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自動車業界動向レポート 2004.2.2 No.242

欧州自動車メーカーからの大型受注が増加する日系部品各社の欧州拠点
トヨタ/PSA合弁に向けて、トヨタ系各社の展開が活発なチェコ



 日本の自動車メーカーの、トルコを含む欧州での生産能力は、現時点で188万台。日産とホンダの生産能力拡充が一段落したため、公表された当面の拡充計画は、トヨタの英国・フランス・チェコ・トルコでの25万台、スズキのハンガリーでの10万台にとどまるが、06年の生産能力は220万台超となる。

 トヨタは03年に、05年目標とされた欧州80万台販売を2年前倒しで達成した。次の目標を2010年120万台販売としているが、当面は新工場建設よりも、トルコ、南アフリカからの供給増を検討するとしている。当面の欧州生産能力拡充は、05年開始のチェコでのPSAとの共同生産(トヨタブランド10万台、PSAブランド20万台)を除くと、ポーランドでのコンポーネント生産が中心となる。02年4月に開始した年産25万基のMT生産を、04年末に55万基に拡充し、年産25万基のガソリンエンジン生産も開始する。ポーランドでは、05年生産開始で、年産15万基のディーゼルエンジン工場も、豊田自動織機との合弁で建設中。


 以下は、日系部品メーカーの最近1年を中心とする欧州での主要動向である。多くは、日本の自動車メーカーの欧州生産拡大への対応であるが、欧州自動車メーカーからの大型受注も増加している。

■日本の自動車メーカーの欧州生産能力と拡充計画 (トルコを含む) (万台)
  生産車種(品目) 年産能力と拡充計画 完成車生産能力
03年 05〜06年
トヨタ 英国 Corolla, Avensis
エンジン
04年4月以降に27万台(+5万台)
(エンジン生産能力は約45万基)
22 27
フランス Yaris 04年4月以降に21〜24万台(+3〜6万台) 18 21〜24
トルコ Corolla 04年に15万台(+5万台)。 10 15
チェコ 新コンパクトカー 05年30万台(うちトヨタブランド10万台)   10
ポーランド ガソリンエンジンMT ガソリンエンジン:04年末 25万基
MT:02年4月 25万基、04年末 55万基
   
ディーゼルエンジン 05年初に15万基(将来的に18万基)    
完成車生産能力合計 50 73〜76
日産 英国 Micra, Primera 02年11月に50万台(+17万台) 50 50
スペイン Terrano,Primaster
05年新型DE
05年にSUVとピックアップトラックを生産
開始(年8万台)、新2500ccDEも生産。
18 18
完成車生産能力合計 68 68
ホンダ 英国 Civic, CR-Vエンジン 01年9月に25万台(+10万台)
(エンジン生産能力は約 20万基)
25 25
トルコ Civic   3 3
完成車生産能力合計 28 28
マツダ スペイン Demio Ford工場で03年1月から年間4万台生産 4 4
三菱
自動車
オランダ (04年より)
Colt, Smart 4人乗り
04年からSmartの4人乗 15万台、
Colt 10万台、計 25万台を生産。
28 28
ドイツ ガソリンエンジン 04年より Colt/Smart 4人乗り用に生産    
スズキ ハンガリー Wagon R+, Ignis 06年までに20万台(+10万台) 10 20
日本の自動車メーカーの欧州での完成車生産能力合計 188 221〜224
資料:各社広報資料、JAMA
(注)1. 日産は02年11月の新型Micra生産開始に伴い、英国の年産能力を33万台から50万台に拡充した。
2. マツダ(Fordスペイン工場で年4万台生産)も完成車生産能力に含めた。
3. 三菱自動車オランダ NedCar 工場の生産能力 28万台は、04年から生産する DCX Smart 4人乗り車 15万台分を含む。ガソリンエンジンは DCX と折半出資の MDC Power GmbH (ドイツ)が生産する。
4. スズキのハンガリー生産能力は、Automotive News Europe (03.9.8等)では、06年までに 27万台に増強し、スズキブランドで4モデルと、Fiatと富士重工向けOEM車を生産するとされている。
5. ダイハツは02年末でイタリアでの委託生産を終了した。
チェコまたはハンガリーでの新工場建設を検討中とされている。

■チェコ:トヨタ系部品メーカーの動きが集中、計画規模の上方修正も増加

 チェコには、トヨタ系部品各社の進出が目立つ。アイシン精機は03年9月にチェコ工場を稼動、ウオーターポンプとオイルポンプの生産を英国工場からチェコ工場へ移管し、生産量も拡大した。青山製作所は04年1月に新チェコ工場でボルトの生産を開始。豊田工機はポーランドのトヨタMT工場への部品供給を04年10月に開始する。光洋精工は05年からトヨタ/PSA合弁工場へ電動パワーステアリングを供給する。

