Mercedes-Benz Cars:2011年に過去最高の135万台販売を見込む

新型Premiumコンパクトカーを米国市場へ投入、中国Beijing Benzでも生産

2011/11/14

要 約

 Daimlerの乗用車部門 Mercedes-Benz Carsは、2011年1~10月に過去最高の1,108,538台(前年比6.9%増)を販売し、2011年通年で過去最高の世界135万台販売を見込む。Daimlerは、ここ数年の間、地域としては北米、BRICs諸国(特に中国)、韓国にMercedes-Benz Carsの成長の機会があるとしている。

 Daimlerは、欧米での燃費規制強化や車両・エンジンとも小型化する傾向に対応し、Premiumコンパクトカー(A-/B-Class後継モデル)を開発した。ドイツのRastatt工場とハンガリーに建設中の新工場に、14億ユーロを投資して設備を整え生産する。米国市場に投入し(Mercedes-Benzブランドが米国市場で発売する初の前輪駆動車となる)、中国のBeijing Benzでも生産する。Daimlerは、A-/B-Class後継車の販売台数を、2010年の22万台から中期的に40万台へほぼ倍増する計画。

 Daimlerは、欧米市場で大幅なCO2排出量削減・燃費向上を迫られており、2009~2010年に4気筒/V6/V8エンジンを更新した。V6/V8直噴エンジンの燃費を24%向上させ、また2011年に大幅改良したC-Classの米国販売車には4気筒直噴ターボエンジンを搭載するなど燃費向上を進めている。

 生産能力増強では、米国アラバマ州のTuscaloosa工場に、新型車開発や設備増強に24億ドルを投資すると発表した。現在生産するCUV 3車種に加え、2014~2015年から次期型C-ClassやM-Classベースのクーペの生産を追加する。

 中国ではBeijing Benzに20億ユーロを投資し、現在生産しているC-/E-Classに加え、近くコンパクトSUVのGLKとA-/B-Class後継3車種の生産を追加する。エンジン工場も建設し、2013年に4気筒エンジンの生産を開始すると発表した。



モデル計画:C-Class、M-Class、A-/B-Classを更新

 Daimlerは、4ドアクーペCLSの新型車を2011年1月に発売した。またDaimler最大の量販車C-Classを大幅改良して3月に発売し、2011年の販売増に貢献している。

 Daimlerは、Premium車も小型化する市場動向に鑑み、コンパクトカーA-/B-Classをフルモデルチェンジするとともに、現在のA-/ B-Classの2車種から4車種に拡大する。販売台数を2010年の22万台から中期的に40万台レベルに拡大する計画。2011年11月に新型B-Classを欧州で発売、2012年にも新型A-Classを発売する。これらの新型コンパクトカーは北米市場へも投入する。

V6/V8直噴エンジン、4気筒直噴ターボエンジンなど、新世代エンジンを開発

 Daimlerはガソリン、ディーゼルそれぞれのエンジンについて、2009年に4気筒、2010年にV6、V8エンジンを更新した。

 このうちガソリンエンジンについては、4気筒直噴ターボエンジンを開発し、C-Class大幅改良車と新世代コンパクトシリーズに搭載する。また第3世代の直噴システムBlueDIRECTを搭載するV6、V8エンジンを開発した。最大200気圧で噴射するピエゾ式インジェクターを使用するSpray-guided direct injection(1回の吸気・圧縮工程で最大5回の燃料噴射が可能)、Multi-spark ignition(千分の1秒内に最大4回の点火が可能)により、出力を高めながら燃費を24%向上させた。また希薄燃焼で走行できる範囲を拡大した。(直噴希薄燃焼エンジンは、既に2006年にCLS、2007年末からE-Classで実現していたが、今後BlueDIRECTによる希薄燃焼エンジンをより多くのモデルに搭載し燃費を向上させる。)

 アイドリングストップ搭載も進めている。

 

2011年11月に欧州発売する新型Mercedes-Benz B-Class    2011年11月に欧州発売する新型Mercedes-Benz B-Class (5ドアハッチバックサルーン)                  (2011年9月開催のFrankfurtモーターショーに出展)

