・英国の電動パワートレインメーカーEquipmakeは10月20日、アルゼンチンとブラジルに拠点を置く商用車メーカーAgraleの新型電気バス向けに最先端のゼロエミッションドライブトレイン(ZED)を開発したと発表した。このZEDを搭載するAgrale「MT17.0 LEe」は70人乗りの12m長シングルデッキモデルでブエノスアイレス最大のバス事業者DOTAが今後12カ月間試験運行する。この試験が成功すればブエノスアイレス市内での運行が開始される。
・このドライブトレインは英国先進推進技術センター(Advanced Propulsion Centre)が資金提供するCELEB (Cost Effective Low Entry Bus：費用対効果の高い低床バス)プロジェクトの一環として開発された。Equipmakeはこのプロジェクトで南米市場向けに設計した費用対効果の高いバスを供給するために過去3年間複数の国際パートナーをリードしてきた。新型車両は318kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載した特注のEquipmake ZED、Equipmake独自のHTM 3500電気モーターを採用し、3,500Nm/1,000rpmのトルクと400kWの最大出力を発揮する。トランスミッションを別途用意する必要がなくプロペラシャフトにシームレスに統合されSemikron SKAIインバーターを搭載している。同社では新型電動Agrale「MT17.0 LEe」の航続距離を最大150マイル(240km)と推定している。
Equipmake press release

ジェイテクトは、「FRベース4WD車両向け電子制御カップリング(ITCC)」および「軽量・コンパクト電動チルト・テレスコ付きステアリングコラム」を開発し、マツダの新型SUV「CX-60」に採用されたと発表した。ITCCは、電子制御で前後輪の駆動力を路面状況や車速に応じて変化させる製品。従来のFFベースの構造から、トランスミッション・リアプロペラシャフト間を直結する貫通シャフト構造を採用しFR車への搭載を可能にしたほか、省スペース化と約10%の軽量化も実現した。また、温度センサーによるトランスファー内の温度変化に応じた制御を行うことで、トルク配分の高精度化も図っている。ステアリングコラムは、エネルギー吸収構造の簡素化により約30%質量を低減させたほか、リンク式のチルト構造を採用したことで高さを30%抑えたという。(2022年10月11日付プレスリリースより)

・ドイツのIFAグループは5月2日、ミュンヘンに拠点を置く業界団体AEQUITAが同グループの完全買収を正式に完了したと発表した。AEQUITAは同グループの路線を継続し、その成長を積極的に支援する。その一環として全拠点約2,600人の全従業員を引き継ぐ。
・IFAグループは世界に7つの開発・生産拠点を持つ自動車部品メーカーで、BMW、フェラーリ、フォード、GM、メルセデス・ベンツ、ポルシェ、VWといった主要OEM向けに、プロペラシャフト、サイドシャフト、ジョイント、コンポーネントを開発・生産している。同グループは以前からeモビリティのトレンドに沿ったポートフォリオ、すなわちプロペラシャフトからサイドシャフトへの転換に注力してきた。AEQUITAによる買収の一環としてIFAはこれまでで最大規模のサイドシャフトの受注を獲得した。
IFA Group press release