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自動車業界動向レポート

2001.11.01 09:00 No.019


GMとの連携の成否が左右するいすゞの中期経営計画
DE生産は2000年71万基を2005年180万基水準へ拡大


  1992年に、乗用車(生産)事業から撤退し、商用車とRVおよびコンポーネントに事業集中する経営転換を行ったいすゞの業績は、国内トラック市場の崩落の影響もあって、低迷を続けてきた。2001年5月発表の新中期計画は、川崎工場閉鎖を含む国内事業体制のスリム化に本格着手し、GMとの全面的な連携に活路を求める内容となっている。計画が奏功すれば、いすゞの事業体制は、絞り込んだ事業の中核生産拠点をグローバルに配置するユニークな形態となるが、GMとの連携の成否によって全てが左右される内容でもある。
 
■23.4万台に縮小したいすゞの国内生産
  いすゞ自動車の国内自動車生産は年間23.4万台にまで縮小した(2000年)。2000年の国内販売台数は7万台であり、うち4.3万台が小型貨物車エルフである。完成車輸出が17万台で、輸出比率は68.4%。いすゞ広報資料によるKDセットを含んだ台数では、生産42万台強、輸出36万台弱に規模が拡大するが、輸出比率は85%に達する。KDセットを含んだ輸出の地域別内訳では、アジアが19万台で過半を占める。アジアを除くとその他地域へは2〜4万台規模の輸出となっている。但し、KDセットの輸出台数も96年の半分に縮小している。
 
■いすゞの日本での自動車生産台数 (台)
  1996年 1997年 1998年 1999年 2000年
中大型車
小型車
63,212
271,258
48,621
307,883
27,063
266,544
26,365
231,737
29,617
204,158

合計

334,470 356,504 293,607 258,102 233,775
資料:いすゞ自動車広報資料
(注) 1. 中大型車はHeavy-Duty Vehicle、小型車はLight-Duty Vehicle。
 
■いすゞ の日本からの自動車輸出台数 (台)
  1996年 1997年 1998年 1999年 2000年
中大型車
小型車
21,178
169,799
16,197
215,820
10,570
216,490
9,517
193,274
10,884
158,706
KDセット 362,821 315,471 222,978 174,492 187,770

合計

334,470 356,504 293,607 258,102 233,775
資料:いすゞ自動車広報資料
(注) 1. 2000年の KD セット輸出187770台のうち、中大型車は108台、小型車が187662台。小型車のうち、Pickup が96763台、N Series(Elf) が41166台。
  2. KD セットはJAMA統計等では生産・輸出台数に含まれず、海外生産用部品として集計されている。
 
■いすゞ自動車の国内新車販売台数 (台)
  1996年 1997年 1998年 1999年 2000年 2000.1-9 2001.1-9
アスカ(注2) 921 767 983 642 649 472 467
ジェミニ 2,224 2,343 1,624 1,244 547 546  

小型乗用車合計

3,145 3,110 2,607 1,886 1,196 1,018 467
エルフ(注3) 72,515 66,914 48,006 44,198 42,844 31,271 29,179
ファーゴ(注4) 3933 3,529 2,985 2,487 2,190 1,705 857
COMO(注4)             636
フィリー(注5)   428 686 524 393 328 173
ビギン(デリバリーバン)             74
ビッグホーンW 13,998 9,097 6,875 4,574 2,996 2,494 1,682
ミューワゴン 5,707 3,506 1,431 4      
ヴィークロス   1,078 438 235      

小型貨物車合計

96,157 84,554 60,421 52,022 48,423 35,798 32,601
3〜4トン級貨物車 19,178 18,023 12,888 11,943 10,373 8,020 8,299
その他貨物車 16,624 15,876 9,647 8,417 8,595 6,884 6,455

普通貨物車合計

35,802 33,899 22,535 20,360 18,968 14,904 14,754
30人乗以上バス 1,184 1,203 1,074 990 988 833 762
29人乗以下バス(注6) 357 314 207 237 274 232 171

