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自動車業界動向レポート 2003.7.1 No.185

Pickupの輸出拠点化が加速するタイ、02年生産は過去最高の59万台
トヨタ/いすゞ/FordはSUV輸出も計画、ホンダは乗用車を対日輸出



 タイは、2002年に新車販売が40.9万台に回復、輸出も18.2万台に達し、生産台数は過去最高の58.5万台となった。03年1〜5月の生産/販売/輸出も前年を4割前後上回っている。

 2000年代後半の早い時点で、年間100万台生産に達する可能性が高まっており、タイの自動車年産能力も、既に103万台に達している。

 しかし、タイからの輸出拡大を視野に、主要自動車各社の生産能力拡充の動きは、現在も進行中である。タイ国内販売1位のトヨタは、04年にIMV(ピックアップ/SUV)の生産を開始し、06年までにピックアップ生産の現調率100% 化を計画している。ピックアップ販売1位のいすゞは、GM拠点での輸出用D-Max生産を開始するとともに、日本での輸出用ピックアップ生産をタイへ移管/集約する。ピックアップベースのSUV投入による製品ライン拡充も計画している。輸出1位の三菱自動車は、タイ国内販売体制を再構築中であるが、次期型Strada投入を機に生産設備拡充も行う計画である。トヨタ/いすゞに次いでタイの新車販売3位のホンダは、製品ラインにピックアップを持たないが、CR-V生産追加と新型Civic/Fit Aria投入によって、7万台だった年産能力を12万台に拡充した。

 欧米メーカーでは、GMはFiat/いすゞからの受託生産によって、Fordはピックアップベースの新型SUVの生産追加で、工場稼働率を引き上げている。100%保有の生産子会社を有するBMWは3-Series生産に加えて、ドイツ国外で始めての7-Series生産を開始した。

■タイの自動車生産・新車販売・輸出台数 (台)
  1998年 1999年 2000年 2001年 2002年 02.1-5月 03.1-5月
自動車生産 156,180 327,233 411,721 459,418 584,951 193,843 277,211
新車販売 144,065 218,330 262,189 297,052 409,362 146,713 203,024
完成車輸出 66,788 125,702 152,835 175,299 182,493 62,940 86,698
(輸出/生産) 43% 38% 37% 38% 31% 32% 31%
資料: タイ工業連盟 (The Federation of Industries)
(注) 1. 新車販売には輸入車も含む。
2. 01年までの過去最高は生産が 556,875台(96年)、販売が 589,126台(96年)。

■02年のタイ新車販売は41万台へ回復、生産は過去最高の59万台

 02年のタイの自動車生産は、01年比12.6万台増加して、過去最高だった96年の55.7万台を2.8万台上回り、58.5万台に達した。乗用車が1.3万台増の16.9万台、商用車が11.2万台増の41.6万台。商用車のうち、1トンピックアップは9.3万台増の38.2万台で、総生産台数の65%を占めた。


 02年のタイ国内新車販売は40.9万台。過去最高だった96年の58.9万台には及ばないが、01年比11.2万台の大幅増であった。乗用車が2.2万台増の12.6万台、商用車が9.0万台増の28.3万台。商用車のうち、ピックアップは7.3万台増の24.1万台で、総販売台数の59%を占めた。

 ブランド別の販売上位は、トヨタが01年比4.7万台増の13.0万台、いすゞが2.2万台増の9.3万台、ホンダが1.5万台増の5.4万台、日産が1.5万台増の4.4万台、三菱自動車が8,000台増の3.3万台、Fordが3,000台増の2.1万台であった。タイ市場の6割を占めるピックアップについてみると、いすゞが2.2万台増の8.8万台、トヨタが3.0万台の7.3万台で、2社でピックアップ市場の67%を占めている。


 輸出は01年比7,000台増であったが、98年の2.7倍、18.2万台に達した。輸出台数が01年より増加したのはMMC Sittipol(三菱)、AutoAlliance(Ford/マツダ)、Honda Automobile Thailandの3社であった。

