MarkLines Topへ
最新のレポート一覧はこちら
Information Platform

自動車業界動向レポート 2004.11.1 No.320

GMはOnStarを標準装備化、日本はトヨタ・日産・ホンダのシステムに集約
270万人が利用するOnStarと、日本の3社のテレマティクスサービスの概況



新しい車載情報ネットワークシステムとしてサービス開始が相次いでいるテレマティクスサービスのうち、GMが北米市場で展開しているOnStarは、04年9月時点で利用者が270万人に達した。GMは、2005年モデルでOnStarの標準装備化を一段と拡大、06MYには300万台のOnStars装着車出荷を計画している。

日本市場では、トヨタが02年10月にG-BOOK、日産が02年2月にCarwings、ホンダが02年10月にインターナビ・プレミアムクラブのテレマティクスサービスを開始したが、3社ともに、まだテレマティクスを標準装備とはしておらず、すべてメーカーまたはディーラーオプションである。最近時点の会員数も、ホンダ・インターナビ・プレミアムクラブが約14.6万人(04年9月末)、G-BOOKが約6万人(8月末)、Carwingsが約5.5万人(7月末)とされている。

日本では、まだ限定的な利用にとどまっているサービスであるが、3社はサービス内容拡充を続けており、ホンダと日産は基本サービス利用料を無料化する方向を打ち出し、3社以外の乗用車メーカーもテレマティクスサービスへの参入を発表している。ダイハツ, 富士重工, 三菱自動車, マツダの4社はトヨタからG-BOOKサービスの提供を受けて、スズキも日産Carwingsの提供を受けての参入で、日本市場でのテレマティクスは、トヨタ、日産、ホンダ3社のサービスに集約されることになった。既に、ダイハツが03年11月発売のTanto、04年6月発売のBoonにG-BOOK対応仕様を設定、富士重工は04年5月からLegacyにG-BOOK対応仕様を設定、スズキも03年9月発売の新型 Wagon RにCarwings対応仕様を設定している。なお、商用車分野でも、日本の大型商用車メーカーが提供する運行管理システムのテレマティクス化が始まりつつある。

以下は、世界最大のテレマティクスサービスOnStarと、日本市場でのテレマティクスサービスの概況である。

(注) テレマティクス (Telematics) は、Telecommunication (電気通信) と Informatics (情報処理) を組み合わせた造語で、主として車載情報システムで使われている。明確な定義はないが、1996~98年に世界の主要自動車メーカーが第1世代システムのサービスを開始した、車両と車両外とを、双方向かつリアルタイムに結ぶ車載情報システムを指す。

サービスメニューや機器構成は、それぞれのテレマティクスで大きく異なっている。例えばカーナビゲーションは、日本の自動車メーカーが提供するテレマティクスでは、車載端末として役割が大きいが、世界最大の利用者数のOnStarはカーナビゲーションを使用していない。

また、日本の先発3社のメニューをみても、トヨタは全方位のサービスメニューだが、日産はドライブ情報と車外とのコミュニケーション機能のウェイトが大きく、ホンダは運転支援情報のウェイトが大きい。大型トラックを中心とする商用車用テレマティクスのサービスメニューも、乗用車中心のテレマティクスとは大きく異なっている。

今後の展開としては、双方向とリアルタイム性を活かした運転支援と安全確保のためのサービスメニューを軸に、顧客のロイヤリティ構築や、車両のアフターメンテナンスの効率化、車の使われ方や運転のされ方のデータ取得、顧客のデモグラフィックデータ取得など、多様な戦略効果が期待されている。

■GM:OnStarを標準装備化、06MYにはOnStar装備車300万台出荷を計画

1996年にサービスを開始し、04年9月時点で会員数270万人と発表されているGMのOnStarは、カーナビゲーション等の画面を使わない、モバイル電話ベースの音声とデータコミュニケーションシステムによるテレマティクスである。

操作は、通常の電話用、OnStarへの連絡用、緊急時のOnStarへの連絡用の、いずれかのボタンを押すシンプルな仕組み。安全と緊急時への対応を中心に14項目のサービスが設定され、アドバイザーが24時間365日稼動で対応する。

GM全ブランドの05MYモデルで、大半の乗用車と一部の小型トラックに標準装備されている他、Subaru, Isuzu, Acura, VW, Audiの一部モデルにオプション設定されている (AcuraのRLとMDXは標準装備)。OnStar装着車の04 MY出荷台数は約140万台だったが、GMは05 MYで220万台、06 MYには300万台への搭載を計画している。

料金は全14項目のメニュー利用で月額69.95ドル、基本Safe & Sound 10項目で16.95ドルであるが、GMはOnStarの初期費用と1年目の利用料金を標準仕様または利用率の高いオプションに組み込んでいるため、有料利用者の実数は不明である。

