CATARC提携レポート 中国新エネルギー車動向 2016年10月

2016年9月の新エネルギー車生産は4万台に回復

2016/11/09

中国国内生産 (概要)



このレポートは北京CATARC科学技術センター*のレポートをマークラインズが編集・翻訳したものです。
過去のCATARC提携レポートはこちらをご参照ください

 2016年9月の新エネルギー車(EV、PHV、FCVが対象で、鉛酸電池搭載車は含まない)生産台数は前月比で13.2%増、前年同月比で32%増となる43,744台となった。車種別に見ると、乗用車は前月よりやや縮小したものの73%を、バスは24%を占めた。特殊車両は伸び率が最も高かったが、生産台数は1,000台超と前年同月の3,000台には達していない。

 2016年1~9月の新エネルギー車生産台数は約26.93万台となったため、2016年の年間生産台数は40万台を超える見込みである。乗用車が占める比率は毎月70%前後に達しており、新エネルギー車市場を牽引しているといえる。

図1 新エネルギー車の生産台数 (2016年4月~2016年9月)



中国国内生産

表1 新エネルギー車の車種別生産台数 (2016年9月)

 
PHV
EV
FCV
合計
乗用車
7,437
24,446
13
31,896
バス
1,909
8,805
12
10,726
特殊車両
0
1,122
0
1,122
合計
9,346
34,373
25
43,744


図2 新エネルギー車の車種別生産比率 (2016年9月)

PHV

 2016年9月のPHV生産台数は9,346台、うち乗用PHVは7,437台、PHVバスは1,909台となり、それぞれ前月比で15.9%減、1.6%減となった。乗用PHVを生産するメーカーは9社あり、上位5社はBYD(西安)、BYD(深圳)、上海汽車、奇瑞、広汽であった。上位5社に変わりはなかったが、順位はBYD(深圳)が上海汽車を抜き2位となった。広汽乗用車と奇瑞は艾瑞沢 (Arrizoo)と伝祺 (Trumpchi) GA3Sによる新車効果で上位に入ったため、上位5社は全て中国の自主ブランドメーカーとなった。モデル別では前月同様BYD 秦、BYD 唐、上汽栄威 550 PHEVが上位3モデルとなった。

 PHVバスの生産台数は前月比で1.6%減の1,909台となった。生産されたPHVバスは大型、中型バスが中心である。PHVバスを生産するメーカーは13社あり、上位5社は宇通、廈門金龍、安凱、蘇州金龍、北汽福田であった。駆動電池を種類別に見ると、マンガン酸リチウムの比率がここ数ヶ月拡大しており、前月の59%から87%になった。マンガン酸リチウムは安全性と比エネルギーから三元系を採用していたメーカーの多くがマンガン酸リチウムに切り替えている。エンジンの燃料別に見ると、ここ数ヶ月は天然ガスがディーゼルを上回っており、9月は63%を占めた。

EV

 2016年9月のEV生産台数は3.44万台で、EV乗用車、バス、特殊車両とも前月から増加した。中でもEV特殊車両は前月比115.8%を記録した。

 EV乗用車の生産台数は前月比16.2%増の24,446台となった。EV乗用車を生産するメーカーは23社で、そのうち1,000台超を生産したのは7社であった。上位5社は北京汽車、湖南江南、浙江吉利、BYD(西安)、江鈴控股。ブランド別では北京 EU260を3,000台超生産した北京ブランドが1位となった。ここ数ヶ月、外資系電池メーカーの電池を搭載するEV乗用車の生産が大きく減少している。江淮iEV6Sは数か月前の月次生産が1,000台前後であったが、9月は3台であった。外資メーカー製電池を搭載したEV乗用車が補助金の対象外になったことが原因と考えられる。外資メーカー製電池搭載車が補助金の対象になっていればEV乗用車の生産はもっと拡大したはずである。搭載電池を種類別に見ると、三元系電池が65%を、リン酸鉄リチウム電池が35%を占めた。2ヵ月に比べると三元系電池の比率がやや減少している。これも三元系電池を扱う外資メーカーが多いことに起因している。

