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自動車業界動向レポート

2001.11.01 09:00 No.023


年産300万基超となるジヤトコ・トランステクノロジーのAT生産
日本各社の変速機生産体制をめぐる動向


  2002年に予定されている三菱自工のAT事業部門とジヤトコ・トランステクノロジーとの事業統合によって、アイシングループに次ぐ年産300万基超の変速機メーカーが誕生する。また、トヨタも、CVT商品化に踏み切り、欧州での変速機生産体制を構築しつつある。以下は、CVTの金属製駆動ベルトの安定供給をめぐる動きを含めて、日本各社の変速機分野での最近動向である。
 
■年産300万基超となるジヤトコ・トランステクノロジーのAT生産
  2001年10月、三菱自工のAT事業部門を、ジヤトコ・トランステクノロジーへ事業統合する計画が発表された。先立って、日産自動車のトランスミッション生産体制も、MT分野を除いて、ジヤトコ・トランステクノロジーへの集約が行われているため、事業統合後のジヤトコのAT生産規模は、現状においても年産300万基超となり、世界最大のトランスミッションメーカーであるアイシングループに匹敵することになった。
 
■日産グループ関係のトランスミッション生産体制日産グループ関係のトランスミッション生産体制
(注) 1. 三菱自工のAT・CVT事業のジヤトコへの統合は2002年半ば。
  2. 日産内製MTの愛知機械への生産移管は1999年3月。MT生産規模は年間30万基。
  3. 日産ディーゼルからフジユニバンスへの生産移管は2001年度(2000年6月発表)。フジユニバンスは、従来トルク容量600N・mまでのMTを年間4500基規模で生産。日産ディーゼルからの移管で800N・mまでのMT生産となり年間10000基規模の生産となる見込み。
 
  日産自動車はミッションの全てについて、三菱自工もATについては、全量を外部調達することになったが、当然のことながら、これまで内製してきた分野についても、ジヤトコ・トランステクノロジー以外からの調達が、いずれは選択肢となる。ジヤトコサイドからみても、最新技術をVWに供給するアイシングループのように、供給先の一層の拡大を図っていくこととなるが、国内に集中した生産体制では日産・三菱自工の海外現地生産のミッション供給にも限界が生じることとなり、グローバルな供給体制構築が中期的な課題となってこよう。
 
■変速機供給先の多様化
 
■アイシンGr.
FR用新電子制御6速AT(AW開発中)⇒VWの商用車に搭載予定
FF用新電子制御6速AT(AW開発中)⇒VWのSUVに搭載予定
FR用6速MT(AI)⇒トヨタ:アルテッツァ、マツダ:ロードスター、日産:シルビア
 
■ジヤトコ・トランステクノロジー
FF用大型5速AT⇒Ford:Galaxy、Jaguar:X-type、Land-Rover:Free Lander、MG:Rover75・Rover45、Seat:Alhambra、VW:Golf・Bora・Sharan・Jetta、Suzuki:Alto、Hyundai:Atoz・Visto(Kia)
 
■(参考)ドイツZFの変速機搭載モデル

CVT(開発中)⇒BMW:New Mini/MG:MGF
4速AT⇒Alfa-Romeo:166/Citroen:C5/Fiat:Ducato/Land-Rover・Discovery/M.Benz:V-Klasse/Peugeot:406・607/Renault:Espace/米国Ford:Couger・Escape/Mazda:626・Tribute
5速AT⇒Alpina:B3・B10・B12/Aston Martin:DB7/Audi:A4・A6・A8・Allroad/BMW:3・5・7series・M3・X5/Jaguar:XJ8・XK8・Daimler4.0/Land-Rover:Range Rover/Porsche:911・Boxster/Rolls-Royce:Silver Seraph/Skoda:Montreux/VW:Passat/米国BMW:X5
6速AT⇒BMW:7series/Audi:A8
5速MT⇒Alpina:B3/BMW:3・5series・M3Roadster・X5/米国BMW:Z3Roadster/米国Ford:F-series
5速AMT⇒BMW:3series