 チェコに進出した部品メーカーが、新工場稼動後または建設中に追加受注を獲得し、計画を上方修正する例も増加している。02年にRenault/Fiatへの燃料ポンプ供給を開始した愛三工業は、03年夏にスロットルボディー生産を追加、さらにトヨタ/PSA向けのポンプモジュール、スロットルボディー、キャニスターも受注したため、新工場棟を建設して対応する。東海理化は、03年末からFordにレバーコンビネーションスイッチの供給を開始したが、トヨタ/PSA合弁、トヨタのトルコ工場、スズキのハンガリー工場からも受注し、07年の売上高は当初計画2.5倍の125億円に達する見通し。フタバ産業も、トヨタ/PSAからの受注品目が増加し、生産初年度となる05年売上高見込みを24億円増の90億円に上方修正した。

■日系自動車部品メーカーのチェコでの拠点構築・拡充
(最近1年間を中心とする動向:配列は五十音順)
■愛三工業:チェコ工場に新工場棟を建設、エンジン部品生産を拡充
 愛三工業の現地法人 Aisan Bitron Czech s.r.o. は、02年5月に稼動し、燃料ポンプを Fiat や Renault へ供給している。03年夏からスロットルボディーの生産も開始。さらに トヨタ・PSA 共同開発コンパクトカー用燃料ポンプモジュール、スロットルボディー、キャニスターを受注し、新工場棟を建設し増産する。
■アイシン精機:チェコに新生産会社を設立し、ウオーターポンプ等の生産を英国から移管
 アイシン精機は、02年11月にチェコに Aisin Europe Manufacturing Czech s.r.o. を設立し(資本金 480万Euro)、英国 Aisin Europe Manufacturing (UK) Ltd. で生産していたウオーターポンプとオイルポンプ生産を移管し、03年9月に生産開始した。04年 3,000万Euroの売上を見込む。英国工場は車体系部品に特化。
■青山製作所:04年初にボルト・ナット製品を生産開始
 青山製作所は、チェコに Aoyama Automotive Fasteners Czech s.r.c を設立し、04年初からボルト・ナットを生産、トヨタ中心に納入し、欧州メーカーへの納入も狙う。
■オイレス工業:シールベアリング等を04年生産開始
 オイレス工業は、03年7月に Oiles Czech Manufacturing s.r.o. を設立し、04年10月からエンジンと排気管の間に組み込んで振動を緩和するシールベアリング等を生産、主に日系カーメーカーへ供給する。資本金約 5億6,000万円でオイレス工業100%出資。07年度の生産高見込みは10億円。
■カヤバ工業:チェコに新工場建設を計画
 カヤバ工業は、チェコに新工場建設を計画。12億円を投資して、04〜05年に稼動し、年間 30万本の油圧緩衝器を生産する。現在欧州ではスペイン工場で年間 1,200万本の緩衝器を生産し、日系自動車メーカー中心に供給している。
■小糸製作所:05年目処にチェコ工場の生産能力を 10万台から 80万台に拡充
 小糸製作所のチェコ工場は、02年秋に Renault 向け自動車用ランプの生産を開始、年産能力 10万台で従業員数 90人。05年目処に、20〜25億円を投資し、年産能力 80万台、従業員数 400〜500人に増強し、トヨタ・PSA共同開発コンパクトカー向けに納入し、欧州メーカーからの受注も目指す。英国工場の生産も、チェコ工場へ集約する方針。
■光洋精工:トヨタの新コンパクトカー向けに電動パワーステアリングを 05年生産開始
 光洋精工は、02年にチェコに Koyo Steering Systems Czech S.R.O. を設立し、05年からトヨタ・PSA合弁のコンパクトカー工場中心に電動パワーステアリングを供給する。05年 20万台分、08年 50万台分の生産を計画。
■ゼクセルヴァレオクライメートコントロール:05年にコンプレッサー生産能力を年産 200万台に倍増
 ゼクセルヴァレオクライメートコントロール(ボッシュオートモーティブシステムの連結対象子会社)は、60億円を投資してチェコに新工場を建設し03年にコンプレッサーの生産を開始。04年 100万台生産を計画しているが、受注増が見込まれるため、30億円を追加投資して05年に年産 200万台へ設備増強する。