■OnStar の概要

  概要
サービス開始 95年OnStar社設立、96年秋に米国、98年にカナダでサービスを開始。
会員数 99年3月 5万人、00年11月 50万人、01年9月 150万人、02年1月 約200万人、04年9月 270万人
操作の特徴 ①画面は設置しない。
②3つのボタン操作と、ハンズフリーの通話だけで操作・連絡する。
・White Dot Button:通常の電話をかける、受ける、切る時に使用。
相手先電話番号を音声で伝えることができる。
・OnStar Button:OnStarのアドバイザーへ連絡する時に使用。
アドバイザーは英語、仏語、スペイン語のいずれの言語でも可。
・Emergency Button:事故等緊急時の連絡用。
アドバイザーは最優先で対応し、警察等に連絡する。
契約更新率 過去7年間の実績で、60%以上の顧客が年毎の契約を更新している。

資料:OnStar Homepage

■OnStar を標準装備またはオプション設定しているモデル
■2005MYモデル
黒色表記モデルは標準設定。青色表記は一部仕様に標準、その他仕様にオプション設定。
赤色表記はオプション設定のみ。

 

GM Buick LaCrosse, LeSable, Park Avenue, Rainer, Regal, Rendezvous, Terraza
Cadillac CTS, Deville, Escalade, Escalade ESV, Escalade EXT, Seville, SRX, XLR
Chevrolet Avalanche, Cavalier, Cobalt, Corvette, Colorado, Eqinox, Express, Impala, Malibu,
Monte Carlo, Silverado, Suburban, Tahoe, TrailBlazer, TrailBlazer EXT, Venture, Uplander
GMC Canyon, Envoy, Envoy XL, Envoy XUV, Savana, Sierra, Sierra Denail, Yukon, Yukon Denail,
Yukon XL, Yukon XL Denail
Hummer H2
Pontiac Aztek, Bonneville, Grand Prix, G6, Montana, Sunfire, Vibe
Saturn Relay, ION, VUE
Saab 9-3, 9-5
ホンダ Acura RL, MDX

 

資料:GM Online Catalog, Acura Online Catalog, OnStar Homepage
(注) 1. GMモデルは、2004MYでは Cadillac と Hummer のモデルに標準設定され、他ブランドはすべてオプション設定。2005MYから一部モデルを除き大半のモデルで標準装備となった。
2. Buick で標準装備となっていないPark Avenue は生産中止予定、Regal は LaCrosse の前モデル。

 

  ■OnStar をオプション設定しているその他モデル(2004MY)
Isuzu Ascender
Subaru Outback
Audi A4, A6, A8, allroad
VW New Beetle, Golf, GTI, Jetta, Passat, Phaeton, Touareg

 

■OnStar サービスの項目別月間平均コール件数

件数 OnStar へのコールの内容
700 エアバッグが作動した場合の自動通報
600 盗難車の現在地確認
18,000 エンジンの異常信号が出た時に、オンラインで診断する依頼
11,000 事故等緊急時の連絡(4,000件の緊急時の様々な相談を含む)
36,000 ドアを遠隔操作で開錠する依頼
19,000 ガス欠、タイヤ交換、その他の修理などのロードサイドサービス
353,000 ドライブルートの相談

