用を含め月産6万セットを生産する。供給先はMaruti Suzukiなど。 同工場では、エアバッグも生産する方針。インドではエアバッグが数年内に搭載義務化になると言われ、それに合わせて再度設備投資を行う。
アドバネクス:精密ばね工場を新設
アドバネクスは、精密ばね工場を新設する。Chennai市にある駐在員事務所で現地の市場調査をしたのち、2012年中に工場を着工する方針。 投資額は5,000万~1億円で、初年度の売上げ見込みは1~2億円。将来的には数十億円の売上げを目指す。
アルファ:新工場設立、ドアハンドル骨格部品など生産へ
アルファは、インド子会社Alpha Security Instruments (India) Private Limited(Chennai市)を2011年3月に設立し、工場を新設する。2012年に稼働予定。報道によれば、総投資額は約30億円で、ドアハンドル骨格部品を年5万台分生産する。現地の材料を用いた低価格部品を同社の九州工場へ輸出するのが主な目的だが、将来的には日系メーカーの現地法人にも供給する。 2016年までにインド事業の売上高を全体の25%まで拡大する。
市光工業:インド大手Fiemと合弁会社設立
市光工業は、インドの大手ランプ・ミラーメーカーFiem Industry Ltd.(New Delhi市)と合弁会社設立の基本合意書を締結すると2010年10月に発表した。設立時の株式保有比率はFiemが34%で、残りを同社と、同社の筆頭株主であるValeoが出資する。インド北部にValeoが工場を新設し、2013年にもランプ・ミラーなどを生産、日産など現地完成車メーカーに供給する。
市光は2005年よりFiemへの技術支援を開始、2009年より資本・業務提携をしている。Fiemとの協業により、2014年度にはアジア地域の売上高を200億円とする目標。
河西工業:Groupo Antlinと相互補完契約、インドに新工場設立へ
河西工業は、スペインの自動車部品大手Grupo Antlin(GA)と提携し、インドで生産を行うことを検討している(2011年5月時点)。Chennai市にあるGA拠点敷地内に同社が内装用樹脂部品の新工場を建設する。現在韓国企業へ委託している部品生産を内製に切り替える。 投資額は、GAとの提携により通常の6割程度になる見込み。
ケーヒン:製販子会社を新設
ケーヒンはGurgaon市近郊にKeihin Automotive Systems India Pvt.Ltd.を2011年8月に設立。2輪車・4輪車部品を生産・販売する。資本金は2億ルピーで、ケーヒンが70%、アジア統括会社が30%を出資する。 同社にとって、インドでの3拠点目となる。
光生アルミ:2012年にアルミホイールの合弁工場を稼働
光生アルミニューム工業は、現地部品メーカーのNK MINDA Groupと合弁で、Chennai市にアルミニウムホイール工場を新設する。2011年に新会社(KOSEI MINDA ALUMINUM CO.,Ltd.)を設立し、2012年に工場を稼働させる。資本金は約10億円で、光生アルミグループが60%、NK MINDAが40%を出資する。稼働開始後は、2014年までに約17億円を投資し、生産能力を月5万個に引き上げる。
シーシーアイ:2013年までにクーラント液工場新設、現地生産へ
シーシーアイは、インドにクーラント液・ブレーキ液の工場を2013年までに設置する(2011年8月報道)。それまで現地企業を通して供給していたが、日系メーカーの需要増への対応とコスト削減のため現地生産に切り替える。建設地、生産能力等は未定。投資額は、ブラジル・中国の工場と合わせて計30億円。
シロキ工業:内装部品の新工場設立
シロキ工業は、出資先Technico Industries, Ltd.(Gurgaon市)を通じ、内装部品の新工場を2010年12月に稼働開始した。トヨタEtios、Multi SuzukiのSwiftなどに向けてウィンドレギュレーターなどを供給する。投資額は約1億円。 同社はTechnicoと技術提携を結び、2007年に資本参加。以後段階的に出資比率を上げており、2010年10月には27%となっている。
積水化学:射出成型部品製造会社を合弁で設立
積水化学は、インドDipty Lal Judge Mal Pvt. Ltd.と合弁でSekisui DLJM Molding Pvt. Ltd.を2011年8月に設立した。資本金は100万ルピーで、積水化学の出資比率は51%。新会社は、Uttar Pradesh州とRajasthan州に生産拠点を設立。当面は2輪車用部品を生産しつつ、2年後をめどに内装部品やバンパーなど4輪車用射出成型品を製造する。2013年には売上高30億円を目指す。
デンソー:インド事業を強化、新工場建設も視野