バス合計

1,541 1,517 1,281 1,227 1,262 1,065 933

総合計

136,645 123,080 86,844 75,495 69,849 52,785 48,755
資料:「新車登録台数年報(自販連)」
(注) 1. 1996〜97年の小型貨物車合計にはその他の台数を含む。普通貨物車その他にはトラクター含む。
  2. ホンダ Accord ベースのOEM受給車(94.3月〜)。
タイにおいても、Integra ベースの Vertes をOEM受給している(96.8月〜)。
  3. 内数の エルフ100(積載量1〜1.3t) は日産 Atlas ベースのOEM受給車(95.6月〜)。
なお、いすゞからはエルフ(積載量2t級)ベース車を、日産にAtlas、日産ディーゼルに CondorとしてOEM供給している(95.6月〜)。
  4. 日産 Caravan ベースのOEM受給車(95.8月〜)
  5. 日産 El Grand ベースのOEM受給車(97.7月〜)
  6. モデル名はJourney:日産 Civilian ベースのOEM受給車(93.8月〜)
 
■2000年のいすゞ の地域別・車種別輸出台数 (KDセットを含む)
(台)
  アジア 欧州 中近東 北米 中南米 アフリカ 大洋州 合計
中大型車 4,335 10 271 1,269 1,642 1,148 2,290 10,965
N Series (Elf)
Pickup
Trooper
UC/UE
その他小型車
43,974
90,510
1,596
8,883
40,866
10,900
5,390
4,042
注2
6
5,141
6,282
1,728
0
12
17,204
43
20,477
注3
1,835
8,081
23,332
1,140
1,140
0
6,008
31,206
420
1,050
0
2,821
7,636
2,939
1,397
0
94,129
164,456
32,390
12,470
42,614
全車種 190,164 20,348 13,434 40,828 35,335 39,832 17,083 357,024
資料:いすゞ自動車広報資料
(注) 1. 国際機関等その他への輸出336台を含まない。UC/UEは、Frontera、Rodeo、assport、Amigo、等。
  2. 欧州へのUC/UE輸出台数はゼロだが、組立生産用コンポーネンを英国に22212セット輸出。
  3. 北米へのUC/UE輸出はゼロだが、組立生産用のコンポーネントを米国に99793セット輸出。
  4. Pickup、Trooper、その他小型車の内訳と合計が一致しないが原資料のまま。
 
■成長しなかったGMとの連携事業とエンジンビジネス    
  いすゞの連結業績をみると、事業縮小による悪化のなかで、総資産が増加する一方で純資産は減少し、従業員数も増加するなどのアンバランスが著しい。設備投資は総額では大きな減少となっていないが、自動車事業については2000年度244億円と96年度の1/3近くに減少している。研究開発費は人件費ウェイトが大きいこともあって、一定水準が維持されている。
  OEM関係が複雑な台数関係をみると、連結販売台数は2000年度で35.5万台であり、エンジン・コンポーネントの売上高も2000年度までの時点では大きな増加とはなっていない。また、GMによるいすゞ車生産も増加しておらず、米国SIAの生産も10万台を前後して推移している(SIAの交渉生産能力は12万台)。
 
■いすゞ自動車の連結業績 (100万円)
  1996年度 1997年度 1998年度 1999年度 2000年度
売上高

自動車事業

1,923,267
1,832,205

1,799,604
1,706,126
1,619,101
1,518,978
1,506,642
1,404,993
1,569,199
1,461,174
営業利益

自動車事業

24,731
28,339
11,702
8,690
9,180
5,379
(50,797)
(52,646)
(27,316)
(29,899)
営業利益
税引前利益
純利益
14,704
13,998
9,582
1,496
17,763
6,039
(5,784)
16,111
6,235
(68,047)
(150,937)
(104,186)
(47,435)
(73,300)
(66,787)
設備投資