資料:OnStar Homepage

■OnStar のサービス

会費は、以下の3つのタイプ別に設定。
・Safety & Sound (緑色枠の10項目):月額 16.95ドル。
・Direction & Connections(ベージュ色枠の3項目を加えた13項目):月額 34.95ドル。
・Luxury & Leisure(パーソナル・コンシェルジェを加えた全14項目):月額 69.95ドル。
サービス項目 概要
エアバッグが作動した場合 エアバッグが作動すると、OnStar センターに自動通報され、アドバイザーが連絡し状況を確認する。返事が無い場合は、救急車等手配する。
緊急時サービス 事故等緊急の場合、赤の Emergency button を押すと、アドバイザーが最優先で警察・消防署・救急車等を手配する。
車両盗難に遭った場合 OnStar に通報すると、アドバイザーが警察へ連絡し、GPS で確認した盗難車両の現在地の情報を伝える。
キーの車内忘れと、
ドア施錠忘れの場合
OnStar へ電話連絡することにより、①キーを車内に忘れた場合の開錠、②ドアを閉め忘れた場合の施錠、を遠隔操作で行う。(車両に対応装置がある場合)。
タイヤ交換や
車両牽引が必要な場合
故障、ガス欠、タイヤ交換や車両の牽引が必要な場合など、業者の手配を行う。親戚や友人への連絡も代行。
遠隔操作による
車両の状態の診断
警告灯が点灯した場合、OnStar のアドバイザーが、車両のセンサー情報により走行継続の可否を判定し、アドバイスする。必要な場合サービス工場の手配を行う。(必要となるセンサーを装着している車のみ)。
ハンズフリー電話と、
気象・交通情報入手
OnStar の White dot button を押すだけで、ハンズフリーの電話が可能。走行地域の気象・交通情報も入手可能。 (注)
ライトやホーンで、
駐車場所を知らせる
駐車した車両の場所が見つからない場合、車のライトを点灯、またはホーンを鳴らして、駐車場所を知らせる。
緊急時の警察等への連絡、
対応アドバイス
緊急の場合、アドバイザーが保険会社・警察・その他の機関に連絡し、どう行動すべきかについても段階を追ってアドバイスする。
買い物・レストラン等の案内 OnStar Online Services で、世界 52都市の 720万件のデータベースを利用し、エンターテインメント、レストラン、買い物の情報を提供する。
道に迷った場合 OnStar のアドバイザーが GPS で車両の現在地を確認し、現在地、目的地へ向かうルート、最寄のホテル等を案内する。
情報・便利性のサービス OnStar のアドバイザーが、最寄のATM、スタンド、レストラン等を案内する。特定の会社・施設への道案内も可。
車両が動かない場合 要望によりタクシーを呼んだり、タクシーがつかまらない場合は家族・友人に連絡する。(タクシー代金は実費負担)。
パーソナル・コンシェルジェ 世界中のレストラント、ホテル、エンターテインメントその他のサービスに詳しいアドバイザーがサポートする。

 

資料:GMのOnStar Homepage
(注)1. OnStarのWhite Dot Buttonを押すことにより、Verizon Wireless Digital Networkを利用した通話が可能。事前に通話時間を購入しておく。(費用は30分 13.99ドル、500分 174.99ドル、1,000分 299.99ドル)
2. 同じWhite Buttonから申し込んで、気象、株価、一般ニュース、スポーツ等の情報が入手可能(GMの商品名はVirtual Advisor)。料金は上記通話料と同じ。車のサウンドシステムのスピーカーから音声で伝えられる。

 

■エアバッグ作動がない衝突にも対応する自動通報システムを導入

OnStarの標準装備化で、大規模普及を計画しているGMは、その理由を、OnStarがカバーする安全確保のための機能と、それによる安心感が、新車購入時の選択要因としてのウェイトを高めているためとしている。

GMは、この領域での新OnStarメニューとして、05MYから衝突時の新しい自動通報システムAACN(Advanced Automatic Crash Notification)の搭載を12モデルで開始した。エアバッグ作動によって衝突を検知する従来システムに加えて、車両に効果的に配置した各種センサーによって、エアバッグ作動がなくとも、後方や側方を含む全方向の衝突を検知できるシステムである。衝突強度も測定可能なため、緊急通報時にどの程度の被害が発生しているかの想定も可能としている。

■GMは、06MYで OnStar 装着車 300万台出荷を計画、衝突自動通報サービスも開始

■GMは、06MYで OnStar 装着車 300万台出荷を計画
GM は04年9月、04MY実績 140万台だった北米での OnStar 装着車の出荷を、05MYに 220万台、06MYには 300万台に拡大する計画を発表した。
GM の調査では、購入車種を決定する要因として、エアバッグ作動時の通報、緊急時サービス、遠隔操作によるドア開錠、盗難車の追跡、遠隔操作による車両診断等のサービスと、それによる安心感が大きなウエイトを占めるようになってきており、OnStar への支持が広がっているとしている。
■05MYから、OnStar の衝突自動通報システムを開始
GM は05MYから、OnStar の衝突事故自動通報システム(AACN: Advanced Automatic Crash Notification)を、Chevrolet, Buick, GMC 及び Saab の12モデルを対象に開始すると発表した。サービス対象モデルは順次拡大する。
エアバッグの作動には関係なく、前・後・側面衝突をセンサーが検知して、OnStar のセンターに通報する。センターは、登録された 991ヶ所の緊急施設から、最寄の施設に連絡する。
GM は、AACN は通りかかる車も病院も少ない rural areas で特に有効としている。 rural areas では衝突事故件数の20%、死亡事故の60%が発生している。
■OnStar 装備付 GM 中古車購入者に、3ヶ月の会費無料サービスを実施
GM は04年8月~05年1月の間、OnStar を装備した GM 認定中古車購入者に、再稼動費 19.95ドルの支払いのみで 3カ月間 OnStar のSafety & Sound サービス会費無料のサービスを実施。加えて、引き続いて 1年間の申し込みをする場合は、19.95ドルを返金する。
■Cadillac 購入者へ、OnStar Virtual Advisor の情報を無料提供
GM は米国の 05MY Cadillac 購入者に、OnStar Virtual Advisor サービスを 1年間無料提供すると発表した。天気予報, 交通情報, 株価情報等を音声で提供する。
■04年春から、6代目となる OnStar 音声認識装置を導入
GM は04年春、OnStar サービス開始後 8年間で 6代目となる最新の音声認識装置を導入した。3G CDMA2000 1Xワイヤレス技術を利用し、(数字を1つずつ読み上げるのではなく)自然なスピードで読み上げた相手先電話番号や音声による依頼を、正確に認識する。