デンソーは、Maruti Suzukiとトヨタの動きに対応し、現地にある2工場(DENSO Haryana Pvt. Ltd.(Haryana州), DENSO Kirloskar Industries Pvt. Ltd.(Karnataka州))の生産能力増強や、新工場設立を検討する。(2011年1月報道)
東海ゴム工業:防振ゴム工場を新設、2012年から生産開始
東海ゴムは、現地子会社(TOKAI Rubber Auto-parts India Pvt. Ltd., Karnataka州)を通じ、Bangalore近郊に防振ゴム工場を新設した。投資額は7億ルピーで、2011年8月に完成。2012年1月に本格的に生産を開始する予定で、2015年度には約12億円の売上を見込む。 同社は現在、インドでの生産をリース工場で行っているが、供給先のトヨタの増産に合わせ、自社工場での生産に切り替える。
ニチリン:ホース事業でインドに進出、事務所開設へ
ニチリンは、2010年10月にNew Delhi近郊にホース事業の事務所(NICHIRIN Autoparts India Pvt., Ltd.)を開設した。現地で市場調査やPR活動を行い、ベトナムからインドへの供給を計画。
ニッキ:気化器・エンジン用燃料供給装置などの製販子会社を設立
ニッキは、気化器・エンジン用燃料供給装置などの製販子会社(Nikki India, Tamil Nadu州)を2011年7月に設立した。資本金は約2億円で、75%をニッキが出資し、25%をニッキの開発子会社が出資する。2011年内に生産開始する予定(2011年6月報道) 。
日鍛バルブEatonと共同でエンジンバルブ工場を新設
日鍛バルブは、筆頭株主Eatonと合弁でエンジンバルブの工場を新設する。2014年をめどに建設し、年産能力は2,000万本、投資額は数億円と見られている。建設地、出資比率などは未定(2011年5月報道)。 また、その前段階として、エンジンバルブの生産ラインをEatonの現地工場内に新設する。2012年に稼働し、生産能力は月産20万本。投資額は約1億円。
ニッパツ:第2工場新設、コイルばね、スタビライザなどを生産
ニッパツは、子会社NHK Spring India Ltd.を通じ、コイルばね・スタビライザ工場の新設を行うと2011年8月に発表した。
工場はChennai近郊に建設し、2014年にコイルばね、2015年にスタビライザをそれぞれ生産開始する。生産能力はコイルばねが年産330万本、スタビライザが年産150万本。投資額は約13億円。
ニッパツは、現行工場(NHK Spring India Ltd., Manesar)の生産能力増強を行うと2011年8月に発表した。約3億円を投資してコイルばね生産ラインを新設し、生産能力を570万本から830万本に引き上げる。
今仙電機:シートアジャスタを部品加工から一貫生産
今仙電機は、2010年4月に稼働したシートアジャスタ工場(Imasen Manufacturing India Pvt. Ltd., Rajasthan州)について、2010年にプレス・溶接設備を導入。部品加工から一貫生産することで、物流効率化と生産能力増強を狙う。ホンダや日産などに供給し、2012年度に売上高17億円を目指す(2010年7月報道) 。
ニフコ:2子会社を同時設立
ニフコは、北部と南部に単独出資の子会社を2010年7月に設立した。樹脂ファスナーなどを生産し、日系・韓国系メーカーに供給する。 北部拠点(Nifco India Pvt. Ltd., Haryana州)は資本金約5億7000万円で、南部拠点(Nifco South India Manufacturing Pvt. Ltd., Chennai市)は資本金約7,700万円。
日本精工:電動パワーステアリング事業を強化、新工場建設も
日本精工は、2010年12月、現地部品メーカーRane Groupとのステアリング合弁会社(Rane NSK Steering Systems)の出資比率を50%から51%に引き上げた。同国でのステアリング事業の拡大を狙う。また、同社は 電動パワーステアリングの工場を新設する計画。建設地はムルバイが有力で、2012年度までに稼働させる。
日本ピストンリング:バルブシート製造子会社を設立、2013年に製造開始
日本ピストンリングは、Chennai市にバルブシート製造子会社(NPR Manufacturing India Pvt. Ltd.)を2011年12月に設立すると同年9月に発表。資本金は6億ルピーで、同社が99%、子会社の日ピス福島製造所が1%を出資する。 約18億円を投資して工場を建設し、2013年1月の稼働開始を目指す。生産能力は月300万個。現在タイから輸送されている部品を現地生産しコストを削減する狙い。
ハイレックス:コントロールケーブル第2工場を稼働開始