■タイの車種別自動車生産 (台)
  1998年 1999年 2000年 2001年 2002年 02.1-5月 03.1-5月
Passenger
Car
〜1500cc
〜1800cc
〜2000cc
13,093
10,855
2,154
25,217
28,636
4,800
28,811
44,700
6,651
31,713
72,788
23,376
36,407
77,203
25,661
13,521
26,483
10,599
53,486
34,872
5,350
〜2400cc
〜3000cc
3001cc〜
5,906 11,264
2,775
24
14,753
2,214
25,887
2,302
27,700
2,348
2
8,020
954
12,012
959
58
Total 32,008 72,716 97,129 156,066 169,321 59,577 106,737
Van/Jeep/Micro-bus 60 5,822 5,960 4,621 20,559 6,333 4,109
Bus 〜10t
10t〜
576 81   8
263
388 346 48
Truck 〜1t Pickup
1t Pickup
1,978
119,986
3,854
240,369
4,601
294,834
2,398
289,349
2,375
382,297
671
124,178
824
160,345
〜5t
5〜10t
10t〜
324
500
748
1,340
1,869
1,182
3,278
4,165
1,754
1,859
2,020
2,834
3,388
2,054
4,569
905
443
1,390
993
1,292
2,863
Total 123,536 248,614 308,632 298,460 394,683 127,587 166,317
Grand Total 156,180 327,233 411,721 459,418 584,951 193,843 277,211
資料:タイ工業連盟 (The Federation of Thai Industries)

■タイ、ブランド別新車販売台数 (台)
  1998年 1999年 2000年 2001年 2002年 02.1-5月 03.1-5月
トヨタ 42,661 74,619 71,300 83,514 130,052 45,420 68,288
いすゞ 32,753 52,110 57,628 70,484 92,730 31,285 51,242
ホンダ 16,559 24,595 30,139 38,820 54,266 18,890 29,619
日産 12,990 21,671 30,895 34,658 44,354 17,414 17,071
三菱自 15,840 19,172 30,241 24,870 32,912 13,589 12,454
マツダ 5,482 3,859 7,247 5,920 8,227 3,002 3,873
その他日本ブランド 3,300 3,631 4,847 3,673 5,281 1,939 3,025
日本ブランド合計 129,585 199,657 232,297 261,939 367,822 131,539 185,572
Ford 3,885 7,749 16,573 17,432 20,571 7,387 9,925
M-Benz 1,996 1,396 2,830 4,476 4,744 1,877 2,541
BMW 1,009 1,840 2,415 3,226 4,018 1,671 1,063
GM (Chevrolet) 1,079 247 1,463 2,316 3,846 875 1,213
Volvo 947 1,002 1,592 1,823 2,081 783 561
起亜 382 463 343 1,591 1,865 840 804
VW 605 592 1,163 1,325 1,049 353 465
Peugeot 635 1,327 550 555 426 189 196
Chrysler 1,057 745 1,008 448 390 104 8
現代 1,056 1,615 707 345      
その他 1,829 1,697 1,248 1,576 2,550 1,095 676
総合計 144,065 218,330 262,189 297,052 409,362 146,713 203,024
■車種別新車販売台数
  1998年 1999年 2000年 2001年 2002年 02.1-5月 03.1-5月
乗用車 46,300 66,858 83,106 104,502 126,353 39,257 65,234
商用車 97,765 151,472 179,083 192,550 283,009 100,842 130,986




ピックアップ 81,081 129,904 151,703 168,639 241,266 86,608 113,979
いすゞ 28,895 48,754 53,335 65,893 87,924 29,347 49,022
トヨタ 25,131 46,656 38,616 42,832 73,286 26,396 33,329
日産 11,286 13,125 13,967 19,562 29,565 11,832 11,523
三菱自 6,925 10,157 24,418 18,759 24,229 9,465 9,448
Ford 3,491 7,748 15,609 16,735 19,077 6,945 7,886
マツダ 4,307 3,365 5,757 4,858 7,185 2,623 2,771
GM (Opel) 855 99 1        
ホンダ 191            
その他 17,730 21,667 27,381 23,911 41,743 14,234 17,007
資料:Toyota Motor Thailand 
(注) 1. GM は99年まで Opel、00年以降は Chevrolet ブランドの台数。