2012年にも発売するMercedes-Benz Concept A-Class                   2012年にも発売するMercedes-Benz Concept A-Class                           (同Frankfurtモーターショーに出展)

 

Daimlerのモデル計画(2011年~)

CLS 2011年1月  4ドアクーペCLSの新型車を、2011年1月発売。搭載する全てのエンジンを一新し、従来モデル比燃費を最大25%改善した。V6 3.5L BlueDIRECTガソリンエンジンは、第3世代の直噴システムを搭載し、アイドリングストップ機能も合わせて、欧州仕様車の燃費は15.3~14.7km/L、CO2排出量は159~164g/kmと、両数値とも従来モデル比約45%向上した。
C-Class (大幅改良) 2011年3月  2011年3月、大幅改良したC-Classのセダンとワゴンを発売し、6月にクーペを発売した。2,000を超える部品を変更し、ドライバーの疲労を確認するATTENTION ASSIST、前方車両との車間距離を保つDISTRONIC PLUSなどの安全装備を設定した。
 C-Classに設定しているガソリン/ディーゼル、4気筒/6気筒の各エンジンと、7速AT(7G TRONIC PLUS)をレベルアップし、ECO Start-Stopも設定して、燃費を前モデル比で平均31%向上させた。新型4気筒エンジンは、次期型A-/B-Classにも搭載する。
M-Class 2011年9月 (米国で発売)  米国で生産するSUV M-Classの3代目モデル。前代に比べ、燃費を平均25%向上させた。ガソリンエンジンは、第3世代のBlueDIRECT直噴システムを採用。ディーゼルエンジンは、SCR技術を採用するBlueTECエンジンを採用した。
 また、ATTENSION ASSIST、PRE-SAFE、Active Lane Keeping Assistなど、従来上級車に搭載してきた安全装備を設定した。
次期型 B-Class 2011年11月  2011年Frankfurtモーターショーで、新型B-Classの"4ドアハッチバックサルーン"を初披露し、11月に欧州発売する。全長/全幅/全高は、4359/1786/1557(mm)で、前モデル比で全長は84mm長く、車高は48mm下げたスポーティーな外観で、4ドアクーペのCLSに似たスタイル。
 C-Classに搭載した4気筒エンジンを採用。当初は1.6Lガソリン直噴ターボエンジンと、1.8Lターボディーゼルエンジンを搭載。トランスミッションは、新開発の6速MTを標準装備し、7速デュアルクラッチをオプション設定する。ディーゼル車の燃費は、4.4L/100km(22.7km/L)を実現した。
 Premium コンパクト車として安全装備も充実し、Collision warning system with adaptive Brake Assistを標準装備し、これまで上級車に設定しているPRE-SAFE(衝突の危険を察知すると、ベルトを巻き取り、窓を閉め、座席の姿勢を正すシステム)をコンパクトクラスに初設定した。
Concept A-Class 2012年 初め  2011年4月のNew YorkとShanghaiでのモーターショーにも出展された3ドアクーペ。長いボンネット、低いシルエットのスポーティなスタイルを持つ。Daimlerは、濃縮したダイナミズム(Concentrated dynamism)と表現している。なおA-ClassはB-Classよりやや小型。
 新開発4気筒2.0L直噴ターボエンジン(最高出力は155kW (210 hp))を搭載。4気筒エンジンの直噴システムにも、ピエゾ式インジェクターを採用した。変速機は、7速デュアルクラッチトランスミッションを搭載。B-Class同様に安全装備も充実させた。
S-Class (注) 2012年  ロングホイールベース、ワゴン、4ドアConvertibleなど豊富な派生車を揃える見込み。S500 Plug-in Hybridを設定する。燃費は3.2L/100km、CO2排出量は74g/km。
GL-Class 2012年  2012年にモデルチェンジを予定(米国生産車)。
次期型 C-Class 2014~ 2015年  次期型C-Classの北米向け車は、米国Tuscaloosa工場で2014年に生産開始する。Convertibleを含め、より多くの派生車を生産する。
 Hybridやクリーンディーゼル搭載車も発売する見込み。
MLC 2015年~  M-Classベースのクーペ(MLCと呼ばれる)を2015年以降米国工場で生産する。BMWのX6の対抗車とする方針。
資料:Daimler Q1/Q2/Q3 Interim Report 2011、Automotive News 2011.10.17
(注) 1. Daimlerは、2011年Frankfurtモーターショーに、F-Cell (FCV、燃料電池車)Plug-in Hybrid のConcept F125!を出展した。1,000kmの航続距離を持つ。
2. Concept F125!は、今後欧米市場で燃費・CO2排出量規制が強まるなかで、二世代先の2025年頃にS-Classのような大型高級車が、燃費規制をクリアし(そのために電動化仕様が必要)、同時に1,000km程度の航続距離などの顧客要望を満たして存続する一つの方向性を示したとしている。またFCVは始動に時間がかかるため、Plug-in Hybridとして素早いスタートを可能にした。