資料:ZF広報資料「Survey2001:ZF in Automobiles」

 
■ATに関する最近動向
三菱自工/
ジヤトコ/
日産自動車
2001年10月、3社が三菱自工の自動変速機事業をジヤトコ・トランステクノロジーに統合する基本合意書に調印。三菱自工は京都と水島のAT・CVT事業部門を2002年4月にも分社化し、2002年半ばにこれをジヤトコと統合する。三菱は独自のAT開発・生産を中止、事業統合後のジヤトコからAT・CVTの供給を受ける。事業統合は株式交換方式で行う予定で、統合後のジヤトコへの三菱の出資比率は2割程度の見込み。三菱は現在自社向けに年間105万基、ジヤトコは日産など17社向けに220万基のAT・CVTを生産。統合後は世界最大級でトヨタ系のアイシンAWの330万基に並ぶ規模となり、2005年には400万基生産を目標とする。三菱自工は人件費などの固定費を中心に年間200億円のコスト削減を図る。ジヤトコは2005年を目処に、日産車にも、三菱車にも搭載できる変速機を開発し、統合効果を高める。
ジヤトコ・トランステクノロジー 2001年度のAT生産計画は210万基(2000年度200万基)。2000年末に納入開始したJaguar向けがフルに寄与、VWの北米用車種への追加や、現代自動車向けも本格化する。2001年度は5速ATが30〜35万基に増加見込み(同5万基)。(日刊自2001.2.9)
ドイツZF 2001年フランクフルトモーターショーで6速ATを発表。BMW7シリーズに採用予定。BMWは日本市場ではジヤトコ製の6速ATを搭載する。
 
トヨタ関係の動き
アイシン精機 2000年10月、アイシンAWとのAT開発体制を見直し。アイシンから軽自動車用AT開発をAWに移管、アイシン本体は商用車用に特化し、AWは軽を含む乗用車全般を担当する。従来は、アイシンはトラック・バス用と軽自動車用、AWはトヨタ向け乗用車用のATの開発・生産を行ってきた。アイシンが取引する軽自動車メーカー各社は、リッターカークラスへの進出を強化、AWも同クラスを手掛けており、開発重複を避ける。また、軽自動車用ATは、リッターカー用と技術面で似通っており、乗用車用専門で開発力の高いAWに移管するもの。
アイシンAW 2004年度中に米国で年産20〜30万基規模でのAT生産開始の予定。開発からの一貫体制とする予定で、2000年6月にミシガン州にテクニカルセンター開設済。
アイシンAW 2001年秋からVWに6速ATを供給開始。2003年からJaguarとRoverにもAT供給を開始する。アイシンAWは欧州でOpel、Saab、Fiat、Renault、Volvoと取引があり、年間35万基のATを欧州へ供給している。(日刊工2001.4.4)
アイシングループ/エクセディ アイシン精機グループが、クラッチやトルクコンバーターなどAT部品を生産している日産自動車系のエクセディとの資本・業務提携を発表。2001年8月に日産が保有するエクセディの全株式23.4%を買い取り、筆頭株主となる。取得額は100億円強の見込み。今後、アイシンとエクセディは、北米生産拠点を相互活用する。アイシンはインディアナ州で商用車用の変速機部品、エクセディはテネシー州で乗用車用変速機部品を生産している。(日経2001.7.4)
豊田工機 米国サウスカロライナ州にトランスミッション部品を生産する新工場建設の着手を発表。2001年11月の完工を目指す。総投資額27億円。初年度30億円、2005年度50〜70億円の売上を目指す。生産するのは、四輪駆動用電磁ロック付カップリングと、AT用電磁弁。電磁弁は主にトヨタ、カップリングはDanaでモジュール化したユニットをFordに納入する。(日本工2001.1.17)
トヨタ 米国向けモデルに搭載するAT生産を2〜3年後を目処に全量現地生産に切り替える。2001年8月発売の新型カムリから現地工場製を採用している。今後V6用AT生産も日本から移管することで、全量現地製に切り替える。(日刊自2001.10.12)

■日本の乗用車各社が商品化導入したCVT
 
CVT(無段変速機)は、2000年にトヨタと三菱自工が新たに生産を開始し、マツダも次期型デミオにジヤトコ製の搭載を決めたことで、日本の乗用車全社が商品化することになった。トヨタは、CVTでの役割分担も、ミドルクラス以上は内製、コンパクトクラスはアイシングループとしたようである。