■タイからのメーカー別完成車輸出台数 (台)
  1998年 1999年 2000年 2001年 2002年 02.1-3月 03.1-3月
MMC Sittipol (Mitsubishi) 60,861 60,988 63,540 60,027 75,581 13,166 16,314
AutoAlliance (Ford/Mazda) 1,213 42,785 49,977 42,077 49,273 9,367 10,077
GM Thailand     6,283 48,987 33,276 8,314 7,329
Toyota Motor Thailand 1,819 12,151 16,031 12,027 11,882 3,161 4,303
Honda Automobile Thailand 2,823 6,682 6,184 6,900 10,371 1,318 8,041
Isuzu Motor Thailand 22 519 5,689 3,683 1,348 468 5,681
Siam Nissan Automobile   1,912 4,590 1,206 585 185 100
Thai Hino Industry 26 469 326 247 163 47  
Nissan Diesel Thailand 24 135 215 145 14    
Total 66,788 125,702 152,835 175,299 182,493 36,026 51,845
資料: タイ工業連盟 (The Federation of Thai Industries)
(注) 1. 99年の合計には Thai-Swedish Aseembly (Volvo) 分の61台を含む。
2. Siam Nissan Automobile には Siam Motor & Nissan 分の輸出を含む。


■トヨタ/いすゞ/ホンダも、タイからの輸出を本格拡大へ

 タイ新車販売の上位各社も、タイからの完成車輸出拡大を図っている。トヨタは04年に輸出戦略車IMVを生産開始、タイからの輸出を拡大する。日野自動車も、トヨタからの受託生産車Dynaのモデル更新に合わせて、日野ブランドの姉妹車Dutroのタイ生産を開始、輸出を行う。いすゞは、02年にD-Maxを生産開始、03年には日本での輸出用ピックアップ生産のタイへの移管を開始した。ホンダは02年に新型City/Fit Aria生産を開始、Ariaの日本輸出を開始した。

■トヨタは04年にIMV生産を開始、20万台生産/10万台輸出を計画

 トヨタは、IMVプロジェクトで、タイを1トンピックアップ/多目的車とディーゼルエンジンの供給拠点に位置づけている。03年からToyota Motor Thailand Co., Ltd.(TMT:トヨタ86%出資)のHilux組立/部品工場の設備増強を開始、04年にIMV生産を開始する。

 03年4月には、タイ投資委員会(BOI)が、Hiluxを生産しているTMT Samrong工場への215.8億バーツ(約5億ドル)の投資計画を認可した。同工場の増強は05年8月までに完了する計画。さらに、Siam Toyota Manufacturing Co., Ltd.(STM:トヨタ96%出資)もディーゼルエンジン生産設備増強に33.3億バーツを投資する見込み。その他関連投資を含めて、IMVプロジェクトに関わる企業の投資申請総額は428億バーツに達する。


 トヨタTMTの02年の現地調達率はピックアップ80%、乗用車70%であるが、05〜06年にはピックアップ生産の現地調達率100% 化を目標にしている。トヨタは、現地Tier-oneサプライヤーのTMT向け売上高が、02年の125億バーツから06年には600億バーツへ増加すると見込んでいる。


 トヨタは今回の設備増強で、TMTでのピックアップ/多目的車の生産台数を、01年の9万台から04年に20万台へ拡大する。増産分は主に輸出向けで、04年にはIMV 10万台を中近東/欧州/アジア太平洋地域の80ヵ国以上に輸出する計画。なお01年の輸出(Hilux Tigerピックアップ)は、オーストラリア/ラオス/フィリピン/ネパール/シンガポールに1.1万台であった。また、STMも、コモンレール式ディーゼルエンジンの生産を01年の15万基から24万基へ引き上げ、うち13万基を輸出する計画である。

 トヨタは、IMV生産開始後のTMT/SMTからの輸出額について、年間500億バーツを見込んでいる。ちなみに、02年のトヨタの輸出額は135.8億バーツ(完成車45.2億バーツ+部品 90.6億バーツ)、輸出トップの三菱自動車は373.2億バーツ(完成車342.2億バーツ+部品 31.0億バーツ)である。

