2017年中国市場:3%増の2,887.9万台、SUVは1,000万台超

吉利(Geely)と広汽(GAC)が販売台数増、電動車は約1.5倍の77.7万台

2018/02/07

要約

中国の自動車販売台数

  2017年通年の中国市場の新車販売台数は、前年比3.0%増で過去最高の2,887.9万台(工場出荷台数ベース、輸出を含む)。しかしながら、中国汽車工業協会(CAAM)の年初の販売予測2,940万台には達しなかった。2017年1月1日からの小型車減税政策の税率引き上げの影響を受け、乗用車は前年比1.4%増の2,471.8万台と低い伸びにとどまった。

  一方、商用車は、前年比13.9%増の416.1万台となった。要因として、2018年1月からの小型ディーゼル車の「国Ⅴ」への適合、2018年7月からの過積載車両の通行全面禁止を前に対応する駆け込み需要との見方がある。

  グループ別では、上位5社(上汽、東風、一汽、長安、北汽)で約1,977.2万台となり、市場の約7割を占めた。合弁・自主ブランドともに好調な広州汽車グループ(6位)と各モデルともに好調な吉利(Geely)グループ(7位)の大幅増が目立った。

  車型別では、中国で人気のSUVモデルが前年比13.3%増で1,025.3万台。約6割を中国ブランドが占める。セダン・ハッチバックは、前年比2.5%減の1,184.8万台となり、SUVモデルと販売台数の差が縮まった。

  乗用車市場では、中国系メーカーが1,072.2万台を占めている。外資系では、日系が前年比13.3%増の448.4万台でシェアを拡大。韓国系は、年初の政治的要因が下期にも影響し、通年で前年比36.1%減の114.5万台となった。

  2017年の輸出は「一帯一路」政策の後押しを受け、前年比で25.8%増の89.1万台となり、下降傾向にあった自動車輸出に歯止めがかかった。輸入に関しても2017年1-11月は前年同期比19.0%増の114万台となった。

  新エネルギー車(NEV:New Energy Vehicle)の販売は引き続き好調で、2016年の約1.5倍となる77.7万台。うち乗用車は、EV46.8万台、PHV11.1万台となった。メーカー別では、引き続きBYDがトップであるが、2位の北京新能源汽車が販売台数を伸ばしている。

 

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