資料:GM広報資料 04.9.21/04.9.16/04.8.18/04.2.26


■トヨタ:G-BOOKの車両セキュリティを拡充、オペレーターサービスを追加

トヨタは02年10月、新発売したWill Cypha からG-BOOKサービスを開始した。現時点で対応機能を標準装備しているモデルはないが、03年7月に、03年内にトヨタ純正ナビゲーションにG-BOOK対応機能を標準装備し、そのオプション設定を50車種に拡大すると発表、既にほとんどの乗用車とSUVでG-BOOK利用が可能となっている。

また、03年11月発売のTantoからダイハツへのG-BOOKサービス提供を開始した他、03年2月に富士重工、03年9月に三菱自動車、04年2月にマツダに提供することを発表した。

(注) マツダは00年7月に、独自システムのマツダテレマティクスのサービスを開始している。対応カーナビとインターネットを利用する情報提供中心のサービスで、入会金・年会費とも無料。01年10月には、PCやカーナビを使わない、携帯電話だけで利用可能なサービスも開始した。マツダは、G-BOOK対応車を05年に発売予定だが、マツダテレマティクスの既存会員へのサービスは当面継続するとしている。

G-BOOKは、対応カーナビ + 車載端末DCM又は携帯電話での利用を基本とするが、時と場所を選ばないシームレスなシステムであることをアピールしており、携帯電話, PC, PDAからもアクセス可能。車載端末を保有しないユーザー向けの簡易サービスとしてG-BOOKライトも提供している。

サービス内容は、04年10月時点で6分野63項目(基本料金のみで利用できるfree項目は41)。03年7月に有料オプションとして、車両セキュリティ機能を拡充したマイカーサーチと、携帯電話等からナビの目的地設定などが依頼できるオペレーターを介するサービスが追加され(ともにDCM搭載が必要)、04年10月からはG-BOOKの基本サービスに組み込まれた(基本料金は月額1,440円を据え置き)。

マイカーサーチは、駐車してある車に異常があった場合に顧客に通報し、要望により警備員も派遣するサービス。トヨタは、(携帯電話ではなく)専用通信機DCMを使用するG-BOOKならではのサービスとしており、現時点の日産とホンダのテレマティクスにはない機能である。

■トヨタの G-BOOK サービスの概要

  概要
ライブナビゲーション
サービス
タウン情報、旅行情報、趣味、娯楽情報などのサービス。好みのスポットを検索し、そのままナビの地図上に目的地として設定するなど。
インフォーメーション
サービス
一般、スポーツ、芸能、経済などのニュース、天気予報、株価情報などを読み上げる。銀行口座の残高、取引明細の照会も可能。
エンターテイメント
サービス
カラオケや BGM を車載機にダウンロードして再生したり、各種ゲームや音楽を SD カードにダウンロードするなどの娯楽情報サービス。
コミュニケーション
サービス
電子メールの送受信や伝言版、掲示板などのサービス。グループ走行の際、互いの現在地をナビの地図上に表示するサービスも提供。
E コマース
サービス
GAZOO ショッピングモールの商品や、G-BOOK の有償コンテンツをオンライン決済で購入できる。
セーフティ&セキュリティー
サービス
トラブル発生時に救急車両を手配したり(ロードアシスト24)、盗難車を追跡するマイカーアシスト、販売店からのメンテナンス案内を行う、など。

資料:G-BOOK Homepage, トヨタ広報資料 02.8.28

■G-BOOK の基本サービスに、車両セキュリティ機能とオペレーターサービスを組込み

サービス名 項目 概要
マイカーサーチ 盗難車追跡 クルマが盗難された時、オペレーターが車両位置を確認。顧客の要望により警備員を派遣。
アラーム通知 ドアのこじ開けなど、クルマの異常を感知するオートアラームの作動をセンターが感知した際、電話やメールで顧客に通知。要望により警備員を派遣(出動から1時間以内は無料)。
エンジン始動通知 不意のエンジン始動を検知し、顧客にメールで通知。
オペレーター
サービス
ドライブサポート ・ナビの目的地設定。・道路交通情報、ニュース、天気予報の検索及び配信。
・全サービスのトップページ配信。
セキュリティーサービス 「マイカーサーチ」のサービスデスクへの取次ぎ。
エマージェンシーサービス ・ロードアシスト24への取次ぎ。(注3)
・夜間、休日診療機関の案内。