■デンソー:03年末にカーエアコン関連部品を生産開始、05年 220億円の売上目標
 デンソーは01年7月、Denso Manufacturing Czech s.r.o. を設立し、03年末にカーエアコン関連部品を生産開始した。資本金約 60億円(デンソー100%)、総投資額 90億円。05年に従業員数約1,000人、220億円の売上を計画。
■東海理化:03年末に、Ford 向けにスイッチ類を生産開始
 東海理化は01年10月、チェコ生産拠点 TRCZ s.r.o. を設立し、03年末に Ford スペイン工場向けにレバーコンビネーションスイッチの生産を開始。総投資額 50億円。04年 30億円、07年 50億円の売上を計画。
■東海理化:トヨタ・スズキから受注、07年売上高を当初計画の 2.5倍、125億円へ
 東海理化チェコ工場は、Fordに続き、トヨタ・PSA共同開発コンパクトカーのレバーコンビネーションスイッチ、スズキのハンガリー工場からシートベルトを受注、またトヨタがトルコ工場で生産する Corolla ベースのミニバンへも納入が決定。設備・人員を大幅増強し、07年には従業員 800人体制で、売上高は当初計画の 2.5倍 125億円に達する見通し。
■東海理化と青山製作所:チェコの生産拠点で協力
 両社のチェコ工場は、Lovosice の工業団地内で隣接しているため、東海理化が青山製作所にメッキ処理を委託、また損害保険も共同で契約するなど協力し、投資負担を軽減する。東海理化は03年末からスイッチ類を生産、青山製作所は04年初めからボルト・ナット類を生産する。
■豊田工機:MT部品をトヨタのポーランドMT工場へ供給、4WD部品生産も計画
 豊田工機は03年2月、チェコに Toyoda-Koki Automotive Czech Republic s.r.o.を設立、04年10月からMT用精密加工部品を生産し、トヨタのポーランドMT工場へ供給する。資本金12億円(豊田工機100%出資)、投資額32億円。05年40億円、07年120億円の売上を見込む。数年後から電子制御4WDカップリングも生産する計画。
■富士機工:光洋精工と共同でステアリングコラム生産会社を設立
 富士機工は、筆頭株主の光洋精工と共同で、チェコにステアリングコラム生産会社 Fuji Koyo Czech s.r.o. を設立、04年夏に稼動する。資本金約 3億円で富士機工66.6%、光洋精工33.4%出資。投資額 10億円で当初年産能力 120万台分。光洋精工を通して Renault 等へ供給する。07年目標は、400万台分生産、売上高100億円。
■フタバ産業:チェコ工場初年度売上高を、当初計画比 24億円増の 90億円に上方修正
 フタバ産業は、05年稼動のチェコ工場 Futaba Czech S.R.O の計画を、拡大修正した。敷地面積は当初計画比 3割増の130,000m2、建物面積は 2割増の36,000m2、投資額は 15億円増の 75億円、初年度売上目標は 24億円増の 90億円に修正。トヨタ・PSA合弁工場への供給品目として、当初計画のボディー部品に加え、排気管・インパネリインホース等を追加受注し、PSA等からも別途受注見込み。
■三井物産:チェコで鋼材加工・販売、トヨタ・PSA合弁工場等へ供給
 三井物産はチェコに、英国の鋼材加工販売大手 William King Limited と合弁の鋼材加工・販売会社を設立し、04年末に稼動させる。資本金約 18億円(折半出資)、投資額約 30億円。現地の電気メーカーやトヨタ・PSA合弁の乗用車工場及びその部品メーカーへの販売を計画。
資料:各社広報資料、各紙報道

■ハンガリー/ポーランド:デンソーがコモンレール生産、Fordから大型受注

 デンソーはハンガリーで、02年11月に1800気圧対応可能なコモンレールを生産開始した。当初計画は05年に30万基生産であったが、03年にFordから大量受注したことで、計画は大幅に上方修正される見込み。