自動車事業

127,100
66,636
126,500
63,885
109,700
47,737
113,800
45,338
99,000
24,390
減価償却費

自動車事業

86,500
42,526
93,300
44,810
95,800
42,912
93,400
39,253
104,700
47,544
研究開発費

いすゞ単独

n.a.
52,900
n.a.
59,300
n.a.
57,800
71,800
71,000
69,600
69,200
従業員(人) 26,866 29,118 28,508 28,802 30,232

総資産

自動車事業

純資産

1,629,852
1,270,074
116,465
1,730,857
1,354,689
122,215
1,627,302
1,270,606
177,771
1,843,053
1,509,504
169,338
1,891,492
1,441,505
94,108
(注) 1. 自動車事業以外の設備投資額は、自動車販売に関る金融事業のリース資産購入。
  2. 自動車事業は部品・コンポーネントを含み、事業別セグメント情報による連結調整前値。
  3. 研究開発費の「いすゞ単独」は単独決算報告書記載の研究開発費。
  4. セグメント情報による地域別の売上高・営業利益は以下。 (100万円)
■外部売上高 1997年度 1998年度 1999年度 2000年度
日本
北米
その他
1,190,417
551,867
57,318
922,359
642,942
53,798
904,007
523,269
79,364
884,010
588,212
96,976
連結 1,799,604 1,619,101 1,506,642 1,569,199
■営業利益 1997年度 1998年度 1999年度 2000年度
日本
北米
その他
10,539
1,012
4,681
1,912
7,706
1,158
(46,277)
677
(3,790)
(7,914)
(16,265)
(1,090)
連結 11,702 9,180 (50,797) (27,316)
    (注) 1.営業利益の各地域は連結調整前のため合計(連結)と一致しない。
 
■いすゞの連結自動車事業の生産・販売内訳
 
■生産実績
(台、100万円)
  1998年度 1999年度 2000年度
台数 金額 台数 金額 台数 金額
大型車
小型車
27,063
266,544
135,775
377,581
26,365
231,737
130,902
329,489
29,617
204,158
 
合計 293,607 513,356 258,102 460,391 233,775 n.a.
■販売実績
  1998年度 1999年度 2000年度
台数 金額 台数 金額 台数 金額
大型車・中型車
小型車
乗用車
33,668
377,625
1,989
184,079
740,699
2,893
29,810
356,719
1,748
167,745
648,893
2,700
33,156
319,754
2,183
197,936
629,904
3,427
合計 413,282 927,672 388,277 819,339 355,093 831,268
海外生産用部品
エンジン・コンポーネント
補給部品等

 

42,801
153,938
428,772

 

74,125
124,874
421,821

 

74,806
161,545
438,393
自動車事業合計

 

1,553,184

 

1,440,161

 

1,506,013
資料:いすゞ自動車の連結決算資料
(注) 1. 生産台数と販売台数の大きな差異は、生産実績に米国SIA等の他社生産車等を含まないことによる。    その主な生産実績は以下。
  ■GMによるいすゞ車生産台数 (台)
  1996年 1997年 1998年 1999年 2000年
GM-IBC
GM-Isuzu
29,511
20,344
25,048
17,378
24,646
20,379
38,661
12,945
33,476
4,365

合計

49,855 42,426 45,025 51,606 37,841
  (注) 1. GM-IBCは、1987年にGMと英国合弁生産開始の Frontera の生産台数。
  2. GM-Isuzuは、1994年に米国GM工場で生産開始の Isuzu NPR、95年開始のIsuzu Hombre、96年開始の Isuzu medium-duty trucks の生産台数。
  ■米国SIAのいすゞ生産台数 (台)
  1996年 1997年 1998年 1999年 2000年
Passport
Isuzu 車
29,136
66,988
25,080
59,631
25,330
86,639
23,112
76,018
21,197
79,524