■日本の自動車メーカーのCVT導入
  生産開始 生産 採用 駆動力伝達方式 備考
ECVT 1987年 富士重工 富士重工
日産
Fiat
スズキ
VDT製金属ベルト 2000年度17.9万基生産
(他社供給9.2万基)
CVTマルチマチック 1995年 ホンダ ホンダ VDT製金属ベルト 2001年10月
ベルトの一部内製を開始
SS-ECVT 1997年 富士重工 富士重工 VDT製金属ベルト フル電子制御
Hyper-CVT 1997年 日産
ジヤトコ
日産 VDT製金属ベルト  
i-CVT 1998年 富士重工 富士重工
Fiat
VDT製金属ベルト フル電子制御
A-CVT 1998年 愛知機械 ダイハツ
スズキ
大宇
乾式複合ベルト
(バンドー化学製)
軽自動車の新規格車に搭載
トロイダル式FR用CVT 1999年 ジヤトコ 日産 ハーフトロイダル式  
Super CVT 2000年 トヨタ トヨタ VDT製金属ベルト エンジンと統合制御
INVCS III CVT 2000年 三菱自工 三菱自工 VDT製金属ベルト エンジンと統合制御
コンパクト車用CVT 2002年
(計画)
アイシンAW トヨタ n.a.  
トロイダル式FF用CVT 2002年
(計画)
ジヤトコ マツダ
(予定)
ハーフトロイダル式 1999年に東京モーターショー出展
(注)1.VDT製金属ベルトは、ボッシュの100%子会社のオランダ・バンドーネ社製。
 
  ところで、日本各社のCVTの駆動力伝達方式のほとんどは、ボッシュの100%子会社であるオランダのバンドーネ社が、ほぼ独占的に供給している金属製ベルトを採用している。その年間生産量は、CVTを本格導入しているのが日本メーカーだけであることもあって、2000年で年間40万台分強、2001年で60万台分程度(年初計画)である。
  ホンダがこの金属製ベルトの安定供給のために、一部自社生産を2001年10月に開始、次いでCVT生産各社の自社生産検討の報道が短期間に相次いだ。その背景は、トヨタと三菱自工の生産開始に加えて、爆発的なヒット車となっているホンダのフィットが全車CVT標準装備のためである。
  但し、金属製ベルト生産は機械設備が必要となるため、相当規模の生産量がなければ採算性の問題が生じ、関連特許の多くもバンドーネ社が保有しているため、自社生産に踏み切るには課題が多い部品である。相次いだ自社生産検討の動きは、バンドーネ社、その親会社であるボッシュへの供給増加と安定供給体制構築を要求したデモンストレーションとみることもできよう。日本のCVT各社の動きに次いで、ボッシュが日本での金属ベルト生産開始計画をプレス発表している。
  日本の各社が金属ベルトの自社生産に踏み切った場合の、もうひとつの問題は、CVTが過渡期の技術、あるいは一部の領域での使用にとどまり続ける技術となる可能性も、依然として残っていることである。CVTのメリットは、燃費改善効果であるが、既存のミッションも技術進化しているため、耐久性やコストも含めて、商品性という面でのトータルのCVTメリットはまだ確立されていない。当面の燃費対策として、日本メーカーの供給により、欧州メーカーのCVT導入が拡大するという可能性も、極めて小さい。CVT採用によって、その狙いの燃費向上をひきだすには、エンジンとの協調制御が必要となるため、導入までにはかなりの開発時間を要するからである。また、10万Km走行以下でのスクラップ廃車が大量発生する日本とは異なり、耐久性も欧州では課題として残り続けるだろう。
  同様に、軽自動車の新規格車導入に合わせて登場した、日本の乾式複合ベルト式CVTも耐久性での難点が残っているため、限られた範囲での使用にとどまり続ける可能性が高い。
  日産が初めて実車搭載したトロイダル式については、現状では、重量と価格に難があり、耐トルク性能以外には明確なメリットがないこともあって、搭載は拡大していない。日産は改良型を上級FR車に順次搭載拡大し、マツダは2年前に発表したFF用トロイダル式CVTの次世代車での商品化計画が報じられているが、共に実現された場合でも、台数規模の広がりが期待できるかどうかは、現段階では、まだ不透明である。