 

資料:トヨタ広報資料 04.9.29
(注) 1. トヨタが設定している専用通信機 DCM(Data Communication Module) の車載が必要。
2. ロードアシスト24は、故障時に車両位置を確認し JAF に取次ぐ有人サービス。
3. マイカーサーチは基本サービスのセーフティ&セキュリティサービス、
オペレーターサービスはライブナビゲーションサービスに組み込まれた。

 

■トヨタ G-BOOK の料金体系

  Will Cypha を除く車種 Will Cypha
(対応型カーナビ)
DCM接続 携帯電話接続
通信料 使い放題 別途ユーザー負担 使い放題
G-BOOK
基本料金
月単位 1,440円 470円 680円
半年単位
(月換算)
8、340円
(1,390円)
2,700円
(450円)
3,780円
(630円)
年単位
(月換算)
16,080円
(1,340円)
5,160円
(430円)
6,900円
(575円)
事務手数料 入会時 2,100円, 車両変更等 1,050円 無料

 

資料:04年10月現在の G-BOOK Homepage
(注) 1. 料金は消費税込み。
2. 車載端末を保有しない顧客が、PC, 携帯電話, PDA からのみ利用できる
G-BOOK ライト の利用料金は、月額税込み 210円。

 

■タイで04年3月に開始したe-CRBを、順次世界に拡大

トヨタはタイでも、会員制Webサイトe-TOYOTACLUBとアフターサービス案内システムi-CROPを内容とする新ネットワークシステムe-CRB (Customer Relations Building) を04年3月に開始した。トヨタは今後、e-CRBを世界展開するとしている。

■トヨタが、タイで開始した新ネットワークシステム e-CRB サービス

  概要
e-TOYOTACLUB 会員制 Website で、エンターテインメントやコミュニティの話題を提供する。
車両メンテナンスのアドバイスやイベント情報も配信。
i-CROP
(Intelligent Customer Relationship
Optimization Program)
ディーラーのオペレーションシステムで、走行距離や整備履歴から最適なアフターサービスの案内を行う。
走行距離は当面顧客が携帯電話や Web サイトから入力する。
将来、車載端末が投入されれば、自動的にシステムに反映される。

資料:トヨタ広報資料 04.3.23


■日産:NTTドコモと提携した2つの新サービスをCarwingsに追加

日産は02年2月発売の、新型MarchからCarwingsサービスを開始した。対応機能を標準装備しているモデルはなく、04年9月時点で、対応車載機器をメーカーオプションとして設定しているモデルが12車種、ディーラーオプション設定が8車種、合計では16車種。03年6月には、スズキへのCarwingsサービス提供を発表した。

Carwingsは、ドライブ情報とコミュニケーション機能を中心に6項目のサービスを提供し、通信には携帯電話を利用する。日産は、携帯電話のメリットを最大に活用することを目指すとされ、02年2月からNTTドコモと共同で新たなテレマティクス・サービスを検討、その具体化として04年10月、2つの新サービスの追加を発表した。

ひとつは位置情報をiモードのコンテンツプロバイダーに送り、コンテンツプロバイダーが顧客の携帯電話に現在地や目的地周辺の街の情報を提供するサービス。もうひとつは、(TIIDA以降の新型車に搭載する対応車載機器で) ドコモのBluetooth対応FOMA(F900iT)でケーブル接続無しにハンズフリー通話やCarwingsサービスを利用できるサービス。

04年10月現在で利用料金は月額税込み472円(携帯電話の通話料金は含まない)だが、04年10月1日以降に新車でCarwings機能を装着した顧客と、ディーラーオプションのCarwings対応カーナビ購入者には3年間無料にすると発表した。

なお日産は、①TBSラジオ&コミュニケーションズとオンデマンドラジオの共同実験、②綜合警備保障やカーリース関連会社と共同でテレマティクスを利用したリース車両向けサービスの展開実験も03年に開始している。

■日産 Carwings のサービス機能

  概要
情報取得機能 交通情報や天気予報を、24時間いつでもリアルタイムで入手できる(Auto DJ)。
コミュニケーション機能 車両の現在地を、友人や家族の携帯電話・パソコンに知らせる。
ハンドフリーフォン機能 携帯電話を車載機に接続して、ハンドフリーで通話できる。
道案内機能 現在地を確認し、周辺の地図を表示する。
お助け機能 故障時に専門のオペレーターが24時間対応するロードサービスや、情報検索や目的地探しをオペレーターが代行するコンパスリンクライトなど。
車両情報表示機能 燃費情報(瞬間燃費・平均燃費・航続可能距離)と車両情報(走行時間・走行距離・平均時速)を表示する。