SIA合計

96,124 84,711 111,969 99,130 100,721
  (注) 1. SIAは、Subaru-Isuzu Automotive, Inc. 富士重工が51%、いすゞが49%出資。
    2. Passport は Isuzu Rddeo(4-door)ベースのHonda hへのOEM供給車。
 
■ディーゼルエンジン生産は71万基、生産能力は145万基、2005年計画は180万基
  1992年に経営の柱のひとつと位置付けられたエンジン・コンポーネント事業の中心となるディーゼルエンジン(DE)の生産状況は、2000年で71万基。5000c.c.未満のLight-Duty Engineに増加の兆しが現れてはいるが、96年以降の推移では大きくは増加していない。これに対して、DE生産能力は145.5万台で、2000年生産実績の2倍である。いすゞの中期計画では、2005年180万基レベルのDE生産が目標となっている。現状よりも100万基の生産増加が必要となるが、GMグループへの供給を除いた、他社へのDE供給は大きな数量では進展していない。2001年7月にSaabに供給を開始したV6・3000c.c.DEは、他社への供給も有力となっているが、2002年秋に予定されているFiatへの供給は年間1万基程度、Renaultへの2002年からの供給交渉も年間1〜2万基とされている。同じく2002年目処に開始予定のスズキの欧州向け小型車への1700c.c.DE供給も1〜2万基、英国ホンダへの供給はCivic用1700c.c.にとどまり、Accord用2000c.c.はホンダの自主開発DE搭載となった(開発はいすゞが支援)。スズキの海外生産車用の2000c.c.DEもFiatが供給交渉中である。2000年を前後する5年間程度の期間に欧州各社は、コモンレール型直噴DEを中心に、800〜4000c.c.程度までの開発を完了、あるいは完了予定であることも、いすゞのDE外販には厳しい条件である。DE供給増加の柱となりそうなのはいすゞ・GMブランド合計で年間80万台規模が計画されている、GMとの多目的車と1トンピックアップの共同開発であるが、GMブランド車の現時点での計画はガソリンエンジン搭載である。
 
■いすゞ ディーゼルエンジン生産台数 (基)
  1996年 1997年 1998年 1999年 2000年
Heavy-Duty Engine
Light-Duty Engine
81,803
730,805
68,757
630,033
43,817
479,756
43,873
570,295
47,554
665,702
合計 812,608 698,790 523,573 614,168 713,256
資料:いすゞ自動車広報資料
(注) 1. Light-Duty Engineは排気量5000c.c.未満、Heavy-Duty は5000c.c.以上。
  2. 産業用エンジンも含む。
 
■いすゞのディーゼルエンジン(DE)年間生産能力
(基)
北海道工場
栃木工場
藤沢工場
川崎工場
Passenger car DE
Light-duty and Medium-duty DE
Passenger car and light-duty DE
Heavy-duty DE

236,000
115,000
274,000
162,000

  国内小計 787,000
(米国)DMAX, Ltd.
(ポーランド)Isuzu Motors Polska Sp.zo.o.
(タイ)Isuzu Engine Manufacturing Co., Ltd.
(インドネシア)P.T. Mesin Isuzu Indonesia
Medium-duty DE (6599c.c.)
Passenger car DE (1686c.c.)
Light-duty DE
Light-duty DE

200,000
300,000
125,000
43,000

 