ハイレックスコーポレーションは、Haryana州にコントロールケーブルを生産する第2工場(HI-LEX INDIA Pvt. Ltd., Manesar市)を新設し、2010年7月に稼働開始した。投資額は約5.6億円で、生産能力は月約150万本。同工場は当初2008年稼働を予定していたが、見合わせていた。
バンドー化学:新工場を設立、ベルトなどを生産
バンドー化学の現地子会社Bando (India) Pvt. Ltd.は、2011年3月、Bangaloreにベルト工場の建設を開始した。2013年に生産開始予定で、総投資額は約20億円。インドでの生産能力は既存工場と合わせ年700万本となる。
ブリヂストン:トラック・バス用タイヤ生産ラインが稼働開始、第2工場新設も
ブリヂストンは、Indore工場でトラック・バス用タイヤの生産ラインを2011年6月に稼働させた。投資額は約33億円で、生産能力は日産200本。2012年上期には同400本に引き上げる。トラック・バス用タイヤは従来日本などから輸入していたが、現地生産に切り替える。
同社は、現地子会社BRIDGESTONE INDIAを通じ、乗用車用およびトラック・バス用タイヤの工場をPune市に新設。投資額は500億円で、乗用車用タイヤを2013年1月から、トラック・バス用タイヤを2013年8月から生産開始する計画。生産能力は乗用車用が日産約1万本、トラック・バス用が約3000本となる見込み。
丸紅オートモーティブ:CNG車用関連部品をインドで生産
丸紅オートモーティブは、圧縮天然ガス(CNG)車用関連部品の生産を行う。日系部品メーカーと合弁で現地に新会社を設立する。生産拠点は既存工場の買収か新設を行い、2012年度の事業化を目指す。投資額は20~30億円となる見込み(2011年7月報道)。
インドでは、燃費の良さからCNG車の需要が高まっており、Maruti SuzukiやTataなども製品展開をしている。
CNG車市場は、日本で2010年に4万台にとどまるのにたいし、インドでは2010年に110万台、2015年に500万台、2020年に580万台に拡大すると予想されている。
三ツ星ベルト:伝動ベルト工場新設、2012年にも稼働
三ツ星ベルトは、現地法人MITSUBOSHI BELTING-INDIA Pvt. Ltd.を通じ、Maharashtra州に伝動ベルト工場を新設すると2011年7月に発表。2012年に稼働を開始し、5年後に5~10億円の売上を目指す。供給先は、欧米や日系メーカーのほか、現地メーカーも視野に入れている。
武蔵精密工業:新工場を建設し2013年度に稼働、営業・購買の子会社も設立
武蔵精密工業は、全額出資子会社(Musashi Auto Parts India Pvt. Ltd., Haryana州)を通じ、Bangalore市にミッションギアなどを生産する工場を新設すると、2011年10月に発表。投資額は約39億円。2012年をめどに生産を開始し、ミッションギアやカムシャフトなどを年180万台分生産できる体制にする。当面は2輪車用の工場として活用するが、将来的には4輪用部品も生産したい考え。
武蔵精密工業は、Gurgaon市に営業・購買を担当する全額出資子会社MUSASHI INDIA Pvt. Ltd.を設立する。2011年11月に設立し、12月より業務を開始。資本金は2,000万ルピー。
山下ゴム:インド工場を建設
山下ゴムは、現地に製造・販売子会社Y-TEC INDIAを2011年10月に設立し、防振ゴム工場(Rajasthan州)を新設する(2011年12月報道)。総投資額は20億円で、2012年1月に着工、2013年4月の稼働を目指す。Maruti Suzukiやホンダに製品を供給し、売上高は2013年度に20億円、2014年度に25億円を見込む。製造コストの削減や円高対策が狙い。
ヨロズ:サスペンション部品の工場を新設
ヨロズは、現地に合弁会社Yorozu JBM Automotive Tamil Nadu Pvt. Ltd.を設立し、2011年12月からChennai市でサスペンション部品工場を稼働させた。 総投資額は50億円。生産能力は年産30万台強とするが、当初は組み立てを中心としプレス部品はタイから供給する。Renault-日産をはじめとした日系・欧米メーカーからの受注を目指す。 合弁会社の資本金は15億ルピーで、ヨロズが93.33%を出資、残りをJBM Auto Systemが出資する。
リケン:第2工場建設、生産能力45%増へ
リケンは、現地合弁会社SHRIRAM PISTONS & RINGS Ltd.(インドのSHRIRAMグループが48%、リケンが21%、Kolbenschmidtが20%出資)を通じてNew Delhi郊外に第2工場を建設する。2013年までに段階的に設備を増強していき、ピストンリング、バルブシートの生産量を全体で約45%増やす計画。投資額は約22億円。