■トヨタ IMV プロジェクトとタイの位置づけ
IMV (Innovated International Multipurpose Vehicle)プロジェクトは、海外で生産するピックアップトラック/多目的車(Kijang/Tamaraw、Hilux の後継車)と主要部品について、世界規模で新たな供給体制を構築する計画。
IMV プロジェクトは、@タイ/インドネシア/マレーシア/フィリピン/ベトナム/インド等の既存生産拠点を効率的に活用するために、相互補完を前提に、車両/エンジン等主要部品の供給拠点としての位置づけを明確にした。A南アフリカは欧州・アフリカ市場、アルゼンチンは中南米市場向け供給拠点とする、B新体制での供給は2004年以降とする。
タイは、@ピックアップ/多目的車、ディーゼルエンジンのグローバル供給拠点と位置づけ、AToyota Motor Thailand (TMT) のピックアップ/多目的車の年産規模を02年の 9万台から04年に20万台へ拡大、うち 10万台を ASEAN 域内外へ輸出する、BSiam Toyota Manufacturing (STM) のディーゼルエンジンの年産規模を01年の 15万基から 24万基へ拡大、うち13万基の輸出を見込む。(なお、インドネシアは多目的車とガソリンエンジンの供給拠点となる)
トヨタは TMT/STM からの輸出額について年間 500億バーツを見込んでいる(02年135.8億バーツ)。
タイ投資委員会(BOI)は、03年4月にトヨタの IMVプロジェクト関連の増産計画を認可した。トヨタは TMT の Samrong 工場増強と部品生産(ステアリングホイール、フロントアクスルなど)のため 215億7,700万バーツ(約5億ドル)を投資する。
資料: トヨタ自動車ニュースリリース 2002.9.19、JETRO Bangkok ニュースリリース 2002.9.20、
タイ投資委員会認可プロジェクトニュース 2003.4.8

■タイとオーストラリアに研究開発拠点を設立するトヨタ
 トヨタ自動車は、成長市場である豪亜地域で、多様化・高度化しつつあるマーケットに対応した商品を供給し、商品開発力を強化する為に、海外で3番目となる研究開発拠点を設立する。新拠点はタイとオーストラリアに施設を持ち、Toyota Technical Center Asia Pacific Thailand Co. Ltd. (略称:TTCAP-TH)、Toyota Technical Center Asia Pacific Australia Pty. Ltd. (略称:TTCAP-AU)として法人設立する。
■タイ拠点の計画概要
名称:トヨタ・テクニカル・センター・アジア・パシフィック・タイランド(株)
    Toyota Technical Center Asia Pacific Thailand Co. Ltd. (TTCAP-TH)
所在地:サムットプラカン県 資本金:11億バーツ(30億円)、トヨタ100%出資。 設立:2003年9月(予定)。
事業内容:車両開発業務及び関連業務。 事業開始:2004年後半。
敷地:32万m2。投資額:約27億バーツ(約73億円)。 従業員数:約240名(事業開始時)。
■オーストラリア拠点の計画概要
名称:トヨタ・テクニカル・センター・アジア・パシフィック・オーストラリア(株)
    Toyota Technical Center Asia Pacific Australia Pty. Ltd. (TTCAP-AU)
所在地:ビクトリア州メルボルン市
資本金:2,400万オーストラリア$(17億円)、トヨタ100%出資。 設立:2003年6月。
事業内容:車両開発業務。 事業開始:2004年後半。
敷地:4万m2(予定)。 投資額:約4,700万オーストラリア$(約33億円)。 従業員数:約90名(事業開始時)。
資料:トヨタ広報資料 (2003.6.12)

■日野自動車は03年6月に製造部門を分社化、小型トラックDutroを生産予定

 日野自動車は、製造会社Thai Hino Industry Co., Ltd.と販売会社Thai Hino Motor Sales, Ltd.を統合して99年に設立したHino Motors (Thailand) Ltd.(HMT:日野34%出資)を、03年に再編する。03年6月に製造部門を分社化し、新会社Hino Motors Manufacturing (Thailand) Ltd.(HMMT:日野80%、三井物産20%出資)を設立する。HMTは、現地会社持株を日本側が買い取り、出資比率を日野53.3%、三井物産42.3%、その他4.4%に変更して、Hino Motors Sales (Thailand) Ltd.(HMST)へ社名変更する。日野は、同様の現地会社の製販事業分離を03年4月にインドネシアでも実施している。


