自工会 豊田会長、新型コロナにより「生産の需給調整が始まった段階」と表明

・日本自動車工業会の豊田章男会長は3月19日の定例会長記者会見で、新型コロナウイルスによる先行き不安を深刻に考えず「改革を一気に進めていく時」と捉えていると発表した。豊田会長は「コントロールできない話を深刻に考えすぎれば、人はネガティブになり、ネガティブの連鎖は物事を悪くするばかり」と前置きした上で、「深刻にはならず、先ずはコントロールできること、急激な変化で出てきた新たな課題に対して真剣に取り組むことが重要」という考えを示した。
・豊田会長は中国と日本の販売が減少傾向にあることに触れ「生産の需給調整が始まった段階」と発言。消費の落ち込みがどれぐらい続くかの先行きについては、新型コロナウイルスの感染が上がっているのか、終息に向かっているのかが国によって異なるため「まだ読めない。長く続かないことを祈っている」と述べた。また、「現時点で具体的な影響を見通すのは難しく、自動車メーカーの生産計画が下方修正されればサプライチェーンなどへの波及は大きくなる」とした。
・質疑応答では、日本政府の新型コロナウイルスに対する対応について質問され、豊田会長は「先が見えない中、早め早めの手を打っている」と評価した。また、現在とリーマンショック時を比較し「リーマンショック時より金融システムは比較的健全だ」という考えを示した。しかし「リーマンショックの時は中国が世界市場を牽引していたが、今回はそれがない」とも発言した。
・今回の定例会見は新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、出席者を制限した他、WEB中継での参加や質疑応答などが行われた。また、毎年3月に公表されている四輪車国内需要見通しは新型コロナウイルスの影響が読めないため、公表を見合わせた。