世界合計

1,455,000

資料:いすゞ自動車広報資料
(注) 1. 北海道工場は、medium-duty DE の components 工場でもあり、1487c.cと1686c.c.のDEの他、RV用の3165c.c.と3494c.c.の、いすゞ唯一のガソリンエンジンも生産。藤沢は2499〜3059c.c.DE、栃木工は、4334〜5193c.c.DE、川崎は7127〜30390c.c.DEを生産している。
  2. 米国で、Isuzu Motors America, Inc.が Development and distribution of DE を担当。
  3. ドイツで、Isuzu Motors Germany GmbH がDevelopment, purchasing and quality assurance of DE を担当。
  4. 米国DMAXの現在の生産能力は年産10万基、20万基は2004年計画。最終計画は30万基。
   5. DE生産海外4拠点へのいすゞの出資比率は以下。
米国: Isuzu America 60%、GM 40%
ポーランド:Isuzu 100%
タイ:Isuzu 7%、Isuzu Motors Thailand 44%、Tri Petch Isuzu 12%、Mitsubishi Corp. 3%、Local 34%
インドネシア:Isuzu 36.7%、GM 3.4%、Itochu 14.8%、Tomen 2.7%、Pantja Motor 32.8%、Garmak Motor 7.2%、Isuzu Asia 2.4%
 
■ポーランドのエンジン工場と、多目的車160Projectで本格化するGMとの連携
  いすゞとGMとの全面提携の基本協定が調印されたのは1971年であるが、30年を経て、新しいステージに入りつつある。いすゞのポーランド工場からのOpelへのディーゼルエンジン供給と、途上国市場中心に投入が予定されている多目的車開発の160Projectの具体化、および米国でのフルサイズ用ディーゼルエンジン生産合弁会社DMAXの設立である。1997年の「GMグループのディーゼルエンジンをいすゞ中心に開発・生産する」合意と、1998年の「GMグループの商用車について、いすゞが開発の責任を担っていく」合意をベースにした新しい連携事業群であり、これまでの連携事業とは規模を異にする、今後のいすゞの中核事業計画でもある。
 
■いすゞとGMとの連携事業
  供給先 生産工場 開始年 供給量(Units)
■Component Supplies by Isuzu 1999年度 2000年度
1700c.c. indirect DE Adam Opel Isuzu Hokkaido 1987年 119,000 56,000
1700c.c. direct injection DE Adam Opel IMPS 1999年 64,000 154,200
6600c.c. direct injection DE GM Truck Group DMAX, Ltd. 2000年   9,200
■Production Collaboration
Gasoline light-duty truck Isuzu America
GM Truck Group
GM Janesville 1994年 6,600 5,700
Medium-duty truck Isuzu America
GM Truck Group
GM Janesville 1997年 1,500 3,000
■OEM Vehicle Supplies by Isuzu
Light-duty Truck GM Truck Group Isuzu Fujisawa 1986年 4,500 7,000
1-ton pickup truck GM Europe Isuzu Fujisawa 1983年 3,500 3,100
1-ton pickup truck GM Thailand Isuzu Thailand 1997年 100  
■Vehicle Joint Development
1-ton pickup truck Isuzu/GM territories Isuzu/GM plant 2002年  
Utility vehicle (160 Project) Developing Countries Isuzu/GM plant 2000年 インドネシアでPanther投入済み
資料:いすゞ自動車広報資料
(注) 1. DEはディーゼルエンジン、IMPS と DMAX(2000年7月) の2000年度供給量は2001年の計画値。
  2. IMPSは、Isuzu Motors Polska Sp. zo.o.。DMAXの供給開始は2000年7月。
  3. 低価格多目的車の世界戦略モデルを開発する160Projectの第1弾として、インドネシアで、いすゞのPickupをベースに開発した9人乗り多目的車Pantherを2000年9月にフルモデルチェンジ投入。エンジンはいすゞの2500c.c.直噴ターボDE (旧型は2500c.c.ガソリンエンジン)。2003年に6万台生産を計画。
2001年にはフィリピンでもHi-Landerとして組立投入予定の他、台湾(組立)・中近東に投入して年間7.5万台販売を計画。その他のアジア諸国と中南米にはGMがガソリンエンジン搭載で投入の計画。1-tonpickup との合計では、GM・いすゞ合計で年間80万台規模の販売台数となる計画。
  4. 日本経済新聞(2001.10.27)よれば、いすゞとGMが中国での共同事業展開に合意。2002年春にもGMが築く新販売網でいすゞ製中小型トラックの販売を開始、新たに大型トラックを現地生産することも検討する。いすゞは現在年間5万台の中国での商用車販売を2〜3年内に10万台まで引き上げる。
 