 
■CVTに関する最近動向
トヨタ CVT搭載車を拡大する。現在の搭載車は「オーパ」と、ハイブリッドの「プリウス」と「エスティマ」の3車種。2001年12月にモデルチェンジする「コロナ」、「カリーナ」にも新たに採用し、順次、搭載車を増やす。現在、CVT生産は衣浦工場で月間4000基規模。追加の2車種のCVT搭載車の月販目標を2000台に設定、2001年末までに、増産するエスティマハイブリッド向けも含めて月間7000基程度にCVT生産を拡充。2002年度中には1万基、3〜5年後には数万基に引き上げる。現在はバンドーネ製の駆動ベルトの自社生産も検討すると見られる。(日刊工2001.9.14)
アイシンAW 1000〜1500c.c.クラスのコンパクトカー用CVT開発を完了、2002年には量産体制を整え、トヨタへの供給を開始する。トヨタは「ヴィッツ」など、NBCシリーズ車種への搭載を予定、当初は月間5000基程度の見込み。トヨタは今後、ミドルクラス以上のCVTは内製、コンパクトクラス用はアイシンAWから調達する。(日刊工2001.10.2)
愛知製鋼 自動車用部品用の複雑形状の冷間鍛造品に、後工程での機械加工が不要なネットシェイプと呼ばれる超高精度下降を2002年秋から本格導入する。新工場棟を20002年1月に完工、第一弾として、2002年秋からCVT用シャフトを量産する。(日刊工2001.9.7)
三菱自工/
ジヤトコ・トランステクノロジー
AT・CVT事業を統合するジヤトコ富士工場のCVT生産能力は24万基、三菱の八木工場は30万基。日産が2002年の新型マーチ用CVTを富士重工製からジヤトコ製に切り替えるほか、マツダがデミオにジヤトコ製を採用の予定(日産以外への初のCVT供給)。(日刊自2001.10.13)
ジヤトコ・トランステクノロジー 三菱自工とのAT・CVT事業統合後、三菱の八木工場をCVTの主力拠点とする。八木工場は2000年4月稼動の最新鋭工場で、能力拡張の余地も大きいため、生産を集中する。現在の両社のCVT生産はジヤトコが年間18万基、三菱が13万基。2005年までに合計100万基以上に引き上げる計画。八木工場は2001年20万基のCVTを生産予定だが、能力的には30万基の生産も可能。(日刊自2001.10.6)
ドイツZF 2001年フランクフルトモーターショーでFF用のシフトプログラムECU内蔵の新型CVTを発表。公式には、まだ開発中。近々、量産化を開始し、フランスPSAが採用見込み。
 
■CVTの駆動用金属ベルトに関する動向
ホンダ 2001年10月から、1500c.c.エンジンまで対応可能なCVT用の駆動ベルトを自社生産することを発表。自動車メーカーによる内製は世界初。ホンダエンジニアリングで月間5000本生産して、フィットに搭載する。これまではオランダのバンドーネから全量購入していた。CVTベルトはバンドーネがほぼ独占状態で、供給量が不足気味。ホンダは、フィットの他に、シビック、HRーV、キャパなど年間十数万台規模でCVT搭載車を生産中。今後も引き続いてバンドーネからCVTベルトを調達する方針で「全量自社生産や他社への販売は考えていない(吉野社長)」。(日刊工2001.9.5)
富士重工 CVT用駆動ベルトの自社生産を検討していることが明らかに。CVTベルトの安定供給が狙い。富士重のCVT車の生産台数は年間約17万台、累計で150万台と、現状で世界最大のCVT車メーカー。富士重工はバンドーネ社とCVTベルトを共同開発しており、「内製化に技術的な問題はない」としている。しかし、バンドーネはCVTベルトで100%近いシェアを持っているため、バンドーネとの関係維持が課題。(日刊工2001.9.12)
ジヤトコ・トランステクノロジー CVT用駆動ベルトの自社生産の検討を開始した。安定供給が狙い。2002年半ばに三菱自工の変速機部門と事業統合すると、CVTの生産台数は年間60万基程度に増加することも背景。(日刊工2001.10.8)
ボッシュ 2001年10月25日、東京モーターショーでの記者会見で、2004年を目処にCVTの基幹部品である金属製駆動ベルトの日本での生産開始計画を発表。CVTの需要増によるベルトの供給不足に備える。ボッシュは世界のCVTベルトの9割以上のシェアを持つ。関連特許はボッシュ子会社のバンドーネが押さえ、生産もほぼ独占的にボッシュグループが手掛けてきた。生産方法、設備投資額、生産数量などは今後詰める。
 
■乾式複合ベルト式CVTに関する動向
愛知機械 2002年にも乾式複合ベルト型CVTの新型を市場投入する。ベルトの設計を見直し、価格を従来より1〜2割引き下げる。燃費性能も従来製品より1割程度の向上を目標に開発中。愛知機械の現在のCVT生産は月間4〜5万基で、生産ラインの稼働率は5割程度。新型投入により現在の納入先であるスズキ、ダイハツ、大宇自動車以外への納入も図る。(日経産業2001.9.14)
バンドー化学 CVT用の乾式複合ベルトを開発したバンドー化学の出荷量が2001年9月に10万本を達成。量産開始は、軽自動車の新規格変更が行われた98年で、スズキとダイハツが採用。99年には大宇の800c.c.乗用車にも採用。現在の生産量は月産5000本、2001年度中に1万本に拡充予定。2003年を目標に、日欧の自動車メーカーも参加して、1000c.c.クラスの乗用車用ベルトも開発中。(神戸新聞2001.9.25)
 