 再編後は、製造会社HMMTで、日野ブランド車の生産とトヨタTMTへのユニット供給事業を強化する。03年後半に、HMTが受託生産しているToyota Dynaがモデル更新される予定であるが (日本で生産中の現行Dynaへの切替え)、このモデル更新に合わせてHino Dutroを生産開始する予定。DynaとDutroはトヨタ/日野が共同開発した姉妹車である。年産能力は、現行のDyna 1.5万台からDyna/Dutro 2万台へ拡充する計画。05年には年間5,000台のDutro生産が目標で、マレーシア/インドネシアなどへも輸出する。

 ユニット供給事業は、現在はHMTからTMTへHilux/Corolla向けドア用プレス部品を供給している。今後、日本の日野工場から供給しているアクスルなどの部品生産をタイへ移管するなどして、ユニット事業も拡充の見込み。

■いすゞは、タイをピックアップ事業の中核拠点化、04年には新型SUV投入も

 タイ市場でピックアップ販売1位のいすゞは、ピックアップベースで新型SUVを開発、04年春を目処に年間1〜2万台(当初規模)を生産、東南アジア各国へ輸出する計画。

 タイで生産しているピックアップはGMとの共同開発車D-Maxで、3.0L/2.5Lの新型直噴ディーゼルエンジンを搭載、02年6月に市場投入した。いすゞは、タイをピックアップ事業の中核拠点と位置づけており、02年6月にはD-Maxの全世界向け販売を担当する販売会社Isuzu Operations (Thailand) Co., Ltd. (IOT)を設立した(三菱商事80%、いすゞ 20%出資)。03年以降、日本での輸出用ピックアップ生産も順次タイへ移管・集約する計画である。

 D-Maxはタイ国内用とオーストラリア輸出用(Holdenブランドで販売)をIsuzu Motors Co., (Thailand) Ltd. (IMCT)で生産、その他地域への輸出用を03年半ばからGM (Thailand) Ltd.で生産する。IMCTは、月産6,000台で生産開始、02年8月に月産10,000台へ引き上げた。03年は、GM Thailandで4.5万台の輸出用D-Max生産を計画、IMCTと合わせて年産16.5万台を計画している。三菱商事によれば、IOTは約100ヵ国へ25万台のD-Max輸出が目標である。

■いすゞ D-Max の概要
Isuzu D-Max は、02年5月にタイ市場に投入した新型ピックアップ。
97年の、GM/いすゞの次世代ピックアップ共同開発合意に基づいて、いすゞが開発した。
いすゞは、タイをピックアップ事業の中核と位置づけ、輸出向けピックアップ生産を 03年から順次、日本からタイへ移管・集約する。生産は、タイ国内向けとオーストラリア向けを IMCT(Isuzu Motors Co., (Thailand) Ltd.)で行い、その地域への輸出向けは GM (Thailand) Ltd. に生産委託する。
02年8月には、IMCT で月間 1万台の生産体制を整備した。
03年半ばには、GM (Thailand) でも生産開始、03年は4.5万台の生産を計画している。
D-Maxは、 GM/いすゞの生産設備を活用して順次世界市場へ投入する。
グループ全体で年間 50万台超の販売を計画。
資料:いすゞニュースリリース 02.5.16、他

■ホンダは、CR-VとCity/Fit Ariaを生産開始、年産能力を12万台へ拡充

 ホンダは02年10月末にFitベースの新型Cityを発表、02年12月にタイ市場へ投入すると同時に、日本でもFit Ariaとして輸入販売を開始した。City/Fit AriaはHonda Automobile (Thailand) Co., Ltd.(HATC)のAyutthaya工場で年間5万台を生産する計画。

 Ayutthaya工場はAccord、Civicも生産、02年1月には完成車輸入していたCR-Vの生産も開始した。同工場の年産能力は7万台であったが、02年末に10万台、03年4月には12万台に拡充された。現地調達率は乗用車が70%超、CR-Vが約60%。