資料:日産広報資料 02.2.5

■日産 Carwings の利用料金

入会事務手数料 サービス利用料金 (税込) サービス内容
2,100円 月払いの場合 472円/月 オペレーターサービス(コンパスリンク ライト),
Auto DJ, メール等の全サービスを利用できる。
年一括払いの場合 5,250円/年

 

資料:Carwings Homepage
(注) 1. 携帯電話通話料金は含まない。
2. オプションサービスの「ドライブルートアシスト」は、月払いで 367円、年払いで 4,095円。
3. 04年10月1日から、Carwings 対応ユニットを装着した新車顧客と、ディーラーオプションの
Carwings 対応ナビゲーションを購入者には、利用料 3年間無料のサービスを実施中。

 

■Carwings に、i モード連携サービスとワイヤレス接続サービスを追加

日産は04年10月、Carwings サービスに 2つの新サービスを追加した。
■新情報サービス「送っとケータイ」:Carwings の情報提供サービスである Auto DJ のチャネルの一つとして、NTTドコモの i モードと連携するサービスを開始。 ナビゲーションシステムから車両の位置情報を Carwings センター経由でコンテンツプロバイダーに送り、コンテンツプロバイダーは現在地、目的地周辺の情報を顧客の携帯電話へ情報サービスする。当面は「ゼンリン携帯マップ」と「ぐるなび」の2つのコンテンツを提供。
■Bluetooth による完全ワイヤレス接続:04年6月発売のドコモ Bluetooth 対応 FOMA(F900iT)と、04年9月発売の日産 TIIDA 以降の新型車に搭載する Carwings 対応ナビゲーションで、携帯電話をカバンやポケットに入れたままで、ハンズフリー通話や Carwings の全サービスが利用可能。F900iT以外のドコモのハンズフリー対応携帯電話でも、ケーブル接続により利用可能。

資料:日産広報資料 04.10.5


■ホンダ:運転支援サービスに特化、ロードアシスタントするQQコールも開始

ホンダは02年10月に、新情報ネットワークサービスとしてインターナビ・プレミアムクラブを開始した。トヨタ、日産と同じく対応機能を標準装備しているモデルはないが、04年内に軽自動車を除くほぼ全車種にオプション設定する方針。

ホンダのシステムは道路交通情報を中心に運転支援に徹したシステムで、音声認識と音声案内を全面的に採用し、ナビの基本操作やエアコンとオーディオの音声操作、音声メモ、ハンズフリー通話が可能。

運転支援のメニュー拡充でも、03年にVICSがカバーしていない道路の情報を提供するプレミアムVICS、条件を絞って要望に合う駐車場を素早く探す駐車場セレクト、蓄積したVICS情報による渋滞予測の、3機能を追加した。04年10月には、車線別の混雑状況を伝えるVICS車線別情報と、目的地の気象情報をリアルタイムに提供するインターナビ・ウエザーの、2機能を追加した。

料金については、02年8月のサービス開始時に、新車登録から初回車検までの3年間を無料としたが、03年11月に4年目以降も会費を無料にすると発表した。

■ホンダの「インターナビ・プレミアムクラブ」サービス概要

  概要
新・道路交通情報 携帯電話を経由させることにより、全国の道路交通情報を都道府県をまたいで入手できるオンデマンド型 VICS と、フレキシブルに渋滞情報をキャッチし誘導するダイナミックルートガイダンスを提供。
愛車メンテナンス情報 走行距離データをベースに、メンテナンス時期などをインターナビ情報センターからメールやパーソナル・ホ-ムページで連絡。
カーナビ向け情報 ドライブ情報, 各種ニュース, メールの音声での読みあげが可能。
パーソナル・ホ-ムページ パソコンや携帯電話に個人のホームページを提供する。ドライブを充実させるための情報やメンテナンス情報を提供。家庭・外出先でも利用可。
地図 DVD 更新 初回車検までの 3年間、1年点検ごとに販売店で最新地図 DVD-ROM に交換。