■55万台超の海外生産能力、中国・アジアで40万台超
 米国を除くと組立生産となるが、いすゞが出資している海外生産能力は55万台強あり、うち40万台超は中国とアジアに集中している。いすゞが2001年5月に発表した中期計画では「2005年に180万基レベルのDE生産」を除くと、台数目標の記述は皆無であるが、これまでに発表されてきた計画(検討を含む)では2000年代半ばの海外生産能力は70万台弱であった。しかし、中期計画で打ち出された新たな方向はGMの生産インフラの活用であり、いすゞ工場としての現状以上の海外生産能力の拡充は、中国を除いては可能性が低いであろう。
 
■いすゞ自動車の主要な海外自動車生産・組立拠点
現地法人 出資 設立 生産車種 生産能力

米国

SIA:Subaru-Isuzu Automotive Inc. いすゞ 49%

1987年

RV

120,000

中国

慶鈴汽車股份有限公司
QinglingMotorsCo.,Ltd.
いすゞ 7.4% 1985年 商用車
RV
100,000
江鈴五十鈴汽車有限公司
Jiangling-Isuzu Motors Co.,Ltd.
いすゞ 12.5%
伊藤忠12.5%
1993年 小型商用車 5,000
広州五十鈴客車有限公司
Guangzhou Isuzu Bus Co.,Ltd.
いすゞ 49% 2000年 中・大型バス 1,000
タイ 泰国いすゞ自動車
Isuzu Motors Co.,(Thailand) Ltd.
いすゞ 47.94%
伊藤忠12.5%
1966年 大型・小型商用車

155,000

インドネシア パンチャモーター
P.T. Pantja Motor
いすゞ 12.5%
伊藤忠12.5%
1974年 アジアカー
商用車
75,000
フィリピン いすゞフィリピンズ
Isuzu Philippines Corporation
いすゞ 35% 1995年 バス
小型・中型商用車
15,000
マレーシア マレーシアン トラック&バス
Malaysian Truck & Bus Sdn. Bhd.
いすゞ 20%
DRB 40%
HICOM 40%
1994年 小型・中型商用車
中・大型バス
36,000
台湾 台湾五十鈴汽車工業股份有限公司
Taiwan Isuzu Motors Co., Ltd.
いすゞ 87.64%
伊藤忠10.6%
1995年 アジアカー
小型商用車
27,000
ベトナム いすゞベトナム
Isuzu Vietnam Co., Ltd.
いすゞ 35%
伊藤忠35.0%
1995年 小型商用車
RV
500
トルコ アナドールいすゞ
Anadoul Isuzu Otomotiv Sanayi Ve Ticaret A.S.
いすゞ 17%
伊藤忠12.7%
1980年 小型商用車 7,500
エジプト ゼネラルモーターズ エジプト
General Motors Egypt SA.E.
いすゞ 20.0%
GM 31.0%
1983年 小型商用車
Opel乗用車
13,000
チュニジア インダストリ メカニク マグレビン
Industries Mecaniques Maghrebines
いすゞ 2.4%
GM 4.8%
1982年 小型商用車 3,000
資料:いすゞ自動車広報資料
(注) 1. 米国は製造、他は組立。年産能力の緑色表示は1999年生産実績。米国・エジプトはいすゞブランド車のみの台数。この他に、GM拠点での生産と、途上国での小規模委託組立拠点がある。
  2. 現地調達率は米国70%、中国慶鈴60%、中国江鈴75%、タイ60%、インドネシア40〜60%、マレーシア20%。その他はn.a.。中国広州は2001年生産開始。
  3. いすゞの出資の一部に、海外子会社による出資を含む。フィリピンには三菱商事も35%出資。
  4. 中国での最近動向は以下。2001年3月、広州五十鈴が、いすゞの大型観光バス「ガーラ」シリーズと、中型観光バス「ガーラ・ミオ」シリーズ、大型路線バス「LT」シリーズの生産を開始、初年度100台、2004年度までに1000台レベルの生産を計画。従来は小型トラック(エルフ)とRV(ウィザード)を生産してきた慶鈴汽車も、2001年4月、5〜12トンのいすゞ大型トラック「Fシリーズ(日本名・フォワード)」の生産を開始、2004年度には2万台生産の計画で、現地調達率は70%。大型トラック「ギガシリーズ」も現地生産する計画で、中国政府に認可申請中。なお、2001年内にも中国から日本にトラック・バスを輸入したい考えをいすゞ社長が明らかにした、との報道もある(朝日新聞 2001.4.19)。
 