 ポーランドでは、豊田紡織とデンソーがエンジン関連部品、日本ガイシがディーゼル排ガス浄化用セラミックスを、04年末に生産開始する。

■日系自動車部品メーカーのハンガリーとポーランドでの拠点構築・拡充
(最近1年間を中心とする動向:配列は五十音順)
■住友電工・住友電装:ハンガリーで、自動車用電線を04年に量産開始
 住友電工・住友電装は、自動車用電線製造会社 SEWS-Automotive Wire Hungary Manufacturing and Trading Limited Liability Company を03年6月に設立、月産200トンの量産を04年10月に開始すると発表。資本金約 6億5,000万円。両社は欧州5カ国で操業し、電線は主に現地メーカーから調達していたが、今後の需要拡大とハロゲンフリー電線など新製品供給のため、電線の欧州生産を開始する。
■デンソー:ハンガリー工場で1800気圧対応のコモンレールを生産、Ford から大量受注
 デンソーは、ハンガリー生産拠点 Denso Manufacturing Hungary Ltd. に 70億円を投資し、1800気圧まで対応可能なコモンレールの生産を02年11月に開始した。03年4月には一貫生産を開始、05年の当初計画を 30万基としていた。03年に、欧州 Ford から年間 1億Euro相当を受注し、 05年にFord 欧州拠点への納入を開始することから、計画は大幅上方修正される見込み。
■ミツバ:日産スペイン工場からワイパー駆動用モーターを受注、ハンガリー工場で生産
 ミツバは、日産スペイン工場からフロントワイパー駆動用モーターを受注し、05年初からハンガリー工場 Mitsuba Automotive Systems of Europe Kft. で生産し、納入する。ミツバ・ハンガリー工場は、ワイパーモーターとパワーウインド用モーターを、ホンダの英国工場、スズキのハンガリー工場等へ納入している。
■ツバキ・ナカシマ:ポーランドの鋼球メーカー ZET を買収
 ツバキ・ナカシマは03年3月、ポーランド国営ベアリング製造会社 FLT から、鋼球・ニードルローラーのメーカー ZET を買収し、社名を Tsubaki Hoover Poland SA に変更した。買収価格 13億円。ツバキ・ナカシマはハンガリーで Tsubaki-Hoover Hungary, Ltd. を操業している。両工場で増産し、欧州のベアリングメーカーへの拡販を目指す。
■豊田紡織とデンソー:フィルター等エンジン関連部品の生産会社をポーランドに設立
 豊田紡織とデンソーは、03年10月にシリンダーヘッドカバー、エアフィルター等エンジン関連部品を生産する TBMECA Poland Sp. Zo.O を設立した。資本金は 300万Euroで豊田紡織 30%、デンソー 20%、ベルギーの内装部品メーカーのメカプラストが 50%出資。04年12月に稼動し、主にトヨタのポーランド・エンジン工場へ供給、07年度 1,300万Euroの売上を目指す。
■日本ガイシ:ポーランドでディーゼル車排ガス浄化用セラミックスを生産
 日本ガイシは、ポーランドに NGK Ceramics Polska SP.Z.O.O. を設立、04年11月から小型ディーゼルエンジン用の炭化ケイソ(SiC)製 DPF を年間 25万個生産する。投資額 30億円。VW をはじめ数社に採用が決定している。日本ガイシは、中国・米国・ポーランドで総額 100億円を投資してディーゼル車排ガス浄化用セラミックスを生産し、05年に 3カ国合計 200億円の売上を見込む。
資料:各社広報資料、各紙報道

■フランス:曙ブレーキ工業がOpel、光洋精工がBMW/DCXから大型受注

 曙ブレーキ工業がOpelからAstra/Zafira用フロントディスクブレーキパッド、光洋精工がBMWのMini、DCXのA-classの電動パワーステアリングを受注し、それぞれフランス工場で生産し納入する。イビデンもDPFを年産60万個に倍増し、ほぼ全量をPSAに供給する。