資料:ホンダ広報資料 02.8.29

■インターナビ・プレミアムクラブのサービス内容拡充

  概要
VICS 車線別情報
(04年10月)
(HDDナビ搭載車を対象に)複数車線がある都市高速分岐点で、プレミアムメンバーズ会員の走行データにより、車線別の渋滞情報の提供を可能にした(これまでは片車線のみの混雑でも全車線渋滞として情報提供)。
インターナビ・ウエザー
(04年10月)
目的地をセットすると、交通情報と併せてドライブに必要な降雨・降雪などの気象情報をリアルタイムで地図上に表示する。警報・注意報は文字表示のほか音声案内も行う。
渋滞予測機能
(03年10月)
リアルタイムの VICS 情報とインターナビ情報センターに蓄積された過去の VICS 情報をもとに交通状況を予測し、目的地までの通過時刻に合わせた最適なルートを案内し、到着時刻を高精度で予測できる。
プレミアムメンバーズ VICS
(03年)
VICS がカバーしていない道路をインターナビ・プレミアム会員が走行した際の所要時間を収集し、その付近を通行するメンバーに提供する。東京・名古屋・阪神神戸エリアからスタートし、順次エリアを拡大する。
駐車場セレクト
(03年)
始めに車のサイズで絞込み、次に料金と目的地までの距離等で優先順位をつけて、顧客の希望に合った駐車場を素早く情報提供できる。

資料:ホンダプレミアムクラブ Homepage, 広報資料 03.10.17/04.10.6

■03年6月、ロードアシスタントサービスのQQコールを開始

ホンダは03年6月、事故や車両故障時のロードアシスタントサービスとして、QQコールも開始した。インターナビ・プレミアクラブ対応のカーナビゲーション装着車を対象に、24時間365日稼動のコールセンターが、応急処置や車両牽引、代替交通手段や宿泊などを手配し、基本経費を負担する仕組み。会員制で、入会金2,100円、年会費4,200円。

■ホンダのロードアシスタンスサービス のQQコール

  概要
応急処置 30分以内の処置により走行可能と思われる場合、応急処置を手配し、費用を負担。
車両の牽引 必要な場合には、最寄のホンダサービス工場まで牽引を手配し、費用を負担。
代替交通機関手配と
費用のカバー
バス, 列車, 飛行機, タクシーなどの交通機関の手配と費用負担。
移動困難な深夜などの場合、ホテルの手配と顧客及び同乗者の室料を負担。
車両の保管 最寄のホンダサービス工場が営業時間外の場合、提携駐車場で車両を保管。
修理後車両の受取と搬送 自宅近くのホンダ販売店までの車両運送、または車両受取に伴う往路1名分の交通費を負担。
保険会社への連絡 必要な場合には、代行して保険会社に連絡。
メッセージサービス 連絡がとりにくい場合、家族, 友人, 会社への連絡を代行。

 

資料:ホンダ広報資料 03.6.5
(注) 費用負担には、負担範囲の制限がある。 例えば応急処置では、作業者の出張料, 現場の作業代金, 作業者の有料道路料金を負担する。 応急処理に使用したスペアパーツ, 補給したガソリン代, 消耗品代等は負担しない。

 

なお、日本における事故や車両故障時のテレマティクス型の支援システムとしては、自動車メーカー各社も出資して設立したHelpnet サービスもある (Helpnetに対応したカーナビ等の車載機器と携帯電話が必要)。また、車両盗難への対応などの車両セキュリティサービスでは、セコム、綜合警備保障、矢崎総業がテレマティクス型システムを販売している。

(参考)日本の自動車メーカー各社が出資している Helpnet サービスの概要

  概要
設立年月 (株)日本緊急通報サービスを 1999年9月に設立
出資企業 トヨタ, 日産, ホンダ, DCX日本, 富士重工, スズキ, ダイハツ, マツダ, 三菱自動車, 日野自動車, 自動車部品メーカー各社, NTTドコモ, KDDI, 損害保険会社等
利用機器 専用機又は Helpnet 対応カーナビ、携帯電話
サービス内容 ■メインサービス:事故発生時に、Helpnet ワンタッチ通報によりオペレーションセンターが状況を把握し、警察やロードサービス等救助機関に伝えた後、本人に接続する。
■無料オプション:夜間や休日に診断可能な医療機関を案内。
■ロードサービス(有料オプション):故障時の緊急修理, 車両牽引, 宿泊手配, 帰宅旅費サービス, レンタカー手配(一定の範囲内で費用を負担する)。
費用(税別) 入会金 6,000円。年会費はメインサービス 4,000円、ロードサービス 2,000円(3年一括払いの場合はメインサービス 10,000円、ロードサービス 5,000円)。

