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自動車業界動向レポート 2004.8.1 No.294

成長は鈍化したが、海外生産が100万台に拡大、過去最高業績が続くスズキ
アジアと欧州の生産拠点拡充で、3年で倍増したスズキの設備投資と研究開発費



 02年度に初めて2兆円を超えたスズキの連結売上高は、03年度 (04年3月決算) は2兆1,990億円に増加した。営業利益も951億円で、過去最高。04年度計画も、売上高2兆2,000億円、営業利益と経常利益が1,000億円、純利益600億円で、いずれも過去最高となる計画。ただし、台数計画はほぼ横這いで、売上高と利益の増加は大きくはない。

 設備投資と研究開発は一段と積極化している。01年度まで800億円弱で推移してきた設備投資は03年度1,149億円、04年度計画は1,590億円に拡大する。研究開発費も04年度計画は830億円。設備投資、研究開発費とも数年前の2倍である。

■スズキの業績概況 (1,000台, 億円)
  連結決算 単独決算
00年度 01年度 02年度 03年度 04年度 00年度 01年度 02年度 03年度 04年度
国内生産台数
海外生産台数
          854
885
864
778
952
891
905
1,022
935
1,007
四輪車生産台数           1,739 1,642 1,843 1,927 1,942
国内売上台数
海外売上台数
572
376
563
389
580
762
584
964
  620
255
626
261
637
276
625
271
645
249
四輪車売上台数 949 953 1,342 1,548   875 887 912 896 894
国内売上高
海外売上高
8,047
7,956
7,869
8,814
8,543
11,610
8,220
13,770
8,000
14,000
6,660
6,287
6,701
6,501
7,251
6,863
6,856
7,071
6,920
6,680
売上高 16,003 16,683 20,153 21,990 22,000 12,947 13,202 14,114 13,927 13,600
営業利益
経常利益
純利益
507
510
202
585
523
224
742
792
310
951
952
438
1,000
1,000
600
328
306
129
426
312
139
538
511
194
551
553
257
560
560
370
設備投資
減価償却
研究開発費
764
753
375
795
751
450
926
839
604
1,149
879
758
1,590
920
830
544
528
370
563
542
445
506
536
595
465
478
746
640
500
810
総資産
自己資本
有利子負債残高
12,999
5,938
1,658
13,477
6,200
1,645
15,374
6,484
1,665
15,777
6,923
1,522
1,500 9,782
4,756
498
10,287
4,771
842
10,707
4,837
826
10,393
5,182
450
450
為替レート(対ドル)
為替レート(対Euro)
108
-
124
112
122
123
113
133
105
125
108
-
124
112
122
123
113
133
105
125
資料:スズキの2004年3月決算短信と決算発表資料。
(注) 1. 04年度は、03年度決算発表時のスズキ見通し。生産台数と売上台数は四輪車のみ。
2. 国内生産台数にはOEM車を含む。海外生産台数は、CKD輸出台数+SET輸出台数。
3. 国内売上台数にはOEM供給車を含まないが、海外売上台数には含む。
単独の海外売上台数は日本からの輸出台数。
4. 02年度連結売上高の大幅増加は、インド Maruti Udyog 等を連結子会社化した影響が大きい。
単独の海外売上高は輸出売上高。
 
■スズキの連結営業利益増減要因 (億円)
  営業利益
改善幅
増益要因 減益要因
原価改善 費用削減
合理化
売上変動
価格変動
為替変動 売上変動
構成差
研究開発
費用
費用増加 為替変動
01年度
02年度
03年度
78
157
209
355
470
560
  244 511
139
17
(227) (75)
(154)
(154)
(486)
(542)
(214)
 
04年度 49 430       (61) (70)   (250)
資料:スズキの2004年3月決算発表資料。04年度はスズキ発表の見通し。

 03年度の売上高は、2002〜04年度中期経営計画の最終年度を既に上回っているが、利益はまだ目標に達していない。利益率でみると、中期計画目標とは、まだ1%ポイント以上の開きがある。03年度決算発表時の04年度見込みの利益率も、目標を約1ポイント下回る。