資料:各社プレスリリース, 各紙報道

 


アーレスティ/イーグル工業/ダイヤモンド電機/豊田合成/ベルソニカが生産能力増強、ブリヂストンが生産品目拡大

インド既存工場の生産能力増強では、アーレスティが生産能力を5割拡大、ダイヤモンド工業がエンジン点火コイルの生産能力を2割引き上げ、ベルソニカが車体プレス部品の生産能力を倍増させる。
生産品目拡大では、イーグル工業が既存工場でウォーターポンプ用のメカニカルシールを生産するほか、カルソニックカンセイが品目拡大の検討を行う。

日系自動車部品メーカー:インド生産拠点の生産能力増強と生産品目拡大

2011年 10月中旬までの約 1年半の間の動向。配列は企業名 50音順。

NTN:北部工場を生産能力3倍に
NTNのインド子会社NTN NEI Manufacturing Indiaは、インド北部Haryana州の既存工場において、等速ジョイントの生産能力を2010年度から増強している。2015年度までに2009年度比3倍程度まで拡大する計画。
アーレスティ:インド工場のダイカストマシンを増強、生産能力を約1.5倍に
アーレスティは、インド工場(Ahresty India Private Limited, New Delhi近郊)の生産能力を5割拡大する(2011年10月報道)。同工場のダイカスト鋳造機を2011年中に7台から11台に順次増設し、エンジンや変速機用の部品を生産する。Maruti Suzuki、Renault-日産などに供給する。 また、鋳造機の増設に合わせ、建屋面積も約8300平方メートルから約1万1500平方メートルへ拡張した。
愛三工業:燃料噴射システム部品の生産能力増強
愛三工業は、インド工場(Bangalore州)の燃料噴射システム部品の生産能力を増強する。投資額は約5000万円で、2010年末をめどに組み立てや検査用の機械装置を増やす(2010年7月報道) 。
イーグル工業:インドでメカニカルシールを生産、新工場設立へ
イーグル工業は、既存の産業機械部品工場(EKK Eagle Products India Pvt. Ltd.)に自動車部品用の生産ラインを2011年4月に新設。同工場ではウォーターポンプ用のメカニカルシールを年間100~150万個生産し、Maruti Suzuki向けに供給する。初年度の売上げは約3億円の見込み。 また同時に敷地面積3500m2の工業用地を取得しており、2~3年をめどに新工場を建設する。
カルソニックカンセイ:インド現地生産の品目拡大を検討
カルソニックカンセイは、インド合弁のCalsonic Kansei Motherson Auto Products(Haryana州,出資比率51%)のChennai工場で生産品目を拡大する検討を行う。内装用樹脂部品やHVAC用熱交換部品などを候補に選定し、2012年以降に供給体制を構築する(2011年1月報道)。
キリウ:鋳造工場に第2ラインを新設、生産能力倍増へ
キリウは、インド拠点MUNJAL KIRIU Industries Pvt. Ltd. (MKI, Haryana州)の月産能力を倍増させ、4200トンとすることを2011年2月に発表した。約10億円を投じて鋳造工場内にラインを新設し、2012年5月に稼働開始予定。ブレーキ以外にナックル等も生産する。 また、増強に合わせMKIの出資比率を33.4%から51%とし、連結子会社化する。
住友金属工業:クランクシャフトの製造ラインを増設、生産能力を2.8倍に増強
住友金属工業は、インドの合弁工場(SMI Amtech Crankshaft)に第2鍛造プレスラインを増設すると、2011年9月に発表した。同工場のクランクシャフト生産能力は、年産80万本から220万本に増強される。投資額は10億ルピーで、稼働開始は2012年11月の予定。
ダイヤモンド電機:エンジン点火コイル工場の生産設備を増強
ダイヤモンド電機は、インドのエンジン点火コイル工場(DE Diamond Electric India Pvt.Ltd, Haryana州)の生産能力を約2割増強し、年産240万個とした。おもに、気筒別点火方式の小型タイプを増産する。投資額は数千万円程度。 同社はさらなる需要増を見据え、工場新設も検討中(2011年5月報道)。
豊田合成:ボディーシーリング部材を一貫生産
豊田合成は、インドの生産子会社(Toyoda Gosei India Pvt. Ltd., Rajasthan州)において、ボディーシーリング部材の一貫生産を開始すると2011年12月に発表した。現地でゴムの材料配合や押出成形を行い、コスト競争力を上げる狙い。投資額は8億円で、2012年5月を目標に設備を導入する。 また、同子会社に対して、現地企業Mindaが資本参加する。事業基盤を固める狙いで、Mindaの出資比率は12.9%。社名もToyoda Gosei Minda India Pvt. Ltd.と変更する。
同拠点には、日米の拠点からボディーシーリング部品生産に用いる、ゴムの押し出し機を移管していた(2011年1月報道)。
豊田自動織機:インド工場を増強、変速機用ケース生産能力を2.5倍に
豊田自動織機は、2012年末にインド工場(Toyota Material Handling India Pvt. Ltd., Bangalore市)を増強する(2010年12月報道)。変速機用ケースの工場棟を拡張し、生産能力を2010年比2.5倍の年産40万基とする。トヨタがEtios用変速機を現地調達するのに合わせた形。投資額は約20億円。
ベルソニカ:スズキ子会社向けにプレス部品増産
ベルソニカは、Maruti Suzukiとの現地合弁会社(Bellsonica Auto Component India Pvt. Ltd., Haryana州)を通じ車体プレス部品工場の生産能力を増強。約30億円を投資し、2011年夏に年産能力を20万台増の36万台とし、納入先のMaruti Suzukiの増産に対応する。
ユタカ技研:工場の生産能力を増強
ユタカ技研は、2011年1月、Rajasthan州のホンダ向け工場(YUTAKA AUTOPARTS INDIA Pvt. Ltd.)の建屋面積を2倍に増築し、生産能力を増強した(2011年1月報道)。4輪用、2輪用でそれぞれ、排気系部品とブレーキディスクの生産能力を高めた。今後も能力を高めていく方針。