■トロイダル式CVTに関する動向
日本精工 次世代型トロイダルCVTの基盤技術パワースプリットCVTを開発した。一般的な4速ATより燃費を最大25%の燃費向上が可能で、低速走行時と高速走行時で作動方式を切り替える仕組みにより、変速比幅は従来型のCVTの1.6倍以上となり、対応速度領域が広がり、動力伝達効率も高まる。変速機本体は既に実用化したハーフトロイダルCVTと同じ構造。(日経産業2001.5.24)
日産 2002年にもスカイラインに次世代型トロイダルCVTを採用する。トロイダルCVTは、耐トルク性に優れる反面、変速比の幅を広げることが難しく、トルコン式ATより重量が重くなりがちで、燃費改善に難があった。変窺溝に遊星歯車を組み合わせた新構造を実用化し、クラストップレベルの燃費と走行性能を具体化した。これまではコストや重量に課題があったため、搭載車をセドリック/グロリアに限定していたが、上級FR車に順次展開する計画。(日刊自2001.7.24)
マツダ 小型車ファミリアに搭載可能なコンパクト化と、3000c.c.エンジンに対応する耐トルク性を両立したFF用トロイダルCVTの開発に、遊星歯車を活用したGN(ギアードニュートラル)発進方式を採用して、目処をつけた。2002年以降に投入する次世代車に搭載の計画。(日刊自2001.8.16)

■MT分野の欧州対応を進めるトヨタ
 
MTでは、日産が小型車用MT開発をRenaultに集約して、協業効率を高める方向の他、トヨタは欧州でのMT生産体制を整えつつある。PSAとの合弁生産車用を含めると、2002年稼動のポーランド工場は年産55万基のMT生産拠点化する。
  アイシン精機とアイシンAIが共同開発したAMTも、トヨタの欧州対応の一貫であり、ヤリスに採用予定である。AMTはクラッチによるシフト切り替え時に、トルク抜けが生じるため、AT感覚になれた日本市場での普及可能性は小さいというのが、開発サイドの評価であるが、それだけではなく、AT普及が進んだ日本市場で、それよりも低価格設定のAMTを出す、経営上の積極的な理由が見出せないという要素も大きいであろう。


■MTに関する最近動向

アイシン精機 アイシンAIと共同でオートメイテッド・トランスミッション(AMT)を開発。AMTは手動変速機(MT)に自動シフト機構を備え、スポーティーカーなどへの採用が見込める。2001年中にも量産開始する。AMTはMTと同じ基本構造だが、クラッチペダルがなく、手動によるシフトチェンジ時はクラッチをコンピューター制御で作動させる。また、オートモード時はシフトチェンジしなくてもATと同様に自動でシフトのアップ・ダウンを行う。欧州ではBenz、Opel、Renaultが採用している。アイシン精機が開発したAMTは、MTよりも燃費が5%向上、価格はATより安くできるという。(日刊工2001.9.20)
トヨタ PSAと合弁生産する小型車のMTを2002年稼動のトヨタのポーランド工場で生産する方向。TMMPはトヨタの欧州生産車カローラ、ヤリスなど向けのMTを年間25万基生産する計画だが、低価格化が必要なPSA合弁生産向けは、アイシン精機グループが生産を受け持つ。アイシングループがTMMPに出資し、専用生産ラインを設置する案が有力。年間30万台生産予定のPSAとの合弁生産車は全社がMT搭載で、アイシングループが開発・生産を受注の見込み。(中日新聞2001.9.6)
日産 欧州で販売する小型車向けのMTをRenaultから調達することを決めた。2002年全面改良のマーチの欧州モデルであるマイクラから採用を開始。(日刊工2001.10.10)
日産/Renault 日産は小型車用MT開発をRenaultに集約し、次世代MTの開発を待って、排気量1000〜2000c.c.の小型車を中心に2004年にもRenault設計のMTを採用する。マーチ、キューブ、サニー、プリメーラなどの主力車を含む。ただし、スカイラインGT-R用のような大きな排気量車に搭載するMTはRenaultにノウハウがないため日産が引き続いて開発する。日本では乗用車販売の89%をATが占め、欧州では8割前後をMTが占める。MT開発をRenaultに集約することで市場の違いを生かした日欧間の協業を加速させる。(日経産業2001.1.5)

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