 課題は四輪車事業の収益性である。四輪車事業の営業利益率は、中期計画目標4.7%に対して、02年度で2.4%、03年度も3.04%にとどまっている。


 スズキは、02年度から3年間で総コストを30%低減させるチャレンジ30を推進中で、他社との提携によるスケールメリットの追及と、コスト管理の徹底による原価低減に取り組んでいる。

 スケールメリット追求では、02年度にいすゞと富士重を含むGMグループとの共同購入(GM APT:Alliance Purchasing Team)を開始した。初年度の購入対象は、ガラス、アンテナ、ホイール等にとどまったが、03年には購入額目標(4社合計)を3,000億円に倍増して、エアバック、シートベルト、タイヤ、鋼板など15〜17品目に拡大した。また、03年9月にフルモデルチェンジしたWagon Rに、富士重と共同開発したサスペンションを採用した。富士重との連携は、コスト削減効果の大きいエンジン周りにも拡大する可能性がある。

 GMとの提携拡大として、GMが世界戦略エンジンとして開発し、04年モデルで搭載開始した新型V6エンジン生産を相良工場で生産する合意も04年6月に発表された。可変バルブタイミング機構を採用したオールアルミ製エンジンで、排気量は2.8/3.2L。生産開始予定は06年で、スズキブランド車に搭載する。

 コスト管理の徹底のひとつでは、樹脂部品の種類削減を徹底する。その一環として、太田シートの自動車用内装部樹脂部品成形加工事業の買収を04年5月に発表した。また、金型製作を自社管理下におくことで、10%のコスト削減を目指している。

■スズキの2002〜04年度中期 3ヵ年計画と進捗
■中期経営目標 (億円)
  2001年度 2002年度
(計画初年度)
2003年度
(計画 2年目)
2004年度(計画最終年度)
実績 実績 実績 中期計画目標 年初計画
連結売上高 16,683 20,153 21,990 20,000 22,000
連結営業利益
営業利益率
585
3.50%
742
3.70%
951
4.32%
1,100
5.50%
1,000
4.55%
連結経常利益
経常利益率
523
3.10%
792
3.90%
952
4.33%
1,100
5.50%
1,000
4.55%
資料:スズキ広報資料
(注) コスト削減目標は30%。04年度の年初計画は、03年度決算発表時のスズキ発表。
■事業セグメント別の連結売上高・利益目標 (億円)
  2001年度 2002年度
(計画初年度)
2003年度
(計画 2年目)
2004年度
中期計画目標
四輪事業 売上高 13,113 16,182 17,248 15,750
営業利益 281 387 525 740
営業利益率 2.10% 2.40% 3.04% 4.70%
二輪事業 売上高 3,125 3,478 4,169 3,780
営業利益 258 284 336 310
営業利益率 8.30% 8.20% 8.07% 8.20%
その他事業 売上高 445 493 573 470
営業利益 45 71 90 50
営業利益率 10.20% 14.40% 15.79% 10.64%
(注) その他事業は、船外機、発電機、汎用エンジン、等。


■アジアでの売上高、営業利益が急拡大した03年度

 所在地別セグメントでみると、スズキの営業利益は、売上高に比べて、日本のウェイトが著しく高いことが、他社との比較で特徴的である。海外事業の収益性に問題があることを示すとともに、小規模生産拠点の多い海外拠点への日本からの部品供給が多いこと、また連結対象ではない海外各社にも多くの組立部品を日本から供給していることが、背景の一つである。

 スズキは、インドネシアとインドの生産拠点の経営権を02年に取得、連結子会社化して原価低減・合理化の推進、域内生産集約などを進めている。このアジア地域で、03年度の売上高が4,648億円に拡大し、北米(2,960億円)、欧州(3,756億円)を大きく上回った。営業利益も急拡大して、03年度連結利益の増加につながっている。