■売上規模拡大のない中期経営計画
 
2001年5月発表のいすゞの新中期経営計画「Isuzu V Plan」は、2004年3月期の連結売上高を1兆5200億円に設定した売上高増加のない中期計画である。総資産の圧縮も2001年3月期に対して40%超の規模に達する。事業体制を国内体制を中心にスリム化する一方、GMとの連携を拡大強化して、特定した事業目標に経営資源を集中する計画である。そのなかで、SUVは米国、小型トラックはASEANを中核拠点化し、中国も中大型トラックとバスおよびDE生産での中核拠点化が計画されている。
 
■いすゞ自動車の中期経営計画「ISUZU V PLAN (2001年5月28日)」の概要
  ■2004年3月期目標 (除く金融セグメント)
    連結売上高:1兆5200億円(2001年3月期実績:1兆5692億円)
連結営業利益:600億円以上
連結当期利益:300億円以上
有利子負債:5100億円
総資産:1兆1100億円(2001年3月期実績:1兆8915億円) 
  ■企業価値回復:国内コスト構造の回復
    国内偏重の肥大化した生産、販売インフラと要員をスリム化し、適正な規模とする。
コスト削減と資産の圧縮を図り、グループ全体を無駄のない企業体質とする。
1.国内生産インフラ集約
      グローバルレベルで、生産拠点の適正化と集約を図り、国内生産を3拠点体制とする。
      目標: 生産最適配置により、全体稼働率を現状50%→90%以上に。
      施策: ■川崎工場を2005年末閉鎖。
■生産拠点の集約。
         車両生産: 藤沢工場に集約。
輸出向けピックアップトラック生産はタイに移管(2003年)。
SUVの生産主体は北米に移管。
         エンジン生産: 栃木工場→商用車(以下CV)用エンジン。
北海道工場→海外向けエンジン・コンポーネント。
藤沢工場→RV用ディーゼルエンジン(以下DE)。
    2.グループ要員削減
      目標:グループ全体要員38000人を3年間で9700人(約26%)削減して28000人規模へ。
    3.調達コスト低減
      目標: 資材費低減3年間で20%。
      施策: ■仕様の見直し:車型70%削減/コンポーネント機種削減50削減。
■部品共通化:新旧車種間・車型間の共通化拡大。
■ベンチマークの徹底:GMのWWP(ワールドワイドパーチェシング)活用。
■コアサプライヤー選定:現状約470社→300社程度へ(GM・WWPと連携)。
■開発・生産・購買共同の専任チーム(180名体制)活動強化。
    4.連結総資産圧縮
      資産・株式売却により、自己資金捻出とキャッシュフロー改善を図る。
    5.国内販売会社収益体質強化
      目標: 2004年3月期に全店黒字化。
      施策: ■商用車販売会社の統合加速:全国25社程度に統合 (現状41社)。
■サービス拠点再配置(機能集約・強化):全国320拠点程度に統合(現状400拠点)。
    6.グループ関連企業の再編
      目標: