LMC Automotive 2020年10月自動車市場月報(欧州)

2020年10月の西欧販売は6.3%減の102万台、季節調整済み年率換算販売は1,270万台/年に低下

2020/11/06

西欧主要17ヵ国の販売状況と直近の市場予測

※当レポートは自動車、パワートレイン分野の市場予測サービス専門の調査会社 LMC Automotive によるライトビークル市場トレンドレポートをマークラインズが翻訳したものです。

 

  • 西欧の10月の乗用車販売台数(登録台数)は前年同月比で6.3%減となった。10月の季節調整済み年率換算販売は1,270万台/年となり、前月に近い水準で安定的に推移した。ロックダウンの緩和後は販売が膨らむ傾向にあったが、この効果の衰退が続く中で年内の販売見通しは悲観性を増している。各国政府によって様々なインセンティブ制度が導入されているが、10月の結果も総じて期待を下回るものであった。

  • ドイツ、英国、スペイン、フランス、イタリア
    ドイツの10月の季節調整済み年率換算販売は320万台/年となり、9月の310万台/年から緩やかに上昇した。英国の10月販売は前年同月比で1.6%減となったが、季節調整済み年率換算販売は210万台/年となった。これは2019年の水準に対しては下回っているものの、今年9月からは堅実な改善となった。スペインの10月の年率換算販売は100万台/年を割り込み、再び期待を下回った。フランスの10月の年率換算販売は200万台/年をわずかに超える水準となり、上昇に苦戦している。唯一期待を上回る結果を示したのはイタリアで、強力なインセンティブ制度を支えに10月の年率換算販売は190万台/年の水準を維持した。

  • 今後の展望
    先月の報告と同様に西欧市場の回復ペースは緩慢なままだが、英国やフランスで既に見られたように全国を対象としたロックダウンの第2波が発生しつつあり、既に脆弱であった回復への道筋は更に大きく阻害される可能性が高い。このため2020年通年の販売予測を下方修正したが、更に2021年初頭の販売についても混乱が見込まれる。ただ、2021年通年販売については、2020年に見られたようなロックダウンによる深刻な混乱が発生しないという前提の下、前年比で大幅な上昇を見せると予測する。

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