■スズキの地域別売上高・営業利益 (連結決算の所在地別セグメント情報による) (100万円)
  日本 欧州 北米 アジア その他 連結
売上高 99年度
00年度
1,400,461
1,433,416
229,882
239,136
130,586
213,427
  50,410
55,039
1,521,192
1,600,253
01年度
02年度
03年度
1,437,002
1,540,623
1,529,062
276,421
296,792
375,603
267,332
303,191
295,984
38,043
285,667
464,763
22,428
22,450
24,339
1,668,251
2,015,309
2,198,986
外部売上高 99年度
00年度
1,111,486
1,094,580
229,328
238,337
213,336   180,377
53,999
1,521,192
1,600,253
01年度
02年度
03年度
1,066,639
1,125,144
1,055,969
275,116
294,694
373,212
267,182
302,594
294,489
36,884
270,449
450,976
22,428
22,426
24,338
1,668,251
2,015,309
2,198,986
営業利益 99年度
00年度
37,045
49,529
2,364
548
1,724   1,612
(187)
42,599
50,727
01年度
02年度
03年度
56,131
66,240
67,725
2,510
3,191
8,993
869
414
807
1,425
7,055
24,946
(236)
501
574
58,460
74,204
95,140
資料:スズキの2004年3月決算短信。
(注) 1. 四二輪車事業、汎用製品事業を含む。「消去・全社」の調整項目を省略しているため、
売上高と営業利益の地域合計と連結とは一致しない。
2. 欧州はハンガリー、英国、ドイツ。北米は米国、カナダ。
アジアはインド、インドネシア、パキスタンで、00年度以前はその他に含む。
その他はオーストラリア、コロンビア。

■国内:03年9月に新型Wagon R 発売、日産へのOEM供給は生産台数に上乗せ

 02年以降のスズキは、軽四輪車の国内販売では、廉価バージョン投入でモデル末期の販売低下に歯止めをかけてきたが、03年9月、最量販車のWagon Rをフルモデルチェンジした。

 04年も、秋にAltoを全面改良、8月には1.5LクラスのConcept-Sの生産を開始する計画。Concept-Sは、当初は欧州向けに開発されたが、世界戦略車に位置付けされ、欧州で04年、中国とインドでも04〜05年に生産を開始する予定で、世界年産40万台規模が目標。

 小型車については、03年4月に日本での輸入販売権を獲得したChevroletとGM-Daewooモデルの販売も本格化する予定(日本GMはOpelやCadillacなど高級ブランド販売に特化し、Chevroletの販売権はスズキに全面移管された)。

 なお、スズキの軽四輪車販売は、年間57万台規模での横這いが続いているが、年4万台規模のマツダへのOEM供給と、02年に開始した日産へのOEM供給を加えると、02〜03年は65万台規模となり、日産へのOEM供給はスズキの生産台数にそのまま上乗せとなっている。

■スズキの車種別国内生産・国内販売・輸出台数 (台)
  乗用車 トラック   合計
普通 小型 軽四輪 小型 軽四輪 全車種 軽四輪
国内生産 1999年
2000年
49,322
54,297
206,654
219,187
423,167
430,978
18,464
11,691
211,733
191,752
909,340
907,905
634,900
622,730
2001年
2002年
2003年
69,178
60,906
73,902
224,007
259,921
243,748
419,447
496,211
481,625
15,730
16,749
14,881
179,166
166,093
166,575
907,528
999,880
980,731
598,613
662,304
648,200
03年1-5月
04年1-5月
19,344
27,332
115,339
100,251
212,009
221,437
5,639
7,718
73,432
69,207
425,763
425,945
285,441
290,644
国内
新車販売
1999年
2000年
  28,055
30,889
382,170
393,629
11,801
9,428
197,187
180,129
619,213
614,075
579,357
573,758
2001年
2002年
2003年
  39,902
44,750
55,120
392,022
413,341
408,973
12,830
9,156
8,642
177,303
158,843
154,139
622,057
626,090
626,874
569,325
572,184
563,112
03年1-5月
04年1-5月
-
2,382
25,460
27,025
188,556
200,900
4,209
-
68,155
65,004
286,380
295,311
256,711
265,904
日本からの
輸出
1999年
2000年
48,756
51,894
169,025
178,945
167
110
15,613
10,814
22
12
233,583
241,775
189
122
2001年
2002年
2003年
61,730
58,786
72,270
176,587
207,328
186,815
34
93
72
15,542
16,242
15,539
5 253,898
282,449
274,696
39
93
72
03年1-5月
04年1-5月
21,384
28,417
91,369
74,860
42
12
6,250
7,520
-
-
119,045
110,809
42
12
資料:JAMA「自動車統計月報」
(注) 1.04年初にスズキが発表した04年見込みは、国内販売 645,000台(軽四輪 575,000台)、輸出 284,000台。

■年間100万台を超えたスズキの海外生産台数

 03年度のスズキの海外生産台数は102.2万台で初めて100万台を超えた(スズキ発表による、CKD輸出台数+SET輸出台数で、技術供与先等への供給も含む)。主要な生産拠点は、カナダのCAMI Automotive Inc. (GMカナダとの折半出資)、ハンガリーのMagyar Suzuki (97.3%出資)、インドネシアのIndomobil Suzuki International (90%出資)、インドのMaruti Udyog (54.2%出資)、資本撤退したが生産委託を続けているスペインのSantana、中国の重慶長安鈴木(35%出資)と江西昌河鈴木(39%出資)である。この7社は、03年に813,308台を生産、スズキの海外生産の8割を占めている。

■スズキの海外主要生産拠点の生産台数 (台)
  1999年 2000年 2001年 2002年 2003年
カナダ Swift 3,589 4,874 3,213    
Vitara 11,490 15,099 13,048 12,609 8,991
Suzuki ブランド 15,079 19,973 16,261 12,609 8,991
Metro 32,263 27,032 5,950    
Tracker 64,972 60,646 55,021 50,137 42,484
Chevrolet ブランド 97,235 87,678 60,971 50,137 42,484
CAMI 合計 112,314 107,651 77,232 62,746 51,475
スペイン Santana 34,355 33,821 22,612 20,878 22,618
ハンガリー Magyar Suzuki 68,105 77,253 85,105 84,633 88,446
インドネシア 乗用車 335 7,814 4,026 2,921 3,270
商用車 10,225 38,754 48,765 60,044 68,025
Indomobil Suzuki International 10,560 46,568 52,791 62,965 71,295
インド 乗用車(Car) 307,423 279,323 289,062 357,650 437,347
乗用車(Van) 78,276 63,531 60,598
多目的車 8,138 5,811 6,948
Maruti Udyog 393,837 348,665 356,608 357,650 437,347
中国 重慶長安鈴木 44,583 48,235 43,123 67,846 102,083
江西昌河鈴木     5,223 20,564 40,044
合弁 2社 44,583 48,235 48,346 88,410 142,127
比亜迪汽車 5,312 5,380 5,345 16,500 20,080
江南汽車 700 343 258 189 4,590
吉林通田汽車 487 0 0 481 100
技術供与先 3社 6,499 5,723 5,603 17,170 24,770
中国合計 51,082 53,958 53,949 105,580 166,897
主要6カ国合計 670,253 667,916 648,297 694,452 838,078
資料:カナダは Word's Automotive Reports, 中国は「中国汽車工業年鑑」等、その他4カ国は自工会資料。
(注) 1. その他、Suzuki が出資する海外生産拠点としては、
ベトナムの Vietnam Suzuki Corp.(35%出資、96年生産開始で年間数千台規模)、
パキスタンの Pak Suzuki Motor Co., Ltd. (73.09%出資、82年生産開始で02年度生産台数は36,000台)、
エジプトの Suzuki Egypt S.A.E. (14.6%出資、89年生産開始で年間 1,000台前後)、
ミャンマーの Myanmar Suzuki Motor Co., Ltd. (60%出資、99年生産開始で年間数百台規模)。
2. また、GM の南米拠点に少数出資しており、コロンビアの GM Colmotores S.A. に 2.03%出資して年間10,000台前後を委託生産、ベネズエラの GM Venezolana C.A. に 2%出資して年間数千台規模を委託生産、アルゼンチンの GM de Argentina S.A. に2%出資して 年間数千台規模を委託生産している。
3. この他、タイ、マレーシア、フィリピンで年間数百台規模、
台湾、エクアドルで年間 1万台規模を現地メーカーに委託組立している。
4. スズキが発表した暦年の生産台数は下記。
 
■スズキの海外生産台数(暦年) (1,000台)
  1999年 2000年 2001年 2002年 2003年
国内生産
海外生産
878.6
973.1
842.3
928.8
846.1
773.2
939.4
858.7
919.6
985.3
世界生産 1,851.7 1,771.1 1,619.3 1,798.1 1,904.9
資料:スズキ広報資料(04.1.21)
(注) 海外生産は、CKD+KD SET出荷台数。Suzuki が04年初に発表した04年計画は、
国内 94.9万台、海外 98.6万台、合計 193.5万台。

■米国: GMDATモデルで製品ラインを拡充、07年20万台販売を目標に事業再建

 スズキの03年米国販売は58,438台にとどまり、03年上半期には、販売減少による在庫調整のため、薄利のフリート販売比率が1割から3割に拡大した。

 現時点で、CAMI Automotive Inc. が生産するスズキブランドの販売モデルもない。CAMIは、01年モデル年からChevrolet Metro(Swift)、04年1月にスズキVitara, Chevrolet Trackerの生産を中止した。新たな生産モデルとしては、04年3月にChevolet Equinox (Saturn Vue ベースの4WD) 生産を開始、06年に自社開発の上級SUV(XL-7後継車)生産を開始する計画(年産5万台)。当面は、これら2モデルの生産に特化して、年産能力は20万台であるが、25%にまで低下した稼働率を3倍の75%に引き上げる計画。

 今後の販売戦略は、03年から実施している米国販売拡大計画のプラン357が軸となる。計画では、07年販売目標が20万台。中間年である04年は10万台で、先ずは損益分岐点売上高の達成を目指す。モデル投入は、GM-Daewoo(GMDAT:スズキも14.9%出資)からの完成車調達により、小型車中心だった製品ラインアップを上方へ拡充する。

 GMDATから調達するモデルは、既にミッドサイズセダンVerona を03年9月、プレミアムコンパクトセダンForenzaを03年12月に発売した。Forenzaは日本からの輸入乗用車Aerioと価格帯とサイズが同じであるが、Aerioをスポーティ車として差別化している。

 これらに、04年投入予定のSUVのReno とForenza Wagonなど、08年までに9モデルを追加し、販売店を04年初の490店から05年末までに600店に拡大する。また、04年1月に販売会社American Suzuki Motor (ASMC) を四輪、二輪・マリン、およびその統括会社に分割する社内カンパニー制を導入、責任体制の明確化と経営強化を推進する組織体制とした。

■スズキの米国販売拡大計画 357プランの目標
02〜07年の 5年間で販売台数を 20万台に拡大。
04年は目標を 10万台に置き、損益分岐点売上高達成を目指す。
08年までに 9モデルを追加投入、07年までに既存の全モデルを刷新。
販売店数を 05年末までに 600店に拡大。

■スズキのモデル別米国新車販売台数 (台:モデル名の * 印=輸入車)
  1999年 2000年 2001年 2002年 2003年 1-5月
2003年 2004年
Aerio *       18,441 19,828 10,306 4,953
Esteem * 12,320 16,877 13,061 3,849 113 86  
Forenza *         633   9,216
Swift   2,290 3,379 2,547 177      
Verona *         1,967   6,584
乗用車合計 14,610 20,256 15,608 22,467 22,541 10,392 20,753
Grand Vitara * 27,450 31,482 16,030 11,529 7,945 3,977 1,921
Sidekick   224            
Sidekick * 621 89 14 10      
Vitara   6,948 9,015 7,950 6,554 5,392 1,907 1,847
Vitara XL7 *     25,096 27,295 22,560 9,548 7,801
X90 * 35 3          
小型トラック合計 35,278 40,589 49,090 45,388 35,897 15,432 11,569
乗用車+小型トラック 49,888 60,845 64,698 67,855 58,438 25,824 32,322
資料:Ward's Automotive Yearbook, Ward's Automotive Reports


■欧州:ハンガリーでの生産規模を20万台に倍増、スペインの委託生産も継続

 欧州では、ハンガリーの生産拠点Magyar Suzukiに、03〜07年に毎年新型車を投入し、現在10万台の年産能力を、06年までに20万台に引き上げる。欧州販売も02年の20万台を34万台に拡大する計画。

 新型車としては、03年4月にIgnis生産を開始、04年にConcept-S、05年はFiatと共同開発のSUVの生産開始を予定。遅れていたDE対応では、IgnisにGM/Fiatの合弁会社Fiat-GM Powertrain B.V. が生産する1.3LのDEを採用した。DEを自社生産していないスズキのDE車は、Peugeot製2.0L DEを搭載したGrand Vitaraの5ドア車のみであったが、03年にVitaraの3ドア車とXL-7にも搭載を拡大した。

 今後投入予定のConcept-S と新SUVでもDE車を設定、DE化を推進する。DE調達先には、06年生産開始予定のインドのDE工場が加わる可能性もある。

 なお、95年に資本撤退したスペインのSantana Motorへの生産委託は、03年12月で契約期限切れであったが、2010年までの延長が発表された。

■ハンガリー:Magyr Suzuki Corporation
出資比率97.3%、設立91年4月、生産開始92年10月、年産能力10万台(500億円を投資して、06年までに20万台)、生産モデルはGMと共同開発した Wagon R+ (Wagon R ソリオ)
00年1月、GMとの共同開発車を新型 Wagon R+ として生産開始。Opel もポーランド工場で同車種を Opel Agila として生産。
03年4月:Swift に代えて Ignis を生産開始(年産計画 5.5万台)。1300/1500ccのガソリンエンジン、1500ccのディーゼルエンジンを搭載。富士重工へのOEM供給も継続、03年9月、Ignis を Subaru G3X Justy として欧州販売開始。Justy の年産計画は 5千台程度。
04年、Concept-S を生産開始。オールアルミ1600ccエンジン搭載、4人乗り、フルタイム4WD。
06年、Fiat との共同開発車を生産開始。スズキの新 A プラットフォームを使用する 5ドアSUV。ガソリン車を 05年、ディーゼル車を 06年から生産。スズキブランド 4万台、Fiat ブランド 2万台の予定。外観は差別化。
これらの製品投入により、06年までに20万台に生産を拡大する計画。

■スペイン:Santana-Motors S.A.
95年に資本撤退、85年スズキ車生産開始(現在は生産委託)、生産モデルはJimny, Samurai, Vitara
03年末までの契約だった生産委託を、2010年まで延長。
Jimny 等に、Renault から DE 調達することも検討中。

■スズキの欧州19カ国でのモデル別乗用車販売台数 (台)
  2000年 2001年 2002年 2003年 1-5月
2003年 2004年
Alto 13,281 6,896 15,929 23,766 8,071 11,611
Vitara 38,346 33,464 36,789 42,340 15,887 22,210
Ignis 2,858 24,310 23,584 35,213 10,474 21,404
Jimny 21,351 19,787 21,541 21,182 9,505 9,482
Liana 0 7,225 12,995 12,055 5,816 6,378
Samurai 9,341 5,508 4,708 3,986 2,069 259
Swift 45,476 35,244 37,523 17,551 12,826 289
Wagon R+ 29,778 35,961 42,021 35,406 16,060 14,481
Baleno 18,591 9,462 2,599 563 454 95
Others 174 38 61 234
Total 179,196 177,895 197,750 192,296 81,162 86,209
資料:Automotive News Europe June. 28, 2004、その他
(注) 1. 欧州 19カ国は、西欧 18カ国 + Hungary。
2. Suzuki の Vitara には、Grand Vitara, Grand Vitara XL-7 を含む。


■インドMarutiの年産能力を50万台に拡充しDE生産も開始、パキスタン工場も拡充

 02年11月にスズキ出資比率を49%から90%に引上げたインドネシアのIndomobil Suzukiは、ASEAN地域におけるスズキ最大の四輪車生産拠点である。小型トラックCarry を軸に、00年から生産拡大が続いて、03年生産は71,295台。年産能力は10万台で、ASEAN市場向けに輸出可能な生産拠点とする方針。

 輸出拠点化のための戦略モデルとして、04年8月に多目的車APVの生産を開始する。年産計画は7万台、部品のASEAN域内調達率は約7割で、ASEAN域内を中心に世界各国にも輸出する計画。APVは、1.5/1.6Lエンジンを搭載して、ファミリー層をターゲットにした7〜8人乗ミニバン(量販仕様の販売価格は1億ルピー以下を予定)、業務用をターゲットにした商用バン(全長4155mm、全幅1655mm)、Pickup (Carryのモデル名で販売) の3タイプで構成。プラットフォームは新規開発で、衝撃吸収ボディー構造を採用。総投資額は115億円。

■インドネシア:PT Indomobil Suzuki International
90%出資、スズキ車生産を75年に開始、年産能力10万台、生産モデルは Aerio, Baleno (Cultus Crescent), Grand Escudo XL-7, Escudo, Karimun (Wagon R), Katana (Jimny), Carry
02年11月、合弁相手の Indomobil Success International の株式 41%(約178億円)を取得することで合意。出資比率 90%となり子会社化。

 02年5月にスズキが経営権を取得したインドのMaruti Udyog では、日本と同様、3ヵ年計画で生産性を50%アップ、コストを30%削減するチャレンジ50計画に取り組んでいる。

 04年1月には、総額400〜500億円を投じて、湖西工場なみの生産効率と品質に引き上げる自動化計画を発表。モデルも順次更新する計画で、その一環として、04年4月、Maruti 800で独占しているミニセグメントと、コンパクトセグメントの中間モデルとして廉価版Altoを投入した。

 なお、03年5月には、インドでも増加しているディーゼル車需要に対応して、ディーゼルエンジン生産を決定した。生産するエンジンは、4気筒1.3Lで、Fiat, Opel とライセンス契約を結び、技術提供を受ける。生産開始は06年の予定。Zen、Esteem、Gipsyなどに搭載する見込み。増加している欧州向け輸出モデルに搭載される可能性もある。

 また、年産能力4万台のパキスタン拠点についても、中央アジアへの輸出拠点化も含みに、工場増設計画を発表している。

■インド:Maruti Udyog Ltd.
54.2%出資、81年2月設立、83年12月生産開始、年産能力50万台、生産モデルは Maruti 800, Alto, Omni (Every), Gypsy (Jimny), Zen (Cervo), Wagon R, Esteem (Cultus sedan), Baleno (Cultus), Versa (Every ランディ), Grand Vitara
02年5月、株主割当増資によって、Maruti への出資比率が 50%から 54.2%となり、経営権を取得。
02年から、3ヵ年計画でチャレンジ50を実施。目標は生産性 50%アップ、コスト削減 30%。
03年末で、取引サプライヤーを 376社から 200社に整理統合、04年には 160社に絞り込む。
スズキと合弁で、アルミ鋳物工場のスズキ・メタル・インディア (SMI) を設立。投資額 11億 5,000万ルピーで、従業員120名(予定)。スズキからの技術指導によりアルミ鋳物部品を製造する。Maruti は現在日本から輸入している同部品を国産化してコスト削減する。
04年1月、生産効率、品質を湖西工場レベルに引き上げる方針を発表。400〜500億円の投資を行い、溶接ロボットや多品種混流のフレキシブル生産方式を導入する計画。生産能力を 50万台に引き上げ、モデルも更新する。

■パキスタン:Pak Suzuki MotorCo., Ltd.
73.09%出資、スズキ車生産開始 82年、年産能力 4万台、生産モデルは Alto, Baleno, Cultus, Mehran, Potohar
03年8月:25億ドルを投資する工場増設計画を発表。狙いは、国内での拡販と中央アジアへの輸出拠点化。


■中国:長安鈴木の設備を自動化、沿岸都市部に近い昌河鈴木も事業拡大

 中国では、重慶長安鈴木汽車有限公司と江西昌河鈴木汽車有限公司の合弁2拠点で四輪生産を行っている他、比亜迪汽車.、江南汽車、吉林通田汽車に技術供与している。

 Alto (奥拓)、Cultus (羚羊) の旧モデルを生産してきた長安鈴木は、03年12月に乗用車生産ラインの拡充に着手した。05年までに、現状10万台の年産能力を15万台に拡充する。今後は毎年1モデルを投入し、07年までに、生産車種を4〜5車種とし、年産能力を20万台に倍増する。投資総額は8億元。

 新生産ラインには、12基の溶接ロボットを導入する。4モデルの混流生産が可能となり、車体生産については年産24万台も可能となる。これまでは、生産規模が小さかったこともあって、人件費の安さを活かし、高度な機械設備の投資は極力避けてきた。しかし、長安鈴木の03年生産が10万台超となり、自動化メリットがある段階に達したためとされる。

 併せて、これまでは親会社の長安汽車股份から調達してきたエンジンの一貫生産体制を構築した。既に、02年にエンジン組立てを開始、03年にはエンジン機械加工ラインが稼動した。現在、Alto, Cultusのエンジンはすべて自社生産。05年、早ければ04年に生産開始するモデルは、コンセプトSをベースに、スポーツ性を高めた1.5Lエンジンの乗用車。販売価格は、競合モデルとなる広州ホンダのFit、上海VWのPolo、天津一汽夏利汽車のViziと同様、10万元程度に設定される見込み。

 主に、微型乗用車Wagon R+ (北闘星) を生産してきた昌河鈴木では、05年には1.6Lエンジンの乗用車Liana (Aerio) を生産する計画で、新工場建設も開始したとされている (工場建設についての公式発表はなく、詳細は明らかにされていない)。年産能力30万基のエンジン工場新設も、検討中。実現すれば、05年から、将来の輸出も視野に、1〜1.4LのスズキKシリーズエンジンを生産する。なお、Wagon R+ の搭載エンジンは、これまでは主に、三菱自動車の黒龍江省エンジン工場(哈尓濱東安汽車動力)から調達してきた。

 スズキは、自動車の大消費市場である沿岸都市部に近い昌河鈴木の役割を拡大する方針とされ、親会社である昌河飛機工業集団と、スズキモデルの広範な導入で合意したとされている。


 スズキは販売面でも、アフターサービスを提供する3S拠点による販売ネットワークづくりを開始した。また、インドやインドネシア拠点と同様、湖西工場をモデルに、効率化するとしているが、合弁2拠点の中国側出資比率がともに51%のため、どこまで徹底できるか懸念も指摘されている。ちなみに、これまでの2拠点での生産では、パートナーとの関係を重視して、グループ傘下の部品サプライヤーを多用してきたため、品質の向上が進まなかったとされている。

■中国:重慶長安鈴木汽車有限公司:Chongqing Chang'an Suzuki Automobile Co., Ltd.
35%出資、93年5月設立、95年5月生産開始、年産能力10万台、生産モデルはAlto
05年に、排気量1.5Lの Concept-S ベース車を生産開始。(早ければ04年内に生産開始。モデル名を Swift とする報道もある)
8億元を投じて生産能力を拡充。05年までに年産能力を15万台として、今後毎年 1モデルを投入する。07年までに 年産能力を 20万台に拡大して、生産モデルを 4〜5 に拡大する。
03年12月着工した新生産ラインには、溶接ロボット12基を導入し、4モデルの混流生産が可能となり、車体生産能力は24万台となる。

■中国:江西昌河鈴木汽車有限責任公司:Jiangxi Changhe Suzuki Automobile Co., Ltd.
39%出資、95年1月設立、95年6月生産開始、年産能力10万台 (新工場建設を開始したとされるが、規模等の詳細は明らかにされていない)、生産モデルは Wagon R+ と Every
05年から 1600ccセダンの Liana (Aerio)を生産する。03年6月、スズキと昌河鈴木の親会社である昌河飛機工業集団とで、スズキモデルの広範な導入で合意したとされる。
乗用車用エンジン工場新設を昌河飛機工業集団と検討中。検討内容は、総投資額 10〜15億元、排気量 1000cc級のエンジンを製造、年産能力は30万基で、05年前後に稼働する計画。


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