資料:各社プレスリリース, 各紙報道

 


群馬精工/新日鉄がインド社に技術供与、アイシン精機/デンソーは開発・営業拠点を新設、ニッパツが事業を買収

技術供与契約等を現地メーカーと進めていくのは、冷間鍛造技術を扱う群馬精工、原板加工技術を扱う新日本製鉄など。
生産以外の拠点を新設するのは、マーケティング拠点を開設するアイシン精機、カーエアコン等の設計会社やテクニカルセンターを開設するデンソーなど。
ほかに、三桜工業がチューブの合弁製販会社の完全子会社化を検討しており、ニッパツは現地企業から精密ばね事業を買収した。

 

日系自動車部品メーカー:インドでの技術供与・増資・開発/営業拠点整備など

2011年10月中旬までの約 1年半の間の動向。配列は企業名 50音順。

アイシン精機:設計を現地化、現地メーカーとの取引拡大へ
アイシン精機は、インド生産子会社AISIN NTTF PVT.LTD.に設計開発担当者を常駐させ、設計の現地化を推進している(2011年9月報道)。 Maruti Suzukiなどの現地メーカーのニーズを素早く取り込んだ技術の提案を行い、取引拡大を狙う。
オイレス工業:現地販売会社を新設
軸受けなどを生産するオイレス工業は、インド販売会社(OILES India Pvt. Ltd, Gurgaon市)を2011年1月に設立した。資本金は4500万ルピー、出資比率は同社が99.9%、オイレス東日本販売が0.1%。現地の対応力強化が狙いで、将来的には現地生産化も見据える。
鬼怒川ゴム工業:和承と提携、インドで生産を委託
鬼怒川ゴム工業は、韓国の和承R&Aと業務提携を行ったと、2011年7月に発表した。同社は、インドで販売している車体シール部品およびホース部品の生産を、和承の現地子会社(HWASEUNG HSI AUTOMOTIVED Ltd.:Chennai市)に一部委託を検討する。
群馬精工:New Swanと冷間鍛造技術で技術支援
ステアリング部品を製造する群馬精工は、Ludhianaの排気系部品・ブレーキ部品メーカー、New Swanと冷間鍛造に関する技術支援契約を2011年3月に締結した。 New Swanがインドの自社拠点に冷間鍛造ラインを構築し、群馬精工が技術者を派遣し指導する。同社にとって初の海外展開で、インド事業の足がかりとする。
三桜工業: インド連結子会社を完全子会社化
三桜工業は、インドで自動車用チューブなどを生産・販売する連結子会社STI Sanoh Indiaの完全子会社化について検討を始めた。STI Sanohは現地繊維会社との合弁で設立し、三桜工業が56.5%を出資、インド国内に6工場を展開している。合弁相手企業が本業に集中するため売却の意向を示しており、株式の取得については今年度中の合意を目指す(2011年6月報道)。
新日本製鉄:Tata Steelと冷延鋼板の合弁生産販売会社を設立、生産技術を供与
新日本製鉄は、Tata Steel Limited(TSL)と合弁で生産販売会社を設立すると2011年1月に発表。資本金は87億ルピー、新日鉄が49%を出資する。 約400億円を投資してTSLのJamshedpur製鉄所(Jharkhand州)に生産設備を新設し、2013年秋までに稼働開始する。生産能力は年産60万トンで、自動車用冷延鋼板のほかに高張力鋼板なども生産する予定。また、新日鉄がTSLに原板加工技術を供与し、現地一貫生産の品質・コスト競争力を向上させる。
デンソー:カーエアコン等設計の合弁子会社を新設
デンソーは、インドのカーエアコン最大手、Subrosとの合弁子会社(DENSO Subros Thermal Engineering Centre India Ltd., New Delhi市近郊)を2010年9月に設立した。資本金6,800万ルピーのうち74%をデンソーが出資する。投資額は1億3,600万ルピー。新会社はカーエアコンやラジエーターの設計を行い、デンソーの現地子会社とSubrosに提供する。
デンソー:テクニカルセンターを開設、現地法人で業務完結を目指す
デンソーは、2011年末に現地完全子会社DENSO Sales India Pvt. Ltd.(Gurgaon市)内にテクニカルセンターを開設する。現地向けパワートレーンや低価格車向け部品の開発を行う。総投資額は約30億円。同社のテクニカルセンターは米国、欧州、タイ、中国に次ぎ5拠点目。デンソーは、2015年までに開発人員を3倍に増やし開発の現地化を進めるほか、他の関連業務についても同子会社内で完結できる体制を整える。これにともない、DENSO Sales India Pvt. Ltd.をDENSO International India PVT. LTD. に社名変更する。
豊田通商:日系鋼管メーカーに出資、排気系部品事業を拡大
豊田通商は、インドの日系鋼管メーカーKUMA Stainless Tubes Ltd.(Gurgaon市)に出資すると2010年9月に発表。同社は、KUMAの筆頭株主の丸一鋼管が保有する95%の株式のうち30%を取得、資金面のほか技術面での支援も行い、排気系部品事業の拡大を狙う。 KUMAはインド唯一のステンレス鋼管メーカーで、資本金は4,400万ルピー。丸一鋼管のほか日下部電機が出資している。
ニッパツ:Bombey Burmah Tradingのエンジン用精密ばね事業を買収
ニッパツは、Bombey Burmah Trading Corporation Ltd.(Maharashtra州)から精密ばね事業を買収した(2011年12月現在、買収完了済み)。その買収のため、2011年7月に新会社NHK Automotive Components India Pvt. Ltd.(Haryana州)を設立し、買収後の資本金は9.73億ルピー。買収した事業の主要顧客はMaruti Suzukiなどで、2011年3月期の売上高は11億ルピー。
ユタカ技研:Tata向け工場を売却、インド事業効率化へ
ユタカ技研は、2011年1月、Tata向けの部品(排気触媒コンバータ、サイレンサー)を生産する第1工場(YUTAKA AUTOPARTS PUNE Pvt. Ltd.)をフランス部品大手Faureciaの現地子会社に売却した。売却価格は2,050万ルピー。同社のインド事業は、ホンダ向けの第2工場(YUTAKA AUTOPARTS INDIA Pvt. Ltd., Rajasthan州)に資源を集中させる方針。

資料:各社プレスリリース, 各紙報道

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