資料:日本緊急通報サービス Homepage


■商用車の運行管理システムもテレマティクス化

日本の商用車メーカー4社が提供する車両運行管理システムでも、その一部で車両と車外を双方向・リアルタイムな情報で結ぶ、テレマティクス化が始まっている。

■フリート管理を中心とする、商用車テレマティクスへの動き

■いすゞ:04年2月、みまもりくんオンラインサービスを発売

いすゞは 04年2月、大型トラック用運行診断システム 「みまもりくん」 に、KDDI と共同開発した通信機能を加えた 「みまもりくんオンラインサービス」 を発売した。
新たに加えた、GPS による位置情報機能と KDDI のパケット通信技術により、インターネット上でリアルタイムに車両の運行情報 (燃費、CO・NOx・PM の排出量、位置情報、ドライバーのギア・アクセル・ブレーキ等の運転操作情報) を提供する。これにより、走行中のトラックと運送会社・荷主企業・いすゞを結んで、双方向・リアルタイムの情報通信が可能になった。
また、事故の可能性が高い急減速を検知した場合には、自動的にあらかじめ指定したパソコンや携帯電話にメール送信し(最大5ヶ所)、事故や車両故障の発生時には、現在地などの情報を、ボタン操作でいすゞのサービスセンターに通報することも可能。
02年1月に発売した 「みまもりくん」 は、個々の車両に装着したユニットが、車両制御コンピュータから、乗務員の運転操作や、燃料噴射量などの情報を読み取って記録・蓄積し、いすゞが解析・診断したレポートをユーザーに提供するサービスだった。発売から 2年で、契約車両は約 800台。
新サービスは、大型トラックのギガシリーズを対象に開始、順次、中型・小型トラックにも展開する。1台あたりの販売価格は、車載端末 78,000円、月額ランニング価格 4,500円(通信料は含まない)。04年度の契約目標は1,500台。

資料:いすゞ広報資料 04.2.25

■日産ディーゼル:02年12月、車両運行情報提供サービス e-Transit を発売

日産ディーゼルは 02年12月、NTTコミュニケーションズが開発した車両運行情報提供サービス e-Transit を発売した。システム販売目標は年間 1,000台。
e-Transit は、①車両に簡易なGPS車載機を設置してパケット通信機器と接続すると、② GPSで取得した走行データがパケット通信で e-Transit センターに自動送信され、③センターからインターネットを通じて事務所等のパソコンに車両運行データを提供するシステム。
システムが提供する主要な情報は、車両位置確認、運行履歴検索(過去の履歴確認が可能で、荷主からの問い合わせ等にも活用できる)、目的地までの所要時間や最適ルート算出、道路交通情報、目的地や指定場所に一番近い最寄車両検索(緊急の積荷要請への対応が効率化する)、等。
車両運行データはリアルタイムに送信され、事務所の1台のパソコンで複数の車両データ管理が可能。ユーザー ID を追加すれば、荷主にもサービス提供可能。
ユーザーによるセンターシステム構築が不要で、車載機と通信機器のみの初期投資で利用が可能。月額費用は車両1台あたり e-Transit 利用料 3,000円と携帯電話基本使用料、パケット通信料のみ。 車載機価格は、携帯電話で接続の場合15万円、携帯電話ではない場合15.8万円 (取付工賃は含まない)。

資料:日産ディーゼル工業広報資料 02.2.25, その他

■三菱ふそう:2004年東京モーターショーに次世代FTSSを出展

三菱ふそうは、04年11月開催の東京モーターショーに、開発中の次世代 FTSS を出展すると発表した(詳細未発表)。
FTSS (Fuso Total Support System) は三菱自動車エンジニアリング(MAE)が開発した商用車の運行・輸送品質・車両管理システムで、99年にサービス開始。運行管理は現在地や走行状況などの情報、輸送品質管理は庫内温度や荷台振動などの情報、車両管理は車両ウォーニングや車両メンテナンスなどの情報。
データと専用設備の維持管理は MAE の管理センターが行うシステムで、インターネット方式により何処からでもリアルタイム情報が入手できる。
次世代 FTSS には、CAN を用いた車両データ通信システムを付加する。車載の各種 ECU データを CAN バス経路で収集、接続ケーブルが不要な Bluetooth を通信ゲートウェイに採用、パケット通信、パソコン、PDA等の様々な機器との接続が可能となる。

資料:三菱ふそう広報資料 03.10.9/04.10.14

■日野:04年12月から、商用車のエコドライブ支援システムを発売

日野も、テレマティクス機能は持っていないが、商用車の運転支援システムを発売する。2004年東京モーターショーへの出展と、04年12月からの発売を発表した日野ドライブマスターで、トラックドライバーの省燃費運転に寄与し、結果的に環境への負荷を低減するエコドライブを支援するシステム。
付帯機器は不要で、車載端末1台のみで構成する、ランニングコスト不要なシステムで、燃料を無駄にするような運転操作に対する警報と、運転状況データのプリントアウトによってエコドライブの定着化を図る。
警報対象は、アクセル開度、エンジン回転数、アイドル時間、車速で、警報タイミングは、運転者の技能レベルに応じて設定することができる。車載機器価格は 75,000円(税抜き)。

資料:日野自動車広報資料 04.10.18


Copyright(C) 2001 MarkLines Co., Ltd. All rights reserved.