 2016年9月のEVバス生産台数は前月比39.9%増の8,805台となった。9月にEVバスを生産したメーカーは前月から6社増え、35社となった。上位5社は鄭州宇通、中通客車、BYD(深圳)、廈門金旅、安凱である。EVバスの駆動電池はリン酸鉄リチウムが99%を占めている。

 2016年9月のEV特殊車両の生産台数は前月比115.8%増となる1,122台であった。EV特殊車両を生産するメーカーは18社で、上位5社は重慶瑞馳、上汽商用車、蕪湖宝騏、山東凱馬、贛州汽車改装廠であった。用途別では配送向け車両の比率が最も多く、前月の94%から98%に拡大した。配送向け車両はエネルギー密度が高い多元複合電池および三元系電池の搭載比率が高い。

FCV

 FCVは17ヵ月ぶりに生産された。FCV乗用車の生産台数は12台で、動力源は燃料電池のみである。FCVバスは13台で、燃料電池とリチウムイオン電池を組み合わせている。2016年8月31日、地球環境ファシリティ(GEF)、国連開発計画(UNDP)の支持を受け、中国科学技術部と財政部は北京市、上海市、河南省、広東省、江蘇省政府と共同で「中国燃料電池車商業化発展促進プロジェクト」を北京で始動させた。このプロジェクトは4年をサイクルとして、北京、上海、鄭州、仏山、塩城などの都市に燃料電池車112台を投入し、燃料電池車の商業化を加速させようというものである。



国内動向

長城華冠、新エネルギー乗用車生産の資格を取得

 2016年10月10日、中国国家発展改革委員会は北京長城華冠汽車科技股份有限公司[CH-AUTO Technology Co. Ltd.]が申請した、前途汽車(蘇州)有限公司[Qiantu Motor (Suzhou) Co., Ltd.] (長城華冠の子会社)の新エネルギー乗用車工場建設プロジェクトを認可したと発表した。これにより長城華冠は北汽新能源、長江汽車に続く、乗用車工場の建設資格を取得した3番目の企業となった。

 認可されたのは年産5万台規模のEV乗用車工場で、総事業費は20億1,815万元。工場にはRTM製法による成形、溶接、塗装、組立、充電式エネルギー貯蔵システム(RESS)の生産棟、試作研究開発センター、動力検証施設、オフィスも建設する。

寧徳時代、リチウムイオン電池工場の建設に着工

 2016年9月28日、寧徳時代新能源科技股份有限公司[Contemporary Amperex Technology Co., Limited (CATL)]は江蘇中関村科技産業園[Jiangsu Zhongguancun Science and Technology Industrial Park] でリチウムイオン電池工場の着工式を行った。総投資額は100億元で、敷地面積は約66.7万平方メートル。年間10GWhのリチウムイオン電池を生産し、200億元の増収を見込んでいる。

韓国双竜自動車、西安に初の海外拠点 陝汽集団と提携

 2016年10月11日、韓国の双竜自動車と中国の陝汽集団は、西安経済開発区に合弁会社を設立し、双竜自動車初の海外拠点を建設することで合意した。両社が西安に建設するのは年産30万台の完成車工場。第一期として年産15万台の工場を建設する。完成車生産棟、研究開発センター、エンジン生産棟を建設し、販売ネットワーク、物流配送なども整備する。製品はSUV、MPV、ピックアップトラック、セダンなどを主とするとともに、新エネルギー車、独自ブランド車の生産にも乗り出す。第一期建設の工期は約2年で、2019年末のフル稼働後は年間300億元から400億元の売り上げが見込まれる。

出典:
Energy-saving and new energy vehicle network www.chinaev.org
CATARC Beijing Operations

* CATARC (China Automotive Technology & Research Center; 中国自動車技術研究センター)は国務院国有資産監督管理委員会に所属する国営企業で、自動車業界標準及び技術法規の策定、製品認証テスト、 品質保証システム認証、業界企画及び政策研究、情報コンサルティングなどを行う。
CATARCが提供する新エネルギー自動車産業向けの情報サービス「省エネ・新エネルギー車ネットワーク (Energy-saving and new energy vehicle network)」は中国の省エネ・新エネルギー車関連の情報をタイムリーに提供する情報サービスで、マーケティングおよび技術コンサルティングや調査・研究、予測等も行います。