Continental、日本における事業戦略を発表 今秋日本で自動運転タクシーの実証実験を予定

・Continentalは5月10日、ニューステージ横浜の同社日本法人本社にて記者向け製品発表会を行った。5月23~25日にパシフィコ横浜にて開催される「人とくるまのテクノロジー展2018横浜」に先立ち、Continentalの事業概況、および注力分野である「自動運転」「コネクティビティ」「電動化」における最新の取り組みについて、それぞれ解説がなされた。
・Continentalの日本の自動車市場に対する見方として、同社日本法人代表取締役社長のBert Wolfram氏は「売上台数や生産台数は世界第3位であるものの、日系OEMの世界生産台数は世界第1位。本拠地である日本は有望な市場。2014年から2019年の5年間にかけて売上高を倍増させたい」と述べた。

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・自動運転について、車の周囲状況の把握および評価を行う「包括的環境モデル(Comprehensive Environment Model:CEM)」に着手する。カメラやレーダー、高解像度フラッシュLiDARを活用して、リアルタイムかつ3Dでの情報収集を目指す。「高解像度フラッシュLiDARは、シリコンベースで小型化を実現。2020~2021年の製品化を予定する」(Wolfram氏)。
・同社日本OEM統括責任者の青木英也氏は、コネクティビティについて「ドライバーのボタン操作をセンサーでフィードバックする機能のように、より車とドライバーとの親和性を高める『ヒューマン・マシン・インターフェース(HMI)』を織り込むことで、従来のデバイスやインフラとの連携のみならず、より包括的なコネクティビティ(Holistic Connectivity)を目指す」と述べた。
・「従来の4Gの通信速度を大幅に上回る『5G』により、自動運転時の安全性を高めることができ、無事故(Zero Accident)を実現することに繋がる」(青木氏)。また、外部と繋がることで懸念される情報管理面の対策としては、「Elektrobit、Argusといったソフトウェア会社やサイバーセキュリティ会社と連携することで、自社努力によるハード面だけでなく、ソフト面からも情報安全の確保を行う」(同氏)。
・同社上級副社長の田中昌一氏は、電動化について「厳格化する排気ガス規制に対応するうえで、燃焼効率の向上、燃焼後の触媒の温度管理等が課題とされる。どちらも重点的に取り組みたい。世界の自動車販売台数は新興国で伸びが顕著となり、2030年に至っても世界のパワートレインの約2割は依然として電動化されていない既存のエンジンになるだろう」と述べた。

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・また、「電気自動車(EV)については、情報インフラ等の整備が不可欠であるために、普及にはもう少し時間を要すると考える。EVの加速は2027年頃になるだろう。当社としては48V電源によるマイルドハイブリッドに対応した部品の量産が始まっている」(田中氏)。48Vはドライバーが感電しても死に至る電力ではないため、付随する周辺装置が比較的少なくて済むというメリットがあるという。

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・新製品については、「人とくるまのテクノロジー展2018横浜」にて実物展示を行う予定。また、「今秋、自動運転タクシーの試験走行を日本で実施する」(Wolfram氏)。日本はドイツに次いで2番目に実証実験を行う場所となる。この計画では、日本でのパートナー企業もしくは大学などと連携し開発を進める予定。このような先端技術の開発においても、日本は「重要な国」(同氏)としている。