 小倉クラッチも、Delphiへ04〜06年で1億5,000万Euroのエアコンプレッサー用マグネットクラッチを納入する。

■日系自動車部品メーカーのフランスでの拠点構築・拡充
(最近1年間を中心とする動向:配列は五十音順)
■愛三工業:ヨーロッパ事務所をドイツ・デュッセルドルフからパリに移転
 愛三工業は、03年1月にブリュッセル事務所を新設。03年6月、ドイツ・デュッセルドルフにあったヨーロッパ事務所をパリに移転し、名称をパリ事務所に変更した。Renault など欧州カーメーカーへの拡販を担当する。
■曙ブレーキ工業:Opel Astra/Zafira 用ブレーキディスクパッドを受注、05年には45万台へ拡大
 曙ブレーキ工業は、 02年12月 Opel から初受注、Astra/Zafira 用フロントディスクブレーキパッドを 03年12月から仏工場 Akebono Arras S.A. で生産し、納入する。05年には45万台へ拡大される予定。グリーン材と分類される環境に配慮した原材料を使用したことへの評価も、受注獲得の背景(曙ブレーキ資料)。曙ブレーキは、VWにも Passat, Audi A4/A6 の日本・米国向け輸出車のブレーキパッドを供給している。
■イビデン:フランスで DPF 生産能力を 60万個に倍増し、PSA へ供給
 イビデンは02年に稼動したフランス工場 Ibiden DPF France S.A.S. の年産能力を 04年春に 60万個に倍増する。 投資額は30億円。現在及び増設後もほぼ全量 PSA 向け。05年のEuro W規制施行で需要の増加が見込まれ、欧州に新工場建設も検討中。
■小倉クラッチ:Delphi へエアコンプレッサー用マグネットクラッチを供給
 小倉クラッチは04〜06年の3年間で、総額 1億5,000万ドルのエアコンプレッサー用マグネットクラッチを、Delphi の熱管理システム部門であるDelphi Harrison Thermal Systems へ供給する契約を締結。うち 7割が欧州(フランスとハンガリー)向けで、フランスの Ogura S.A.S. で生産し両国の Delphi 工場へ供給する。残り 3割は北米とブラジル向け。
■光洋精工:BMW Mini, M-Benz A-classへ電動パワーステアリングを納入
 光洋精工は04年6月から DaimlerChrysler A-class 向けに電動パワーステアリングを 35万台分納入する。受注総額約 100億円。また、BMW から Mini 用電動パワーステアリングを受注、06年9月から5年間、年間約 22万台、合計 105万台分を納入する。総額 330〜350億円。フランスの Koyo Steering Dijon Etienne S.A.S. を増強して生産する。今後 BMW 3シリーズへの納入も目指す。
■ニフコ:フランスで次期型 Yaris 向けに樹脂ファスナー生産を計画
 ニフコは現在、欧州では英国とスペインで樹脂ファスナーを生産している。トヨタ Yaris の次期型向けに納入するためフランスに新工場建設を計画中。欧州全域への事業拡大を目指す。
資料:各社広報資料、各紙報道

■ドイツ:デンソーがエアコン開発拠点を拡充、日立はエンジン用高圧ポンプ生産

 デンソーは、ドイツ及び英国のカーエアコン開発拠点を拡充した。デンソーは、02年に1,100万台だった欧州のエアコン市場が05年には1,500万台に拡大するとして、欧州各国の関連拠点を整備拡充、欧州でのエアコン生産を05年に370万台とする計画(02年170万台)。また、Robert Boschとカーナビゲーション用LSIやマルチメディア対応ソフトの共同開発を開始した。

 日立製作所はドイツに新工場を建設し、05年に直噴ガソリンエンジン用高圧ポンプ生産を開始する。日立は同ポンプの欧州市場が、02年の約 20万基から、09年に380万基に拡大すると見込んでいる。

■日系自動車部品メーカーのドイツでの拠点構築・拡充
(最近1年間を中心とする動向:配列は五十音順)
■デンソー:ドイツのカーエアコン開発拠点を拡充
 デンソーは、カーエアコン等を開発・販売する Denso Automotive Deutschland GmbH に、94年に設置した実験施設を、03年10月に施設面積をほぼ3倍の7,800m2に拡張、実車での性能を評価できる設備等を増設した。同時に、現地調達の拡大、品質保証の強化のため材料評価機能も新設した。追加投資額は1,500万Euro。
■デンソー:Robert Bosch とカーナビゲーション用 LSI 等の共同開発を開始
 デンソーは、Robert Bosch とカーナビゲーション・マルチメディア用 LSI やマルチメディア対応ソフトの共同開発で合意。03年5月に Advanced Driver Information Technology を設立し、本社はデンソー日本本社内に、Robert Bosch 子会社の Blaupunkt 内に事務所を置いた。デンソーの地図描画技術等先端技術と、Robert Bosch の欧州市場特有の技術と欧州市場への影響力を活かして開発を進め、両社がその成果を利用してそれぞれ新製品開発を行う。07年27億円の売上を見込む。
■東郷製作所:ドイツでホースクリップを生産
 東郷製作所は、ドイツの Scherdel GmbH と合弁で新会社 Togo Scherdel GmbH をザクセン州に設立し、04年3月からゴムホースをパイプに接続するホースクリップを生産し、トヨタ等へ供給する。資本金約 1億2,000万円で東郷が 51%、Scherdel が 49%出資。初期投資約 300万Euro。
■豊田自動織機:ドイツ工場のエアコン用コンプレッサーの年産能力を 150万基に倍増
 豊田自動織機は02年12月、40億円を投資してドイツ生産拠点 TD Deutsche Klimakompressor (豊田自動織機 65%、デンソー 35%出資)に生産ラインを増設し、カーエアコン用コンプレッサー年産能力を 70万台から 150万台へ倍増した。 DaimlerChrysler や BMW への供給が増加している。
■日立製作所:直噴ガソリンエンジン用高圧ポンプを05年に生産開始
 日立製作所は03年9月、Hitachi Automotive Systems Europe のドイツ・ザクセン工場建設を発表、05年1月から直噴ガソリンエンジン用高圧ポンプ等を生産し、07年に50億円の売上を見込む。日立は直噴ガソリンエンジン用高圧ポンプの欧州需要は、02年の約 20万台から、09年に380万台まで拡大すると予想。
■松下電器産業:ドイツの開発・販売部門を集約、生産はチェコに移管
 松下電器産業の自動車機器部門パナソニック・オートモーティブ・システムズ社は、04年4月にドイツに新会社 Panasonic Automotive Systems Europe GmbH を設立し、ドイツ内で分散していた開発部門と販売部門を統合する。製造部門はチェコの生産拠点へ移管し、欧州生産をチェコに集約する。85年設立の Panasonic Automotive Systems Deutschland GmbH は04年3月末で工場閉鎖予定。
資料:各社広報資料、各紙報道

■英国:ケーヒンがECUを増産、椿本チェイン/日本精工が大型受注

 ケーヒンは、01年に沖電気工業から譲り受けた英国の自動車用ECU事業を新工場へ移転し、1ラインから3ラインに拡充した。椿本チェインがDCXから動力伝達部品、日本精工がVWから前輪用ハブユニットを大型受注した。

■日系自動車部品メーカーの英国での拠点構築・拡充
(最近1年間を中心とする動向:配列は五十音順)
■アルプス電気:日産向けキーレスエントリーシステムの、英国生産を検討
 アルプス電気は、日産へ供給しているパッシブ・キーレスエントリー・システムの欧州生産を、部品開発に必要な高周波関連の技術者を配置している英国を候補に、検討中。現在、日本のみでの月産3万個生産を、2〜3年後に国内外を合わせて月産10万個へ拡大する計画。
■ケーヒン:英国工場の電子制御装置(ECU)生産能力を増強
 ケーヒンは、沖電気の国内・米国・欧州のカーエレクトロニクス事業を01年11月に譲り受け、欧州では沖電気英国工場内で電子制御装置(ECU)を生産してきた。03年6月、3億円強を投資した英国新工場に移転、設備を 1ラインから 3ラインへ拡張した。ホンダへ供給する他、Big3への輸出も狙う。
■椿本チェイン:DaimlerChrysler から動力伝達部品を年 30万台分受注
 椿本チェインは DCX からチェインを含む動力伝達部品を年間 30万台分受注。英国 T.E.E.U. Ltd. の敷地面積を 3倍の 6,000m2に拡張、設備増設し、03年末に納入を開始した。欧州では日系カーメーカーの増産への対応を中心に、05年度に02年度比 8倍の 120万台の出荷を計画。椿本チェインは、03年4月から DCX、PSA、Renault、BMW などへ各1〜3人の技術者を派遣し、欧州カーメーカーの要望に対応している。
■デンソー:エンジンマネジメントとカーエアコンを中心に、英国の開発拠点を強化
 デンソーは03年春、英国の Denso Sales UK Ltd. に15億円を投資して、1,000m2の技術センターを 2,500m2に拡張し、エンジンマネジメントシステムとカーエアコンの設計・開発を強化した。
■日本精工:VW Golf 中心に年120万台分の前輪用ハブユニットを受注
 日本精工はVWから、新型 Golf 及びプラットフォームを共有する Bora 向けに前輪用ハブユニット(ベアリングとホイールへの取り付け部フランジを一体化した復合部品)を年間 120万台分(数十億円規模)受注し、03年9月に納入を開始した。約 30億円を投資して、NSK Bearings Europe Ltd.のPeterlee 工場の生産能力を 2.5倍の月産 30万個に拡充した。
■原田工業:欧州シェア15%を目指して、英国に高機能アンテナの開発拠点を設置
 原田工業は、英国 Harada Industries (Europe)Ltd. に高機能アンテナ開発拠点を 03年に設置した。同社の自動車用アンテナ搭載は Audi/Volvo の一部モデルにとどまっているが、欧州市場に合わせた多機能ガラスアンテナ(AM/FMラジオ・TV・GPS等の一体型アンテナ)を開発し、07年に欧州シェア 15%の獲得を目指す。
■YUASA:英国でバッテリーを 2割増産、Renault へも供給
 YUASAは英国でバッテリーの2工場を操業。日系カーメーカーに加え、03年に Renault からも年間 25〜30万個を受注。自動車用バッテリー専用の Yuasa Automotive Batteries (Europe) Ltd. が年間約 200万個を生産しフル稼働のため、03年に一般産業用バッテリーを生産する Yuasa Battery (UK) Ltd. に自動車用バッテリーも生産可能なラインを導入し、英国での自動車用バッテリー生産能力を 2割増強した。
資料:各社広報資料、各紙報道

■オランダ/ベルギー:三菱重工がPSAから大型受注、過給機を24万基増産

 三菱重工のオランダ工場が、PSAへの過給機供給を04年6月に開始、年産能力を54万基から78万基に拡充する。

 トヨタの欧州統括会社の所在地ベルギーでは、愛三工業と東海理化が営業拠点を設置、アラコはデザイン担当を配置した。

■日系自動車部品メーカーのベルギー・オランダでの拠点構築・拡充
(最近1年間を中心とする動向:配列は五十音順)
■愛三工業:ベルギーに技術・営業サポート拠点を設置
 愛三工業は03年1月、ベルギー・ブリュッセルに技術・営業サポート拠点を開設した。ブリュッセルにはトヨタの欧州統轄拠点があり、トヨタ・PSA共同開発コンパクトカーを生産するチェコ工場への対応も担当する。
■アラコ:ベルギー事務所にデザイン担当者を配置
 アラコは03年春、ベルギーの欧州事務所にデザイン担当者を配置した。自動車内装品のデザイン動向や技術情報を収集し、開発力強化につなげ、自動車メーカーへの提案力を強化する。
■東海理化:ベルギーに欧州初の営業拠点を設置
 東海理化は03年2月、ベルギーに欧州初の営業拠点 Tokai Rika Belgium N.V. を設立した。従業員数は03年13名、05年20名を予定。将来は品質保証や調達機能を持たせることも検討。東海理化の欧州事業は、98年操業の英国工場から トヨタ・Volvo・Ford へスイッチ類等を供給し、03年末に欧州 での第2生産拠点チェコ工場も稼動。
■大日精化工業:オランダで高機能樹脂を増産、東欧への進出も検討
 大日精化工業は03年夏、ハンドル・ドアノブ等に使用される、汎用樹脂に添加剤を加えた高機能樹脂(コンパウンド)を生産しているオランダ工場 Plalloy MTD B.V. の年産能力を、41,000トンから44,000トンへ拡充した。チェコやポーランド等東欧での新生産拠点設置も検討中。
■三菱重工業:PSAから過給機を受注、オランダ工場の年産能力を54万大から78万台に拡充
 三菱重工業は、PSA から過給機(ターボチャージャー)を受注し、04年6月に供給を開始する。これへの対応として年24万台分を増産する。オランダ工場 MHI Equipment Europe B.V. に 17億円を投資して新工場を建設し、年産能力を 54万台から 78万台に拡充する。PSAへの供給も、年 50万台への拡大を目指す。
資料:各社広報資料、各紙報道

■スペイン/トルコ:宇部興産がナイロン樹脂を一貫生産

 スペインでは、宇部興産がナイロン樹脂の一貫生産体制を構築した。カヤバ工業はショックアブソーバーを生産する合弁会社を100%子会社化した。カルソニックカンセイは、新型熱交換機UCR生産を05年に92万台に拡充する(02年25万台)。

 トルコでは、中央発條と豊田鉄工が、トヨタが04年に生産開始するCorollaベースの多目的車向けに増産する。

■日系自動車部品メーカーのスペインでの拠点構築・拡充
(最近1年間を中心とする動向:配列は五十音順)
■宇部興産:スペインで、エンジニアリングプラスチック一貫生産体制を構築
 宇部興産は、自動車・家電製品に使うエンジニアリングプラスチック用のナイロン樹脂原料である、カプロラクタム(CPL)を生産してきたスペインの子会社 Productos Quimicos del Mediterrance, S.A. (PQM) に、ナイロン樹脂生産プラントを03年末に建設、欧州でのCPL-ナイロン(その誘導品を含む)一貫生産体制を構築した。05年には年産2万トンとする。追加投資額は25億円。日本企業として欧州では初のエンジニアリングプラスチック生産。
■カヤバ工業:スペインの関連会社を100%子会社化
 カヤバ工業は03年12月、スペインの関連会社 AP Amortiguadores,S.A.(APA) の、ArvinMeritor が所有する株式 75%を取得し 100%子会社にすると発表した。APA は、03年にショックアブソーバーを 1,400〜1,500万本生産。05年に売上高 1億 6,700万Euroを目指す。
■カルソニックカンセイ:スペインで新型熱交換機部品UCRを増産、05年には92万台分
 カルソニックカンセイはスペイン工場 Calsonic Kansei Spain S.A.で、新型熱交換機部品 UCR を増産する。UCRは、ラジエーターとエアコンのコンデンサーを一体化し、重量を15%、容積を40%減少させた部品。Ford Focus や Renault Clio 向けに受注し、02年25万台、03年50万台から05年92万台へ拡大する。
■住友ベークライト:スペインの摩擦材用フェノール樹脂メーカーを買収
 住友ベークライトは03年8月、スペインの摩擦材用フェノール樹脂生産会社 Fers Resin SA とその関連会社 4社の全株式を買い取り子会社とした。Fers は欧州の摩擦材用用フェノール樹脂で 40%のシェアを持つが、03年の売上高見込みが 42億円で、単独での事業継続が困難と判断したためとされる。
■デンソー:スペインに、エアコンとラジエーター関連部品の生産会社を新設
 デンソーは、03年12月にスペインにカーエアコン関連部品とラジエーター関連部品を生産する Denso Sistemas Termicos Espana S.A. を設立、06年4月に生産を開始する。資本金約 20億円、投資額約 25億円。スペインで生産する PSA/Opel を中心とした欧州メーカーへ供給し、2010年に 120億円の売上を見込む。
■ニッパツ:スペインの子会社2社を合併、コイルばね生産能力を 50%増強
 ニッパツは、スペインの子会社 3社のうち仏アルバール・レジナ社との折半合弁会社 2社、スタビライザーを生産する Eguzukia-NHK, S.A. と、コイルばねを生産する Iberica de Suspensiones, S.A.(ISSA)とを 03年秋に合併した。経営の効率化を図り、04年に ISSA のコイルばね生産能力を 50%増強する。
資料:各社広報資料、各紙報道

■日系自動車部品メーカーのトルコでの拠点構築・拡充
(最近1年間を中心とする動向:配列は五十音順)
■中央発條:トルコでトヨタ・Ford向けにサスペンションばねを増産、04年売上高は倍増
 中央発條は、サスペンションばね生産会社 Rozmas Chuo Otomotiv Yay Sanay A.S. を02年4月に設立、02年はトヨタ Corolla 4万台分を生産。04年には Corolla 向けが10万台に増加し、Ford への納入も開始。03年中に約 3億円を投資して設備を増強し、工場全体の売上は03年の 7億円から04年 14億円に倍増する見込み。
■帝国ピストンリング:トルコで、アルミエンジン用シリンダーライナーを04年に生産開始
 帝国ピストンリングは03年10月、Federal Mogul および地元資本と合弁で、アルミエンジン用シリンダーライナー生産会社 Federal-Mogul TP Liners Europe Limited Sirketi をイスタンブール郊外に設立した。資本金約 6.8億円で、帝国が 49.9%、Federal Mogul と地元資本が50.1%出資。04年4月に生産を開始し、06年に月産 30万本生産を計画。Federal Mogul との6番目の合弁会社。
■デンソー:トルコに、カーエアコン、ヒーター等の生産会社を設立
 デンソーは、Denso Otomotiv Parcalari Sanayi Anonim Sirket を02年7月に設立、03年1月にスターター等の販売を開始、04年2月からカーエアコン、ヒーターを生産する。資本金約 9億円(デンソー100%出資)、投資額約3億円。05年に約 50億円の売上を見込む。
■豊田鉄工:トルコ工場の生産能力を倍増、トヨタ Corolla 多目的車向けに供給
 豊田鉄工のトルコ生産拠点 TOYOTETSU Otomitiv Parcalari Sanayi Ticaret A.S. は、トヨタのトルコ工場で生産する Corolla の欧州輸出開始に対応し02年に稼動した。04年の Corolla ベースの多目的車生産開始に向けて、現在の 6〜7万台の年産能力を 12万台へ増強し、パーキングブレーキレバー等プレス部品を増産する。
■バンドー化学:トルコに伝動ベルト生産会社を設立
 バンドー化学は、同社の伝動ベルト販売代理店を傘下に持つ Kockaya Holding A.S. と合弁で、自動車用及び一般産業用伝動ベルトを生産販売する Bando Kockaya Belt Manufacturing (Istanbul),Inc. を設立し、04年1月から稼動する。資本金約 3億円で、バンドー化学が51%、Kockayaが49%出資。04年売上目標は460万ドル。
資料:各社広報資料、各紙報道


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