 

EUのCO2排出量規制と、米国の燃費規制に対応

 Daimlerは、欧米市場でCO2排出量・燃費の大幅向上を迫られている。欧州市場では、CO2の平均排出量を2010年の158g/kmから2016年に125g/kmに削減する計画。米国では、MY 2011規制値の達成も遅れており(2011年4月時点での暫定値)、MY 2012~2016ではさらに厳しい規制値を達成しなければならない。

Daimlerの欧州販売車の平均CO2排出量

1995年 2001年 2006年 2008年 2009年 2010年 2012年 2016年
CO2(g/km) 230 193 183 173 160 158 140 125
燃費(L/100km) 9.21 7.71 7.31 6.91 6.41 6.31 5.61 5.01

資料:Daimler Frankfurt Auto Show Investor Conference (2011年9月) (注)EUのCO2規制は、EUで販売される全ての新車からのCO2排出量平均値を、2015年に130g/kmとすることを目指している。各自動車メーカーの目標は、各社が販売した車両の平均車両重量を加味して決定する。

Daimlerの米国販売車に求められる平均燃費

MY 2011 MY 2012 MY 2013 MY 2014 MY 2015 MY 2016
目標 実績見込 目標(規制による要求値)
Passenger cars (mpg) 29.8 26.9 32.0 32.7 33.3 34.4 35.8
Light trucks (mpg) 25.2 21.1 25.6 26.3 26.9 27.8 29.1

資料:米国Environmental Protection Agency/National Highway Traffic Safety Administration (2010.5.7)、MY 2011の目標と実績見込みは、NHTSA Summary of Fuel Economy Performance (2011.4.28) (注)Daimlerは、これまでに、BMW/Jaguar/Land Rover/Porsche/VWなどの各社とともに、米国燃費規制(CAFE: Corporate Average Fuel Economy)を達成できずに制裁金(Fines)を支払ってきた。

 



新型コンパクトカーを、ハンガリー新工場とドイツのRastatt工場で生産

 新型コンパクトカーは、現在A-/B-Classを生産しているドイツRastatt工場と、ハンガリーのKecskemetに建設中の新工場の2工場が連携しながら生産する。両工場合わせて14億ユーロを投資すると発表した。Rastatt工場で2011年秋から生産を開始し、ハンガリー工場で2012年第1四半期から生産する計画。

 新コンパクトシリーズの欧州での主要市場は、ドイツ、イタリア、フランス、英国だが、米国市場へも投入する。また中国のBeijing Benzでも生産すると発表した。

 



米国生産:2010~2014年の間に24億ドルを投資し、Tuscaloosa工場を増強

 Daimlerは、1997年に米国アラバマ州のTuscaloosa工場で生産を開始し、現在中型CUV 3車種を生産している。2011年にM-Classをモデルチェンジし9月に米国発売した。

 2014年から北米市場向けのC-Classの生産を追加し、次いで5番目の生産車種としてM-Classベースのクーペを生産する。2010~2014年の間に、新型車開発と設備の増強に24億ドルを投資すると発表した。

24億ドルを投資し、Tuscaloosa工場で新規モデルを生産

既存生産 モデル M-Class  2011年9月に新型車(3代目)を米国発売した。米国仕様は、ML 350 (V6 3.5L直噴ガソリンエンジンを搭載)と、ML 350 BlueTEC(V6 3.0L BlueTECターボディーゼルエンジン)を設定した。
GL-Class  2012年にフルモデルチェンジを予定。
R-Class  ボディーが長く車高が低いCUVだが、販売不振のため次期型開発は未定。
新規モデル C-Class  2014年から次期型C-Classを生産し、北米地域に供給する。
MLC  M-Classベースのクーペ(MLCと呼ばれる)を2015年以降生産する。

資料:Daimler広報資料 2011.7.21/2011.10.21、Automotive News 2011.7.25/2011.10.10

 

米国市場:C-Classに4気筒エンジンを設定、新Premiumコンパクト車を投入

 Daimlerは、2011年秋に米国で発売するC-Classの大幅改良車に2005年以来となる4気筒エンジンを設定し、要望の強かったクーペも設定した。販売で先行するBMW 3 Seriesに対抗する。

 また2013年から、A-/B-Classをベースとする前輪駆動のコンパクトカー4車種を米国市場に投入する。米国では、Premium車でも小型化が進むと予測し、各Premium車メーカーが小型高級車の投入を計画している。

DaimlerやBMWが、米国へPremiumコンパクト車を投入

 従来の米国顧客は、小型高級車に、それにふさわしい価格を支払おうとはしなかったとされる。現在米国で販売されている小型高級車としては、Audi A3(5ドアハッチバック)、BMW 1 Series(クーペとコンバーティブル)、Volvo C30(3ドアハッチバック)があるが、2010年の販売は3モデル合わせて23,596台のニッチ市場にとどまった。
 しかし景気後退と米国政府の厳しい燃費規制などにより状況が変わり、Premium車メーカーは、米国での小型高級車市場が拡大すると見込み、新モデルの投入を計画している。Daimlerは2013年から新型A-/B-Classを投入。BMWは、前輪駆動小型車を開発し、2014年にも米国市場へ投入する計画(新開発PlatformはMini(前輪駆動車)と共有する)。またBMWは、EVのサブブランド"i" シリーズを2013年に投入する。
 DaimlerやBMWが投入する小型高級車は、Premiumにふさわしい性能や装備を採用し、価格も約3万ドルからに設定するとされる。Chevrolet Cruze(16,720ドルから)やFord Focus(16,500ドルから)などの量販車の価格に、1万ドル程度のプラスが可能とされる。(注)

資料:Automotive News 2011.1.31/2011.5.16/2011.10.10 (注)Audi A3(2.0L直噴ターボエンジンを搭載)の価格は27,270ドルから。BMW 1 Series Coupe(直列6気筒3.0Lエンジンを搭載)は31,050ドルから。Acura TSX(4気筒2.4Lエンジン搭載)は29,810ドルから、Lexus IS 250(V6 2.5Lエンジン搭載)は33,595ドルから。またC-Classセダンのベース車C250(1.8L直噴ターボエンジン搭載)の価格は34,800ドルから。(実際の購入価格は、オプション部品の装着などでこれらより高くなる。)

 



中国:M-Benz車販売が急増、Beijing Benzに20億ユーロを投資し新モデルを生産

 中国での、輸入車を含むMercedes-Benz乗用車販売は、2009年6.7万台から2010年16.0万台に急増し、2011年には1~9月の9カ月で16.0万台を販売した。2010年実績では、現地生産車販売は3.9万台で、残りの12万台は、C-/E-Class以外のMercedes-Benz車、Smartを輸入販売している。2009年にCUVのGLK、B-Class、Smartの輸入発売を開始し、2010年にA-Class、2011年10月に新型CLSを投入した。

 中国のBeijing Benz Automotiveでの生産は、2008年に生産を開始したC-Class(2011年半ばに、大幅改良車に切り替えた)と、2010年5月に生産を開始した中国市場専用のE-Classロングホイールベースがともに好調で、生産台数は2009年の1.5万台から2010年約4万台に増加した。

 Daimlerは、2011年6月に、Beijing Benzに20億ユーロを投資し、GLKおよび新世代Premiumコンパクト3車種の生産を追加すると発表した。エンジン工場の建設も開始し、2013年に生産を開始する計画。

中国でのMercedes-Benz乗用車生産・販売台数

2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2010年 1~9月期 2011年 1~9月期
生産台数 C-Class E-Class(注1) 5,598 0 7,018 7,502 7,883 13,594 1,040 28,308 11,432 19,813 4,255 21,811 36,515
Beijing Benz計 5,598 7,018 15,385 14,634 39,740 24,068 58,326
輸入車を含む総販売台数 - - 49,000 67,451 159,974 116,114 160,629
資料:Daimler Annual Report 2011、Interim Report Q3 2011、マークラインズ調べ
(注) 1. 2010年5月からE-Class ロングホイールベース車の生産を開始した。ホイールベースを、標準車より140mm長い3014mmとし、後部座席のスペースを広げた中国専用車。
2. Beijing Benzの他に、Fujian Daimler Automotive Co., Ltd.(2007年にDaimler、Fujian Motors Group、China Motorが共同で設立した)で、2010年第2四半期に商用バンViano/Vitoの生産を開始し、2010年に1.1万台生産した。中国ではMPV(乗用車)の扱いになっているが、上表の「輸入車を含む総販売台数」には含まれない。
3. 輸入販売するSUVの販売も好調で、2011年1~9月期に39,760台販売した(内訳は、GLKが17,970台、M-Classが10,550台など)。

 

中国のBBACに20億ユーロを追加投資し、生産車種を拡大、エンジン工場も新設

 DaimlerとBeijing Automotive Industry Corporationは、2011年初めに両社の戦略的な提携をさらに強化することで合意し、6月に、両社の合弁会社であるBeijing Benz Automotive Co., Ltd. (BBAC)に、以下の強化策実行のために20億ユーロを追加投資することで合意した。
 (1)BBACは、現在C-/E-Classを生産しているが、2011年からコンパクトSUVのGLKを生産し、さらに近い将来新世代Premiumコンパクトシリーズ(次期型A-/B-Class)3車種の生産を追加する。(2)新エンジン工場を建設して4気筒エンジンを生産し、2013年から、Mercedes-Benzブランドの現地生産する乗用車及びバンに搭載する。当初年 10万基を生産し、将来は生産能力を25万基に拡大する計画。
 11月2日に、両社の提携をさらに深化させ、新エネルギー車の研究・開発で協力することで合意した。BBACに開発センターを新設し、サプライヤーも交えたR&D活動、テスト走行などを実施する予定。

資料:Daimler広報資料 2011.6.28/2011.11.2

 



販売台数:中国市場、新型C-Classの好調で、2011年通年で135万台販売を見込む

 Mercedes-Benz Carsの2011年1~9月期の販売台数は、前年比7.3%増の1,005,516台で過去最高を記録した。地域別には、中国で38.3%増の160,629台を販売し過去最高(10月の販売も好調で、1~10月期に6.9%増の1,108,538台を販売し過去最高を更新した)。

 モデル別には、3月に大幅改良車を発売したC-Classが貢献している(7~9月期の販売は前年同期の8.7万台から10.6万台に増加)。今後、2011年9月に北米で、11月に欧州で発売する新型M-Class、11月に欧州で発売する新型B-Classが販売に貢献するとしている。

 Mercedes-Benz Carsは、2011年通年で過去最高の世界135万台販売を見込む。今後数年の間、地域としては、北米、BRICs諸国、韓国に成長の機会があるとしている。

Mercedes-Benz Carsのモデル別販売台数(卸売り台数)

(1,000台)
2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 7~9月期のみ
2010年 2011年
A-/B-Class C/CLK/SLK-Class E/CLS-Class 292 329 243 275 387 231 250 448 173 215 323 212 222 342 331 54 87 82 55 106 78
S/CL/SL-Class SLR/SLS/Maybach 108 107 93 57 80 20 18
M/R/GL/GLK/G-Class 177 180 161 167 203 51 58
smart 103 103 139 114 94 22 22
Mercedes-Benz Cars 1,252 1,293 1,273 1,094 1,277 316 337

資料:Daimler Annual Report 2011、Interim Report Q3 2011 (注)南アフリカで生産・販売された三菱ブランド車(2010年に4,192台)を含む。

 

Mercedes-Benz Carsの地域別販売台数(卸売り台数)