 完成車輸出では、City の輸出先だった東南アジア/中近東/アフリカに日本(Aria)が追加され、Accord輸出先だったオーストラリア/ニュージーランドにアジア諸国が追加された。02年9月には、インドネシアへのAccord輸出を開始(当初計画は年間2,000台)、インドネシア製Streamのタイへの輸入も開始した(同4,000台)。

■日産は、ASEAN域内補完強化のための100%子会社設立を03年に計画

 日産は03年2月、タイにASEAN部品調達補完のための新会社(日産全額出資)を設立すると発表した(BOI申請中)。新会社は、@ASEAN地域における日産の生産事業の部品調達を直接管理してコストを削減し、A日産の生産拠点があるタイ/インドネシア/マレーシア/フィリピンの生産分担を決定する。日産は新会社を通じて、これらの市場での事業強化を図る方針。

 日産はタイ最大の自動車事業グループであるSiam Motors Groupと提携しており、Siam Nissan Automobile Co., Ltd.(SNA:日産25%)とSiam Motors and Nissan Co., Ltd.(SMN:日産25%))のふたつの合弁生産会社がある。日産は、01年に両合弁会社への出資比率を引き上げることでSiam Motors Groupと交渉したが、最終合意に至らなかった。

 SNAではピックアップのFrontier、SMNではCefiro/Sunny/日産ディーゼルトラックを生産している。02年にはCefiro/Sunny/Frontierのインドネシア輸出を開始した。99年からのFrontierのオーストラリア/ニュージーランド輸出は、タイ国内需要が回復したため02年に打ち切られた。

■トヨタ/いすゞ/ホンダ/日産のタイ自動車生産拠点
自動車メーカー 資本構成 生産モデル 年産能力
Toyota Motor Thailand Co., Ltd. トヨタ 86.43% (Samrong plant)
Hilux、Hilux Tiger、
Hilux Sport Rider
140,000
(04年 200,000)
(Gateway plant)
Camry、Corolla Altis、
Soluna Vios
100,000
Hino Motors (Thailand) Ltd. 日野自 34.04%、
Thai Hino Motor 36.89%、
三井物産 20.42%、他 5.93%
Toyota Dyna、
大型トラック、バス
9,600
Isuzu Motors Co., (Thailand) Ltd. Tri Petch Isuzu Sales 46.86%、
Isuzu Motors Asia Pte. Ltd.
38.35%、三菱商事 8.65%
D-Max 155,000
Honda Automobile (Thailand) Co., Ltd. ホンダ 75.94%、
Asian Honda Motor 15.42%
City/Fit Aria、
Civic、Accord、CR-V
120,000
Siam Nissan Automobile Co., Ltd. 日産 25%、Siam Motors 75% Frontier 100,000
Siam Motors & Nissan 日産 25%、Siam Motors 75% Cefiro、Sunny、
日産ディーゼルトラック
40,000


■三菱は新型車開発へ投資、GMは受託生産/Fordは新モデル追加で稼働率引上げ

 三菱自動車/GM/Fordは、タイからの完成車輸出上位3社である。三菱はタイ事業のターンアラウンド3ヵ年計画を02年に開始した。03年には、現地事業の経営トップにDaimlerChrysler(DCX)出身役員が就任するとともに、新型ピックアップ開発計画を発表した。GMはAlfa RomeoとIsuzuの受託生産を開始、FordはピックアップベースのSUVの生産を追加、それぞれ工場のフル稼働をめざしている。

■三菱自動車は、次期Stradaの開発/設備増強に210億バーツを投資

 三菱自動車は03年1月、MMC Sittpol Co., Ltd. (MSC)のターンアラウンド計画を強化、ピックアップStradaの次期型開発と生産拡充のための約210億バーツ(約570億円)の投資計画を発表した。次期型Strada投入に合わせて、ピックアップ生産能力を現在の年間12万台から18万台へ拡充する見込みである。

 02年に開始したタイ事業のターンアラウンド計画は、@資材費の22%削減、A販売・アフターサービスの質向上に向けた販売体制の再構築、B輸出拡大、Cトラック・バス事業の分社化、を骨子としている。03年1月には、DCX出身者3人がMSCの COO/CFO/Chief Information Officerに就任、タイにおけるDCXと三菱の事業協力に直接指揮を執ることになった。03年半ばまでに、両社のアフターサービス網、サービストレーニングセンター、補修部品供給体制の統合について事業調査が完了する見込み。

■三菱自動車のタイ事業ターンアラウンド促進策
・MMC Sittipol Co., Ltd. (MSC) の体制強化策(2002年1月開始の3ヵ年計画)
  @資材費の22%削減、A販売・アフターサービスの質向上に向けた販売体制の再構築、
B輸出拡大、Cトラック・バス事業の分社化
・MSC の主な新人事(2003年1月)
  最高執行責任者(COO):David Howard(米国出身、前 DaimlerChrysler Thailand 副社長)
最高財務責任者(CFO):Rudolf Steinle(ドイツ出身、三菱自本社コントローリング部門より転任)
最高情報責任者(CIO):Andreas Wedemeyer(ドイツ出身、DaimlerChrysler より転任)
・MSC 生産事業への投資
  1トンピックアップ Strada 次期モデルの開発・生産のため、約210億バーツ(約570億円)を投資する。
資料:三菱自動車ニュースリリース 03.1.15

■GMは、02年にAlfa Romeo 156、03年にIsuzu D-Maxの受託生産を開始

 GMは、6.5億ドルを投資したRayong工場で、00年2月にZafiraの生産を開始、生産台数の9割を東南アジア/日本/欧州など19ヵ国へ輸出、残りをタイ市場でChevroletブランドで販売している。01年3月には、ドイツで開発されたZafiraベースのSubaru Traviqも生産開始。年産7,000〜1万台が目標で、01年8月から富士重が日本で輸入販売している。

 Rayong工場の年産能力は12万台であるが、Zafira/Traviqの生産規模は約3万台。余力を利用して受託生産を行っている。02年8月にAlfa Romeo 156の生産を開始、当初の年産目標は4,000台で、半数以上をブルネイ/香港/インドネシア/マレーシア/シンガポール/スリランカなどへ輸出している。03年半ばには、いすゞがIMCTで生産しているピックアップD-Maxの輸出向け受託生産を開始、03年は4.5万台生産を予定している。

■Fordは、03年に新型SUV Everestを生産開始、ほぼフル稼働へ

 Fordは03年3月の第24回バンコクモーターショーで、3列シート7人乗りの新型SUVのFord Everestを発表した。Everest はMazda B-series/Ford Rangerピックアップをベースに、約3年と1億ドルを費やして設計・開発され、Ford/Mazdaの合弁生産会社AutoAlliance (Thailand) Co., Ltd. (AAT) が生産する。生産計画は03/04年の2年間で2.7万台(03年は約4,000台との報道がある)、半数をアジア/中東/アフリカの50ヵ国へ輸出する。部品現地調達率は80%。

 Ford Everestのパワートレインは、2.5Lターボディーゼルエンジン/2.6Lガソリンエンジンと5速MTの組み合わせ。4x2 (RWD) と4x4があり、4x4 のディーゼル車にはATをオプション設定している。

 AATは当初Ford Ranger/Mazda B-seriesのみを生産していたが、マツダが98年にFord Laser/Mazda 323の生産ラインを委託先のBangchan General AssemblyからAATへ移管、00年にAATでの生産を開始した。今回のFord Everestの追加で、Fordは04年の生産規模がほぼ生産能力の13.5万台に近づくとみており、工場拡張の用意があるとしている。

 また、02年にはFord Escape/Mazda Tributeをフィリピンから輸入、それぞれの販売網で販売開始した。フィリピンへはFord Rangerを輸出している。

■三菱/GM/Fordのタイ自動車生産拠点
自動車メーカー 資本構成 生産モデル 年産能力
MMC Sittipol Co., Ltd. 三菱自 99.91% (Lardkabang Np,1 Plant)
国内向け L200 Strada
54,000
(Lardkabang Np,2 Plant)
トラック、バス
16,000
(Lam Chabang Np,1 Plant)
Lancer Cedia
60,000
(Lam Chabang Np,2 Plant)
輸出用 L200 Strada
60,000
GM (Thailand) Ltd. GM 100% Chevrolet Zafira、
Subaru Traviq、
Alfa Romeo 156、
Isuzu D-Max
120,000
AutoAlliance (Thailand) Co., Ltd. Ford 50%、マツダ 45%、
Mazda Sales Thailand 
Co., Ltd. 5%
Ford Ranger/
Mazda Fighter (B-Series)、
Ford Everest、Ford Laser
Tierra/Mazda 323 Protege
135,000


■タイでの生産/組立を拡充する欧州/韓国メーカー

■BMWは100%子会社で7-Series生産を開始、03年からASEAN域内輸出

 BMWは02年に1,500万Euroを投資して、100%出資子会社のBMW Manufacturing (Thailand) Ltd.に7-Seriesの組立ラインを新設、02年11月に735Liを生産開始した。塗装はVolvo Car の合弁会社Thai-Swedish Assemblyに委託、現地調達率は40%。BMWが7-Seriesをドイツ国外で生産するのは初。タイ製7-Seriesは国内市場向けの他、03年からASEAN域内中心に輸出する計画で、当初はインドネシア向け輸出が予定されている。

 BMW Mfg. Thailandは98年設立、00年に3-Seriesを生産開始(当初は318iAと323iA、01年に330iAを追加)、02年1月にはエンジン組立も開始した。03年3月からインドネシア製530iAを輸入、03年4月からインドネシアに330iAを輸出している。

■現地組立会社で委託生産している、欧州/韓国メーカーの動向

 Volvo Car が56%出資するThai-Swedish Assembly Co., Ltd. は、Volvo乗用車とLand Rover車、Volvoトラック/バスを組立している。Volvoは98年からマレーシアにSKD輸出を開始、01年からは完成車をASEAN域内に輸出している。02年はSKD/完成車合計で約1,000台を輸出、05年までには約4,000台規模へ引き上げる計画。

 DCXは現地組立会社のThonburi Automotive Assmbly Plant Co., Ltd. でM-Benz C/E/S-Classと大型トラック/バスを組立している。Bangchan General Assembly Co., Ltd. でもJeep Grand Cherokeeを組立している。

 Yontrakit Groupはタイ最大の欧州車/韓国車の輸入・販売会社で、VW/Audi/Skoda、Peugeot/Citroen、起亜ブランド車を取り扱っている。組立子会社のY.M.C. Assembly Co., Ltd.ではVW PassatとAudi A6を組立している。VWは03年にAudi A4の組立を追加する計画で、Golf/Poloの組立も検討中。

 Peugeotは406を輸入販売しているが、05年から406後継の407組立をY.M.C. Assembly に委託する計画。Peugeotは03年からインドネシアAstra GroupのGaya Motorで206、04年からマレーシアのCycle & Carriage Bintangで307を組立、ASEAN補完体制を構築する。

 起亜自動車は03年にY.M.C. AssemblyでMPV のCarensの組立を開始する予定。現代自動車もElantraの現地組立を検討中で、Bangchan General Assemblyへの委託計画を進めているとされる。

■欧州各社のタイ自動車生産拠点
自動車メーカー 資本構成 生産モデル 年産能力
BMW Manufacturing (Thailand) Co., Ltd. BMW 100% BMW 318iA/323iA/330iA、
735Li
10,000
Thai-Swedish Assembly Co., Ltd. Volvo Car 56%、
現地 44%
Volvo S40/V40、
S60、S80、V70、
Land Rover Freelander、
Volvo トラック、バス
6,000
Thonburi Automotive Assembly Plant Co., Ltd. 現地 100% M-Benz C-Class、E-Class、
S-Class、大型トラック・バス
12,000
Bangchan General Assembly Co., Ltd. 現地 66% Jeep Grand Cherokee 20,000
Y.M.C. Assembly Co. Ltd. Yontrakit Group 100% VW Passart、Audi A6 12,000
(注) Bangchan General Assembly は、かつて、ホンダが34%出資し、CivicとAccordを生産していたが、
   現在の関係は不明。


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