2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2010年 1~9月期 2011年 1~9月期
西欧 (内)ドイツ 784,849 353,275 779,157 342,860 733,233 332,472 623,489 297,756 635,798 292,895 466,441 209,232 465,832 212,071
北米 (内)米国 271,792 248,560 276,062 251,789 282,161 251,160 235,549 202,955 256,365 220,454 189,314 163,259 195,271 167,925
アジア (内)中国 195,156 237,965 257,619 138,942 67,451 261,568 159,974 193,432 116,114 244,516 160,629
その他市場 95,925 123,096 87,887 99,897
世界 1,251,797 1,293,184 1,273,013 1,093,905 1,276,827 937,074 1,005,516

資料:Daimler Annual Report 2011、Interim Report Q3 2011 (注)南アフリカで生産・販売された三菱ブランド車を含む。

 



Mercedes-Benz Carsの業績と今後の予想

 Mercedes-Benz Cars部門の1~9月期売上高は、販売台数増加により順調に拡大し423億ユーロ。収益面は、1~6月期のEBIT(利払い前の税引前利益)は、前年同期の1,376百万ユーロから1,566百万ユーロに増加したが、7~9月期には販売構成の変化や、為替影響、モデルチェンジ費用、原材料費などが増加し、前年同期の1,299百万ユーロを下回る1,108百万ユーロとなった。2011年10~12月期のEBITも前年並にとどまる見込み。

 Daimlerは、2011年と2012年は新型車投入の費用が多くかかり、収益性の伸びは赤字であった2009年から大幅回復した2010年に比べゆるやかになる。しかし新型車は多少のタイムラグで業績に貢献してくるとし、2013年にはEBITの対売上高比10%(Groupの自動車事業全体で9%)を実現するとしている。

Mercedes-Benz Carsの連結業績

(100万ユーロ)
2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2010年 1~9月期 2011年 1~9月期
売上高 EBIT Return on sales 51,410 1,783 3.5% 52,430 4,753 9.1% 47,772 2,117 4.4% 41,318 (500) -1.2% 53,426 4,656 8.7% 39,274 3,481 8.9% 42,333 3,962 9.4%
資本投資 研究開発費 1,698 2,274 1,910 2,733 2,246 2,994 1,618 2,696 2,457 3,130 - - - -
生産台数 販売台数(卸売) 1,230,951 1,251,797 1,300,089 1,293,184 1,338,245 1,273,013 1,031,562 1,093,905 1,312,456 1,276,827 950,966 937,074 1,025,034 1,005,516

資料:Daimler Annual Report 2011、Interim Report Q3 2011

 



Daimler Groupの業績と2011年通年の予想

 Daimler Groupの業績は2009年を底に回復し、2011年の売上高は1,000億ユーロを超える見込み。収益面は好調な商用車部門の支えもあり、継続事業からの(特別項目を除く)EBITは2010年実績(7,274百万ユーロ)を大幅に超えるとしている。

Daimlerの連結業績推移

(100万ユーロ)
2006 2007 2008 2009 2010 2010年 1~9月期 2011年 1~9月期
販売台数(台) 2,072,885 2,088,973 2,072,876 1,551,291 1,895,432 1,374,316 1,514,903
売上高 99,222 101,569 98,469 78,924 97,761 71,365 77,474
EBIT 4,992 8,710 2,730 (1,513) 7,274 5,712 6,580
Net Profit 3,783 3,985 1,414 (2,644) 4,674 3,534 4,244
減価償却費 研究開発費 資本投資 7,169 3,733 5,874 4,146 4,148 4,247 3,023 4,442 3,559 3,264 4,181 2,423 3,364 4,849 3,653 2,495 3,585 2,306 2,698 4,013 2,777
資料:Daimler Annual Report 2011、Interim Report Q3 2011
(注) 1. 決算はIFRSベース。Daimlerは2007年8月3日までChryslerを含むDaimlerChryslerであったが、上記の決算数値はContinuing operationsベース。
2. Net ProfitはDaimler GroupのNet Profit(少数株主分を含む)。
3. 研究開発費は、当期に費用計上した額と資産化した額の合計。減価償却費は、資産化したR&D費の償却を含む。

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